「日本酒と言えば辛口!」と考えている方も多いのでは?
今回は日本酒ソムリエが辛口の日本酒おすすめ25選をご紹介。
安価な銘柄から、プレゼント用の高級銘柄までを揃えました
辛口の日本酒の特徴や選び方も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
辛口の日本酒とは
辛口とはどんな味?
辛口とは「甘味が少ない味わい」のことを指します。
糖分の含有量が少なく、ほのかな旨味を感じつつも後に残らないすっきりとした味わいが辛口の日本酒の特徴です。
また、甘味が少ない味わいは料理との相性が良い点も魅力。
日本酒好きな方ほど辛口な銘柄を好む傾向にあります。
そのため、日本酒好きな方へのプレゼントは辛口の日本酒を選ぶのがおすすめです。
辛口の日本酒の造り方
辛口の日本酒は、日本酒作りにおける「アルコール発酵」をしっかりと行うことで造られます。
日本酒はみなさんご存じの通り、米を主原料としたお酒です。
日本酒の造り方をざっくりと以下にまとめてみました。
①精米
米の表面を削り、余分な成分を削ぎ落す
②麹作り
蒸した米に麴菌をふりかけ、米麹を作る
③発酵
米、米麹、水に酵母を加え、アルコール発酵を行う
④絞り
発酵が終わった醪(もろみ)をしぼり、日本酒と酒粕を分ける
⑤酒質調整・貯蔵
濾過や加熱殺菌、加水などを行い、一定期間熟成される
辛口な日本酒造りに関わってくる工程は③の発酵です。
日本酒の発酵は、米に含まれるでんぷんが米麹の力で糖分に分解され、その糖分が酵母によってアルコールに変換されることを指します。
アルコール発酵を行う=糖分が消費されるということになるので、発酵をしっかりと行った日本酒は甘味の少ない辛口に仕上がるのです。
また、酵母による発酵はアルコールを生み出すほか、香りや旨味など日本酒を構成するさまざまな成分を発生させます。
辛口の日本酒は甘味が少ない一方で、多様な香りや味わいを持っていると言えるでしょう。
辛口の日本酒の選び方
こちらで辛口の日本酒の選び方をご紹介します。
選び方のポイントは以下の4つ。
・日本酒度で選ぶ
・産地で選ぶ
・特定名称で選ぶ
・値段で選ぶ
順番に詳しく解説していきます。
【選ぶ方1】日本酒度で選ぶ
日本酒度とは、日本酒に含まれる糖分量の指標です。
日本酒度はプラスマイナスと数値で表記され、プラスは辛口、マイナスは甘口な味わいになります。
日本酒度と甘口・辛口の目安 | ||||||
大甘口 | 甘口 | やや甘口 | 中庸 | やや辛口 | 辛口 | 大辛口 |
-20以上 | -10~15 | -5 | ±1~3 | +5 | +5~10 | +10以上 |
日本酒度は辛口の日本酒を選ぶ上で最も参考となる指標です。
辛口の日本酒を選ぶ場合はまず日本酒度をチェックしましょう。
日本酒度は酒瓶の裏ラベルや、酒蔵ホームページなどから確認できます。
【選ぶ方2】産地で選ぶ
日本酒は産地によって味わいの傾向が異なります。
こちらでは辛口の日本酒銘柄の多い産地をチェックしていきましょう。
・秋田県
・山形県
・宮城県
・福島県
・新潟県
・富山県
・兵庫県
・高知県
米処・酒処として知られる東北・北陸地方には、辛口の日本酒が多くあります。
寒冷な気候を活かした低温長期発酵による、透明感のあるクリアな日本酒が特徴です。
東北・北陸地方は寒冷地であることから、保存ができる塩漬けの食品が食べられていました。
その食文化の影響から、塩辛い食べ物に合う辛口な日本酒が好まれたと考えることができます。
関西地方では、日本最大の酒処である兵庫県、酒好きが昔から多いとされる高知県が辛口の日本酒の産地です。
関西は全体として甘口の日本酒が多いですが、一部地域では辛口の日本酒が好まれています。
【選ぶ方3】特定名称で選ぶ
日本酒には原材料や製法によって日本酒を分類する「特定名称」という制度があります。
特定名称を知ることで、その日本酒がどんなタイプなのかを知ることができます。
以下で代表的な特定名称を確認していきましょう。
8つある特定名称を表にまとめてみました。
系統 | 特定名称 | 原材料 | 精米歩合 | 特徴 |
本醸造酒 | 本醸造 | 米・米麹・醸造アルコール | 70%以下 | クリアですっきり |
特別本醸造 | 米・米麹・醸造アルコール | 60%以下 または特別な製法 | クリアですっきり ほのかな華やかさ | |
吟醸酒 | 吟醸酒 | 米・米麹・醸造アルコール | 60%以下 | フルーティーですっきり |
大吟醸 | 米・米麹・醸造アルコール | 50%以下 | フルーティーさが強い | |
純米酒 | 純米酒 | 米・米麹 | 制限なし | 旨味が強い |
純米吟醸 | 米・米麹 | 60%以下 | 旨味がありフルーティー | |
純米大吟醸 | 米・米麹 | 50%以下 | 旨味がありフルーティー | |
特別純米 | 米・米麹 | 60%以下 または特別な製法 | 旨味があり個性的 |
本醸造酒
辛口の日本酒が多いタイプです。
醸造アルコールという原料を加えることで、味わいがキリっと引き締まります。
香りは穏やかですっきりとした飲み口があり、食事との相性は抜群です。
冷酒から熱燗まで幅広い温度帯で楽しめるのも魅力。
吟醸酒
フルーティーな香りが楽しめるタイプ。
よく削ったお米を使用し、低温長期発酵を行うことでフルーティーな香りを生み出しました。
「吟醸香」と呼ばれるメロンやバナナを思わせるような華やかな香りが魅力です。
味わいは本醸造酒に近く、クリアで爽快な味わいがあります。
華やかな香りを楽しむためにも冷やして飲まれることが多いです。
純米酒
米の旨味が楽しめるタイプです。
その名の通り、原材料には米と米麹しか使われていません。
純米吟醸酒や純米大吟醸は、吟醸酒の特徴も加わった華やかで味わい深い仕上がりとなります。
特別純米酒は「特別な製法」を行うことが条件にあるので、他とは一風違った銘柄が多いです。
【選ぶ方4】値段で選ぶ
辛口の日本酒は安価なものから超高級品までさまざま。
日常で消費するものであれば4合瓶で1,000円程度。
少し高品質な銘柄は1,500〜2,000円程度、5,000円を越えれば高級銘柄です。
価格が上がるにつれ、辛口な日本酒はより洗練されたクリアな仕上がりになる傾向があります。
飲用シーンや贈答用などにあわせ、値段もぜひ参考にしてみてください。
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辛口の日本酒おすすめ銘柄25選
それではここから、日本酒ソムリエが厳選したおすすめの辛口日本酒25選をご紹介。
価格帯ごとに銘柄をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。
【1,000円前後】デイリー飲みにおすすめ!安価な辛口の日本酒10選
八海山 普通酒
八海山 普通酒
産地:新潟
特定名称:普通酒
さらりとした飲み口の1本。
普通酒でありながら60%まで削った米を使用しています。
味わいは非常に淡麗で、食事の邪魔をしない穏やかな仕上がり。
新潟の辛口日本酒を代表する人気銘柄です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+5 | 新潟 | 普通酒 |
菊水の辛口
菊水の辛口
産地:新潟
特定名称:本醸造
元祖・新潟の辛口酒。
一世を風靡した新潟の淡麗辛口ブームの先駆けとなった1本です。
キリリとした辛口な味わいの中に、ほのかな旨味を感じます。
どんな食事とも合わせやすい親しみのある味わいも魅力。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+8 | 新潟 | 本醸造酒 |
一ノ蔵 無鑑査本醸造 超辛口
一ノ蔵 無鑑査本醸造 超辛口
産地:宮城
特定名称:本醸造酒
晩酌酒として愛されている宮城の銘酒。
ふくらみのある口当たりがあり、後味はすっきりとしています。
香りは穏やかなため食事の邪魔をしません。
気軽に毎日飲みたくなるような味わいが特長です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+4~6 | 宮城 | 本醸造酒 |
会津ほまれ 辛口純米酒
会津ほまれ 辛口純米酒
産地:福島
特定名称:純米酒
まろやかで切れ味抜群の純米酒。
仕込み水には東北のアルプスとも呼ばれる飯豊山の伏流水を使用。
米のふくよかな風味が感じられますが、味わいは非常にクリアです。
常温やぬる燗にして、焼き魚と一緒にぜひお楽しみください。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
– | 福島 | 純米酒 |
麒麟山 伝統辛口
麒麟山 伝統辛口
産地:新潟
特定名称:普通酒
安定感のある淡麗辛口な味わいの1本。
これぞ辛口!と思うような飲み飽きしない辛口な味わいを楽しめます。
地元である新潟県の奥阿賀産の米を100%使用。
地域に愛されている定番の晩酌銘柄です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+6 | 新潟 | 普通酒 |
剣菱
剣菱
産地:兵庫
特定名称:普通酒
辛みと旨味のバランスを追求した銘柄。
外観がほのかに琥珀色に染まっているのが剣菱の大きな特長。
その色合いには豊かな米の風味が溶け込んでおり、芳醇さと切れ味が見事に調和しています。
冷酒はもちろん、熱燗にすることで米の風味が引き立つのでおすすめ。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+1~2 | 兵庫 | 普通酒 |
あさ開 上撰辛口
あさ開 上撰辛口
産地:岩手
特定名称:普通酒
さっぱりと上品な味わいの辛口銘柄。
岩手県産の米を使用し、雪国ならではの「寒造り」でゆっくり発酵を行いました。
透明感のある飲み口と、ほのかに米の甘味を感じる味わいが魅力です。
食中酒としては最適な1本。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+6 | 岩手 | 普通酒 |
賀茂鶴 本醸造 辛口
賀茂鶴 本醸造 辛口
産地:広島
特定名称:本醸造酒
芳醇さとキレを両立した仕上がりの銘柄です。
豊かな自然の中で育まれた酒米を、さらに厳選して使用しています。
切れ味は抜群で、和洋中どんな食事とも合わせることができるでしょう。
広島を代表する人気の1本です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+5 | 広島 | 本醸造酒 |
酔鯨 特別純米酒
酔鯨 特別純米酒
産地:高知
特定名称:特別純米酒
食事と一緒に楽しむために作られた特別純米酒です。
純米酒でありながら精米歩合55%の酒米を使用。
米のほどよい甘味と旨味、そこにわずかな酸味が加わり奥行きのある味わいに。
辛口な銘柄の中でも飲みごたえのある1本です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+7 | 高知 | 特別純米酒 |
白鶴 大吟醸
白鶴 大吟醸
産地:兵庫
特定名称:大吟醸酒
コスパ抜群の大吟醸酒。
大吟醸ならではの華やかな香りを楽しむことができます。
飲み口はすっと喉を通るような軽やかさがあり、食事とも合わせやすいです。
フルーティーな大吟醸を安価に楽しみたい方におすすめ。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+3 | 兵庫 | 大吟醸酒 |
【1,500~2,000円代】ちょっと贅沢したい!辛口の日本酒10選
南部美人 特別純米酒
南部美人 特別純米酒
産地:岩手
特定名称:特別純米酒
岩手を代表する人気銘柄。
ロンドンで行われる世界的なお酒の品評会で「チャンピオンサケ」を受賞しています。
辛口な味わいの中に、果実やマシュマロを思わせるような甘い風味を感じます。
メイドイン岩手のこだわりで造られた銘酒です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+4 | 岩手 | 特別純米酒 |
山形正宗 辛口 純米酒
山形正宗 辛口 純米酒
産地:山形
特定名称:純米酒
すっきりと爽快な切れ味の1本。
口に含むと米の旨味がジワリと広がりますが、後味は非常にクリア。
辛口好きにはたまらない味わいに仕上がっています。
鋭い刀のような切れ味があるため、食事とぜひ一緒にお楽しみください。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+8 | 山形 | 純米酒 |
日高見 超辛口純米
日高見 超辛口純米
産地:宮城
特定名称:純米酒
魚介と合わせるならコレ!という1本。
宮城・石巻で造られる日高見は、とにかく魚介との相性が抜群です。
超辛口な味わいが、魚介の風味や旨味を引き出してくれます。
お刺身や焼き魚、鍋物のお供にはぜひ日高見を。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+11 | 宮城 | 純米酒 |
大信州 超辛口純米吟醸
大信州 超辛口純米吟醸
産地:長野
特定名称:純米吟醸酒
透明感のある長野の辛口銘柄。
長野県にまたがる北アルプス連峰の雪解け水を仕込み水に使用。
日本酒度は+14とかなりの辛口ですが、それを感じさせない柔らかさがあります。
信州の魅力が詰まったソフトな味わいの辛口酒です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+14 | 長野 | 純米吟醸酒 |
刈穂 山廃純米 超辛口
刈穂 山廃純米 超辛口
産地:秋田
特定名称:山廃純米酒
伝統製法である山廃仕込みの辛口銘柄。
天然の乳酸菌を取り込むことで、日本酒に奥行きのある味わいと風味を与えています。
しっかりと辛口ですが、複雑な旨味や酸味が特長。
少し温度を上げて飲むことで、よりふくよかさが増すのでおすすめ。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+12 | 秋田 | 山廃純米酒 |
北雪 超大辛口 佐渡の鬼ころし
北雪 超大辛口 佐渡の鬼ころし
産地:新潟
特定名称:普通酒
辛口を追求した抜群の切れ味を誇る1本。
日本酒度は+15と、かなりの辛口に仕上がっています。
口に含みとすっと喉を通り、身体に染みていくようなキレイな酒質です。
辛口好きにはたまらない人気銘柄です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+15 | 新潟 | 普通酒 |
越乃寒梅 別撰 吟醸
越乃寒梅 別撰 吟醸
産地:新潟
特定名称:吟醸酒
淡麗辛口ブームで幻の銘柄と呼ばれた有名銘柄です。
軽快ですっきりとした飲み疲れしない味わいは、まさに新潟淡麗辛口。
冷酒ではすっきりと、燗酒ではふくらみのある味わいを楽しめます。
上品な辛口酒をお探しの方にぴったりな1本です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+7 | 新潟 | 吟醸酒 |
〆張鶴 純 純米吟醸
〆張鶴 純 純米吟醸
産地:新潟
特定名称:純米吟醸
優雅な風味を楽しめる1本。
米のやわらかな甘い風味や、ほのかな旨味を感じることができます。
マイルドな味わいがあり、気付いたら無くなっているような後味の良さが魅力。
冷酒からぬる燗まで幅広い温度帯で楽しめるでしょう。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+2 | 新潟 | 純米吟醸酒 |
白瀑 純米酒 ど辛
白瀑 純米酒 ど辛
産地:秋田
特定名称:純米酒
フルーティーかつ超辛口な味わいの銘柄。
青りんごを思わせるような果実の風味を感じます。
口に含むと甘味や旨味を感じますが、スーッと引いていくキレの良さが印象的。
非常に親しみやすいため辛口が苦手な方にもおすすめできます。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+15 | 秋田 | 純米酒 |
越乃景虎 名水仕込み 特別純米酒
越乃景虎 名水仕込み 特別純米酒
産地:新潟
特定名称:特別純米酒
日本百名水に選ばれた水で仕込んだ特別純米酒です。
新潟県にある「杜々の森」から湧き出る軟水を仕込み水に使用。
澄み切った辛口な味わいが身体にしみわたります。
新潟県内で根強い人気を誇る地酒です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+3 | 新潟 | 特別純米酒 |
【5,000円以上】プレゼントにおすすめ!辛口の日本酒5選
久保田 萬寿
久保田 萬寿
産地:新潟
特定名称:純米大吟醸
言わずと知れた新潟の人気銘柄・久保田。
華やかでフルーティーな香りと、深みのある米の風味が魅力です。
しっかりとした個性を感じながらも、味わいはやはり淡麗辛口な仕上がり。
和食はもちろん、フレンチやイタリアンとの組み合わせもおすすめです。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+2 | 新潟 | 純米大吟醸酒 |
くどき上手 大吟醸
くどき上手 大吟醸
産地:山形
特定名称:大吟醸酒
華やかさと複雑性が入り混じった大吟醸酒です。
最高級の酒米「山田錦」を35%まで精米。
ピュアな大吟醸酒に、熟成古酒をわずかにブレンドすることで、華やかさと奥深さを兼ね備えた仕上がりとなりました。
日本酒の奥深さを楽しめる1本です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+3 | 山形 | 大吟醸酒 |
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
産地:山口
特定名称:純米大吟醸
高級な日本酒の代表格である獺祭。
25%まで米を磨くことで、驚くほど滑らかでキレのある味わいを生み出しています。
ハチミツを思わせるような甘味や、メロンのような果実の香りも魅力です。
日本酒選びに失敗したくない方は、超人気の獺祭を選ぶと良いでしょう。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+4 | 山口 | 純米大吟醸酒 |
八海山 純米大吟醸 金剛心
八海山 純米大吟醸 金剛心
産地:新潟
特定名称:純米大吟醸酒
年2回だけ販売される超レアな八海山の限定銘柄。
八海山の中でも最高レベルの職人と技術が集まる「浩和蔵」で仕込みが行われます。
飲み口は淡麗ですが、余韻にはなんとも形容しがたい極上の風味が残ります。
ボトルデザインも洗練されており、プレゼント用にぜひおすすめな1本です。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
±0 | 新潟 | 純米大吟醸酒 |
北雪 大吟醸YK35 信 遠心分離
北雪 大吟醸YK35 信 遠心分離
産地:新潟
特定名称:大吟醸酒
こだわりを詰め込んだ至高の大吟醸酒。
大吟醸に特化した酒米と酵母を使用し、遠心分離機を使って酒を搾りました。
負荷を全くかけずに搾られたピュアな酒質の大吟醸を、そのまま瓶詰めして熟成。
華やかな吟醸香と、やわらかな口当たりは日本酒ファンも思わずうなる仕上がり。
日本酒度 | 産地 | 特定名称 |
+4 | 新潟 | 大吟醸酒 |
辛口の日本酒の歴史
なぜ辛口の日本酒が人気になったのか、その変遷を日本酒の歴史から紐解いていきます。
日本酒はもともと甘かった?
日本酒の起源は諸説ありますが、縄文時代や弥生時代にはすでに米を使ったお酒が飲まれていたとされています。
奈良時代には現在の日本酒造りに近い醸造方法が確立され、全国的に日本酒が造られるようになりました。
では、昔の日本酒はどのような味わいだったのでしょうか?
おそらく昔の日本酒は甘口な味わいが主流だったと考えられます。
当時は現在の日本酒造りでは常識となっている、温度管理や原材料の加工などの技術が確立されていませんでした。
そのため、日本酒の発酵が現在のようにうまく行われていなかった可能性があります。
発酵が途中で止まった日本酒は、低アルコールで米の糖分がお酒に残った濃醇な味わいであったと推測できるでしょう。
また、近代に入るまで「甘味」のある飲食物は高級品とされていました。
味醂(みりん)も昔は飲み物として飲まれていたことから、日本酒も甘口が好まれていたのではないかと考えることもできるでしょう。
江戸時代に入ってからは日本酒の大量生産が始まり、明治時代から酒造りの近代化がスタート。
酒米の開発や酵母の研究などが進み、品質の向上を遂げていきます。
戦後に出回った「三増酒」
戦時下では日本酒の原材料である米が食用に回され、日本酒造りが困難になりました。
戦争が終わった後も米不足が続き、その状況下で生まれたのが「三増酒(さんぞうしゅ)」です。
三増酒は、完成した日本酒にアルコールと、糖類や酸味料などの添加物を加えて3倍の量に増やした日本酒を指します。
アルコールで薄まった日本酒の味を補うためにさまざまな添加物が加えられていたので、三増酒は「べたついた甘味」のある酒だったとのこと。
当時は日本酒の味わいにこだわる消費者は少なく、三増酒は酔うための酒として流行します。
低コストかつ作れば売れる三増酒は酒蔵にとってメリットが大きく、瞬く間に世間に広がっていきました。
流行の一方で、酔うための酒であった三増酒は「日本酒は不味い・悪酔いする」という、マイナスの印象を人々にもたらしたとも言われています。
地酒ブームで辛口が主流に
1970年代頃から地酒ブームが始まります。
高度経済成長を経て、生活が豊かになるにつれ日本酒の味わいにこだわる消費者が増加。
当時の国鉄が打ち出した旅行キャンペーンも追い風となり、日本各地の地酒に注目が集まりました。
1980年代に入ると「新潟淡麗辛口」が一大ブームに。
雑味のないクリアな味わいの新潟の地酒が人気となり、「越乃寒梅」を筆頭に幻の酒と呼ばれる銘柄が現れました。
辛口の日本酒ブームの背景には、いくつかの要因が重なっています。
甘ったるい味わいの三増酒への反動や、アサヒ・スーパードライの登場、経済成長による食生活の変化などが代表的な要因です。
新潟淡麗辛口が大きなブームになったことから、全国でも辛口の日本酒が造られるようになりました。
辛口の日本酒ブームが終わった現在でも、辛口の日本酒を好む日本酒ファンは多いです。
また、ここ数年ではお酒と料理の組み合わせを考える「フードペアリング」が世間に広がっています。
その背景から、料理の味わいを邪魔しない辛口の日本酒が好まれているということもあるでしょう。
辛口の日本酒の飲み方
【飲み方1】冷酒
冷酒は辛口の日本酒を楽しむ定番の飲み方。
キリリと冷えた日本酒は甘味が抑えられ、辛口な味わいが強調されます。
鋭い切れ味を楽しみたい方は、ぜひ冷酒をお試しください。
また、フルーティーな香りが特長である吟醸系の日本酒は、冷やすことで香りが経ちやすくなります。
【飲み方2】常温
常温は日本酒の持つ本来の味わいを楽しめる飲み方です。
甘味や旨味、酸味、苦味などをしっかりと味わうことができるでしょう。
銘柄ごとの個性を確かめたい場合には常温がおすすめ。
【飲み方3】ぬる燗
ぬる燗は日本酒の風味を引き出した飲み方。
米の甘味が引き立ち、辛口な日本酒の味わいが少し和らぎます。
辛口な味わいに変化を付けたいときにぬる燗はおすすめです。
米の風味が魅力の純米系の日本酒はぬる燗でよりおいしくいただけるでしょう。
【飲み方4】熱燗
辛口な日本酒は熱燗もおすすめです。
ぬる燗を越える温度になると、今後は逆に甘味が抑えられるようになります。
また、温度が上がることでアルコール感も相まってより辛口な印象に。
辛口な日本酒好きな方はぜひ熱燗も試してみてください。
辛口の日本酒に合わせるおつまみ
【おつまみ1】お刺身
日本酒とお刺身は鉄板の組み合わせと言えるでしょう。
風味が穏やかで素朴な味わいのお刺身は、切れ味の鋭い辛口の日本酒と相性抜群です。
おつまみに困った場合は、お刺身を選べば間違いないでしょう。
風味が穏やかな辛口な日本酒を、良く冷やして合わせてみてください。
【おつまみ2】焼き鳥
居酒屋の定番メニューである焼き鳥。
鶏のジューシーな脂や旨味を、辛口な日本酒がさっぱりと洗い流してくれます。
タレ味の焼き鳥には純米系、塩味の焼き鳥には本醸造系がおすすめです。
飲み方は冷酒から熱燗まで、お好きなスタイルで合わせてみてください。
【おつまみ3】チーズ
意外かもしれませんが、日本酒はチーズとよく合うのです。
日本酒とチーズはどちらも発酵食品。
2つを合わせることで、様々な味わいや風味の相乗効果を生み出します。
常温やぬる燗などと合わせることで、甘味・塩味・旨味が複雑に絡み合うペアリングを楽しめるでしょう。
【おつまみ4】おでん
飲み屋の定番おつまみであるおでん。
アツアツのおでんには、同じくしっかりと温めた熱燗を合わせたいところです。
日本酒が出汁を吸ったネタの旨味を引き立て、辛口な味わいは口の中をさっぱりさせてくれます。
〆には熱燗におでんの出汁を注いだ「出汁割り」もおすすめ。
辛口の日本酒は安価なものから超高級品まで幅広い!
辛口な日本酒はとにかく種類が豊富です。
日本酒度や産地、値段などを参考に、ぜひ自分に合う銘柄を探してみてください。
より辛口な味わいを楽しみたい方は、冷酒か熱燗で日本酒を飲むのがおすすめです。
辛口な日本酒は食事との相性が良いことも大きな魅力。
お刺身やおでんなど、ぜひ美味しい食事と一緒に辛口の日本酒を楽しんでください。
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