史上最年少でパーカー100点を獲得しベッドロックのオーナー・ワインメーカーのモーガン・ピーターソンと共同オーナーのクリス・コトレルが造る別ブランド「アンダー・ザ・ワイヤー」はこだわりの少量生産のファイン・カリフォルニアスパークリングワインです。小規模で自社畑かつ自社醸造で造るレコルタン・マニュピュランのシャンパーニュの中でも特別な生産者が特別な区画から造る、メゾン物でないシャンパーニュの素晴らしさに影響を受けて、カリフォルニアでも特別な畑からそのテロワール・ヴィンテージ・品種の個性を描き出したファイン・スパークリングワインを造ろうと始めたプロジェクトです。初ビンテージは2011年。
影響を受けたシャンパーニュの生産者は、シャルトーニュ・タイエ、ジャック・セロス、ユリス・コラン、ジェローム・プレヴォー、ヴェット・エ・ソルヴェなど。

アンダー・ザ・ワイヤーの意味は二つあり、一つはそのままの意味でミュズレ（スパークリング・ワインのコルクと瓶を止める針金＝ワイヤー）の下にあるワインという意味。もう一つは、英語の表現で「ぎりぎりにやっと間に合った」という意味からで、カリフォルニアでは日照量の豊富さから大手のスパークリング会社は酸が落ちないようにまだグリーンな糖度が低いうちから収穫してしまう。しかしそれでは葡萄の成熟は十分ではなく、畑の個性は十分現れない。モーガンとクリスはスパークリングにする葡萄が酸と成熟の丁度良いぎりぎりのタイミングをとらえることが信条であることからこの表現をブランド名としました。

選び抜かれた特別な畑から唯一無二の個性を持つスパークリングを造ろうと、2011年ヴィンテージでデビューしました。多くの評論家から絶賛を受けますが生産量の少なさからカルト化します。将来の楽しみは尽きませんが今後とも非常に少量生産のみなのが難点です。
収穫・ヴァン・クレール（スパークリングの原酒）の醸造はベッドロックで行い、ティラージュ（瓶詰め）、ディゴルジュマン（澱引き）は瞬く間にカルトスパークリングトなり一世を風靡したウルトラマリンを手掛けるマイケル・クルーズ氏のコンサルを受けて醸造されています。

ロバート・パーカー氏は「モーガンは決して方向性を誤らない素晴らし才能」と絶賛し、「ベッドロックだけでなくこのカリフォルニア・ファイン・スパークリングの創生期に挑戦している」と評価しています。
既に評価誌からは最高96点を獲得しています。

ナパ・ソノマの北・冷涼なンドシーノ郡・アンダーソンヴァレーの中心部フィロの町の南西標高275mの急斜面の畑で、砂岩と岩が混じる土壌で葡萄は育ちます。周囲を森林が取り囲んでいます。このテロワールを反映し、葡萄の粒は小さく、果実味がしっかりと凝縮しています。アンダー・ザ・ワイヤーで採用する畑はどこも味わいに深みがあり、糖度が上がりすぎない（過熟しない）ことがポイントですが、このウェンツェルは特にそこが素晴らしく表現されているのが特徴です。