ワインは飲む時にいくつか気をつけておきたいポイントがあります。ワインはたった少しのことで味が大きく変化する飲み物です。
レストランで飲むときのように自宅でも美味しく飲めると生活が楽しくなります。
今回はワインの美味しい飲み方についてお話していきたいと思います。
目次
ワインの美味しい飲み方①温度調整を極めよう
ワインは温度がわずかに変化するだけで、味も香りも大きく変化してしまいます。
一般的にフレッシュなものは少し低めの温度、コクがあったりクリーミーなものは少し高めの温度で飲むと美味しいと言われています。
赤ワインは13〜18℃で
ワインによっても異なりますが、一般的に赤ワインは13〜18℃くらいが飲み頃だと言われています。
長時間冷蔵庫に入れて、出してすぐ飲むのは冷え過ぎなのでおすすめしません。逆に常温で置いていたワインは温かすぎます。
冷やす方法として最も簡単なのは冷蔵庫を利用することです。飲む時間の1~2時間前に入れて、ワインのタイプによって見計らえば、適温に近い状態で楽しめます。
白ワインなら7~14℃
白ワインの酸味は特に温度によって変わってきます。
低い温度であれば酸が引き締まった印象になり、やや高い温度では柔らかな酸味を味わうことができます。
ワインによっても異なりますが、一般的に白ワインは7〜14℃くらいが飲み頃だと言われています。
また、暑い日にはいつもより少し冷やして飲むとより美味しく感じられます。
安いワインは通常よりも低い温度で!
赤白問わず、お手頃価格のワインは少し冷やしたほうが美味しくいただけます。
特に安い白ワインはフレッシュなものが多く、熟成させたタイプや味が濃いタイプは少ないので低めの温度が適しています。
空気に触れさせさらに美味しく
ワインボトルから別の容器にワインを移すことでワインを空気に触れさせることが出来ます。専門的に言うと「デキャンタージュ」と呼びます。
デキャンタージュをするのはほとんどが赤ワインです。
多くの空気とワインを触れさせる事で、短時間でワインの本来のポテンシャルを引き出し味をまろやかにすると言われています。
ご家庭には大きなデキャンタがないと思いますので、麦茶を入れるボトル等を代用してもいいと思います。
他の容器に移し替えた後、再度ワインボトルに戻すと雰囲気を損なわず楽しむことができます。
しかし、空気に触れさせる時間が長時間にわたってしまうと、酸化が進み味が落ちてしまうので注意しましょう。
ワインの美味しい飲み方②ワインにあったグラスを選ぼう
ワインはグラスで味が変わることをご存知でしょうか。
ワイングラスのメーカーでは、飲むワインの種類によって大きさや形の違うワイングラスを販売しています。
普通のコップで飲むのと少し気を遣ったワイングラスで飲むのとでは味わいは大きく違ってきます。ワイングラスに足が付いているのも手の温度をワインに伝えないためと言われています。
薄めのグラスをチョイスしよう
グラスの厚みが薄いものを選びましょう。
グラスに厚みがあると、グラス自体の熱がワインにすぐ伝わってしまいます。せっかく冷やしておいたワインも、分厚いグラスに注ぐとすぐに温くなってしまうのです。
薄く繊細なグラスを使うと、ワインを注いでもすぐにグラスが同じ温度になじむため、適温でおいしく飲むことができます。
赤ワインは大きめのグラスで
赤ワインは白ワインに比べて大きめのグラスがおすすめです。大きめのグラスは、香りを重視した造りになっています。
ワイングラスメーカーではぶどう品種によって違うグラスを提案していますが、最初に揃えるとしたら下記2種類がおすすめです。
酸味を感じたいならボルドータイプ
ボウル部分は縦長でチューリップのような形状をしていています。グラスの中に香りがこもりやすく、酸味を感じやすい形になっています。甘みがあって酸味が少なく、ボディのしっかりしたワインに適しています。
例えばカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローから造られる赤ワインに最適です。
香りを楽しみたいならブルゴーニュタイプ
ボルドーグラスに比べるとボウルの部分により丸みがあります。香りや甘み、果実の風味を感じやすいのが特徴です。香りの魅力を味わいたいワインや酸味の強いワインに適しています。
例えばピノ・ノワールから造られる赤ワインにぴったりです。
白ワインには小さめのグラス
白ワインはグラスのボウル形状が小さめのモノをおすすめします。小さいグラスを使うことによって、冷たい温度を保ちやすくするためです。冷たいうちに飲みきることができる大きさになっています。
鉄板は万能タイプ
ボルドータイプを、そのまま小さくしたような形状で、汎用性の高いワイングラスです。中庸な形なので、幅広いワインに対応できます。
香りを引き出すならモンラッシェタイプ
口が大きめのバルーン型ワイングラスです。ボウルが大きく丸みが強いため、香りを引き出しやすい形状になっています。
深い味わいで控えめな酸味や樽の香りなど、さまざまな要素が引き立ちます。
コッテリと凝縮した果実味と柔らかい酸味をもつ白ワインにおすすめです。
例えば、シャルドネから造られた白ワインに最適なワイングラスです。
スパークリングワインには細身のタイプ
フルートグラスと呼ばれる細身の形状のグラスが一般的です。
結婚式で見かけたことのある平たいグラスはクープ型と呼ばれています。クープ型は華やかでいいのですが香りがあまり立たず、酸の強さが際立ってしまいます。また、炭酸が抜けるのも早いです。
味わうという観点からはフルートグラスが最適のようです。
泡の動きも楽しむならフルートタイプ
フルートグラスは立ち上る泡の動きを楽しめるのでとてもおすすめです。また炭酸が抜けにくいという利点もあります。
高さもあり美しい形状は見るだけでうっとりしてしまいます。
安いワインには小さめのグラス
赤であっても白ワイングラスを使うことをおすすめします。安いワインは若くフレッシュなものが多いので香りがそれほど立ち上ってきません。それに少し冷やして飲むこともあり、小さめのグラスの方が温度も上がらず良い状態で飲むことができます。
ワインの美味しい飲み方③適切に保存しよう
未開封のワインは暗くて涼しい場所に
未開封のワインはダメージを最小限に食い止めるというイメージで保存します。
ワインの保存には暗い場所が適しているので光の当たらないところに寝かせてください。直射日光はもちろん、蛍光灯もよくありません。
また、涼しくて温度変化のない場所が最適です。理想的な温度は15℃前後です。そして湿度が高いところに保存するようにしましょう。理想的な湿度は65~80%です。
電子機器等の細かな振動がない場所に置いてください。振動をワインに与えると化学変化が生じて変質の原因になります。
ワインセラーのあるご家庭は少ないので上記の条件に一番近い場所、床下ストッカーや北側の押入れ等が保存に適した場所かと思います。とはいえ何十年も保存するとワインの品質も大きく関わってきますので、ご注意ください。
飲み残しのワインは酸化を防ぐのがポイント
開封したワインを保存するためには空気に触れる面を少なくし、酸化を最小限に抑えるのが重要なポイントです。
そのまま保存する場合は、必ずワインボトルを立てて冷蔵庫で保存しましょう。
もしあれば、空いているガラス瓶などにワインを注ぎ、口ぎりぎりまで満たしてしっかり栓をすると、容器内の空気が少なくなり、空気とワインの接触面も少ないので酸化を防げます。
一番のおすすめは「バキュバン」と呼ばれるストッパーを使用することです。ワインボトルの中の空気を吸い出し真空状態にして、飲み残しのワインを新鮮なまま保つことができます。
バキュバンはお手頃価格で、大きめのスーパーやデパート、東急ハンズにも売っています。
これはNG?間違った方法
割り箸をいれる
インターネットで検索すると安い赤ワインを美味しく飲む裏ワザとして「割り箸を入れる」という方法が出てきます。
ワインは樽の中で熟成させるので、ワインによっては樽の木の香りがするものもあります。
だったら、木の香りを割り箸で付けてやろうじゃないか、という半ば強引な方法です。
木の香りといっても色々な種類がありますし、生産者が計算してワインに樽の香りを付けていますので、単純に「木の香りを付ける」ということに賛同しかねます。
理屈としてはわかりますが、個人的にはおすすめしません。
初心者におすすめのワインの選び方
種類で選ぶ
赤ワイン
ブドウの皮にはタンニンが豊富に含まれています。そして巨峰などの黒っぽいブドウの方が、マスカットなどの白っぽいブドウよりもタンニンの含有量が多いのです。
赤ワインは主に黒っぽいブドウを使い、皮ごと粉砕してワインにするので、タンニンが豊富に含まれています。
そのためちょっと渋みのある独特の味わいになるのです。
白ワイン
一方白ワインは白っぽいブドウを使い、「ブドウの皮を取り除いて」造ります。
そのため赤ワインのようなタンニンが少なく、スッキリして口当たりが良い、軽やかな味わいになるのです。
スパークリングワイン
スパークリングワインというのは発泡しているワインの総称です。
作り方はいろいろあって、サイダーや炭酸水のように後から人工的に炭酸を注入するものもありますし、発酵の途中で自然に発泡することを利用するものもあります。
味わいの違いで選ぶ
料理の味付けでも甘めが好きな人もいれば、辛めが好きな人もいます。
同じようにワインにも味わいがあり、好みによって向き不向きがあります。
ワインを選ぶときは、ぜひ味わいの違いでも選んでみてください。
品種で選ぶ
ワインはブドウの糖分をそのまま発酵させてアルコールにするのでダイレクト!
つまりブドウの品種の特徴や栽培された環境がワインの味にそのまま表れてきます。
そのためワインを選ぶとき、「品種で選ぶ」というのはとても良い方法です。
今回は赤ワイン用の品種、白ワイン用の品種、それぞれ代表的な3品種の特徴をご紹介します。
赤ワインの代表的品種
ボディ | 酸・タンニン | 合う料理 | |
---|---|---|---|
カベルネ・ソービニヨン | フルボディ | 共に強い | 肉料理全般 |
シラー(シラーズ) | フル~ミディアムボディ | 酸は強めだがタンニンは滑らか | 肉料理・チーズなど |
ピノ・ノワール | ライトボディ | 酸は強いがタンニンは弱い | チキン、シーフード、サラダなど |
白ワインの代表的品種
味わいの特徴 | 合う料理 | |
---|---|---|
シャルドネ | 暖かい地域のものはトロピカルで濃厚 寒冷地のものはスッキリ | 鶏のクリーム煮、シーフードなど |
ソーヴィニヨン・ブラン | 爽やかな草原のような青草の香りと心地よい苦み | シーフードやサラダ |
リースリング | 辛口も甘口もあるが、強めの酸と引き締まった果実味 | 白身魚や豚肉料理 |
産地で選ぶ
産地で選ぶ方法もおすすめです。
ワインはさまざまな国で造られていますが、下記の国で造られたワインを選ぶと、まず間違いないでしょう。
- フランス
- イタリア
- スペイン
- アメリカ
- オーストラリア
- 日本
ワインを選ぶ時は、どの国で造られたかというのに注目してみてください。
料理とのマリアージュで選ぶ
ワインと料理のマリアージュは、「料理や食材の色とワインの色を合わせる」ということだけを覚えておけば大丈夫。
お肉だったら牛肉や羊肉のように赤い身のものはタンニンがしっかりとした赤ワイン、鶏肉や豚肉など白っぽいものにはライトボディの赤ワインかしっかり目の白ワインを。
魚も同様で、白身魚にはさっぱりとした白ワイン、マグロの赤身のようなものには軽めの赤ワインが合います。
このルールは料理の味付けにも当てはまります。同じシチューでもビーフシチューのようにブラウンソースのものには赤ワイン、ホワイトシチューには白ワインといった具合です。
価格で選ぶ
ワインの場合、高いものはまず間違いなく「美味しい」です。めったに外れることはありません。
では安いワインは美味しくないのかというとそんなことはなく、もちろん美味しいものもたくさんあります。
ただ「当たり」に巡り会う可能性が低いというのは事実です。
まとめ
フルボトル(750ml)の高級ワインには、
- ・高い
- ・飲み切るのが大変
- ・他と比較できない
という悩みがありますよね。
ホームワインは高級ワインが100mlで4本ずつ届くから、ワインの違いをわかりたい方にオススメ。本サイトの編集長ソムリエ佐々木が監修した学習コンテンツや、2023年にスタートしたソムリエによるコンシェルジュサービスも大人気。
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※販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。
せっかく買ったワインですので美味しく飲みたいですよね。
冷やしたワインを飲み進めていくうちに温度が上がりますが、温度が上がっても冷やした時とは違う味わいや香りに変化しますので、それを楽しんで飲むのも面白いですよ。
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