ピックアップ・特集
アタ・ランギ(Ata Rangi)
アタ・ランギ
「アタ・ランギ」
「1980年に設立された」
クラウディ・ベイの醸造家ケヴィン・ジャッドがイヴニング・ポストのインタヴューにこう答えました。
アタ・ランギは消費者や評論家だけでなく、醸造家からも敬愛されている ワインです。
1980 年クライヴ・ペイトン、妻のフィル、クライヴの妹のアリソンと彼女の夫オリヴァー・マス ターズの4人によって設立されました。
アタ・ランギとはマオリの言葉で“新しい始まり、夜明けの空”という意味です。
新しいワイン造りの出発点という気持ちを込めたネーミングでした。 妥協を許さぬ徹底した品質重視のブドウ栽培と醸造により、アタ・ランギのピノ・ノワールは瞬く間にニュージーランドのトップ・ワインと評されるようになりました。
またロンドンで開催される世界最大級のコンテスト、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションで1995 年、1996 年、2001 年と3度最優秀ピノ・ノワール・トロフィーを受賞しました。これは同ショーの歴史のなかでも類をみない快挙です。
ワインには天然酵母を使っているのがアタ・ランギの特徴でもあります。
天然酵母は扱いにデリケートさを要求されますが、独特の複雑さと深みある風味を生み出すもととなっています。
“ビッグではないが濃縮した深みのあるワイン”がアタ・ランギの特徴であり目指しているスタイルであるとクライヴ・ペイトンは言っています。
ワインはいずれもシルキーできめ細か。熟成するほどに複雑な香りが現われてきます。
ニュージーのロマネコンティ
「ぶどう畑のどこかにエイベル・クローンが」
「手の行き届いたぶどう畑」
マーティンボロの伝説的葡萄クローンに「エイベル・クローン」と言うのがあります。
自身のワイナリーを持つ税関職員エイベル氏がロマネ・コンティの畑から葡萄樹の枝を持ち込もうとした旅行者の切り枝を没収し、正式に検疫・通関し、畑に植えたものが元です。
そのワイナリーで勉強していたのがアタ・ランギのクライヴ・ペイトンです。
クライヴ氏はこのクローンを株分けしてもらい、自分の畑の中心に用いることにより、 独特の濃縮した深みのあるピノ・ノワールを誕生させたのです。
”ニュージーのロマネ・コンティ”と呼ばれるゆえんです。