高級コニャックの代名詞と言われるレミーマルタン。
名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか?
今回は、世界中で愛されるレミーマルタンの魅力やこだわり、種類を詳しくご紹介いたします。
目次
レミーマルタンとは
コニャックの高級銘柄
レミーマルタンは、コニャックのメーカー名であり、生産するコニャックのブランド名です。
品質の高さには定評があり、「高級コニャックの代名詞」と言われるほどの知名度を誇ります。
レミーマルタンの象徴として有名なのが、ケンタウルスのエンブレムです。
セントーと呼ばれ、ギリシャ神話の「酒の神バッカスの奉仕者」であるケンタウルスがモチーフとされました。
レミーマルタンの歴史
レミーマルタン社は1724年、レミー・マルタン氏により創業されました。
そのわずか14年後、ルイ15世はレミーマルタンの品質に感銘を受け、王の許可として新しいブドウ畑を植樹する独占権を与えました。
4代目となるエミール・レミー氏は経営方針を整えて、非常に厳しい品質管理を確立。
ルイ13世を世に送り出したのも、エミール氏の功績です。
レミーマルタンのこだわり
レミーマルタンは単に高級なだけでなく、その卓越した品質が人気の秘密です。
最上区画の厳選したブドウを使用
コニャックの生産地は、ブドウ畑の区画で6つの地域に分けられています。
レミーマルタンでは全商品に、最上級のグランド・シャンパーニュ地域と、これに次ぐプティット・シャンパーニュ地域のブドウのみを使用。
コニャックの生産者の中で、全シリーズに最上区画のブドウのみを使用するのはレミーマルタンだけです。
レミーマルタンならではの蒸留方法
ブランデーは通常、蒸留を行う前にリーズと呼ばれる沈殿したブドウのかすをろ過しています。
しかし、レミーマルタンではろ過を行いません。
時間をかけてリーズを沈殿させて、そのまま蒸留を二回行います。
これはレミーマルタン独自の伝統的な手法で、リーズとともに蒸留する事でワインにアミノ酸を含ませる事が出来るからです。
アミノ酸の効果によりレミーマルタン特有の香水のように芳醇な香りやコクのある深い味わいをもたらしています。
熟成樽はリムーザン産の高級オーク
レミーマルタンでは、熟成に樹齢100〜150年のリムーザン産オークを使います。
リムーザン産はオークの繊維が詰まっており、非常に頑丈です。
そのため、長期熟成させる高級コニャックには特に適しています。
十分な年輪幅を持つ大樹を使うことで、原酒に理想的な風味を付加できるのです。
樽作りは全て手作業で、一切釘使わずに多くの手間をかけて作られています。
レミーマルタンの人気や評価
品質の高さが世界的に有名になったのは、1900年頃からです。
同年開催のパリ万国博覧会で、史上最高の評価を受けて表彰されました。
その後、ルイ13世がエリザベス女王に献上され、さらに世界的知名度が上がっていきます。
レミーマルタンは毎年5月に開催される、カンヌ国際映画祭のオフィシャル・サプライヤーもつとめています。
日本ではレミーマルタンというブランド名よりも、ルイ13世の方が有名かもしれません。
バカラ製の美しいボトルデザインから、特にホストクラブでの需要が多く、「歌舞伎町で最も高級なお酒」としても知られています。
超人気ホストのローランド氏が、「忘れられない一本」として紹介したことで、興味を持たれた方も多くいたのではないでしょうか。
レミーマルタンの種類
レミーマルタンのラインアップをご紹介します。
日本で入手可能なアイテムを中心にピックアップしています。
レミーマルタンのラインナップ
商品画像 | |||||
---|---|---|---|---|---|
商品名 | レミー マルタンVSOP | レミーマルタン 1738 | レミーマルタン XO | カルト・ブランシュ | ルイ13世 |
詳細 | 度数:40 % | 度数:40 % | 度数:40 % | 度数:40 % | 度数:40 % |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
レミー マルタン VSOP
レミー マルタンVSOP
VSOPは1927年にリリースされたフィーヌシャンパーニュです。
コニャック全体のVSOPで最も多い販売数を誇ります。
14年熟成された原酒もブレンドしており、エレガント且つパワフルな仕上がりです。
※グランド・シャンパーニュ地域の原酒に、50%以下でプティット・シャンパーニュの原酒をブレンドすると、フィーヌ・シャンパーニュと表記することが出来ます。
レミー マルタンVSOPの味
りんごのキャラメリゼやアプリコット、ヴァニラ、リコリス、ヘーゼルナッツなどの豊かな香りが特徴です。
口当たりは繊細で非常にエレガント!
フルーツのコンポートを思わせる深い味わいと、樽由来の優しい風味が上手く調和しています。
レミー マルタンVSOPの値段
ネットでの相場は、3,500円~4,000円です。
レミーマルタン 1738
レミーマルタン 1738
1738年は、ルイ15世にレミーマルタンの品質を認められた歴史的な年です。
ルイ15世に敬意を表する意味で「1738」はリリースされました。
4年から古いものでは20年熟成の原酒をブレンドしており、円熟した飲みごたえのあるコニャックに仕上がっています。
レミーマルタン1738の味
いちじくのコンポートやよく熟したプラム、ブリオッシュなどの気品あふれる香りに、強いオークのニュアンスが続きます。
口当たりは非常に滑らかで、バタースコッチやカカオの優しい風味が印象的!
まろやかでクリーミー、余韻に香ばしいナッツの風味を感じるバランスの良い仕上がりです。
レミーマルタン1738の値段
ネットでの相場は、7,500円~9,000円です。
レミーマルタン XO
レミーマルタン XO
XOは400種類以上の異なる原酒をブレンドした、贅沢で複雑な風味を持つコニャックです。
AOCの規定でXO表記には6年の熟成を必要としていますが、レミーマルタンのXOは、最低10年の熟成を経ています。
2020年3月に行われた「San Francisco World Spirits Competition 」において、ゴールドメダルを獲得しました。
レミーマルタンXOの味わい
オレンジやプラムのリッチなアロマに、ジャスミンなどのフローラルなニュアンスも感じられます。
第一印象は非常に滑らかで、シナモンやマーマレードなどの優しい甘さが口いっぱいに広がります。
果実の凝縮感とスパイシーな余韻が素晴らしい仕上がりです。
レミーマルタンXOの値段
ネットでの相場は、12,000円~15,000円です。
カルト・ブランシュ
カルト・ブランシュ
カルト・ブランシェは、19世紀に人気だった「レミーマルタン・カラフェ」の復元版としてリリースされました。
ブレンドしている原酒は一番若いものでも20年以上の熟成を経ています。
7,000〜9,000本程度の限定販売で、非常に希少価値の高いコニャックです。
カルト・ブランシュの味わい
紫丁香花や紅茶、ナツメグやレザーなど複雑みのある強い香りが特徴です。
パワフルな口当たりですが、角の取れたアルコール感と洗練されたオークの風味がとにかくエレガント!
ブドウそのものの凝縮した深い味わいと、驚異的に長い余韻が高級感を醸し出しています。
カルト・ブランシュの値段
ネットでの相場は、60,000円~70,000円です。
ルイ13世
ルイ13世
超高級コニャックであり、ヘネシーのリシャールと並び世界最高峰に君臨しています。
レミーマルタンのブレンド技術を芸術品のごとく表現しており、愛好家垂涎の的でもあります。
ブレンドしている原酒はなんと1000種類以上。
全て最高区画であるグランド・シャンパーニュ産のブドウしか使用していません。
その中からさらに厳選した原酒をブレンドしており、それらは40~100年の熟成を経ています。
ボトルはクリスタルガラスの有名ブランド、バカラ社が手がけています。
ルイ13世の味わい
ピーチネクターやジャスミン、ドライローズ、ナツメグ、レザーなど豊富で複雑な香りが特徴です。
ベルベットのような口当たりでこの上なく滑らか、蜂蜜やドライフルーツのほのかに甘い 奥行きのある味わいが印象に残ります。
落ち着きのあるアルコール感に、シガーボックスやクルミなど樽由来の風味が絶妙に調和!感動を覚えるほどの洗練されたコニャックに仕上がっています。
ルイ13世の値段
ネットでの相場は、240,000円~340,000円です。
※ ルイ13世には、マグナムサイズや希少な樽での熟成を経たレアカスク、特別仕様ケース、リミテッドエディション、ブラックパールなどもあります。
全て数量限定で、破格の値段で取り引きされています。
高額コニャック購入時の注意点
長期保存しても意味がない
一般的にブランデーはワインと違い、瓶詰めされてからの熟成は望めません。
多少の風味が変わったり劣化はしますが、良い状態に変わっていく訳ではありません。
どのブランデーも最高の飲み頃になってから瓶詰めを行いますので、購入後すぐに楽しむことができます。
中古品、並行輸入は避ける
最近ではオンライン通販やオークションでも、中古のルイ13世が出品されているのを見かけます。
中古の場合はもともとの購入時期も曖昧で、保存状態によっては劣化が進んでいる場合がほとんどです。
そのような商品は、ルイ13世本来の味わいではなくなっている場合も多いです。
非常に高価な買い物ですし、購入する際は信頼できるお店で正規に輸入されたものを選びましょう。
さいごに
高級コニャックの代名詞ともいわれるレミーマルタン。
伝統を守り続ける製法や高い品質を保つためのこだわりなど、お分りいただけたのではないでしょうか。
ルイ13世は永遠の憧れですが、VSOPなど1万円以下で購入出来るシリーズもありますので、ぜひ一度味わってみてください。
関連記事
カルヴァドスとは?種類から、おすすめのカルヴァドス、美味しい飲み方まで徹底解説!
カルヴァドスは、何となくフランスのお酒というのは分かるけれども、どんなお酒なのか詳しくご存知ない方も多いのではないで
ブランデーとは?種類から、おすすめのブランデー、飲み方まで徹底解説!
「ブランデーとウイスキーってなにが違うの?」 「どのブランデーを選べばよいか分からない。」 「ブラン
コニャックとは?味、値段、美味しい飲み方から、おすすめのコニャックまで徹底解説!
高級酒の代名詞、コニャック。 名前は聞いたこともあるけれど、実際どのようなお酒なのか分からない、飲んだことはないと
アルマニャックとは?特徴から、おすすめのアルマニャックまで徹底解説!
コニャックと並んでブランデーの最高峰に君臨するアルマニャック。 実はコニャックよりも歴史があり、フランス最古のブラ
グラッパとは?飲み方から、おすすめのグラッパまで徹底解説!
イタリアンレストランで、食後にグラッパを勧められたことはありませんか? 日本ではあまり馴染みのないお酒ですが、イタ
ヘネシーとは?人気の理由、値段、種類を徹底解説
コニャックと言えば、ヘネシーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか? 最も高価なブランデーなら、ヘネシーのリシ