「ピエモンテではどんなワインが造られている?」
「ピエモンテの白ワインでおすすめの銘柄は?」
トスカーナに並ぶ高級ワインの産地であるピエモンテ。
赤ワインのバローロやバルバレスコが有名ですが、高品質な白ワインも数多くあります。
この記事では、そんなピエモンテの白ワインの特徴から、おすすめのワインまでご紹介します。
ぜひ、ワイン選びの参考にしてください。
ピエモンテとは?地図で確認
ピエモンテ州はイタリア北西部に位置する州です。
イタリアの地図を見ると、ピエモンテ州は「ブーツ」の形をしたイタリア半島の北西部、アルプス山脈の麓に広がっています。
州都であるトリノは、ピエモンテ州の中央よりやや東寄りに位置しており、ミラノからは西に約140km、ジェノヴァからは北に約170kmの場所にあります。
ピエモンテ州の名前は「山の麓」を意味し、その地理的特徴がわかるでしょう。
アルプス山脈からポー川の平野へと広がる変化に富んだ地形が、この州の特徴です。
地図で確認することで、ピエモンテ州がイタリア北部の重要な位置を占め、フランスやスイスとの文化交流の要所であることがよく理解できます。
ピエモンテの白ワインの特徴
ピエモンテ州は、スイスとフランスに接するちょうどアルプス山脈の麓にあるイタリア北部の州です。
生産量の80%以上をD.O.Pワインが占める高品質なワイン産地です。
ワイン生産地として有名なのは、ランゲ地区やロエロ地区、アスティ地区、ガヴィ地区などです。
ピエモンテの気候
気候は大きく分けて平野と山岳部に分けられます。平野部は大陸性気候に属し、昼夜、夏場と冬場の気温の差が激しくなります。
山岳地帯は夏場でも涼しい代わりに、冬は厳しい寒さとなります。
ピエモンテの土壌
ピエモンテを代表するランゲ地区は、主に石灰と粘土質の土壌です。それによりミネラル分を多く含むキリッとした酸のある白ワインに仕上がります。
一方、ロエロ地区は石灰と砂質の土壌のため、優しい口当たりでエレガントな酸味のワインに仕上がります。
近年の注目品種であるアルネイスが多く栽培されています。
代表的白ワイン品種
ピエモンテは固有品種による単一ワインが多いです。使用される代表的な品種をご紹介します。
コルテーゼ
ピエモンテのアレッサンドリア原産と言われる品種で、ピエモンテを中心にロンバルディア州やヴェネト州で栽培されています。
基本的には単一種にて醸造される品種です。
柑橘系果実のフレッシュですっきりとした味わいが特徴で、アルコール度数はやや低め、酸とのバランスが素晴らしいドライなワインに仕上がります。
モスカート ・ビアンコ
フランスではミュスカと呼ばれる品種です。みずみずしい果実感のある味わいが特徴です。
マスカットブドウそのものの香りや、メロンや黄桃などの香りもある早飲みタイプのワインです。
ピエモンテではアスティの品種として有名です。
アルネイス
ピエモンテ州ロエロ原産の白ブドウ品種で、熟しやすい傾向がある為栽培が難しいとされている品種です。
第1の特徴に、品種由来の香りとして、アーモンドのニュアンスがあります。
アプリコットや洋梨、オークの風味も感じられるしっかりとした味わいのタイプと、爽やかでフルーティなタイプとがあり、一部ではパッシートと呼ばれる甘口のワインも生産されます。
ピエモンテの白ワインは格付けで選ぶ
ピエモンテの白ワインを選ぶなら、格付けで選ぶのがおすすめです。
ガヴィ DOCG
ワインの特徴
コルテーゼを100%使用の規定がある辛口ワインです。
スッキリした酸に、石灰質土壌特有のミネラリー感がしっかりと感じられるのが特徴です。
グレープフルーツなどの柑橘系のアロマにフローラルやハーブ系の香りも感じられるシャープな味わいのワインです。
造り手にもよりますが、多くは早飲みタイプです。
おすすめのマリアージュ
郷土料理であるバーニャカウダと合わせるのが一般的と言われています。
例えば、アクアパッツァ、カラマリのフリット、パスタならマーレビアンコ(シーフードの白ワインソース)と大変相性が良いです。
更に和食とも幅広くマリアージュを楽しめます。白身や青魚のシンプルな塩焼きにはガヴィがぴったりです。
生牡蠣や白身魚の刺身、寿司とも相性抜群です。
ロエロ アルネイス DOCG
ワインの特徴
アルネイスを100%使用した豊かな果実味と、石灰質土壌由来のミネラル分を感じるワインです。酸味はエレガントで優しい口当たりが特徴です。
ヘーゼルナッツやアプリコット、桃、レモンのような豊かな香りに、アルネイス特有のアロマとしてアーモンドのニュアンスが挙げられます。
おすすめのマリアージュ
シーフード系又は卵を使用したアンティパスティや野菜のせいろ蒸し、カルパッチョ、塩でシンプルに味を整えたチキンのグリルなどとマリアージュを楽しめます。
意外なところでは小籠包や春巻きなどとも合います。
アスティスプマンテ DOCG
ワインの特徴
アスティスプマンテは日本で最もポピュラーなスパークリングワインで、モスカートビアンコ100%です。
品種由来の爽やかなマスカットの香りが特徴で、他の発泡性ワインでこの香りを感じることはありません。
アルコール度数が低めでフルーティな味わいに優しい甘さは、お酒が苦手な方でも受け入れやすいワインです。
おすすめのマリアージュ
伝統的にプロシュートとの相性が良くイタリアで親しまれています。
また、マチェドニアにアスティを少し加えて楽しむのも一般的です。季節のフルーツをたっぷり使用したタルトやチーズケーキとも大変好相性です。
ピエモンテのおすすめ白ワイン15選
- ・高い
- ・飲み切るのが大変
- ・他と比較できない
という悩みがありますよね。
ホームワインは高級ワインが100mlで4本ずつ届くから、ワインの違いをわかりたい方にオススメ。本サイトの編集長ソムリエ佐々木が監修した学習コンテンツや、2023年にスタートしたソムリエによるコンシェルジュサービスも大人気。
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日常使いにおすすめ!予算2,000円ガヴィベスト5
ガヴィは、高いものでも5,000円代までが主流です。
日常使いであれば、2,000円未満の予算でも美味しいガヴィに出会うことができます。
5位
アルテロッケ ビアンケ ガヴィ
すっきりとした酸味と、白花の香りをほのかに感じる白ワイン。塩気を感じるミネラル感、わずかな苦味が余韻として残ります。
ドライな味わいは、魚介類との相性抜群です。ガヴィを飲んだことのない方に飲んで欲しいワインです。
4位
テヌータ サン ピエトロ ガヴィ
生産者の「テヌータ・サン・ピエトロ」は、オーガニックワインを生産するワイナリーです。
リンゴや黄桃のような香りと、ほどよいミネラル感があるワイン。食前酒として、または魚介類の料理と合わせるとよいでしょう。
3位
このワインは、キュートなラベルが世界中で人気があるスパークリングワイン「天使のアスティ」を生産しているサンテロ社が造っています。
穏やかで程よい酸味は、シーフード料理とよく合います。
2位
なしやリンゴを思わせる果実味と、ミネラル感のバランスがよいワインです。すっきりとした酸味があるので、鶏肉料理やクリーム系の料理とよく合います。
1位
イル ポッゾ ガヴィ ディ ガヴィ
「ガヴィ ディ ガヴィ」とは、ガヴィ市で造られたガヴィであることを強調したもの。冷涼な土地で栽培されたコルテーゼは、フレッシュな味わいとデリケートな香りが特徴です。
青リンゴやレモンの香りとミネラル感を味わうことができ、ほどよい爽やかな酸味と後に残るかすかな苦味が魚介類との相性抜群です。生牡蠣にもよく合います。
飲みやすさ抜群アスティ・スプマンテ2,000円未満
甘口のスパークリングワイン「アスティ・スプマンテ」は日本でも人気があります。
日常使いのものであれば、2,000円未満でも飲みやすいものを探すことができますよ。
5位
1865年にイタリアで初のスパークリングワインを生産したガンチアのアスティです。自社の畑と契約農家で栽培されたモスカートを使用して造られた甘口のスパークリングワインは、世界中で人気があります。
4位
1863年に創業されたマルティーニが生産するスパークリングワインは、欧米諸国で高いシェアを誇ります。
モスカート・ビアンコ種の持つフルーティーな香りと味わいを感じることができる1本です。
3位
完熟したマスカットの香りと、気品のある甘さが口の中に広がるスパークリングワインです。デザートワインとしておすすめしたい1本。
2位
1871年に家族8人で始めたアリオネ ・エステートは、伝統を守りつつ最新技術を取り入れながら上質なワインを生産し続けています。マスカットの香りとほどよい甘みに、フレッシュな酸味が魅力。
1位
ジャパン・ワイン・チャレンジ2007で金賞を受賞した、日本でも人気が高いスパークリングワイン。マスカットの香りと優しい味わいは、世界中で愛されています。
サンテロ社は、質のよいブドウを収穫できるよう、契約農家の技術向上のためのサポートも怠りません。契約農家との信頼関係が強く、高品質のスパークリングワインを生産しています。
甘くてしあわせなモスカート・ダスティ!予算3,000円ベスト5
ピエモンテ産の白ワインは、コスパに優れているものが多いため、3,000円までの予算でもさまざまなモスカート・ダスティを選ぶことができます。
5位
「最上の畑で、最上の酒を作る」というポリシーでワイン造りをしている名門ワイナリー「チェレット社」が手がけています。
4位
モスカート・ダスティ・ヴェッキア・ストーリア
ブドウの甘い香りと微発泡の泡が心地よいスパークリングワインです。爽やかな酸味があるため、後味もすっきりとしています。
3位
ピエモンテで100年以上の歴史を持つ「アンティノリ」が手がける微発泡の白ワインです。
アカシアの蜂蜜のような香りとムスクの香りを感じることができます。クッキーやビスケットとワインのマリアージュをお楽しみください。
2位
このワインを手がける「サンテロ社」は、アスティで代表的な生産者として知られてます。
冷やすと、マスカット種特有の甘い果実の香りと炭酸によるフレッシュ感を味わうことができます。暑い夏にキリッと冷やして飲んで欲しい1本です。
1位
ジャパン・ワイン・チャレンジは、2018年で21回目となるワイン審査会で、毎年世界中から1,700種類を超えるワインがエントリーされるアジア最大のワイン評価会です。
ガンチア・モスカート・ダスティは、2016年大会で金賞受賞。「ガンチア」は、世界中で愛されている「アスティ・スプマンテ」を最初に生産した会社として知られています。
微発泡で甘口の味わいは、ケーキやアイスなどのドルチェと相性がよいといわれています。
ピエモンテの白ワインに合う料理

画像出典:日本イタリア料理協会
ピエモンテの白ワインには、地元の前菜を合わせると相性がいいでしょう。
上記の画像にもある「ヴィテッロ・トンナート」という仔牛肉のツナソース和えは、軽やかな白ワインと相性抜群です。
また、「バーニャ・カウダ」というアンチョビとニンニクのディップソースに野菜を付けて食べる料理も、白ワインとの相性が良いです。
スパークリングワイン、特にアスティ・スプマンテには、デザートがよく合います。
「ボネ」というチョコレートプリンや、「パンナコッタ」などの乳製品を使ったデザートは、甘口のスパークリングワインと素晴らしいマリアージュを生み出します。
これらの料理は、ピエモンテの豊かな食材を活かし、ワインの特徴を引き立てる組み合わせです。
地元の食材と伝統的な調理法が、ワインの味わいをさらに深めるのです。
ピエモンテ白ワインまとめ
ピエモンテ州は、トスカーナ州と並びイタリアを代表する銘醸ワインの生産地で、ランゲ・ロエロ・モンフェッラートのブドウ畑を含む景観は、2014年にイタリア50番目の世界遺産として認定されました。
「スローフード」発祥の地であるピエモンテ州では、もともと食べ物を生活の中心ととらえ、家族で食事を取ることを大切にし、生産者や調理者へ常に感謝の気持ちが強い地域です。
ワインと食事は切っても切れない関係です。この州で高品質なワインが多く生産されているのは、ピエモンテの人々の食べ物に対する考え方が影響しているのかもしれませんね。
ピエモンテで生産される白ワインやスパークリングワインは、高品質ながら比較的価格が抑えられたものが多くそろっています。スローフードの考えを意識しながら、ピエモンテのワインと料理を楽しんでみてはいかがでしょう。
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