マタンザス・クリークはソノマ・カウンティの人里離れた息をのむような美しさのベネット・ヴァレー地域に位置しています。

1977年創立のワイナリーで立ち上げ当初のワインメーカーは、素晴らしいワインを生み出し続け輝かしい経歴を持つメリー・エドワーズ女史が携わりソノマの天候に合うソーヴィニヨンブランとメルローの２つの品種で高い評価を築きました。

フランスのCH.ムエックスで修業し、ドミナスやラッドなど超一流ワイナリーを支えてきたデイヴィッド・レイミーもマタンザスクリークに携わり品質向上に大きく貢献いたしました。
今日ではカリフォルニアでも最も人気のあるメルローを手掛けるワイナリーと評価を得ています。

マタンザスクリークのメルローが何故人気を博しているのかには理由があります。
ロバート・パーカー氏が初めてソノマワインに対して100点満点を付け「現代の伝説」と評し、毎年歴史を塗り替える高評価を叩き出すカルトワイン「ヴェリテ」。そこを支えるのが醸造家であるピエール・セイヤン氏です。セイヤン氏はパーカーポイント100点を14回も獲得し、現在もフランス・サンテミリオンのシャトーのワインも手掛けています。

このセイヤン氏がフランスから現在マタンザスクリークで使われているメルローを持ち込んだのですが、実はこちらはペトリュスの枝木だったのです。

ペトリュスは言わずと知れた世界のメルローの頂点として君臨しパーカー100点獲得も10度を超え、ボルドーでも5大シャトーを抑え最も多くの100点獲得し流通価格も最も高価なワインです。このペトリュスから枝分けされたものなのですが、驚くべきことにその枝木はペトリュスの最も古い最良の区画のものでした。

実はムエックス家とピエール・セイヤンは個人的に仲が良く、ペトリュスの枝をカリフォルニアで使用したいとお願いしたところ、上手くいくと思っていなかったムエックスは快諾してペトリュスの最初の区画である畑の中心部のブドウの枝を沢山分けてくれたといいますから驚きです。

接ぎ木されたペトリュスの葡萄樹はベネット・ヴァレーの畑”ジャクソン・パーク”で見事に成功しました。

ここにカリフォルニアのペトリュス・クローンが誕生したのです。ペトリュス・クローンはヴェリテの葡萄として使用されます。そこから残ったペトリュス・クローンのメルローをマタンザスのメルローに使用しているのです。

その味わいに対して、ロバート・パーカーはマタンザスクリークを「カリフォルニアで最高のメルローを手掛ける生産者」と評価 し、この価格帯では異例中の異例といえるパーカーポイント最高評価のエクストラオーディナリーに該当する96点を獲得しています。パーカーはさらに「トップクラスのポムロールの品質に並ぶと確信する」とまで絶賛いたしました。

マタンザス・クリークのメルローは事実、フランスのしなやかさとカリフォルニアの凝縮感の両方を備え、その味わいに惹き込まれます。