日本酒のラベルによく見かける「純米大吟醸」の文字。
実は日本酒の中でもトップクラスの品質、かつ料理とも合わせやすい万能なお酒であることをご存知ですか?
当記事ではそんな純米大吟醸酒の特徴からおすすめ銘柄、ソムリエ協会推奨の絶品ペアリングまでご紹介しています。
目次
純米大吟醸がわかる!前提知識
純米大吟醸の説明に入る前に、まずは知っておいてほしい前提知識を大きく2つ紹介したいと思います。
【ポイント1】精米歩合
精米歩合とは、玄米を削って(=精米)残った白米の割合を%で表したもの。
例えば精米歩合60%と記載の場合、お米の外側を40%削り、残った部分は60%ですよという意味になります。
ちなみに、私たちが普段口にしている一般米の精米歩合はおよそ92%ほどですが、日本酒では30~70%となり、より多く磨いていることが分かります。
また時々、「精米歩合はお米を削った割合」と説明している人がいますが、これは間違いです。
お米を削った割合は別に、「精白率」という言葉があります。
ややこしい表現ではありますが、両者の違いはしっかりおさえておきましょう。
お米の豊富な栄養素は酒造りでは天敵!
日本酒の精米作業には時間や手間、機械維持費用といった多大なコストがかかります。
にも関わらず、なぜ日本酒造りではそれほどまでにお米を磨かなければいけないのでしょうか。
これは、お米表層部に豊富に含まれるタンパク質、脂肪、灰分といった成分が日本酒の酒質に悪影響をもたらすからです。
上述した成分は日本酒の醸造過程で雑味の要因となり、最終的な味わいのバランスを壊してしまいます。
ですが、これは一方で「磨けば磨くほど雑味なくスッキリした味わいになる」ということです。
とくに「吟醸」「大吟醸」と名のつくお酒がクリアで繊細な味わいのものが多いと言われる所以はここにあります。
精米作業は熟練の技術やコストが多大にかかる!
磨くほど雑味がなくなるのであれば限界まで磨けばいいのでは?と考える方も多いのではないでしょうか。
もちろんこれは生産者が最終的に求める味わいにもよりますが、精米工程には熟練の技術やコストが多大にかかるため、実際にそう簡単ではありません。
一般的に、玄米600kgに対し精米歩合を70%にするには10時間ほど。
50%であれば50時間〜75時間など、精米方法によって所要時間も様々でコストもかかります。
技術が発達した現代でもこれだけの時間がかかるのであれば、昔の人は一体どうしていたんでしょうか…。
事実、江戸時代では15kgの玄米を夜通しで2日間磨いて82%だったという記録も残っているほど、精米がいかに骨の折れる作業であるかが分かります。
こうした背景を知っておくと、精米歩合が高い(=数値が低い)吟醸系の日本酒の価格が高い傾向にあるのも納得できますよね。
【ポイント2】特定名称酒
特定名称酒とは、国税庁により位置付けられた上質な日本酒のことを指します。
現在、特定名称酒は8つに分類されており、「原料米の品質」「精米歩合」「製造方法」などがそれぞれ所定の要件に該当すればその名称を名乗ることができます。
そのなかでも今回はメインとなる6つの特定名称酒の区分けを紹介したいと思います。
✔︎「米」「麹」「水」のみを原料とした場合が『純米酒』
そこから吟醸造りを行い、かつ精米歩合の度合いによって『純米吟醸』『純米大吟醸』と分かれます。
✔︎「米」「麹」「水」「醸造アルコール」を原料に造るものは『本醸造酒』
そこから吟醸造りを行い、かつ精米歩合の度合いによって『吟醸酒』『大吟醸酒』と分かれます。
つまり、純米吟醸(60%)と純米大吟醸(50%)、吟醸(60%)と大吟醸(50%)も両者の違いは精米歩合の数値のみとなります。
「一麹、二酛、三造り」という言葉が業界にあるほど、麹の出来が日本酒の出来を大きく左右します。
通称「アル添」と言い、スッキリとした香り高い味わいをもたらし、香味劣化の防止にもつながる。
よりいっそう精米した米を低温でゆっくり発酵させることで吟香と呼ばれる特有の香味を有するように醸造すること。
純米大吟醸はどんな味?
それでは上述した前提知識を踏まえ、当記事メインテーマである純米大吟醸について紹介していきます。
特定名称のテーマで説明した通り、純米大吟醸とは「日本酒を分類する特定名称の一つ」となります。
その中でも、「米、麹、水のみを原料に、精米歩合50%以下のお米を使用し、吟醸造りという特有の製法で造られる日本酒」が純米大吟醸を名乗れます。
値段は低価格なもので1,500円(税込)から、プレミアムなものでは50,000円(税込)以上するものもあり、そのほかの特定名称酒と比べてかなり高くなります。
また、蔵元のラインナップでも看板商品となるものは純米大吟醸が多い傾向にあります。
お米本来の旨味やコクが感じられるバランスの取れた味わい
米、米麹、水のみを原料とするため、お米本来の旨味やコクが感じられつつ、吟醸造りによる繊細な吟醸香(吟香)も兼ね備えています。
また、味わい全体のバランスが取れていることも特徴の一つで、上質なものには余韻にハチミツのような優美な甘みを残すものもあります。
日本酒通の方はもちろん、日本酒初心者の方や女性の方にも親しみやすく、かつ料理にも合わせやすいのが特徴。
純米大吟醸酒とのおすすめペアリングも紹介しているので、ぜひ試してみてくださいね。
中には「えっ、そんな料理も日本酒と合うの!?」という意外な組み合わせも用意していますよ。
【ハズレない】純米大吟醸酒の選び方
純米大吟醸の概要や味わいの特徴を踏まえた上で、おいしい純米大吟醸酒を選ぶ際のポイントをいくつか紹介したいと思います。
このポイントさえおさえておくと、お店やレストランでも自分好みの味を見つけやすくなります。
【ポイント1】酒米の種類
ワインは葡萄から、ビールは大麦から造られるように、日本酒はお米から造られます。
そのため当然、原料となるお米の個性によって最終的な日本酒の味わいも変わってきます。
下記表に「日本酒教養としてこれだけは知っておいてほしい酒米」をまとめていますのでぜひ、いくつかこの機会に覚えて帰ってくださいね。
■人気酒米Top5
酒米名 | 特徴 | |
・山田錦 | トップの生産量。高精米に向いており、コクのある芳醇な味わい。 | |
・五百万石 | 新潟を中心に寒冷地で栽培され、淡麗ですっきり。 | |
・美山錦 | 五百万石に似たすっきり系だが、より華やかでフルーティー。 | |
・雄町 | 酒米の中で最も古い歴史を持つ。ふくよかながらも軸のある力強さ。 | |
・出羽燦々 | 山形県を代表する酒米。雑味が少なく、香味豊か。 |
【ポイント2】甘辛度
まず、日本酒の甘口・辛口の度合いを大まかに判断するには「日本酒度」という数値を参考にします。
これは「+」の数値が高いほど「辛口」。
逆に「−」の数値が高いほど「甘口」となります。
しかしややこしいことに、数値がマイナスを指しているにも関わらず甘くない日本酒やその逆も然りで存在するのです。
こうしたケースを防ぐために、日本酒度と兼ねて参考にしてほしいものが「酸度」になります。
日本酒度と一緒に「酸度」もチェック
日本酒には様々な有機酸(乳酸、リンゴ酸、クエン酸etc…)が含まれており、それらの相対的な量を表した数値を「酸度」と言います。
一般的に、酸度が1.0以下の場合は酸の量が比較的少ないためより柔らかで軽快な印象となり、反対に1.5あたりを超えてくるとしっかりと骨格のある味わいになります。
これを先ほどの日本酒度と組み合わせる事で、より自分好みの辛口・甘口度合いの日本酒を見つけることができます。
下記に例を載せていますので参考にしてみてください。
◾️日本酒度「プラス」& 酸度「1.o以下」
日本酒度は辛口を示しているが酸度が低いため、思ったほど辛口な印象を受けない。
◾️日本酒度「マイナス」& 酸度「1.5以上」
日本酒度は甘口を示しているが酸度が高いため、思ったほど甘口な印象を受けない。
【豆知識】マスキング効果
この酸度によって甘辛さの感じ方が変わってしまう現象を「マスキング効果」といいます。
酸の量が多い場合、これが甘味と相殺し合う事で本来甘いはずのものも人間の舌上では甘さを捉えにくくなります。
これは、実際に甘味成分が減ったわけではなく、酸味によって甘味が隠されてしまっているため起こる現象です。
身近なマスキング効果
マスキング効果を身近に実感していただける例に「コーラとレモンはどちらが酸っぱいか」というものがあります。
実はこの2つ、ほぼ同程度の酸っぱさだというのは皆さんご存知でしたか?
コーラには大量の甘味料が添加されている事は広く知られていますが、あの甘さを過剰に感じさせない為に酸味料も大量に添加されています。
そのため、レモンほどの酸っぱさは感じませんが、酸味の度合いとしてはレモンとほぼ同程度となっているのです。
【上級者向け】吟醸香のタイプで選ぶ
最後に、ある程度日本酒を嗜み、香りや味わいにこだわりを持った上級者の方向けのポイントを紹介したいと思います。
純米大吟醸の最大の特徴は、何といってもそのフルーティで華やかな吟香ですがそれには大きく2つのタイプがあります。
◾️カプロン酸エチル
リンゴ、洋梨、お花を思わせる爽やかな香りのタイプ。
◾️酢酸イソアミル
トロピカルフルーツ(バナナ、メロン)を思わせる、より甘みを感じるタイプ。
また、これらが複合的に絡み合うことで他の果実香として感じられることもあり、これが吟醸系酒の香り豊かな所以となっています。
同じ吟醸酒でも香りのタイプによって味の全体像は大きく変わるため、自分の好きな味はどちらのタイプなのかを色々試して見つけてみてくださいね。
【厳選】純米大吟醸酒おすすめ銘柄14選
日本酒通の方から、初心者の方まで、幅広く楽しんでいただけるおすすめ純米大吟醸酒を紹介したいと思います。
ランキング形式にしていますが、どれも1位にふさわしいおすすめ銘柄ばかりですので、ぜひ気になったものは手に取ってみてくださいね。
商品画像 | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
商品名 | 伯楽星 純米大吟醸 特A地区東条秋津産山田錦 29% | 白瀧酒造 上善如水 | 南部美人 純米大吟醸 山田錦 | 越乃寒梅 純米大吟醸 金無垢 | 貴 純米大吟醸 ドメーヌ貴 | 作 雅乃智 中取り | 天美 純米大吟醸 生原酒 | 仙禽 純米大吟醸 朝日50 | 小鼓 純米大吟醸 路上有花 葵 | 醸し人九平次 human (ヒューマン) 純米大吟醸 山田錦45% | 紀土 -KID- 純米大吟醸 山田錦 | くどき上手 純米大吟醸 出羽燦々33 生酒 | 獺祭 磨き三割九分 | 久保田 |
詳細 | 県名:宮城県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:新潟県 酒米:ブレンド アルコール度数:16% | 県名:岩手県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:新潟県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:山口県 酒米:山田錦 アルコール度数:16.5% | 県名:三重県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:山口県 酒米:山田錦 アルコール度数:15% | 県名:栃木県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:兵庫県 酒米:山田錦 アルコール度数:15.5% | 県名:愛知県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:和歌山県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:山形県 酒米:出羽燦々 アルコール度数:17% | 県名:山口県 酒米:山田錦 アルコール度数:16% | 県名:新潟県 酒米:五百万石 アルコール度数:15% |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
14位:久保田
久保田
酒米:五百万石
アルコール度数:15%
香り、甘味、キレが三位一体となった久保田のトップキュベ。
品質に比べてコスパが良いのも嬉しい一本です。
また、少量の300mlボトルも販売されているため、試し飲み用やあまりお酒が強くない方はぜひ手に取ってみてくださいね。
酒蔵 | 精米歩合 |
朝日酒造 | 50% |
13位:獺祭 磨き三割九分
獺祭 磨き三割九分
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
獺祭抜きに吟醸系酒は語れないほど、今や世界中でも愛される華やかな一本。
獺祭シリーズには精米歩合29%のものがありますが、39%のこちらの方がお米の旨味と吟香の華やかさのバランスがより取れていると思います。
フルーティーで食事にも合わせやすい味わいが、食卓を一段と彩ってくれるでしょう。
酒蔵 | 精米歩合 |
旭酒造 | 39% |
12位:くどき上手 純米大吟醸 出羽燦々33 生酒
くどき上手 純米大吟醸 出羽燦々33 生酒
酒米:出羽燦々
アルコール度数:17%
山形県を代表する酒米である出羽燦々(でわさんさん)を精米歩合33%まで磨いて造られた一本。
純米大吟醸特有の洗練された吟醸香を漂わせ、口中ではみずみずしい果実を思わせるソフトな甘みがゆっくり広がります。
銘柄名に相応しいその小悪魔的味わいを、ぜひ試してみてください。
酒蔵 | 精米歩合 |
亀の井酒造 | 33% |
11位:紀土 -KID- 純米大吟醸 山田錦
紀土 -KID- 純米大吟醸 山田錦
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
当ランキングの中でも筆者一押しの銘柄がこちら。
紀土を生み出す平和酒造の山本社長は、起業家として名を馳せたホリエモンこと堀江貴文さんと親交深い事でも有名。
積極的な新卒採用や自社ブランド梅酒、クラフトビール、宇宙事業への支援といったチャレンジングな取り組みに今後の期待が集まっています。
リンゴや白桃を思わせる芳醇な果実味が広がり、爽やかな甘味が長い余韻まで続くため日本酒初心者、女性の方には特におすすめの一本です。
酒蔵 | 精米歩合 |
平和酒造 | 50% |
10位:醸し人九平次 human (ヒューマン) 純米大吟醸
醸し人九平次 human (ヒューマン) 純米大吟醸 山田錦45%
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
近年ワイン造りを本場フランスで始めるなど、日本酒のみならずマルチに活動している事でも知られる蔵元至極の一本。
リンゴやメロンを思わせるフルーティーで上品な吟香に、白ワインを思わせるシャープな酸が終わりに味を引き締めてくれています。
ぜひ白ワインを楽しむように、小ぶりのワイングラスで冷酒にしてお召し上がりください。
酒蔵 | 精米歩合 |
萬乗酒造 | 45% |
9位:小鼓 純米大吟醸 路上有花 葵
小鼓 純米大吟醸 路上有花 葵
酒米:山田錦
アルコール度数:15.5%
世界的に有名なワイン評論家であるロバート・パーカー氏も絶賛した一本。
甘口ながらも口中でベタつかないそのスッキリさがなんとも言えない味わいで、繊細な日本料理、フランス料理とも相性抜群。
現在では世界25ヶ国以上に卸され、モンドセレクション最高金賞を受賞するなど世界的にも大人気の商品です。
酒蔵 | 精米歩合 |
神楽酒造 | 50% |
8位:仙禽 純米大吟醸 朝日50
仙禽 純米大吟醸 朝日50
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
大人気蔵元である仙禽が朝日米を原料に醸した限定品。
朝日米は本来食用米として親しまれてきましたが、近年は酒造りでも高いポテンシャルを見せています。
フレッシュ&ジューシーな仙禽らしさはそのままに、パイナップルのような果実香と日本酒らしい甘味、酸味が綺麗に調和した上質な一本です。
酒蔵 | 精米歩合 |
神楽酒造 | 50% |
7位:天美 純米大吟醸 生原酒
天美 純米大吟醸 生原酒
酒米:山田錦
アルコール度数:15%
天美最高クラスがこちらの生原酒タイプの純米大吟醸。
初めての方でも飲みやすく、食事にも合わせやすい酒質にするため、厳選した酵母と磨きに磨いた最高級ランクの山田錦を使用。
加水をして風味調整をしない生原酒タイプらしく、純米のまろやかでコクのある旨味に華やかな吟香が綺麗に溶け込んでいます。
酒蔵 | 精米歩合 |
長州酒造 | 40% |
6位:作 雅乃智 中取り
作 雅乃智 中取り
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
最もクリアな味わいとなる中取り部分のみを瓶詰めした贅沢な一本。
中取りとは、醪を絞った際に最初に出てくる「荒走り」と最後に出てくる「責め」の中間にあたるお酒のこと。
中取りでは、荒走りや責めと比べバランスの取れた味わいとなり、芳醇かつエレガント、透明感ある味わいが特徴的です。
ちなみに、作の読み方は「さく」ではなく「ざく」ですのでお間違えないように。
酒蔵 | 精米歩合 |
清水清三郎商店 | 50% |
5位:貴 純米大吟醸 ドメーヌ貴
貴 純米大吟醸 ドメーヌ貴
酒米:山田錦
アルコール度数:16.5%
自社で一貫した取り組みを行い、テロワールを反映させた一本。
ドメーヌとはワイン造りで自社で栽培から醸造まで一貫して行う形態のこと。
そのためドメーヌ貴では、自社所有の田んぼで栽培した山田錦を100%使用しています。
他地域との土壌の違いが反映された山田錦から生まれる、さらっと柔らかな口当たりに繊細な吟香が印象的です。
酒蔵 | 精米歩合 |
永山本家酒造場 | 50% |
4位:越乃寒梅 純米大吟醸 金無垢
越乃寒梅 純米大吟醸 金無垢
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
純米大吟醸では珍しく、ぬる燗がおすすめされている事で印象的な一本がこちら。
低温で熟成させることで角が取れた円みのある味わいとなっているため、ぬる燗(40℃弱)にしてもうまく味が馴染むように造られています。
山田錦らしい芳醇でコクのある風味とほのかな吟香が燗を入れる事でじわ〜っと口の中に広がり、料理にも幅広く合わせられます。
酒蔵 | 精米歩合 |
石本酒造 | 35% |
3位:南部美人 純米大吟醸 山田錦
南部美人 純米大吟醸 山田錦
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
フランスの日本酒審査会であるKURA MASTER2019において、見事プラチナ賞を受賞した蔵元を代表する一本。
その印象的なラベルデザインはお米の心白をイメージして造られています。
雑味やクセは全く感じられず、お米のほのかな甘味がスッと口の中に広がる軽快な一本です。
酒蔵 | 精米歩合 |
南部美人 | 50% |
2位:白瀧酒造 上善如水
白瀧酒造 上善如水
酒米:ブレンド
アルコール度数:16%
銘柄名はもちろんの事、そのスタイリッシュなボトルデザインも印象的で贈答品としても大人気の一本。
ジュール式加熱殺菌という特殊な製法で火入れを行うことで、酒質に全く外的影響を加えずにまるで生酒のような鮮度を保つことができます。
はっきりとした吟香は感じつつも主張は強過ぎず、全体的にはボリューム感ある味わいで飲み応えある仕上がりとなっています。
酒蔵 | 精米歩合 |
白瀧酒造 | 45% |
1位:伯楽星 純米大吟醸
伯楽星 純米大吟醸 特A地区東条秋津産山田錦 29%
酒米:山田錦
アルコール度数:16%
厳選に厳選を重ねた蔵元最高級の一本がこちら。
最高級ランクの兵庫県産山田錦を100%使用し、贅沢に29%まで精米して生まれる味わいは芳醇かつ清美。
繊細ながらも軸のある味わいの中に、バナナやメロンのほのかな甘味、いちごのようなフレッシュな甘酸っぱさが長い余韻へと続きます。
ぜひ、冷酒にしてピッコログラスのような小ぶりのグラスでゆっくりお楽しみください。
酒蔵 | 精米歩合 |
新澤醸造店 | 29% |
純米大吟醸のおすすめ飲み方
日本酒は焼酎同様、幅広い温度帯で楽しめる世界的にも稀なお酒ではありますが、筆者が思うに純米大吟醸酒はそうではありません。
これからその理由も踏まえながら、純米大吟醸酒向けのおすすめ飲み方を紹介していきたいと思います。
【白ワイン同様に嗜む】冷酒(8〜12℃)
純米大吟醸酒を最も堪能できる飲み方がこちらの「冷酒」。
冷酒とは一般的に6〜12℃の温度帯の事を指し、「吟醸酒」「本醸造酒」「生酒」といったフレッシュなタイプに合う飲み方です。
しかし、冷やしすぎても香りが抑制されてしまうため、1番は8〜12℃(冷蔵庫から出して少し経った位)あたりでしょう。
また、白ワインと共通する香り成分も多いため、グラスはワイングラスが理想です。
ボウルの膨らみ部分に香りが溜まり、猪口(ちょこ)よりも口が広いため日本酒のシャープな酸味と芳香を豊かに感じつつ、後味も爽やかに流れます。
【熟成したものなら】冷や(常温)
長期熟成により落ち着いた味わいの純米大吟醸には「冷や」もおすすめ。
熟成によって穏やかな香味を呈した淡麗タイプとなり、ほのかなスパイスや木の実のようなニュアンスが見られるようになります。
こうした香りは低温では感じられにくいため、冷酒より少し温度を上げた「冷や」のほうが堪能できるでしょう。
冷やは「常温」を意味する
皆さんは居酒屋などで「冷やで」と注文するとたまに冷酒並みに冷えた日本酒が出てきた経験はありませんか?
意味を知らなければ、その言葉の響きや漢字から冷たい状態をイメージしてしまいますよね。
しかし、「冷や」が意味するのは「常温」です。
常温の定義もその時々の季節や、屋外か屋内なのかといった状況に左右されるため、今ではおよそ15〜18℃と共通認識されています。
【あまりおすすめではない】熱燗
純米大吟醸の良さを台無しにしてしまう可能性が高い飲み方が「熱燗」。
本来、40〜45℃前後の温度で飲む熱燗は、現代のような高精米による吟醸酒がなかった時代に主流だった飲み方です。
加熱することで低精米による雑味や苦味がマスキングされ、日本酒の旨味、酸味、苦味のバランスを整える意味合いが強かったのです。
そのため、香りからリンゴのようなみずみずしい果実感、バナナのような熟度を感じる甘みを感じた場合、燗は控えたほうがいいと思われます。
燗あがり
しかし、なかには純米大吟醸酒をはじめ、そのほかの吟醸系でも温めることで味わいが昇華することが稀にあります。
この現象を「燗あがり」といい、セオリーに反して吟醸系を温めることを推奨する人も少なくありません。
試してみたい方は、温めることで全体のバランスが良くなったと感じたのであれば成功。
逆に、今までなかった苦味を全面に感じた場合、その日本酒は燗に向いていないと言えるでしょう。
【おすすめ5選】純米大吟醸酒と絶品ペアリング
日本酒は料理と合わせやすいのも魅力の一つ。
そこで今回は、ソムリエ協会も推奨の「純米大吟醸酒向け厳選ペアリング」を紹介したいと思います。
【組み合わせ1】お刺身
日本酒といえばお刺身やお寿司がまず頭に浮かぶ方も多いでしょう。
ありきたりな組み合わせではありますが、トップソムリエも推奨するほど外れないペアリングとなっています。
純米大吟醸酒であれば、刺身の中でもホタテやアワビといった貝類がとくに好相性。
純米らしいお米のふくよかさと、噛む度溢れる貝類の甘味が見事に絡み合います。
【組み合わせ2】天ぷら
刺身同様、純米大吟醸には欠かせない逸品が天ぷら。
ここで考えたいのは天麩羅の具材の種類よりも、味のきめとなる薬味です。
岩塩、レモン、柚子胡椒、ポン酢であればどれも抜群の相性を見せてくれます。
また、バナナやメロンのようなフルーティーな香味をていしたタイプより、やや香りが穏やかめの純米大吟醸の方がうまくマッチしてくれるでしょう。
【組み合わせ3】カプレーゼ
日本酒は何も日本料理だけではなく、海外の前菜料理にもぴったり合います。
吟醸系の日本酒は酸が高くスッキリとした口当たりのため、それがトマトの甘酸っぱさやフレッシュチーズのコクと見事にマッチ。
カプレーゼ以外でも、トマトやモッツァレラチーズ系の前菜料理とは相性がいいのでぜひ試してみてください。
例えば、トマトのブルスケッタやガスパチョのような冷製スープも冷酒にした純米大吟醸と合いそうですね。
【組み合わせ4】生ハムとメロン
「いやいや、ワインじゃないんだから!」とツッコミを受けそうですが、生ハムメロンは案外日本酒とも相性がいいのです。
純米大吟醸の吟醸香の種類には大きく2つ種類があると前述しましたね。
その一つである酢酸イソアミルタイプのメロンやバナナ、パイナップルといったトロピカルフルーツを思わせる甘味を感じるタイプがとくに合います。
日本酒独特の甘味と酸味が、ほのかなメロンの甘さと生ハムの塩気や旨味に寄り添う事でワイン以上のマリアージュが期待できます。
【組み合わせ5】スイーツ
今注目のお酒とお菓子の漫画「BOOZE & SWEETS」でも取り上げられたおすすめペアリングがこちら。
日本酒の風味が生クリームの甘さや脂っぽさと綺麗に交わりつつ、ワインやブランデーにはないほど余韻には爽やかさを残してくれます。
これはワインやブランデーよりも糖度が高く、且つ酸味も適度にある日本酒だからこそ成せる味わいでしょう。
また、純米大吟醸のようなみずみずしい果実を思わせるフルーティーな酒質だからこそ、苺の甘酸っぱさともうまくマッチしてくれます。
まとめ
日本酒の中でも特に時間をかけ、手間暇かけて造られる純米大吟醸酒。
米、麹、水のみで生み出されたものとは思えないほどの香味豊かな味わいが最大の特徴です。
今回紹介したおすすめの飲み方やペアリングも、ぜひ自宅やレストランで試してみてくださいね。
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