「泡盛ってどんなお酒?」
「度数はいくつくらい?」
「どの泡盛を選べばいいか分からない」
泡盛に関して、このような疑問を持っている方が多いかと思います。
今回は、泡盛の原料や、度数、種類といった基礎知識から、おすすめの泡盛、美味しい飲み方までご紹介します。
泡盛とは
泡盛は沖縄原産の蒸留酒です。
日本の酒税法においては単式蒸留焼酎に分類され、いわゆる本格焼酎のうちのひとつに数えられます。
日本の蒸留酒のルーツとも言われており、独特のフルーティーで濃淳な風味が特徴です。
沖縄県では、「島酒」や「シマー」という愛称でも呼ばれています。
泡盛の原料
泡盛の主原料は黒米麹です。
米麹とは、麹菌を米に繁殖させたものです。
泡盛の米麹には黒麹が使われており、力強く骨太な風味があります。
原材料の米には主にタイ米(インディカ種)が使われています。
タイ米は日本産の米よりも硬さがあり、粘りが少ないため麹づくりに最適です。
泡盛の作り方
主原料の黒麹米をつくる
洗浄して蒸したタイ米に黒麹菌をふりかけて温度・湿度管理を行い、黒麹菌を繁殖させます。
黒麹菌が米全体に回ったら黒麹米の完成です。
アルコール発酵
黒麹米に水と泡盛酵母を加えてアルコール発酵を行います。
この発酵させた状態のお酒を醪(もろみ)と呼びます。
他の本格焼酎はこの醪にさつま芋や大麦などの主原料を加えますが、泡盛の場合は他の原材料を加えず黒麹米のみで仕込みます。
発酵が進んだ醪は蒸留され、アルコール度数と風味が凝縮。
熟成
蒸留された醪は泡盛となり、しばらくの間熟成され、次第にまろやかな酒質へと変化していきます。
泡盛の味
泡盛は濃厚でバニラのような甘さが感じられる焼酎です。
他の焼酎とは異なり、米麹だけでつくられているので米の甘い風味をより強く感じることができます。
熟成期間の長い銘柄が多いため、なめらかでまろやかな口当たりを楽しめます。
泡盛の度数
泡盛のアルコール度数は、30%が多いです。
通常の焼酎のアルコール度数は20~25%であるのに対し、泡盛は度数が高めです。
泡盛の中には、度数25%程度のマイルドタイプや、古酒(クース)タイプには度数40%以上のものもあります。
泡盛のカロリー
泡盛のカロリーは100mlあたり約170kcalです。
蒸留酒である泡盛は糖質やプリン体が含まれていません。
泡盛の歴史
13世紀の西アジアで生まれた蒸留技術が、中国からタイを経由して現在の沖縄である琉球に伝わったとされています。
当時伝わってきた蒸留酒の技術に黒麹を使うなど、琉球の気候に合わせて製法がアレンジされ、泡盛は誕生しました。
当時、泡盛は中国や日本への献上品として製造。
琉球では、一般の人々には飲まれていませんでした。
明治時代に入り、琉球は沖縄県になり、泡盛は民間でも消費されるようになります。
太平洋戦争の主戦場となった沖縄では、泡盛のメーカーは壊滅的な打撃を受けます。
しかし、沖縄県民の熱い想いから泡盛産業は戦後から徐々に復興を開始。
現在は多種多様な泡盛が沖縄県の各地で再びつくられるようになりました。
泡盛の名前の由来は、「酒を注いだときに泡立つことからから名付けられた」説をはじめ、諸説あります。
泡盛の種類
古酒(クース)
3年以上熟成させた泡盛はクースと呼ばれます。
熟成させることでアルコールの刺激が弱まり、独特の甘い香味が生まれます。
10年以上熟成させた古酒にはなめらかな口当たりと旨味があり、寝かせれば寝かせるほど美味しくなるのが泡盛の特徴です。
熟成にはステンレスタンクや石甕、樫樽などが使われ、熟成に使う容器によって個性が分かれます。
「高級感のある泡盛が飲みたい」、「とっておきの料理と泡盛を合わせたい」というときに古酒はおすすめです。
一般酒
熟成期間が3年に満たない泡盛は、一般酒、もしくは単に泡盛と呼ばれます。
古酒に比べてライトで落ち着いた飲み口があり、さらりと飲むことができます。
クセが少なく程よい甘さがあるので、毎日飲むのに適した泡盛です。
価格もクースに比べ、お手頃です。
泡盛の選び方
泡盛にはあっさりした味わいのものから、濃厚で飲みごたえのあるものまで様々あります。
あっさりタイプ
あっさりタイプの泡盛を選ぶ場合は、アルコール度数・熟成年数の低いものを選びましょう。
度数を抑えた軽やかで、フレッシュ感のある泡盛を楽しめます。
「減圧蒸留」という蒸留方法を採られた泡盛は、雑味の少ない華やかな風味をもっているので軽やかに飲むことができます。
濃厚なタイプ
濃厚なタイプの泡盛を選ぶ場合は、アルコール度数・熟成年数の高い銘柄がおすすめです。
特に石甕や樫樽で熟成された泡盛は、独特の風味を纏っていて飲みごたえがあります。
「常圧蒸留」という製法が採られた泡盛は、加熱された原料由来の香ばしく力強い香りや味わいを感じることができます。
おすすめの泡盛10選
残波 ホワイト
残波 ホワイト
生産地:沖縄県
アルコール度数:25%
容量:720ml
飲み飽きしないクリアな味わいの定番泡盛です。
残波は泡盛ブームを牽引したブランドであり、どんな人でも美味しく飲めるような泡盛を目指している人気の蔵元です。
残波ホワイトはフルーティーで心地の良い口当たりがあり、すっきりとしたタイプの泡盛です。
初心者や泡盛が苦手という方でも美味しくいただくことができます。
久米仙 グリーン
久米仙 グリーン
生産地:沖縄県
アルコール度数:25%
容量:720ml
甘い香りと柔らかな口当たりが楽しめる泡盛です。
久米仙ブランドのスタンダードであるグリーンボトルは、親しみやすさのある軽い味わいがあります。
沖縄の島民に古くから愛される軽やかな風味は、どんな食事とも相性抜群です。
水割り、お湯割りにして食事のおともにぜひ。
瑞穂 マイルド
瑞穂 マイルド
生産地:沖縄県
アルコール度数:25%
容量:720ml
爽やかな香りと柔らかな旨味のある泡盛です。
ソフトな口当たりを印象的に感じますが、後から泡盛ならではのコクと甘味が広がります。
後味はさっぱりとしており、喉ごしの良さも特徴。
軽快でまろみのある味わいはまさにマイルド!
ヘリオス くら
ヘリオス くら
生産地:沖縄県
アルコール度数:25%
容量:720ml
樫樽で熟成された芳醇な風味の古酒です。
琥珀色に輝くその泡盛からは、バニラを思わせるような甘い香りが立ち上がります。
熟成によって生まれるなめらかな口当たりも合わさり、非常に飲みやすい仕上がりに。
ロックやストレートはもちろん、ソーダ割りにしてハイボール風でいただくのもおすすすめ!
春雨 カリー
春雨 カリー
生産地:沖縄県
アルコール度数:30%
容量:720ml
米の旨味をしっかりと感じるふくよかな泡盛です。
カリーとは沖縄の方言で「縁起がいい」との意。
凝縮された甘いバニラのような香りと、旨味を感じる引き締まった味わいを堪能することができます。
沖縄県内外で愛飲されている、バランスのいい縁起物の銘柄です。
八重泉
八重泉
生産地:沖縄県
アルコール度数:30%
容量:600ml
伝統の味わいを守り続けた石垣島でつくられる泡盛です。
自然の恵みをいっぱい受けてつくられるこの泡盛は、30度のアルコールを感じさせない飲みやすさがあります。
豊かな香りとやさしい口当たりが感じられ、生産地である石垣島では絶大な人気を誇っています。
毎日の晩酌や飲み会などの宴席向きのカジュアルな泡盛です。
群青 マイルド
群青 マイルド
生産地:沖縄県
アルコール度数:20%
容量:720ml
アルコール度数が控えめなライトな泡盛。
すっきりとした軽快な飲みやすさがあり、泡盛らしい甘さも感じられます。
沖縄の空を思わせるような青いボトルデザインも魅力的。
カジュアルに泡盛を楽しみたい方におすすめです。
菊之露 VIP スタンダード
菊之露 VIP スタンダード
生産地:沖縄県
アルコール度数:30%
容量:720ml
5年貯蔵の泡盛がベースの上品な味わいの古酒です。
ふくらみのある甘い香りと、口の中を撫でるような優しい舌触りがあります。
古酒のなめらかさがしっかりと感じられるので、はじめて古酒を飲むという方におすすめ。
ストレートやロックで飲むことで、古酒独特の旨味のある風味を楽しむことができます。
千年の響 長期熟成古酒43度
千年の響 長期熟成古酒43度
生産地:沖縄県
アルコール度数:43%
容量:720ml
長期熟成のまろやかさとコクを味わえる極上の古酒です。
10年以上の熟成酒と3年ものの古酒を程よくブレンドし、力強さとなめらかさの両立を果たしました。
木樽熟成によるブランデーを思わせるような上品な甘味と、非常に口当たりの良い繊細な旨味を感じることができます。
贈答用にもおすすめなプレミアム泡盛です。
瑞泉 おもろ 15年古酒
瑞泉 おもろ 15年古酒
生産地:沖縄県
アルコール度数:43%
容量:720ml
蔵人の思いが込められた長期熟成の古酒です。
「おもろ」とは沖縄の方言で「思い」を意味します。
泡盛本来の持つコクと甘味、長期熟成が醸し出す芳醇な香りと口当たりの良さはまさに一級品。
特別な泡盛を飲みたいときにはぜひこちらを!
泡盛の飲み方
ストレート
原材料や製法によって生まれる豊かな風味を感じることができます。
初めて飲む銘柄の場合は、ストレートで飲むことでその泡盛の特徴を掴むことができるのでおすすめです。
ただし、泡盛はアルコール度数の高いお酒です。
アルコールが苦手な方がストレートで泡盛を飲む場合は、ゆっくり少しずつ味わうようにしましょう。
ロック
ストレートと同じく、泡盛の個性をしっかりと感じることができます。
氷を入れることで温度が下がって喉越しが良くなり、氷が溶けていくごとに変化する味わいも楽しめます。
泡盛全般におすすめの飲み方です。
水割り
泡盛はしっかりとした風味のお酒ですので、水で割っても風味は損なわれません。
程よくアルコール度数が下がって飲みやすくなるので、食事との相性の幅がグッと広がります。
自分の好みの濃さに調節できるところも、水割りの魅力です。
お湯割り
お湯割りは、ふわりと香る豊かな泡盛の風味を楽しむことができます。
柔らかで体に染みるような味わいは、まろやかでほっこりとした気持ちにさせてくれます。
お湯割りを作る際は、お湯が先、泡盛が後が基本です。
温度差によって対流が生まれ、自然と混ざり合ってくれます。
濃厚でコクのあるタイプの泡盛は、お湯割りにすることでその味わいをより深く楽しめますのでおすすめです。
泡盛のカクテル
島ぼーる
島ぼーるは、泡盛を使ったハイボールスタイルのカクテルです。
氷をたっぷりと入れたグラスの泡盛を注ぎ、あとは炭酸水を入れれば完成です。
泡盛の個性を引き出しつつ、爽快感のある飲みやすさも感じられます。
柑橘系の果物をスライスして添えると爽やかさが引き立ち、見栄えもアップ!
炭酸水をコーラに変えた島ぼーるのアレンジもおすすめ。
泡盛のバニラの様な風味とコーラの甘さがうまくマッチします。
泡盛トニック
ジントニックのベースを泡盛に変えた沖縄風のカクテルです。
グラスに氷を入れて泡盛を適量注ぎ、トニックウォーターをゆっくりと注いでいきます。
仕上げにライムを軽く絞ってグラスに飾れば完成です。
トニックウォーターの程よい苦味と泡盛の甘い風味のバランスが絶妙!
ライムをシークワーサーに変えればより沖縄気分を楽しむことができます。
コーヒー割り
泡盛のコーヒー割りは沖縄ではポピュラーな飲み方です。
泡盛とコーヒーを1:3の割合で混ぜ合わせれば出来る手頃さも魅力。
沖縄在住でない方からすると意外に思われるかもしれませんが、一度飲むとクセになる美味しさがあります。
コーヒーのすっきりした苦味が泡盛を驚くほど飲みやすくしてくれます。
さいごに
泡盛は沖縄県民に愛されるソウルフードならぬソウル焼酎です。
アルコール度数は少し高めですが、それを感じさせないまろやかさとコクがあります。
銘柄や飲み方も様々ありますので、ぜひみなさんも個性豊かな泡盛の世界を楽しんでみてください!
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