ソムリエが教えるレストランでのワインマナー!絶対おさえたいポイントを解説

2019/09/04 ワインの基礎知識

パートナーのお誕生日や記念日のお祝いに、レストランでお食事するのって楽しいですよね。

でも、いざレストランに行って、(ワインのマナー、これで大丈夫?)と不安になったことはありませんか?

ここでは、レストランに入ってお店を出るまでに必要になる「ワインのマナー」について解説します。

レストランでのワインのマナーとは

ワインのマナーとは、「ワインのオーダーの仕方」と、「ワインをどう飲めばいいのか」、という2点です。

「ワインのマナー」さえ覚えてしまえば、レストランに行ってソムリエやスタッフと相談しながらワインを決める作業が楽しくなります。

一緒にレストランを訪問する人も、同行者に「ワインのマナー」を知っている人がいれば安心ですよね。

レストランにもいろいろなスタイルのお店がありますが、ここでは高級レストランで必要とされる「ワインのマナー」について説明していきます。

 

オーダー時のワインマナー

まずは食前酒

お店に通されると、まずは食前酒(アペリティフ)のオーダーを聞かれます。

定番はシャンパーニュ。キールやミモザなど、ワインベースのカクテルもおすすめです。

ここでのオーダーは、とりあえず食前酒のみに留めてください。

お食事と一緒にいただくワインは、お料理を決めてからオーダーするのが一般的です。

 

料理を決めてから、ワインを決めよう

メニューを決める時は、アペリティフを飲みながら時間をかけて、ソムリエやスタッフにいろいろ相談して決めてください。

その日おすすめのお料理、食材の状態、今夜自分が飲みたいワインのイメージに合うかどうかも含め、お店の人と意思の疎通を図りましょう。

ワインのオーダーは料理から決めるのが一般的です。

ワインを基準にお料理を考えるよりも、その日のメニューに何のワインを合わせるかと考える方が、結果的にワインを選びやすくなります。

ボトルにするか、ペアリングにするか

これはお好み次第、というところでしょうか。

ただし、高級ワインを飲みたいのであれば、ボトルをオーダーするのがおすすめです。

高級ワインは抜栓直後から飲み切るまで、時間の経過に伴って味わいが徐々に変わっていくためです。

料理ごとにベストマッチのワインを合わせたければ、ペアリングをお願いするのも楽しいです。お店によっては、コース料理に対応させるペアリング用のワインを用意しているところもあります。

 

「ワインの予算」はソムリエに伝えて

記念日や大切なお客様との会食とは言え、「予算」は重要。

必ずソムリエに伝えておきましょう。

あまりワインに詳しくない場合は、予算を知らせた上で、好みのワインの味わいを伝えたり、今日のお料理と相性がいいもの、といったオーダーをすると、ソムリエも選びやすいはずです。

 

ワインの飲む順番

アルコールがあまり得意ではない人を除き、レストランではお料理に合わせて、通常何種類かのワインを飲むのではないでしょうか。

実は、ワインには「飲む順番」があります。

フルーツでも、甘いものを先に食べてしまうと、少し酸味のあるものは酸っぱさしか感じなくなってしまいますよね。

ワインもそれと同じで、味わいのあっさりしたものから強いものへと進まないと味覚が麻痺してしまいます。

 

ワインを飲む順番

ボディ 軽い→重い
味わい 辛口→甘口
色 白→ロゼ→赤
熟成 若い→古い
価格 安い→高い

 

またお料理も、前菜、魚料理、肉料理の順番で出てきます。

前菜は野菜類が中心のあっさりしたもの、お魚、お肉と進むに従い、味付けの濃さも、食材が持つ脂の量も増していきます。

これに合わせる観点からも、白ワインから赤ワイン、軽めのものから重めのものという流れは理に適っています。

 

 

ホストテイスティング

高級レストランでワインをオーダーすると、「ホストテイスティング」を求められます。

オーダーしたワインと同じ銘柄、同じヴィンテージのものか、ワインに傷みがないかを確認する作業です。

 

ラベルの確認

まずはワインボトルのラベルの確認です。

「こちらのワインで間違いありませんか?」と聞かれますので、ラベルを確認し、問題がなければ「大丈夫です。」とソムリエに伝えましょう。

 

ワインの外観確認

次に、ホスト役のグラスに少量ワインが注がれます。

通常、ホストは、夫婦やカップルであれば男性(もちろん女性が行っても問題ありません)、会社であれば接待する側の社員です。

ワインが注がれたら、ホストはまずグラスの脚(ステム)を持ち、少しグラスを傾けてワインに濁りや不純物がないかを確認してください。

背景が白い方が確認しやすいです。

テーブルクロスが白であればいいですが、仮に色のついたテーブルクロスであれば、お皿やナプキンなど、白いものの上でワインの外観を見るのが効果的です。

 

ワインの香りの確認

まずはグラスを回さずに香りを取ります。

ぶどう由来のアロマです。次に、円を描くようにグラスを2、3回回し、再度香りを確認します。

熟成香、いわゆる「ブーケ」が確認できます。

熟成によって得られる香りは少し重いため、グラスを回して立ち上らせることで確認するのです。

ワインが傷んでいると、通常のワインには感じない不快な匂いがすることがあります。異臭がある場合はソムリエに伝えてください。

 

ポイント!

ここで重要なのは、グラスを回す方向です。

右利きの人は反時計回り、左利きの人は時計回りに回転させましょう。

万が一勢いがよすぎてワインが飛び出てしまっても、自分以外の人にはかかりません。

慣れていない場合は、テーブルにグラスを置いて回すとグラスが安定します。

 

味わいの確認

ワインを口に含み、口中全体に行き渡らせるようにし、ワインの味わいに異常がないか確認してください。

 

異常のあるワインは交換してもらえる

ホストテイスティングを行い、実際にワインに異常があった場合は、無料で交換してもらうことができます。

ホストテイスティングとは別に、ソムリエもきちんとワインの確認しますので、ホストが気付かなくてもワインに異常があれば交換してくれます。

 

 

ワイングラスの持ち方

ワインを入れる「ボウル」と呼ばれる部分を持つ方法、「ステム」と呼ばれる脚の部分を持つ方法の2通りあります。

実は意外にも、国際的にはボウル部分を持つのが一般的。

ただし日本では、高級レストランでステムを持つ人の方が多いようです。

持ち方として美しいですし、ボウル部分を持つことでワインの温度が上がってしまうのを防ぐこともできます。

どちらが間違いということではないのですが、日本ではステムを持った方が洗練されているように見えるかもしれませんね。

 

食事中のワインマナー

乾杯は控えめに

カジュアルなレストランでは、みんなで気軽に「乾杯!」とグラスをぶつけ合いますが、高級レストランでは慎みましょう。

高級レストランのグラスは薄手で繊細。ちょっと手荒に扱うと壊れてしまう危険性があります。グラスによっては、静かに持っていてもヒヤヒヤするくらい華奢なグラスもあります。

乾杯はお互いの目線までグラスを持ち上げ、アイコンタクトするだけで十分です。

 

グラスが空になった時

ワインをボトルでオーダーした時、グラスが空になったらどうしますか?

大きな声で「すいません、グラスが空なので注いでください!」とお願いしたり、自分で席を立ってボトルを取りに行ったり、というのはマナー違反です。

ソムリエが通りかかったタイミングでそっとグラスを示して、おかわりを注いでもらってください。

高級レストランのソムリエはお客様のグラスの状態を常にチェックしているので、催促しなければいけないほどグラスが空きっ放しということはあまりないことだと思います。

 

ボトルが飲みきれなかった

それなりに名の知れた高級ワインであれば、お店のスタッフの勉強にもなりますので、「少ないですが、お店の方々でどうぞ。」と置いていくのがスマートです。

ちなみに、持って帰れるのは、すでに抜栓されたワインのみです。抜栓前のワインを販売することは、酒販免許を持っているお酒屋さんにのみ許されたことですので、オーダーしたけれど飲むに至らなかった場合は、そのままお店に置いてきましょう。当然、会計時にそのワイン代を請求されることもありません。

 

チーズは「デザート」のひとつ

チーズ、フランス語ではフロマージュと言いますが、実はこれ、デザートなんです。もっと正確にいうと、お料理が終わり、デザートが出される前に出てくるもの。

たまに「前菜としてチーズの盛り合わせを頼んだ」、なんていう話も聞いたりするのですが、これはレストラン側からするとありえない話です。

懐石料理のお店に入って、水菓子からオーダーするようなものなので、気を付けてください。

チーズにもいろいろな種類がありますが、例えば貴腐ワインとブルーチーズの組み合わせなどは定番ですので、覚えておくと便利です。またチーズには熟成の進み具合やタイプなどにより、あっさりしていて食べやすいものと、通向けの個性が強いものがあります。

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ワインマナーのまとめ

レストランでのワインのマナー、いかがでしたか?

金額も張り、マナーも求められる高級レストランは慣れないと少し緊張するものですが、慣れてしまえば楽しいものです。ぜひ機会を見つけて、「大人ならではの空間」を楽しみに行ってみてくださいね。

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