コニャックとは?味、値段、美味しい飲み方から、おすすめのコニャックまで徹底解説!

2020/07/05
ブランデー

高級酒の代名詞、コニャック。

名前は聞いたこともあるけれど、実際どのようなお酒なのか分からない、飲んだことはないと言う方も多いのではないでしょうか。

今日はそんなコニャックについて、どのようなブランデーなのか、ナポレオンやVSOPといったランク、有名な銘柄やおすすめのコニャックまでご紹介いたします。

コニャックとは

世界三大ブランデーの1つ

コニャックの正式名称は、オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン・ド・コニャック(Eau-de-vie de vin de Cognac)、ブランデーの一種であり、ワインを蒸留して造られた蒸留酒です。

コニャックは、ブランデーの中でも高級品であり、アルマニャック、カルヴァドスとともに「世界三大ブランデー」と呼ばれています。

フランスのコニャック地方で、大変厳しい規定のもとで造られたブランデーだけが、コニャックを名乗ることができます。

 

コニャックの造り方

コニャック造るにはまず白ワインを醸造し、それを伝統的な銅製の「スチル」にて二度蒸留させます。

その後、リムーザン産のオーク樽にて熟成を行い、ブレンドののちに出荷されます。

 

コニャックの度数

アルコール度数は40%以上と定められています。実際には、40~42%のものが多いです。

 

コニャックの原料となるブドウ

コニャックには、主にユニ・ブランという白ブドウが使われます。

ユニ・ブランはイタリア原産の白ブドウ品種で、酸味が強く、果実の糖分が少ないのが特徴です。

そのほか、セミヨン、フォル・ブランシュ、コロンバール、モンティル、フォリニャンなども使用されます。

 

コニャックの値段

コニャックの値段は、700mlで3,000円前後のものから、1本100万円を超えるものまでさまざまです。

価格に大きく影響するのが「生産地」、「熟成期間」です。

コニャックは高い品質を保持するために、醸造・蒸留方法など厳しい規定が多く定められており、それらをクリアしなければコニャックと名乗ることは許されません。

ゆえにコニャックはブランデーの中でもとりわけ高級の位置付けです。

さらに、熟成期間によって等級が分けられており、期間が長いほど値段は上がります。

 

コニャックの生産地

コニャックの生産地は、ブドウ畑の区画で6つの地域に分けられています。

 

グランド・シャンパーニュ(Grande Champagne)

ブドウ栽培に最適な石灰質土壌の地域で、最高品質のコニャックを産み出します。

たくましいボディに可憐かつデリケートな香りが特徴です。熟成により非常にエレガントな味わいに変化していきます。

 

プティット・シャンパーニュ(Petite Champagne)

グランド・シャンパーニュを囲むように広がるエリア

グランド・シャンパーニュと同様、ミネラル分を豊富に含む石灰質土壌に恵まれた地域です。

豊かな香りが魅力的で、柔らかく奥行きのある味わいのコニャックを産み出します。

 

ボルドリ(Borderies)

グランド・シャンパーニュの西北に広がるエリア

6地域の中で一番面積の狭い生産地で、土壌は石を含む粘土質です。フローラルな香りが特徴で、特にスミレの香りが強いと言われています。上記2エリアのコニャックよりも更にフェミニンでまろやかな味わいに仕上がります。

 

ファン・ボア(Fins Bois)

グランド・シャンパーニュ北部にあるエリア

6地域の中で最大の栽培面積を誇ります。粘土を含む石灰質土壌により、軽やかで比較的早熟のコニャックを生み出します。

コニャックを飲み慣れている方にとっては少々物足りなさ感じるライトボディですが、初心者の方にはおすすめです。

 

ボン・ボア(Bons Bois)

ファン・ボアを囲むように広がるエリア

沿岸部の砂地質土壌から、カジュアルで親しみやすいコニャック生み出す生産地です。

香りは穏やかで荒々しさを感じる味わいに仕上がっています。早熟で値段も比較的リーズナブルです。

 

ボア・ゾルディネール(Bois Ordinaires)

大西洋沿いの西岸に位置する広大なエリア

砂量の多い土壌ゆえ、ブドウ栽培には適していません。そのため、荒々しく刺激のある、ワイルドなコニャックに仕上がります。

通常はブレンド用とされる場合が多く、ボア・ゾルディネールのみで造られたコニャックはほとんど流通していません。

 

コニャックの熟成年数によるランク

コニャックは、コントによって等級がつけられています。

長い熟成を経たコニャックは、より芳醇な香りで、まろやかでエレガントな味わいになります。

 

コントとは

ブランデーの熟成年数を表す単位は「コント」です。

コニャックにおいては、4/1〜翌3/31が周期となっています。

収穫翌年の4/1が「コント0」となり、1年ごとに「コント1 」「コント2」と数えます。

熟成年数の異なるコニャックをブレンドした場合、一番若いコニャックのコント数を表記します。

 

コニャックのランク

名称コント
スリースターコント2以上
V.S.( Very special)コント2以上(平均熟成年数4~7年程度)
V.S.O.P. ( Very superior old pale )コント4以上(平均熟成年数7~10年程度)
ナポレオン ( Napoléon )コント6以上(平均熟成年数12~15年程度)
X.O. ( Extra old )コント10以上(平均熟成年数20~25年)
オールダージュ(Hors d’âge)コント10以上(平均熟成年数20年以上 〜30年程度)

※X.O. に関して2018年4月1日出荷分よりコント6からコント10に変更されました。
※オールダージュは一般的にXOよりクオリティが高いです。

 

 上記はコニャックに関してであり、アルマニャックとはコント数が異なります。

コニャック、アルマニャック以外で生産されるブランデーには、ラベル表示の規制がありません。

例えば、他の生産地で造られたブランデーのナポレオンと、コニャックのナポレオンが同じ熟成期間経ているわけではないです。

 

コニャックの有名銘柄

レミーマルタン

レミーマルタンは、コニャックにおける世界最大ブランドのひとつです。

グランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュからのブドウのみを使用、最上級のコニャックを産み出すとして、世界的に親しまれています。

 

レミーマルタン XO


XOは400種類以上の原酒をブレンドして造られます。

オレンジピールやドライプルーン、変化に富んだフローラルな香りが印象的!

奥行きあるエレガントな味わいに、複雑で心地よい余韻が長く続きます。

 

ルイ13世


レミーマルタンの中で、最も有名な銘柄はルイ13世です。

バカラ製のクリスタルガラスで造られたボトルは他の追随を許さないほど、最高峰コニャックとして、ファンを魅了し続けています。

 

ヘネシー

ヘネシーもまた、コニャックにおける世界最大ブランドのひとつです。

厳選に厳選を重ねたブドウだけを使用、熟成樽は樹齢100年以上の楢の木から造られたオーク樽、数百種類もの原酒をブレンド、

など多くのこだわりを守って造られたコニャックは、最高の評価を受け続けています。

 

ヘネシー リシャール


銀座の高級クラブで親しまれるリシャールは、最も希少で高級なコニャックとして大変有名です。

秘蔵の古酒を100種類以上もブレンドしており、官能的でエレガント味わい飲みて魅力します。

 

ヘネシー フィーヌ・シャンパーニュ

ヘネシー VSOP フィーヌ シャンパン


グランド・シャンパーニュに、50%以下でプティット・シャンパーニュの原酒をブレンドすると、フィーヌ・シャンパーニュ(Fine Champagne)と表示することが出来ます。

繊細な香りに滑らかな口当たりが癖になる上質なコニャックです。

 

クルボアジェ

クルボアジェは、ナポレオン一世を始め、歴代の皇帝に愛された有名なブランドです。

1983年に、最高品質の証である「Prestige de la France」を授与された唯一のブランドでもあります。

現在はサントリーの子会社が所有しています。

 

クルボアジェ XO

クルボアジェ XO  40% 700ml

専属契約の農家から厳選したブドウを買い付けて造られる、極上の逸品です。

口当たりはシルクのように柔らかく、伸びやかで優美な味わいで完成度の高い仕上がりです。

 

クルボアジェ VSOP

クルボアジェ VSOP ルージュ 700ml

別名「薔薇の貴婦人」ナポレオン夫人をイメージして開発されたコニャックです。バラの花びらやスミレを思わせるフローラルな香りが特徴的で、軽やかな味わいが印象に残るコスパに優れた1本です。

 

マーテル

1715年創業のマーテルは、名だたるコニャックブランドのなかでも、とりわけ伝統的な製法を守り続ける生産者です。

「コニャックイチ」とも称される気品あふれる香りが特徴的で、「飲む香水」とも呼ばれているほどです。

 

マーテル シャンテルー

マーテル シャンテルー 700ml 40度

シャンテルーはマーテルのラインナップで最高級、グランド・シャンパーニュ産の厳選したブドウだけで造られています。アプリコットや黄桃のフレッシュな香りに、ブドウそのものの甘さが印象的!まろやかで奥行きのある魅惑的な味わいで、「コニャック中・上級者」に特にオススメです。

 

マーテル  コルドン・ブルー  エクストラオールド

マーテル コルドン ブルー 正規品 700ml

ボルドリ地区から選りすぐりのブドウだけで造られたコニャックです。

りんごのコンポートやナッツを思わせる樽由来の香りが高級感を醸し出しています。

 

カミュ

カミュは、家族経営を貫く老舗ブランドです。

柔らかくエレガントな味わいから、日本人に一番好まれるコニャックともいわれています。

 

カミュ キュヴェ3.140

長期熟成の原酒だけをブレンドして造られた超高級コニャック。

生産量が極端に少なく950本しか販売されていません。フローラル且つスパイシーな香りに奥行きのある複雑な味わいが特徴です。

スタイリッシュなデキャンタはバカラ社のクリスタル製、火打ち石をデザインしています。

 

カミュ  XO エレガンス

紅茶バラの花束を思わせる可憐な香りと、伸びやかな味わいが特徴的です。

樽由来の心地よい余韻が長く続きます。

 

おすすめのコニャック

ジャンフィーヌ ナポレオン

ジャン フィユー ナポレオン 700ml

ジャンフィーヌは、最高区間のグランド・シャンパーニュで収穫されたブドウだけを使用する、こだわり造り手です。

繊細なアロマに、ふくよかで奥行きのある味わいには定評があります。

ナポレオンは10年の熟成を経てリリースされています。

ナッツやヴァニラなど樽由来の心地よい香りが非常にエレガント、コスパに優れた1本です。

 

フラパンV.S.O.P. グランド・シャンパーニュ

フラパンは日本国内の知名度こそ低めですが、コニャック愛好家からは大変高い評価を受けています。

現在、グランド・シャンパーニュ地区に300ha以上畑を所有しています。

100%自社畑のブドウ使用、全て手摘みでの収穫に重きを置いた造り手です。

V.S.O.P.の平均熟成期間は8年、華やかで気品満ち溢れる香りとたくましい口当たりが飲み手を虜にするコニャックです。

 

ポールジロー V.S.O.P.

ポールジローは、ブドウ栽培から醸造、熟成に至るまで全てを手作業で行う希少な造り手です。一切の妥協は許さず高品質コニャックを造り続けています。

V.S.O.P.は8年の熟成を経ていますが、溌剌とした果実の凝縮味が口いっぱいに広がります。

 

デュピュイ X.O

デュピュイ XO テンテーション

コニャック通のみぞ知るデュピュイは、日本であまり流通しておらず希少価値のあるブランドです。

上品で優雅な飲み口には定評があります。

X.Oは最低15年〜25年の熟成を経た原酒をブレンドしています。

ブドウそのものの甘さ強く感じるフェミニンな味わいで、女性好みなコニャックに仕上がっています。

 

バロン・オタール XO

ブランデー バロン オタール XO 700ml

バロン・オタールはコニャックの中でも特に、なめらかで柔らかい口当たりが特徴です。

醸造・蒸留、及び熟成を行うのは、何とコニャック城の地下!湿度が極端に高い場所ゆえ、シルクのようになめらかな仕上がりなっています。

XOはヘーゼルナッツなどの複雑な香りにフローラルな余韻が心地よい上質な1本です。

 

コニャックの美味しい飲み方

スタンダードな飲み方はストレート

コニャックの飲み方で一番のスタンダードは、ストレートです。

コニャックの複雑で芳醇な香りや繊細な味わいをたのしむために最も適しています。

しかしながら、絶対にストレートでないといけないと言う訳ではありません。

抵抗があれば氷を入れてオンザロックスタイルや、お酒弱い方はお水やソーダで割ってもよいです。

 

使用するグラス

ストレート

比較的小さめでくびれのあるグラスがオススメです。

VSOPなど比熟成が短いコニャックは、飲み口に広がりがあるグラスが適しています。

長い熟成を経た高級コニャックは、香りが硬い場合もあるので、少し大き目のグラスがおすすめです。

 

ロックや炭酸割り、そのほか気軽に飲む場合、特段グラスにこだわる必要はありません。

ロックスタイルで、大き目の氷なら通常のロックグラス、クラッシュアイスなら、クラシカルで丸みのあるブランデーグラスがおしゃれですね。

割ったりカクテルで楽しみたい場合は、ピルスナーやコリンズグラスがおすすめです。

 

コニャックに合う料理やつまみ

コニャックは食後酒としてたのしむのが一般的です。

ドライフルーツやナッツを用いたデザート、ビターチョコレート、コーヒーなどとよく合います。

太めの葉巻と楽しむのも王道なスタイルです。

 

さいごに

コニャックは、食後にゆったりとした時間過ごしたい方に是非おすすめしたいお酒です。

レストランでの食事の後、バーに移動してコニャックとともに穏やかな時間を過ごすなんてとても贅沢ですね。

普段は焼酎やウイスキーばかりという方も、オシャレなバーに行った際には是非コニャックをオーダーしてみてはいかがでしょうか。

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