東京の秘境・青ヶ島で造られる「青酎(あおちゅう)」。
島焼酎ならではの強烈な個性を放つ青酎は、焼酎マニアから熱狂的な支持を集めています。
今回はそんな青酎について、特徴や購入方法、銘柄による違いを徹底解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
青酎とは
青酎(あおちゅう)とは、東京から約350m離れた「青ヶ島」で造られる焼酎です。
青ヶ島は「二重式カルデラ火山」の島として、世界的にも非常に珍しい地形と自然環境を有しています。
断崖絶壁に囲まれた青ヶ島は外部との交流が難しく、生活のためにはなにもかも自分たちで造る必要がありました。
そんな青ヶ島で古くから製造されているのが青ヶ島の焼酎・青酎です。
その味わいは非常にクセが強くパンチがあり、一部の焼酎マニアからは熱烈な人気を誇ります。
青酎は生産量も限られているため、人気に火が付いた現在は入手困難な状態が続いています。
青酎が製造される「青ヶ島」とは
青ヶ島の人口は160人と、現在日本で最も人口の少ない村となっています。
火山島である青ヶ島は、火山の噴火によって形成されたカルデラが生み出す独自の地形が特徴的です。
黒潮の中心部に位置し、断崖絶壁に囲まれた島へは、船での就航が困難でヘリコプターが主な輸送手段となっています。
青ヶ島の地形は米作りには適しておらず、江戸時代からさつま芋の栽培が奨励されていきました。
そんな青ヶ島で焼酎造りが始まったのは、「島流し」がきっかけです。
青ヶ島の隣にある「八丈島」は、江戸からの流刑地としてもよく知られています。
島流しに遭った流人は、島から出なければ通常の生活が許されていたため、村人と交流をしながら生活していました。
流人が八丈島に焼酎の存在とその造り方を伝え、それが青ヶ島にも伝播していったと考えられます。
青酎の特徴
島の焼酎である青酎にはどんな特徴があるのでしょうか。
こちらでその人気の秘密をご紹介していきます。
焼酎マニアを虜にする個性的な風味
青酎の大きな魅力は、他の焼酎には無いユニークな風味です。
芋らしいどっしりとした力強さ、溢れる麦麹の芳ばしさ。
穀物を思わせる風味が強く感じられ、焼酎マニアにはたまらない風味があります。
島で造られる焼酎であるためか、スコッチウイスキーにも似たややオイリーなニュアンスも。
焼酎初心者が飲むには「臭すぎる」「パンチが強すぎる」と言われることも少なくありません。
一方で、個性的な焼酎が好きな方は必ず病みつきになる味わいが青酎にはあります。
原材料は青ヶ島産が中心
青酎は青ヶ島の原材料を使って製造されます。
主原料のさつま芋や大麦、麹菌、水など、原材料は出来る限り青ヶ島産のものを使用。
島の原材料にこだわることで、青酎独特の風味を生み出しています。
特に麦麹は、青ヶ島の自然を活かした独自製法を採用。
島に自生する「オオタニワタリ」というシダ植物の大きな葉っぱを炒った大麦の上に重ねることで、植物の持つ麹菌を麦に繁殖させます。
この麹造りは、青ヶ島の自然環境が無ければ行うことができません。
また、焼酎の発酵にも天然酵母が使われており、青ヶ島の自然環境が焼酎にそのまま反映されています。
10人の杜氏が造るバラエティ豊かな焼酎
青ヶ島には酒造りの職人である杜氏が10人います。
青ヶ島の人口は160人と非常に少ない一方で、焼酎の職人が10人もいるのは驚きですね。
焼酎造りを行う青ヶ島の杜氏は、そのほとんどが兼業です。
農業や建設業、食品販売などを営むかたわら、焼酎造りを行っています。
それぞれの杜氏が独自に仕込みを行うため、青酎は作り手によって味わいが変わる点が大きな特徴。
ひとくちに青酎といっても、そのバリエーションは豊富です。
銘柄や作り手ごとの違いを楽しめる点も、青酎の楽しみの一つと言えるでしょう。
青酎のラインナップ6種
こちらで青酎のラインナップをご紹介します。
それぞれ個性的な味わいがありますので、気になる銘柄があればぜひお試しください。
青酎の商品ラインナップ一覧はこちら。
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
---|---|---|---|---|---|---|
商品名 | 青酎 池の沢 | 青酎 麦 | 青酎 伝承 | あおちゅう | 青宝 | 恋ヵ億 |
詳細 | 原材料:さつま芋・麦・麦麹 麹・酵母:白麹・培養酵母 アルコール度数:35度 | 原材料:麦・麦麹 麹・酵母:白麹・培養酵母 アルコール度数:25度/35度 | 原材料:さつま芋・麦麹 麹・酵母:自然麹(黒麹・黄麹)・自然酵母 アルコール度数:30度 | 原材料:さつま芋・麦麹 麹・酵母:自然麹(黒麹・黄麹)・自然酵母 アルコール度数:30度 | 原材料:さつま芋・麦麴 麹・酵母:自然麴(黒麹)・培養酵母 アルコール度数:30度 | 原材料:麦・麦麹 麹・酵母:自然麴(黒麹)・自然酵母 アルコール度数:30度 |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
青酎 池の沢
青酎 池の沢
麹・酵母:白麹・培養酵母
アルコール度数:35度
青酎のスタンダードとも言われる銘柄です。
芋焼酎と麦焼酎を別々に造り、絶妙なバランスでブレンド。
クセのある力強い風味が感じられますが、どこか上品さも感じます。
これぞ青酎という野性味を味わいたい方におすすめ。
原材料 | 麹・酵母 | アルコール度数 |
さつま芋・麦・麦麹 | 白麹・培養酵母 | 35度 |
青酎 麦
青酎 麦
麹・酵母:白麹・培養酵母
アルコール度数:25度/35度
大麦で仕込んだ麦焼酎です。
25度は3年、35度は7年の熟成期間を設けています。
ねっとりとした口当たりと穀物の芳ばしさの中に、ミネラルを感じる要素も。
水割りにすることで奥深い麦の甘味が引き出されます。
原材料 | 麹・酵母 | アルコール度数 |
麦・麦麹 | 白麹・培養酵母 | 25度/35度 |
青酎 伝承
青ヶ島産の原材料にこだわった青酎です。
製法は青ヶ島より古くから伝わる「丼仕込み」を採用。
野性味溢れる味わいがあり、マニア向けの仕上がりとなっています。
青酎の歴史を感じたい方はぜひ「伝承」を。
原材料 | 麹・酵母 | アルコール度数 |
さつま芋・麦麹 | 自然麹(黒麹・黄麹)・自然酵母 | 30度 |
あおちゅう
あおちゅう
麹・酵母:自然麹(黒麹・黄麹)・自然酵母
アルコール度数:30度
複数人の杜氏が造る青酎。
自家栽培のさつま芋を使い、昔ながらの「丼仕込み」製法で造られるのが特徴。
生産者によって、原材料やブレンドの比率、仕込みの時期などが変わります。
飲み比べが楽しい銘柄です。
原材料 | 麹・酵母 | アルコール度数 |
さつま芋・麦麹 | 自然麹(黒麹・黄麹)・自然酵母 | 30度 |
あおちゅう 青宝
黒麹で仕込まれた青酎。
「青宝」の名は、青ヶ島の玄関口である港へと繋がる「青宝トンネル」から命名されました。
5年以上の熟成を経て、すっきりとキレの良い味わいに仕上がっています。
比較的飲みやすいタイプの青酎です。
原材料 | 麹・酵母 | アルコール度数 |
さつま芋・麦麴 | 自然麴(黒麹)・培養酵母 | 30度 |
恋ヵ億
芳ばしさが溢れる麦焼酎の青酎。
恋が成就するとされるパワースポット「恋ヶ奥」がその名の由来です。
麦の香り高い風味と、酸味と甘味がちょうどいいバランスの味わいを感じます。
女性に人気の高い青酎です。
原材料 | 麹・酵母 | アルコール度数 |
麦・麦麹 | 自然麴(黒麹)・自然酵母 | 30度 |
青酎の購入方法
青酎の購入方法をこちらでご紹介します。
希少な青酎を飲んでみたい方はぜひご参考ください。
販売店で購入する
青酎は生産量が少なく、限られた店舗でしか販売されていません。
青酎の販売店は下記、青ヶ島酒造のホームページから確認することができます。
ホームページに記載されている販売店は、青ヶ島と八丈島のほか、東京近郊の店舗が一部あるのみです。
販売店には常に青酎の在庫があるとは限りませんので、来店前に入荷状況を確認すると良いでしょう。
■青ヶ島酒造ホームページ 買える・飲めるAO-CHU
http://ao-chu.com/purchase
ネットショップで購入する
青酎はネットショップでも購入することができます。
ネットショップは、出品さえあればいつでも青酎を購入できる点がメリットです。
販売店が近くにない、品切れが続いているなどの場合は、ネットショップの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、ネットショップを利用する上で気を付けたいのが価格と品質です。
青酎は人気が高い一方で生産量が限られているため、ネットショップでは銘柄によって高値で取り引きが行われています。
また、転売目的の出品もあることから、品質が劣化したものが出回っている場合も。
ネットショップを利用する際は、価格と品質に十分注意するようにしましょう。
青酎の飲み方
こちらで青酎のおすすめの飲み方をご紹介します。
ぜひいろいろな飲み方で青酎を楽しんでみてください。
ロック
ロックは焼酎の定番の飲み方です。
青酎のパンチのある味わいを楽しむにはロックが最適。
氷が溶けることで変化していく味わいも楽しむことができます。
飲み方に迷ったならまずはロックをお試しください。
お湯割り
ほっこりとした味わいが楽しめるお湯割り。
焼酎を温めることで、独特の香りや甘味が引き出されます。
青ヶ島酒造がおすすめするお湯割りは、青酎7:お湯3の比率。
焼酎が濃い目のお湯割りを造ることで、青酎の個性を存分に楽しめるでしょう。
ソーダ割り
カジュアルに青酎を楽しむならソーダ割りがおすすめ。
青酎をソーダで割ることで、クセが抑えられて飲みやすさが増します。
爽やかに焼酎を飲みたい時や、友人とワイワイ盛り上がりたい時はぜひソーダ割りを。
柑橘系の果汁を少し加えることで、より飲みやすさが増します。
前割り
より美味しく青酎を楽しみたい方は前割りがおすすめです。
前割りとは、水で割った焼酎を2~3日程度寝かせてから飲む飲み方。
寝かせることで水と焼酎がよく馴染み、口当たりが非常にまろやかになります。
そのまま飲むのはもちろん、前割り焼酎をお燗して飲むのもOKです。
酒瓶に適量の水を加えて置いておくだけなので、より美味しく青酎を飲みたい方はぜひ前割りをお試しください。
【現地で飲もう!】青ヶ島へのアクセス
青酎を最大限楽しむには、青ヶ島の大自然の中で飲むのが1番です!
ということで、最後に秘境・青ヶ島へのアクセス方法をご紹介します。
なお、青ヶ島に行くには同じ伊豆諸島に属する「八丈島」を経由する必要があります。
本土から八丈島、八丈島から青ヶ島へのアクセス方法を順に解説していきます。
【アクセス手順①】本土→八丈島までのアクセス
飛行機を使う
八丈島には空港があるため、飛行機でのアクセスが便利です。
ANAの飛行機が1日3往復しており、片道55分程度のフライトとなります。
飛行機を利用する場合は、ANAの羽田発・八丈島行の飛行機を予約しましょう。
■ANA 予約ページ
https://www.ana.co.jp/ja/jp/
■八丈島空港ビル ホームページ
https://hachijoapo.net/
船を使う
八丈島へは船を使って行くこともできます。
東京の竹芝埠頭ターミナルを出発し、約10時間かけて八丈島に到着します。
飛行機よりも船便の方がやや安くなりますので、節約したい方は船便がおすすめです。
船の予約は「東港汽船」のホームページから。
■東港汽船 ホームページ
https://www.tokaikisen.co.jp/
【アクセス手順②】八丈島→青ヶ島へのアクセス
ヘリコプターを使う
青ヶ島へのおすすめのアクセス方法がヘリコプターです。
片道料金が大人1名で1万円程度かかりますが、わずか20分ほどで青ヶ島へとたどり着くことができます。
ヘリコプターのため定員は9名と少ないので、利用する際は予約をするようにしましょう。
ヘリコプターの予約は「東京あいらんどシャトル」のホームページから。
■東京あいらんどシャトル ホームページ
http://tohoair-tal.jp/
船を使う
八丈島・青ヶ島間は、1日1往復の船が出ています。
片道に約3時間かかりますが、ヘリコプターの半額以下の価格で利用することが可能です。
しかし、青ヶ島への航路は風浪や潮流が激しく、時刻表通りの運航ができない場合が少なくありません。
青ヶ島に着いたものの、帰りの船が出せずにもう1泊するというケースも考えられます。
欠航の可能性があることを十分考慮したうえで、船便を選択するようにしましょう。
船の予約は「伊豆諸島観光開発」のホームページから。
■伊豆諸島観光開発 ホームページ
http://www.izu-syotou.jp/index.php?date=20221129
青酎は独自の発展を遂げた個性的&レアな焼酎!
青酎は東京の秘境・青ヶ島で古くから造られてきた焼酎です。
芋と麦どちらの銘柄も造られていますが、個性的でマニアが好む味わいがあります。
青酎は島内や都内近郊の販売店のほか、オンラインショップでも購入が可能です。
ご自宅で青酎を楽しむだけでなく、興味がある方はぜひ青酎の故郷である青ヶ島にも訪れてみてください。
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