【ソムリエ監修】シャトー・ムートン・ロートシルトの価格やラベル、当たり年を解説

2019/08/05 フランス

ボルドーの格付けを100年越しで覆し、第2級から第1級へと格上げされた唯一のシャトーであるシャトー・ムートン・ロートシルト。

毎年その時代の著名な画家によって描かれるラベルもコレクターに人気となっています。

シャトー・ムートン・ロートシルトの価格、当たり年、ラベルついて詳しくご紹介します。

[PR]
※販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。

シャトー・ムートン・ロートシルトとは

シャトー・ムートン・ロートシルト(Château mouton rothschild)は、ボルドー地方ポイヤック村にあるシャトーです。

ボルドー五大シャトーの1つ

シャトー・ムートン・ロートシルトは、メドックの格付け第1級格付けされています。

簡単に言うと、世界的ワイン産地のボルドーで最高ランクだと認められている、ずば抜けて素晴らしいワインです。

第1級は、そのほかに4つのシャトーが格付けされており、5つを総称して「五大シャトー」と呼ばれています。

芸術的なワインラベル

ムートンが五大シャトーの中でも人気がある理由、それはやはり毎年異なるエチケットが挙げられます。

ヴィンテージごとに異なる著名画家が描くエチケットは、ワインコレクター垂涎の的です。

通常、作柄の良かった年のワインは高い値段が付けられますが、ムートンの場合は話題を集めたエチケットも高値で取り引きされているのです。

シャトー・ムートン・ロートシルトの歴史

ムートンの歴史は、1853年ユダヤ系の大富豪ロートシルト家がシャトーを購入したところから始まります。

その2年後、メドックの格付けが発表されましたが、期待に反してムートンは第2級格付けでした。

その雪辱を晴らすかの如く、ムートンでは徹底的にブドウ栽培から醸造技術、熟成方法等の見直しを始めます。

シャトーでワインの瓶詰まで

その頃のボルドーは、シャトーで樽に詰めたワインを、ネゴシアン(ワインの卸業者)が熟成させて瓶詰めをしていました。

しかし熟成期間のばらつきや不正などもあり、ワインの品質にも影響がありました。

そこでムートンは先陣をきって1920代に、シャトーで瓶詰めまでを行う、いわゆるシャトー元詰めを始めたのです。

ワインラベルに芸術を

そして1945年から絵画のエチケットを採用し、ミロ、ピカソ、シャガール、ウォーホールなど名だたる画家たちがムートンのエチケットを彩ってきました。

1973年、ムートンは4世代にわたる努力が実り、ようやく悲願の1級に昇格したのです。

シャトー・ムートン・ロートシルトのこだわりと特徴

創業時から変わらぬ製法

所有する畑の広さは約90ヘクタールで、そのうち80%ほどがカベルネ・ソーヴィニヨンの木です。土壌が砂利質で水はけのいいことから、カベルネ・ソーヴィニヨン栽培に適した畑であると言われています。

収穫時には300人もの人員を投入して、ブドウが雨に濡れる可能性を少しでも減らせるように、最高のタイミングで一気に作業を進めます。

その後、樽に詰められ広大な地下室で寝かされるワインは、現在も清澄は卵白を用いて、澱引きはろうそくを用いて行われています。

ワインラベル

シャトー・ムートン・ロートシルトが高い人気を博す理由の1つに、独自のアートラベルがあります。

1946年以降、ムートンはそのラベルに毎年異なる著名な画家や彫刻家のアートを採用しています。シャガール、ピカソ、ウォーホル、またイギリスのエリザベス2世がシャトーを訪問した年には、それを記念する王室特別ラベルも制作されました。

アートラベル・コレクターも少なからず存在します。ムートン・ロートシルトの上質なワインを彩る華麗なラベルにもご注目ください。

シャトー・ムートン・ロートシルトの当たり年

おすすめのヴィンテージは、近年ものでは2000年、2014年、2013年、古いものでは1982年です。

商品画像シャトー ムートン ロートシルト ロスチャイルドシャトー ムートン ロートシルト 2013シャトー ムートン ロートシルト 2014 シャトー ムートン ロートシルト 2000
商品名シャトー ムートン ロートシルト ロスチャイルドシャトー ムートン ロートシルト 2013シャトー ムートン ロートシルト 2014シャトー ムートン ロートシルト 2000
詳細ボディー  フルボディ
原産国名 フランス ボルドー
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン
アルコール度数 13 %
ボディー  フルボディ
原産国名 フランス ボルドー
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネソーヴィニォン89%、メルロ7%、カベルネフラン4%
原産国名 フランス ボルドー
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネ・ソーヴィニヨン81%、メルロ16%、カベルネ・フラン3%
アルコール度数 12.5 %
ボディー  フルボディ
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネ・ソーヴィニヨン86%、メルロー14%
商品リンク詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

シャトー・ムートン・ロートシルト 2000

シャトー ムートン ロートシルト 2000

詳細情報
アルコール度数 12.5 %
ボディー  フルボディ
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネ・ソーヴィニヨン86%、メルロー14%

2000年ヴィンテージは、破格の当たり年と言われており、非常に人気の高いヴィンテージとなっています。

ヴィンテージ2000の味わい

色は深みのあるガーネット。

複雑なアロマの中には樽由来の湿った森の香りやシダなどの植物のニュアンスがありますが、砂糖漬けにしたレーズンやプルーンなどの甘美な黒色果実の香りもあります。

口に含むと粘性とボリューム感にあふれ、優しいタンニンを感じます。森の香りは味わいにも表れていて、ローストナッツやコーヒーなどのノートと見事に溶け合い、力強い後味へと続きます。

ヴィンテージ2000のラベル

ラベルは例外的に芸術家のアート作品ではなく、シャトーに併設のワイン・ミュージアムを代表する逸品「アウクスブルクの牡羊」の美しい彫刻細工仕立てとなっています。

ヴィンテージ2000の価格

2000年ヴィンテージは希少であるため、明確な小売希望価格も存在しないようです。

最安値でも22万円を超えます。

40万円を超えるものもありますが、どのネットショップでも残り個数が非常に少ないため、早めの購入をおすすめします。

シャトー・ムートン・ロートシルト 2014

シャトー ムートン ロートシルト 2014

詳細情報
原産国名 フランス ボルドー
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネ・ソーヴィニヨン81%、メルロ16%、カベルネ・フラン3%

ヴィンテージ2014の味わい

2014年ヴィンテージは、日照時間と降雨量のバランスがくっきりとした天候のもとで育った優良なブドウの力が出ています。

色は鮮やかなレッド。アメリカンチェリーや黒すぐりなど果実の香りがふわりと立ち込め、黒胡椒やバニラもほのかに感じられます。

すでに成熟感もあり、しなやかに溶け込んだタンニンが絹のようなテクスチャを生んでいます。みずみずしさと芳醇さの調和が素晴らしいワインです。

ヴィンテージ2014のラベル

ラベルはイギリス人画家、デイヴィッド・ホックニー氏による鮮やかなワイングラスの絵です。

ホックニー氏はロートシルト家とも交友があり、この絵は2014年に亡くなったフィリピーヌ・ド・ロートシルト男爵夫人へ捧げられた貴重なものとなっています。

ヴィンテージ2014の価格

2014年ヴィンテージの小売希望価格は55,000円となっています。

当たり年であるため最安値でも小売希望価格を超え、57,000円弱です。おおよその相場は60,000円前後となっています。

シャトー・ムートン・ロートシルト 2013

シャトー ムートン ロートシルト 2013

詳細情報
アルコール度数 13 %
ボディー  フルボディ
原産国名 フランス ボルドー
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネソーヴィニォン89%、メルロ7%、カベルネフラン4%

ヴィンテージ2013の味わい

2013年ヴィンテージは、気候がからりと暑く日照が豊富だったためブドウの育成が順調に進みました。

色は強さのある深紅。最初にチェリー、ラズベリー、ブラックベリーの香りがあり、栓を開けて少し置くとスパイシーなロースト香が開きます。

口に含むとまず感じるフレッシュな果実味が、ブドウそのものの美味しさを表現しています。それからバニラやチョコレートなどのニュアンスが広がり、滑らかなタンニンが丸みを帯びた骨格を生んでいます。

ヴィンテージ2013のラベル

ラベルは韓国出身の東大卒アーティスト、リ・ウーファン氏が手がけました。

紫色の線描が徐々に鮮やかになるグラデーション・アートは、偉大なワインの醸造過程を見事に表現しています。

ヴィンテージ2013の価格

2013年ヴィンテージは明確な小売希望価格も存在しないようです。

最安値では52,000円台ですが、おおよその相場は60,000円前後です。

シャトー・ムートン・ロートシルト 1982

シャトー ムートン ロートシルト ロスチャイルド

詳細情報
ボディー  フルボディ
原産国名 フランス ボルドー
メーカー名 シャトー ムートン ロートシルト
果実 %     カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン

1982年ヴィンテージは、気温・降雨量・畑の衛生状態が素晴らしく、非常に上質なブドウを収穫することができました。

ヴィンテージ1982の味わい

色は琥珀がかったガーネット。完熟したブルーベリーや黒すぐりの果実香が濃厚に感じられます。まるでジャムのようです。その奥にトーストやミント、シナモン、チョコレート、コーヒーなどの複雑なアロマもあります。

厚みのある、とろりと滑らかな舌触りが特徴で、タンニンはワインと見事に絡み合い、味わいの芳醇さを引き出しています。

リコリスやカラメルを思わせる甘美な余韻が続き、まさに今が飲み頃のピークです。

ヴィンテージ1982のラベル

ラベルは映画監督として知られたジョン・ヒューストン氏が手がけました。

同氏は画才にも恵まれていたので、ムートンでの60回目のブドウ収穫を記念して、親交の深かったフィリップ・ド・ロートシルト男爵に絵を捧げました。

ムートンの象徴である牡羊と立派なブドウ、そして輝く太陽が、温かみのある色の水彩画で描かれています。

ヴィンテージ1982の価格

1982年ヴィンテージは、当初木箱入りで20万円ほどで販売されていたようです。

現在の最安値は16万円台前半ですが、ムートンの魅力である美しいラベルに難ありの場合があります。

ラベル状態のいいものだと、おおよその相場は30万円程度です。

セカンドのル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト

ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト

詳細情報
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン(79%)
メルロ(19%)
カベルネ・フラン(2%)

ムートンと同じ区画のまだ樹齢の若い樹のブドウを中心に造られています。

収穫から醸造、瓶詰め作業までファーストワインと全く同様です。

ヴィンテージによってはムートンよりも生産本数が少なく、大変希少で入手困難なセカンドです。

ル・プティの味わい

黒系果実やコーヒー、フローラル、スパイスなどの豊かな香りに気品溢れる穏やかな口当たりが特徴的。

ボディは力強く果実の凝縮感溢れる濃厚な味わいで、長い余韻が素晴らしい仕上がりです。

ル・プティの価格

ヴィンテージにもよりますが、ネットでは30,000円~50,000円が相場です。

白ワインのエール・ダルジャン

エール・ダルジャン

詳細情報
品種:ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン

エール・ダルジャンはムートンが造る偉大な白ワインです。

1956年の大霜災害以降、白ワインはリリースされていなかったのですが、1991年に約35年ぶりに復活リリースされました。

エール・ダルジャンとは 「銀の翼」という意味を持ちます。エチケットには銀の翼をあしらったデザインが使われており、非常に目を惹く可愛らしい印象です。

エール・ダルジャンの味わい

ライチやパイナップル、パッションフルーツなどの芳醇なアロマに、フローラルやスパイスのニュアンスも感じられ、優しくみずみずしい口当たりが特徴的です。

杏子や洋梨などのジューシーな果実味にミネラル感満載で、トロピカルフルーツを思わせる上品な余韻が長く続きます。

エール・ダルジャンの価格

相場は、10,000円~13,000円前後です。

シャトー・ムートン・ロートシルトまとめ

[PR]
フルボトル(750ml)の高級ワインには、

  •  ・高い
  •  ・飲み切るのが大変
  •  ・他と比較できない

という悩みがありますよね。
ホームワインは高級ワインが100mlで4本ずつ届くから、ワインの違いをわかりたい方にオススメ。本サイトの編集長ソムリエ佐々木が監修した学習コンテンツや、2023年にスタートしたソムリエによるコンシェルジュサービスも大人気。
ワインをもっと楽しむために、始めない理由がありません!▼

ホームワインを詳しく知る!

※販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。

ムートン・ロートシルトの赤ワインは、5大シャトーの中で最も派手だと言われています。香りは濃厚で奥深く、味わいは肉付きがありエレガントの一言。

その中でも「当たり年」のワインは、古酒と呼ばれるヴィンテージでも、まるでたった今樽から注いだかのような若さもあります。

今回ご紹介した「当たり年」のヴィンテージは、50年後も美味しく飲めると予想されているので、手に入るうちに購入し、スペシャルな日にじっくりお楽しみください。

この記事をシェアしよう!
この記事のURLとタイトルをコピーする
   

関連記事

【ソムリエ監修】テタンジェとは?特徴やラインナップを徹底解説

「テタンジェとは?」「おすすめの1本はどれ?」 テタンジェは世界的に有名なシャンパーニュブランド。

【ソムリエ監修】シャルル・エドシックとは?メゾンの特徴や銘柄ごとの価格や味わいを解説!

王室や政治家、俳優など世界中のVIPに愛されるシャンパーニュ・シャルル・エドシック。 その味わいはダンディ

【決定版】ソウメイはどんなシャンパン?人気の理由や値段・種類を解説

「ソウメイってどんなシャンパン?」「ソウメイのおすすめは?」 現在キャバクラを中心に人気のある高級シャン

【ソムリエ監修】ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトを徹底解説

ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトは、フランス・ボルドーを代表する一大ワイナリーです。 5大シャトーである

【ソムリエ監修】ボランジェとは?特徴やラインナップまで徹底解説

ピノ・ノワール主体のシャンパーニュといえばボランジェ。 映画007でジェームズ・ボンドが愛飲しているシャン

【ソムリエ監修】ルイナールとは?特徴、価格、おすすめマリアージュまで種類ごとに徹底解説!

ルイナールは、世界最古のシャンパーニュ・メゾン。300年近く前に初めてシャンパーニュの伝統的製法を生み出し、今で

【ソムリエ執筆】シャトー・ディケムとは?特徴や当たり年を解説!

貴腐ワインが好きな方でしたら、一度は「シャトー・ディケム」という名を聞いた事があるのでは? シャトー・ディケムの造

【ソムリエ監修】パイパー・エドシックとは?メゾンの概要、銘柄ごとの味の特徴をご紹介!

パイパー・エドシック(PIPER-HEIDSIECK)は200年以上の歴史がある老舗のシャンパーニュ・メゾンです

【ソムリエ監修】ローラン・ペリエとは?概要から銘柄特徴まで徹底解説!

シャンパーニュメゾンの規模は家族経営から大規模経営まで多岐に渡ります。 ローラン・ペリエは、その中でもグロ

モエ・エ・シャンドンのシャンパンとは?特徴やおすすめ9選を解説!

「モエ・エ・シャンドンってどんなシャンパン?」「おすすめの1本はどの種類?」 モエ・エ・シャンドンは世界

シャトー・マルゴーをソムリエが解説!気になる味、価格や当たり年をご紹介

ワインにそれほど関心のない方にまで、広く認知されている「シャトー・マルゴー」。フランス・ボルドー地方の五大シャトーの

【ソムリエ監修】シャトー・オー・ブリオンを解説!価格、当たり年、セカンドワインを紹介

5大シャトーの中で最もエレガントと評されるシャトー・オー・ブリオン。 今日はその魅力や歴史、味わいについて

【ソムリエ監修】五大シャトーのシャトー・ラトゥールを徹底解説!

ボルドー5大シャトーの中でも、特に評価の高いシャトー・ラトゥール。 超長期熟成型のその味わいは、濃厚であり

【ソムリエ監修】シャトー・ラフィット・ロートシルトを徹底解説!当たり年やセカンドの特徴も紹介

シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite-Rothschild)はボルドーを代表するトッ

特集記事

日本酒スキンケア用品ランキング6選!併せて楽しめる日本酒もご紹介!

人気おすすめの純米酒ランキング31選!選び方や美味しい飲み方も紹介

【ソムリエ厳選】おすすめの赤ワイン20選!選び方・飲み方も解説!

リキュールとは?種類から、おすすめのリキュール一覧、飲み方まで徹底解説!

【編集部厳選】おすすめの高級焼酎25選!人気のプレミアム焼酎を厳選!

TOP