【ソムリエ監修】南アフリカの人気赤ワイン銘柄20選！産地特徴と味わい、選び方を解説！

南アフリカはニューワールドのワイン生産国として、近年注目を集めています。

寒暖差の激しい気候で海が近いという立地条件はブドウ栽培に最適。良質なのにコスパが良いワインを生み出しています。そんな南アフリカの赤ワインについて、特徴や美味しいワインの選び方、予算別のおすすめについてご紹介しましょう！

南アフリカの赤ワインの特徴

ワインの産地

南アフリカの赤ワイン産地は、95％が西ケープ州に集中しています。

西ケープ州の産地は4つの地域があり、その中で赤ワインの製造が多く行われているのが、コースタル地域です。

とくにカベルネ・ソーヴィニョンやメルローなどの品種を造るステレンボシュ地区や、濃厚なフルボディの赤ワインを生産するスラートランド地区が有名です。

暖かく乾燥しているオリファンツ・リヴァー地域は、ソーヴィニヨンブランなど、リーズナブルな高品質ワインが造られています。

 

ワインの味わい

南アフリカの赤ワインの味わいの主流は、ニューワールドらしい果実味豊かなものと、フランスを代表するようなエレガントで繊細なものの2種類に分けられます。

全体的な傾向では豊かな酸とほのかな甘味も感じるタイプが多いようです。

南アフリカの赤ワインの種類と選び方

品種で選ぶ

ピノ・タージュ

ピノタージュは南アフリカ固有の黒ぶどう品種です。ピノ・ノワールとサンソーという品種を交配して生まれました。

ピノタージュは、ピノ・ノワールより濃い色で、ラズベリーのような果実味が豊かで土のような風味があります。

樽熟成をさせるとコーヒーやチョコレートのような香ばしい風味が出てきます。

ピノタージュは単一品種としてワインが造られることも、他品種とのブレンドでもワインが造られます。多品種とブレンドされたワインは「ケープブレンド」と呼ばれます。

 

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンは南アフリカで最も多く栽培されている品種です。

南アフリカでは、カシスのような果実味、スパイシーな風味があるフルボディのワインになります。

単一品種でワインが造られることも、メルロやカベルネ・フランなどとブレンドしてボルドースタイルのワインが造られることもあります。

 

シラーズ

シラーズ（シラー）は南アフリカで2番目に多く栽培されている品種です。

シラーズは暑い地域ではブラックチェリーのような果実味がある濃厚でフルボディのワインになります。涼しい地域では黒コショウのようなスパイシーな風味が強くなります。

シラーズの単一品種ワインもありますが、グルナッシュやムールヴェードルとブレンドした「ローヌブレンド」のワインも造られています。

 

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは南アフリカの涼しい地域で栽培されています。

南アフリカのピノ・ノワールは野菜のような青っぽい風味があります。大部分が樽熟成され、樽の風味を出して造られます。

ピノ・ノワールは赤ワイン以外に、「キャップ・クラシック」と呼ばれるスパークリングワインにも使われます。

産地で選ぶ

ステレンボッシュ

ステレンボッシュは南アフリカのワイン産業の中心地です。温暖な気候で、ぶどう栽培に十分な降水量があります。

比較的小さな面積の中に多様な土壌、標高、斜面の向きの土地があり、さまざまな品種が栽培に成功しています。

特にカベルネ・ソーヴィニヨンをはじめとした黒ぶどう品種が栽培され、良質な赤ワインが造られています。

 

スワートランド

スワートランドは伝統的にフルボディの赤ワインが造られてきた産地です。

近年収量を減らして果実の凝縮感を高めた高品質な黒ぶどうの栽培が増えています。

スワートランドではカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーズ、ピノタージュなどが栽培されています。

 

ウォーカー・ベイ

ウォーカー・ベイは冷たい海風の影響を受ける涼しい地域です。ピノ・ノワールやピノタージュが栽培されています。

 

価格で選ぶ

南アフリカのワインは、低価格でも質が良く美味しいことが大きな特徴です。2,000円以下で美味しい日常使いのワインが楽しめるでしょう。週末にひと息入れたい時や来客用には、3,000円未満でも十分クオリティの高い赤ワインが手に入ります。

何かの記念日やお祝いの席には、5,000円未満でも確かな品質の赤ワインを味わうことができます。5,000円以上になると、最高級なプレミアワインを手に入れることができるでしょう。ヨーロッパなら価格が何倍もしそうな高品質な赤ワインでも、南アフリカ産なら手が届くかもしれません。

 

南アフリカのおすすめ赤ワイン20選

それでは、厳選した南アフリカの赤ワインを、予算別にご紹介しましょう。

日常使いにおすすめ！予算2,000円ベスト5

5位

南アフリカで最も古い畑で作られた赤ワインです。

ブラックベリーやカシス、ダークチェリーの果実の香りに、ミントやモカのニュアンス。バニラやローストの香りも感じられます。まろやかな口あたりと滑らかなタンニンが、長い余韻を与えてくれるでしょう。

シラーズらしいフルボディを楽しみたい人におすすめです。

 

4位

300年以上も続く歴史あるワイナリー、リントン・パークが手がける赤ワインです。

カベルネ・ソーヴィニヨン100%のフルボディタイプ。モカやコーヒーを想わせるローストの香りに、果実の甘味やカシス、ブラックベリーのニュアンスが感じられます。

しっかりとしたタンニンと重厚な味わいで、コストパフォーマンスの高いワインです。

 

3位

南アフリカ固有のブドウ品種、ピノタージュ100%の赤ワインです。

深いルビー色で、プラムやラズベリーの香り。柔らかな口あたりと、樽熟成に由来するバニラの風味が溶け込んでいます。

ピザなど、こってりしたチーズ料理によく合うでしょう。

 

2位

西ケープ州のパール地区で収獲された完熟のシラーズ100%で仕込まれた赤ワインです。芳醇な果実味が溢れ、シラーズらしい濃厚で上品な味わい。このパンゴリンを飲めば、南アフリカのシラーズの素晴らしさがよくわかるでしょう。1,000円を切るデイリーワインとしては、及第点以上です。

 

1位

熟したメルロー種を丁寧に収穫して造られた赤ワインです。フレンチオークを使用して熟成。ほのかな樽香が溶け込んでいます。上品で華やかな香りで、濃縮したベリー系の果実の風味が口の中に広がります。繊細で滑らかな口あたり。ステーキやビーフシチューによく合います。

2,000円以下の南アフリカ赤ワイン比較表

 

週末や来客などがある日に！予算3,000円ベスト5

5位

スワートランド地区で造られた、シラーズ100％の赤ワインです。

ステンレスタンクで発酵後、果実味を表すために古いフレンチオークで熟成しています。スミレやブラックチェリーなどの香りに、白コショウの風味が混ざり、複雑な味わい。適度な渋みと豊かな酸を伴い、バランス良くまとまっています。

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4位

マンは2001年設立と新しいワイナリーですが、南アフリカのトップ3バリュー・ワイナリーに選出されるなどの実力派。

使用しているムールヴェードルは、深みのある色調と引き締まったタンニンが特徴です。ベリー系の香りに、ハーブやスパイスの香りも絡みます。柔らかな酸味とほどよい渋みで、なめらかで上品な味わい。

ローストビーフやソーセージ、ピザ、パスタなど幅広い料理によく合うでしょう。

 

3位

ディステルは西ケープ州のステレンボッシュにある、世界有数のワイナリーです。

深く濃厚な色合いで完熟したブラックベリーやカシスの香り。チョコレートやモカのフレーバーも絡み、複雑さを加えています。しっかりとしたタンニンと樽香がバランスの良く、濃厚な味わいです。

パテやステーキ、ビーフストロガノフなどに合わせてどうぞ。

 

2位

西ケープ州のコースタル地方を拠点とするワイナリーが手がける、カベルネ・ソーヴィニヨン100%の赤ワインです。

数々の賞に輝き、その品質はお墨付き。ミディアムボディでありながら、力強さも備えた豊かな味わいです。

口に含むと、樽熟成に由来するスパイシーさとバニラの複雑な風味が広がります。お好み焼きなど、濃いソースを使った料理によく合うでしょう。

 

1位

ワインコンクールの受賞歴もある、実力派の赤ワインです。

クワの実やブラックベリー、ブラックチェリーなどの香りの中に、スパイシーさが溶け込む複雑なニュアンス。柔らかく熟したタンニンが心地よく、長い余韻を楽しめます。

3,000円以下の南アフリカ赤ワイン比較表

 

特別な日に！予算5,000円ベスト5

5位

マロラクティック発酵の乳酸菌でタンニンを柔らかく仕上げた、飲みやすい味わいの赤ワインです。

熟したプラムとブラックペッパーの香り。滑らかになったタンニンと自然な酸味がよく調和され、シラーズの上品な味わいを感じることができます。

 

4位

キアモントは2007年が最初のヴィンテージという、小さな新興ワイナリーです。

濃く深みのあるルビー色に、カシス、干しプラム、乾燥イチジクを思わせる香り。バニラ、黒胡椒などのニュアンスも感じます。凝縮した果実味と緻密なタンニンが絡みあう、複雑な味わいの逸品です。

 

3位

ステレンボッシュにある世界有数のワイナリーが手がける赤ワインです。

完熟した果実の風味とソフトなタンニンが調和した重厚な味わい。エレガントな酸でキリッと引き締まり、繊細な複雑味も感じられます。濃厚な割に渋味は少なく飲みやすいワイン。ステーキやシチューによく合います。

 

2位

カノンコップは1990年代から数々の賞を受賞し、南アフリカワインのパイオニア的な存在のワイナリーです。

深いルビー色で、スパイシーなモカやチョコレート、紅茶の葉などの香り。

濃厚でしっかりしたボディですが、凝縮した果実味となめらかな酸味がバランスよく保たれています。長い余韻を楽しむことができるでしょう。

 

1位

サクラアワードの金賞に2回受賞した実績のある赤ワインです。

ボルドータイプのワインを目指して5つの品種をブレンド。

ダーク・チョコレートやハーブ、ユーカリ、ラズベリーといった複雑な香りに、スミレやシガー・ボックスのニュアンス。引き締まったタンニンで、滑らかな味わいです。ステーキなど豪快な肉料理によく合います。

5,000円以下の南アフリカ赤ワイン比較表

 

いつか飲んでみたい憧れの南アフリカの赤ワイン

5位

南アフリカのゴルフプレイヤー・アーニー エルスが、ステレンボッシュに1999年に設立したワイナリー。

初リリースの赤ワインです。ボルドー赤ワインの主要品種とシラーズをブレンドし、凝縮した果実味溢れた、重厚で豊かな味わいに仕上がっています。

プレミアムワインの名前に値する1本。特別な日のごちそうに合わせてどうぞ。

 

4位

これまでで最も仕上がりが良いという、2015年ヴィンテージです。

カシスなど黒系果実の官能的な香り。果実味とボディのバランスが良く、スパイスのニュアンスもあります。

なめらかで心地良い酸味。やや濃厚で、口あたりは滑らかです。長い余韻が続くでしょう。限定数の輸入なので、この機会にぜひ極上ワインを味わってみてはいかがですか？

 

3位

西ケープ州のダーリンにあるCLOOFワイナリーが手がけたシラーズの赤ワインを、南伊豆の海底で約7ヶ月熟成させました。

果実味豊かで、シラーズとは思えないほどのまろやかさ。

エレガントで繊細な味わいが堪能できます。甘い余韻が長く続くでしょう。値段に十分見合うクオリティ。

 

2位

サロンスバーグは、世界中のコンテストで数々の賞に輝き、毎年南アフリカのトップ5に選ばれるワイナリーです。

シラーズを主体に、ヴィオニエという白ブドウの品種も加えられた珍しい赤ワインです。ヴィオニエをブレンドすることで膨らみと深みが増しています。フローラルな香りにスパイシーさを秘めた、滑らかで重厚な味わい。

長い余韻が続きます。牛肉を使った料理と相性抜群です。

 

1位

南アフリカ冷涼な栽培地、エルギン地区で造られた、入手困難と言われるメルロー100％の赤ワインです。

ル・パンを超えたと評されるほどのクオリティ。
プラムやブラックベリーの香りに、ミントやスパイス、ミネラルを感じさせる複雑なニュアンス。口に含むと凝縮感のある果実味に、チョコレート、シナモンといった層の厚い味わいが広がります。

重厚さの中に引き締まった酸味が豊かで、キメ細やかなタンニンと調和。

ビロードのような滑らかな口当たりで、余韻が長く続くでしょう。特別な日やお祝いの席に用意したい1本です。

5,000円以上の南アフリカ赤ワイン比較表

レストランでのワイン持ち込みもおすすめ

まとめ

南アフリカの赤ワインのおすすめを、20本ご紹介しました。日本ではまだ認知度は低めですが、その歴史は意外に古いもの。近年では最新の醸造方法を取り入れ、コストパフォーマンスの高いワインが多く造られています。安くてもその味わいは格別で、きっと驚くことでしょう。