「ラインヘッセンってどんなところ?」
「白ワインのおすすめ銘柄は?」
ドイツ最大の白ワインの生産地であるラインヘッセン。
甘口ワインの「リープフラウエンミルヒ(聖母の乳)」が有名になり、テーブルワインの大量生産地として有名になりました。
この記事では、そんなラインヘッセンのおすすめ白ワインを厳選して10本紹介しています。
産地の特徴やワインの選び方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ラインヘッセンとは
ラインヘッセンは、ドイツの南西に位置し、ライン川を挟んで北にはラインガウ、西にはナーエ、南にはファルツと名だたるワインの銘醸地に囲まれています。
夏は暑く、冬も比較的暖かく、降雨量も少ないためブドウを栽培するには非常に気候に恵まれた地域と言えます。
またラインヘッセンはなだらかな丘陵地帯でもあり、「千の丘の国」と呼ばれる程で、ドイツ国内において森林面積が最も少ない地域でもあります。
そのため、ドイツの中では最大のブドウの栽培面積を誇り、国内のワインの生産量も第1位です。
ラインヘッセンの白ワインの特徴
ラインヘッセンの白ワインは甘口の大衆ワインというイメージが一般的でした。しかし、海外で高い技術を学んできた若いワイン生産者たちが集まり、「メッセージ・イン・ア・ボトル」という団体を発足しました。
現在は26醸造所が「メッセージ・イン・ア・ボトル」に参加しており、彼らは、伝統的な醸造方法や、代表的な品種(ミュラー・トゥルガウやリースリングなど)だけでなく、様々な醸造方法や品種を用いて、とてもクオリティの高い辛口のワインを生産しています。
このような流れはドイツ全土に広がっていて、現在は甘口よりも辛口の白ワインの方が多く生産されており、ドイツの白ワイン=甘口というイメージを完全に覆しています。
ラインヘッセンの白ワインの選び方
味わいで選ぶ
ドイツのワイン法では収穫時の果実の果汁糖度が高いほど格が高いワインとされています。これはラインヘッセンでも同様です。
わかりにくいのは収穫時の果汁糖度が高いからと言って、必ずしもできあがったワインが甘口ではないということです。
しかし、辛口か甘口かはラベル表示である程度わかります。
食事に合わせやすい辛口
現地の人々が飲む白ワインは主に辛口です。ラベルにTrocken(辛口)またはHalbtrocken(半辛口)とあれば辛口です。これはわかりやすいですね。
問題は、以下の表記がラベルにあるワインです。
・カビネット(熟した果実で造られるワイン)
・シュペトレーゼ(遅摘みした果実で造られるワイン)
いずれもドイツの品質等級で上位6等級のうちの2つです。カビネットは上位6等級のうち収穫時の糖度が最も少ないもの、シュペトレーゼは2番目に収穫時の糖度が少ないものです。この2つは辛口の場合も甘口の場合もあります。
辛口は食事に合わせやすい、すっきりとした味わいです。
デザートと楽しむ甘口
ラインヘッセンのワインでラベルに下記の表示があるものは基本的に甘口ワインです。
下のものになるほど糖度が高くなります。
・アウスレーゼ(完熟し、一部貴腐により凝縮した果実で造られるワイン)
・ベーレンアウスレーゼ(過熟か貴腐ぶどうで造られるワイン)
・アイスヴァイン(マイナス7度以下の寒気の中、樹上で凍結したぶどうで造られるワイン)
・トロッケンベーレンアウスレーゼ(貴腐ぶどうで造られるワイン)
これらはしっかりとした甘みがあるので、デザートワインとしてデザートと共にいただくのがおすすめです。
品種で選ぶ
ドイツのワインは基本的に単一品種です。以下に代表的な品種を紹介します。
クリアでリッチな味わいのリースリング
リースリングはドイツを代表する品種で、ラインヘッセンでも栽培されています。ラインヘッセンでもリースリングからは辛口から甘口までいろいろな味わいのワインが生産されています。
鋭い酸、白い花のような香り、クリアな味わいが特徴です。
ラインヘッセンはドイツの中では温暖な産地なので、リースリングはよりリッチな味わいです。
鶏肉やソーセージなどと合わせるとおいしいです。
>>【ソムリエ監修】リースリングとは?おすすめ15選や特徴を解説!
青リンゴのフレッシュ感 ミュラー・トゥルガウ
ミュラー・トゥルガウはリースリングとマドレーヌ・ロワイヤルの交配種です。
リースリングと比べ、生産性が高く、幅広い産地で熟します。
ラインヘッセンのミュラー・トゥルガウは青リンゴのようなフレッシュな風味があり、早飲みタイプのものが多いです。
ドイツの品種にしては珍しく他品種とブレンドされます。
酸がおだやかでやさしい味わいなので、きのこなどの野菜と合わせると良いでしょう。
青々とした風味 シルヴァーナー
ラインヘッセンは世界最大のシルヴァーナーの産地です。ラインヘッセンでは辛口ワインとして飲まれることが多い品種です。
早飲みタイプのフレッシュなワインも熟成タイプの重厚なワインも造られています。
シルヴァーナーには洋ナシのような風味やわずかな塩気が感じられます。酸はおだやかです。
また、特にラインヘッセンのシルヴァーナーはグリーンアスパラガスのような青々とした風味が強いです。
ハーブやアスパラガスを使った料理と相性が良いです。
ドイツ・ラインヘッセンのおすすめ白ワイン10選
お待たせいたしました。
シーン別でおすすめのラインヘッセンの白ワインを紹介していきます。
日常使いにおすすめ!予算2,000円ベスト5
5位
フレッシュなレモンやライムのアロマと、とてもまろやかな果実味と甘みが印象的。
飲み口は爽やかで、ミネラルも感じられる飽きのこない余韻なので、価格から見てもデイリーワインの白ワインとしてピッタリ。
4位
とても特徴的な黒いボトルとワイン名が印象的。その見た目とは裏腹に味わいはとてもフレッシュ。
華やかな果実のアロマと酸味のバランスがよく、柔らかい質感で余韻も心地よく感じられます。
スパイシーな料理と相性が良く、タンドリーチキンなどと合わせるといいでしょう。
3位
ケスター・ヴォルフは11代続く歴史のある生産者。ぶどう畑のほとんどが急斜面にあり日照量が豊かです。
これまで日本のワイン誌にも優秀なコスパワインとして何度も登場しています。
ミネラル感が豊かでキレのある辛口です。
繊細な味わいのため、和食全般に合います。
2位
グンダーロッホ リースリング トロッケン
グンダーロッホのワインには世界的ワイン誌が3度も100点満点を付けています。
ぶどうは南東向きの急斜面の畑で栽培されています。
日当たり抜群で果実がよく熟します。
そのため、このリースリングは果実味豊かで深みがある辛口です。
深みのある味わいなので、ポークなどと合わせても良いでしょう。
1位
鮮烈なブルーの猫の形をしたボトルが非常に特徴的で、一瞬で目を惹きつけます。
その愛らしいワインボトルはインテリアとしても機能する遊び心があります。
味わいも素晴らしく、オレンジやリンゴ、洋梨と言った豊かでエレガントなアロマが広がり、非常にキレの良い酸味と豊かな果実、上品な甘みの調和がとれた白ワインです。
特別な日に2,000円~5,000円ベスト5
5位
ヴィットマンは創業350年を超える超老舗。そしてオーガニック生産者です。世界的グルメガイド誌でも、オーガニック生産者の中でナンバーワンと評されています。
このワインはかんきつ類、アンズ、白桃の風味とミネラル感が感じられます。酸がとても上品です。
天ぷらなどと相性が良いです。
4位
ヴァグナー・シュテンペルは上記でも出てきた「メッセージ・イン・ア・ボトル」の生産者のひとつ。ラインヘッセンでとても影響力のある生産者です。
ぶどうは有機農法で栽培し、収穫は手摘みです。収量を抑えて高品質なぶどうを造っています。
このワインには熟したリンゴや洋ナシ、干し草のような風味があります。力強く、ラインヘッセンらしい辛口のシルヴァーナーです。
ハーブをきかせた鶏肉料理などと合わせると良いでしょう。
3位
ヘアゴッツ・トレプフェン・カビネット
「神様の滴」の名前を持つ、生産量の少ない貴重な白ワイン。
良質なブドウは神様からの恩恵と考え、それを収穫できる感謝の念を名前に表現しているということです。
フレッシュな柑橘系のアロマ、マスカットのような果実味、シャープなミネラル感も感じることができる調和のとれた味わいです。
酸味もグレープフルーツのような穏やかさがあり、辛味のある料理とマリアージュさせると絶妙です。
2位
「甘口ワインの魔術師」と言われる、非常に質の良い甘口ワインを生産するハインフリート・デクスハイマーが手掛けたアイスヴァイン。
リースリング本来のピュアでナチュラルな果実味と甘味、上品な酸味が非常に調和のとれたエレガントな味わい。
ワインボトルもスタイリッシュで、特別な日に開けるワインとしておすすめです。
1位
ヒデワイン 639ブラック
ドイツのSTRUBワイナリーで、その伝統と技術を学んだ日本人醸造家の浅野秀樹氏が、そのSTRUBワイナリーの一部を借り、生産している白ワイン。
年間で6000本しか作られないため、非常に貴重なものです。
やや辛口の白ワインで、フレッシュなブドウ本来のアロマと果実味、しっかりとした酸味がとてもバランスが良く、なにより和食とマリアージュさせると絶妙。
遠い海外の地で醸造家として認められた日本人が生産するワインを口にすると、感慨深く、ロマンを感じる特別な日となるでしょう。
ドイツ・ラインヘッセンの白ワインまとめ
価格以上の値打ちと、甘口〜辛口、味わいのバリエーションが多いラインヘッセンの白ワイン。
今後も若い醸造家を中心に、様々なラインヘッセンの白ワインが誕生してくるはずです。
ラインヘッセンの伝統的な白ワインも楽しみながら、ぜひ新しいタイプの白ワインも楽しんでみてください。
その他のドイツの白ワインを知りたいという方は、以下をご覧ください。
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