「獺祭」といえば日本酒を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし実は焼酎版の獺祭も製造されています。
今回は獺祭の焼酎について特徴や種類、美味しい飲み方などをご紹介します。
そもそも「獺祭」とは
引用:獺祭公式HP
そもそも獺祭とは、日本酒で有名な銘柄の1つ。
山口県岩国市の「山奥の小さな酒蔵」旭酒造にて造られており、1990年に初めて販売されました。
日本酒の多くは辛口でインパクトの強い味わいが多いですが、獺祭は優しくフルーティーな香りや味わいが特徴。
そのため日本酒の常識を覆し、普段日本酒を楽しまない女性達からも、獺祭の飲みやすさが評価され大人気に。
また安倍首相がオバマ大統領に獺祭を贈呈したことにより、さらに有名になった背景もあります。
獺祭には焼酎もある
ここからは獺祭の焼酎の特徴を解説していきます。
今回紹介する獺祭の焼酎の特徴は以下の通りです。
・日本酒「獺祭」に似ている
・当初は地元のみの販売
・現在も希少
ではそれぞれ見ていきましょう。
粕取(かすとり)焼酎
焼酎は麦、米、芋などさまざまな原料を使って造られていますが、その中の一種類が酒粕(さけかす)を使った焼酎もあります。
「獺祭」の焼酎は、清酒獺祭から剥いだ当日の酒粕のみを原料に造られています。
そのため元の日本酒のようなフルーティーでやさしい感覚が残っていることが特徴です。
日本酒「獺祭」との違い
味わいや香りは日本酒の獺祭のような感覚が特徴です。
フルーティーで飲みやすく、辛口のガツンとした感覚が苦手な方や女性の方にもおすすめ。
大きな違いはアルコール度数で、日本酒の獺祭が16%前後であるのに対して焼酎の獺祭は39%です。
「獺祭 焼酎 後留」であれば少し低めの20%ですが、どちらにせよ日本酒のときよりアルコール度数が高くなっています。
また製造方法から「獺祭焼酎の」生産量が少ないことも違いの1つです。
当初は地元のみの販売
酒粕は白色の固形物で、量が多く取れません。
日本酒を搾った後の副産物である「酒粕」を蒸留して造った焼酎は、当初は旭酒造が位置する山口県内でしか売られていませんでした。
獺祭が国内だけでなく、海外でも注目されるようになったことで、希少価値の高い焼酎にもスポットライトが当たるようになったのです。
また酒粕を使用しているため生産量が極端に少なく、市場にはほとんど出回りません。
入手困難であることから、幻の焼酎とも言われています。
獺祭の評価
粕取焼酎は、戦後間もない頃は安くて不味い焼酎の代名詞でした。
旭酒造の酒粕は清酒獺祭を搾ったものなので、その品質が高く評価されています。
獺祭の焼酎は一般的な麦、芋、米の焼酎とは異なり、清酒獺祭の酒粕を原料としています。
そのため、普段は焼酎をあまり飲まない方にも非常に飲みやすいと好評です。
焼酎の獺祭を製造する「旭酒造」とは
引用:獺祭公式HP
獺祭を理解する上で欠かせないのは造り手である「旭酒造」。
旭酒造は一般的な酒造とは少し異なり、杜氏(とうじ)がいません。
杜氏とは酒造りの最高責任者であり、酒造りにおいてはエキスパートかつリーダーとも呼べる存在です。
しかしそんな杜氏を置かないことによって、全員に酒造りを学ぼうといった姿勢が育まれ高品質の日本酒などが誕生しました。
「山奥の小さな酒蔵」が大人気の獺祭を生み出したのは偶然ではなく、全員が酒造りに本気だからこそ必然的に起こった出来事なのではないでしょうか。
獺祭の焼酎は2種類
ラインナップは「獺祭焼酎」と「獺祭焼酎 後留」の2つです。
製法は、泡盛やウイスキー、テキーラなどと同じ「単式蒸留」で行なわれており、度数は「獺祭 焼酎」が39%、「獺祭 焼酎 後留」は20%程度です。
「獺祭」の焼酎を蒸留した後、残った酒粕から再度蒸留された「後留」は現在生産終了となっており、希少価値がとても高い焼酎として知られています。
獺祭 焼酎
獺祭 焼酎
度数:39%
原料:清酒粕
アルコール度数は39度あり、ウイスキーやブランデーに近い度数に仕上がっています。
味わい
同じ米を原料とした米焼酎はスッキリとしているけれど香りはあまり感じられないのに比べて、甘く華やかな風味を感じることができます。
まるで濃い日本酒を飲んでいるような口当たりが人気です。
粕取り焼酎の一番の特徴は、日本酒のような香りと、焼酎のすっきりとした飲み心地を両立させている点です。
値段
720mlで税抜3,100円、税込みで3,410円です。
獺祭の商品はすべて定価(メーカー希望小売価格)での販売になります。
獺祭 焼酎 後留
獺祭 焼酎 後留
度数:20%
原料:清酒粕・清酒
「獺祭焼酎」焼酎を造る蒸留の工程で留出される蒸留液の終わりの部分で造られています。
現在では生産終了しており、市場にはほとんど出回りません。
もしオンラインショップなどで見かけたら、迷わず購入することをおすすめします。
味わい
通常の「獺祭焼酎」はアルコール度数39度ですが、後留の部分になると度数は下がり、約20度になります。
よりスッキリとした、優しい味わいの焼酎を楽しむことができます。
値段
720mlで定価は792円(税込)です。
獺祭焼酎が買える場所
ここからは獺祭焼酎を購入できる場所について紹介していきます。
今回紹介する方法は以下の3種類です。
・スーパーで購入する
・オンラインで購入する
ではそれぞれ見ていきましょう。
取扱店や直販店から購入する
まずは取扱店や直販店から購入する方法です。
先に紹介した通り、獺祭焼酎は生産数が少なく非常に希少な焼酎。
そのためAmazonや楽天などオンラインでの購入は基本的にプレミアがついており、定価よりも非常に高い価格で取引されています。
しかし取扱店や直販店であれば定価、もしくは定価に近い価格で購入できることが多いためおすすめです。
ただし必ず獺祭が置いてあるとは限らないため、お近くの店舗に電話などで確認しておくことをおすすめします。
スーパーで購入する
獺祭は正規取扱店や直販店だけでなく、お近くのスーパーでも購入できます。
しかしスーパーでは獺祭の値段が定価以上で販売されていることが多いです。
近くに取扱店・直販店がない、または近くでは売り切れていた場合を除いて、スーパーでの購入よりも取扱店や直販店での購入をおすすめします。
ただ後述するオンラインでの購入方法の場合は、プレミアが付けられ定価より大幅に高い価格で販売されていることもあるため、比べればスーパーで購入した方が安いこともあるでしょう。
オンラインで購入する
最後はオンラインで購入する方法です。
上記のようにAmazonや楽天などECサイトであれば獺祭を取り扱っていることは多いため、購入することができます。
しかし定価より大幅に高いことがあるため、注意が必要です。
そこでおすすめは旭酒造株式会社の公式通販サイトである「獺祭Store WEB店」で利用すること。
公式通販サイトのため全てのラインナップが揃っており、定価で購入できます。
配送料はかかってしまいますが安心して利用できるため、迷ったら獺祭Store WEB店
獺祭焼酎の飲み方
焼酎獺祭は特有のフルーティな香りと軽やかな味わいが特徴です。
そんな焼酎獺祭をより楽しむためには飲み方にもこだわってみましょう。
焼酎獺祭と様々な飲み方の相性は以下の通り。
飲み方 | ストレート | ロック | 水割り | ソーダ割り | お湯割り |
相性 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
それでは相性ごとに解説していきます。
おすすめはストレート・ロック
獺祭焼酎を存分に楽しみたいなら、おすすめはストレート・ロックです。
獺祭焼酎の魅力はフルーティーでやさしい香りに、日本酒のような飲みやすさ。
その香りを生かすためにまずはストレートで、あるいは冷蔵庫で冷やしたり氷を入れてロックで飲んだりするのも良いかもしれません。
「普段の焼酎は水割りやソーダ割りでないと飲みづらい」と感じている方も、日本酒のような感覚で楽しめるため一度ストレートやロックを試してみてはいかがでしょうか。
特に獺祭焼酎は日本酒よりアルコール度数が高いため、食後酒として楽しみたい際はストレートやロックで召し上がってみてください。
アルコールが苦手な方は水割り・ソーダ割り
アルコールが弱い方には、水割りやソーダ割りがおすすめです。
日本酒のように楽しめる獺祭焼酎ではありますが、アルコール度数は39%とウイスキーと変わらない高さです。
後留でも20%の高さのため、強いアルコールが苦手な方は水割りやソーダ割りを試してみてはいかがでしょうか。
お湯割りはポイントをおさえて
獺祭焼酎を楽しむ際に、お湯割りはポイントをおさえることが大切。
ポイントとはぬるめのお湯割を使用すること。
温度の高いお湯の場合、香りが飛んでしまうことが理由です。
獺祭の最大の魅力はフルーティーな香りといっても過言ではないため、その香りを感じられないお湯割りは避けることが無難ですね。
獺祭の焼酎に合う料理
食中酒として香りを楽しむ場合には、柑橘系フルーツや魚料理、鴨などが合わせやすいでしょう。
例えば、ササミのタタキ、鶏皮の冷製カボス酢や鮎を使った料理や、伊勢海老の造り、お刺身やお寿司と合わせれば、獺祭焼酎の香りと食材の特徴を存分に楽しめます。
他にもソーダで割った獺祭焼酎とカプレーゼでさっぱり味わうこともおすすめです。
飲みやすい獺祭は幅広い料理と相性抜群のため、ぜひ自分にぴったりのマリアージュを見つけてください。
獺祭の焼酎を楽しもう!
日本酒で有名な獺祭の焼酎版について紹介してきました。
日本酒獺祭の魅力を引き継ぎつつ、飲みやすい焼酎として女性からも人気がある一本。
通常の日本酒「獺祭」よりも幅広い飲み方ができるので、入手困難ではありますが、ぜひ一度味わって頂きたいお酒です。
また獺祭以外の焼酎についても詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
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