「バーボン」や、「バーボンウイスキー」という言葉は、みなさん聞いたことがあるかと思います。
ただ、「バーボンってなに?ウイスキーの種類?銘柄?」、
「美味しいバーボンはどう選べばいいの?」、
「バーボはどうやって飲むもの?」といった疑問を持っている方も多いのでは。
今回は、バーボンについて、意味、度数、味といった基礎知識から、おすすめのバーボン、美味しい飲み方までご紹介します。
目次
バーボンとは
アメリカンウイスキーの1つ
バーボンとは、アメリカンウイスキーの一種です。アメリカで造られるウイスキーはアメリカンウイスキーと総称されています。
そのなかでも、原材料にトウモロコシを半分以上使用したウイスキーがバーボンに分類されます。
トウモロコシ以外の原材料には、ライ麦や大麦麦芽などが使用されています。
主要な産地はケンタッキー州とテネシー州です。
バーボンはアメリカンウイスキーの中で最も生産量が多く、代表的なウイスキーの種類です。
バーボンの由来や意味
アメリカ独立戦争において、フランスは独立派の支援を行いました。
ケンタッキー州の一部の地域の人々は感謝の気持ちを込めて、フランスのブルボン王朝の英語読みである「バーボン( Bourbon)」をその地に名付けました。
そして、地酒であったウイスキーを出荷する際にバーボンの名を樽に刻印したことが、名づけの由来とされています。
バーボンの条件
バーボンは以下の4つの条件を満たす必要があります。
・原材料にトウモロコシを51%以上使用
・ アルコール度数80%以下で蒸留
・ 内側を焦がしたオークの新樽に62.5%以下で詰める
・水以外の材料を加えずにアルコール度数40%以上でボトルに詰める
バーボンの味わい
トウモロコシに由来するリッチで甘い味わいです。
スコッチや他のウイスキーと比べると低いアルコール度数で蒸留しており、香味成分が多く残されています。
パワフルなフレーバーが特徴的なウイスキーです。
バーボンの度数
ボトル詰め時の最低度数である40%で商品化されるのが一般的です。
これは度数が上がるほど酒税が高くなるからです。
なかには50%を超える度数の高いものもありますが、一概に「バーボン=度数の高いお酒」であるとは限りません。
バーボンの種類は?選びのポイントを徹底解説
覚えておきたいバーボンの特徴
バーボン選びのポイントは、製造された蒸留所です。
スコッチと比較して、バーボンは1箇所の蒸留所が銘柄の異なる複数の商品を製造しています。
同じ地域にある蒸留所でもレシピや製法がまったく異なるため、種類や風味の違いは、産地よりも製造された蒸留所に由来することが多いです。
気に入った商品が見つかれば、それを製造している蒸留所を調べて、同じ蒸留所の別の商品を試してみるのがおすすめ!
覚えておきたい蒸留所
ジャックダニエル(JACK DANIEL’S)
バーボンのみならずアメリカンウイスキーとしても販売数No.1を誇るブランド「JACK DANIEL’S」を製造しているテネシー州の蒸留所です。
原料比は、「トウモロコシ80%、ライ麦8%、大麦麦芽12%」となっています。
蒸留直後の原液を、サトウカエデを焼いて作った炭で一滴一滴濾過する製法(チャコールメローイング製法)を採用しており、まろやかで独特、それでいて洗練された香りと味わいがあります。
【主要銘柄】
・JACK DANIEL’S Black Label
・JACK DANIEL’S GEMTREMAN JACK
・JACK DANIEL’S SINATORA SELECT
ジムビーム(JIM BEAM)
「JACK DANIEL’S」と並んで、バーボンを代表するブランド「JIM BEAM」を製造しているケンタッキー州の蒸留所です。
テネシー州で最大規模の「JACK DANIEL’S」に対し、こちらはケンタッキー州最大規模になります。
アメリカで最も歴史ある蒸留所で、創業は1795年にまで遡ります。
レシピは非公表ですが、7代にわたって受け継がれてきた独自の酵母と、こだわりある伝統の造りが強い人気を支えています。
【主要ブランド一覧】
・JIM BEAM White Label
・JIM BEAM DEVIL’S CUT
・OLD GRAND-DAD 80
・BAKER’S
・KNOB CREEK
・BASIL HAYDEN’S
・OLD CROW
メーカーズマーク(MAKER’S MARK)
ボトルの赤い封蝋が目を引くメーカーズマーク蒸留所には、他にもユニークな特徴がいくつかあります。
そのひとつが使用する小麦で、一般的なライ麦ではなく冬小麦を使用します。
これはパンづくりの混合比率から考案されたものです。
さらに、穀物の粉砕には独自のローラーミルという機械を使用、発酵槽の材質には糸杉、そして樽詰めの度数は55%、などの強いこだわりから独自のテイストを生み出しています。
【主要ブランド一覧】
・Maker’s Mark Red Top
・Maker’s Mark Black Top
・Maker’s Mark Gold Top
・Maker’s 46
フォアローゼズ (FOUR ROSES)
フォアローゼズ蒸留所の特徴は、2種類のレシピと5種類の酵母を使い分け、計10種類の原酒を生み出していることです。
1つ目のレシピが「トウモロコシ75%、ライ麦20%、大麦麦芽5%」で、もうひとつのレシピが「トウモロコシ60%、ライ麦35%、大麦麦芽5%」となっています。
2つ目のレシピについて、ここまでライ麦の比率が高いレシピはバーボンとしては珍しく、スパイシーでドライな風味を生んでいます。
【主要ブランド一覧】
・Four Roses Yellow Label
・Four Roses Black Label
・Four Roses Single Barrel
ウッドフォードリザーブ(WOODFORD RESERVE)
バーボンとしては異例の単式蒸留釜(ポットスチル)による3回蒸留を行っていることで有名です。
蒸留時の度数が高いほど、また蒸留回数が多いほど、クリアな味わいになる一方で香味成分も失われてしまいます。
そのため、3回蒸留でありながら、蒸留時の度数は77.5%程度と、スコッチの3回蒸留に比べると低めに抑えることで、個性を残しながらも洗練された味わいをつくることに成功しています。
【主要ブランド一覧】
・WOODFORD RESERVE
・WOODFORD RESERVE Double Oaked
・WOODFORD RESERVE’S Four Grain
最近の傾向
近年、ウイスキー業界で「クラフト蒸留所」と呼ばれる小規模の蒸留所の建設が爆発的に増加しています。
蒸留器の改造や、原材料に南米原産の穀物であるキヌアを使用したウイスキーの製造など、バーボンでも従来のウイスキー造りの枠にとらわれない革新的な取り組みが次々と行われています。
今後もクラフト蒸留所ブームは続くとみられ、ますます蒸留所ごとの個性を活かした商品の開発や差別化が進んでいくことが予想されます。
2,000円以下!安くて美味しいバーボン5選
5位 ジムビーム・ホワイトラベル
ジム ビーム ホワイト 700ml
「ジムビーム・ホワイトラベル(JIM BEAM White Label)」はスーパーなどで目にする機会も多い商品です。
購入しやすい手軽な価格と、癖のないマイルドでスムースな味わいから、初めての飲むバーボン、自宅用の一本には最適!
ハイボールも爽やかで美味しいですが、自宅に炭酸水をストックするのが難しければ、水割りにしてもまろやかで飲みやすいです。
4位 アーリータイムズ・イエローラベル
アーリータイムズ イエローラベル 40度
「トウモロコシ79%・ライ麦11%・大麦麦芽10%」という、トウモロコシの比率の高いレシピが特徴。
軽い口当たりと甘い香り、爽やかな後味で飲みやすく、女性にも人気の高いバーボンになります。
飲み口は極めてスムースですが、キレがあるので副材料で割っても味がぼやけにくいです。おすすめの飲み方はハイボールか水割りです。
3位 エンシェント・エイジ
エンシェント エイジ 2A 40度
「開拓時代」を意味するブランド名の通り、古き良き時代の伝統を守りながら製造されたバーボンです。
知名度はそれほど高くありませんが、円熟味のある柔らかな口当たりと甘さ、キレのある余韻が印象的。
手頃な価格ながら、本格的なバーボンを探している方におすすめです。
オンザロックスタイルで味の変化を楽しみましょう。
2位 ヘブンヒル
ヘブンヒル 正規 40% 700ml
「ヘブンヒル(天国の丘)」とは、良質な水の湧く泉のある地名で、その水を仕込み水に使用しています。
特徴はボトリング前に活性炭で濾過している点で、ライトでメローな味わいです。
軽やかな味わいで、重厚で甘味の強いバーボンが苦手という方も楽しめます。
食事と一緒にハイボールで飲むのがおすすめです。
1位 オールドクロウ
オールドクロウ 40度
松田優作が好んで飲んだことで知られる「オールドクロウ」。
なめらかな口当たりと甘味と酸味のバランス、そして爽やかな後味が人気のバーボンです。
「サワーマッシュ製法」という、現在のバーボン造りには欠かせない製法の先駆けになった商品で、少量ずつ加水しながら開く香りとともに酸味を楽しむのがおすすめです。
2,000円~6,000円で選ぶおすすめのバーボン
5位 ジャックダニエル・ブラック
ジャックダニエル ブラック
「トウモロコシ80%・ライ麦8%・大麦麦芽12%」という、創業以来変わらぬレシピを守り続けるアメリカNo.1ウイスキーです。
樽材と製法に由来する力強くリッチなバニラ香とかすかなスモーキーさが特徴です。
お気に入りのバーで頼むバーボンにぴったりで、ぜひ本格的なオンザロックスタイルでじっくり楽しみましょう。
4位 メーカーズマーク
メーカーズマーク レッドトップ
副材料にライ麦ではなく冬小麦を用いるのが、「メーカーズマーク」の特徴です。
これにより、スパイシーさを抑えたしっとりと穏やかな味わいに仕上がっています。
より本格的なバーボンに挑戦してみたいという方にぜひ!
口当たりが柔らかくまろやかな味わいなので、ストレートで飲むのが良いです。
3位 ワイルドターキー8年
ワイルドターキー 8年
一般的なバーボンに比べて蒸留度数と樽詰め度数が低いのが「ワイルドターキー」の特徴です。
これにより、香味成分の多く残る複雑な味わいに仕上がっています。
一方で、ボトリング時の度数は50.5%と他のバーボンに比べて高めで、総じて個性の強いパンチのある味を求める人におすすめしたい一本です。ぜひオンザロックで。
2位 I・W・ハーパー12年
IWハーパー 12年
1961年にプレミアム・バーボンの先駆けとして発売された「I・W. ハーパー12年」は、高級感のあるボトルと都会的なイメージから、日本でも高い人気があります。
なめらかで甘味の残る穏やかな後味が特徴的です。
伸びのある味わいなので、副材料で割ってもしっかりとした飲み応えがあります。飲み方は水割りで!
1位 エヴァン ウィリアムス12年
エヴァン ウィリアムス 12年
歴史上で初めてトウモロコシを原料に蒸留酒を造ったとされる「エヴァン・ウィリアムス」の名を冠したバーボンです。
香ばしい香りとパワーのあるコクを持ち、50.5%という高い度数も相まって、インパクトのある男らしいバーボンに仕上がっています。
濃くてがっしりした苦味と辛味は、ハイボールで飲むとバランスの良い味わいです。
6,000円以上!おすすめの高級バーボン
5位 ウッドフォードリザーブ ダブルオークド
ウッドフォードリザーブ ダブルオークド
熟成を終えた原酒を、さらにもう一度ホワイトオーク樽で熟成させたバーボンです。
二度の熟成を経たきわめて深みのある味わいとまろやかな口当たりになります。
キャラメルのような芳醇な香りと、バニラやヘーゼルナッツを感じさせる甘味を楽しむためにも、ぜひストレートで。
4位 コーヴァル シングルバレル
コーヴァル シングルバレル ウイスキー バーボン
原料となる穀物のすべてがオーガニック、そして通常のバーボンとは異なりトウモロコシの副材料にライ麦ではなくキビを使用するという独自のこだわりがあります。
ヘルシー志向の人にぜひチェックしてもらいたい一本です。カクテルの材料にも合います。
3位 イーグルレア シングルバレル 10年
イーグル レア シングルバレル 10年
アメリカの国鳥である鷲がデザインされたボトルが印象的なプレミアムバーボンです。
10年という、バーボンとしては長めの熟成期間を経た味わいは複雑でありながら力強く、トウモロコシの甘い余韻が長く続きます。
ストレートで飲みながら少しずつ加水しつつ、複雑な香りの変化を楽しみながらじっくり味わうのがおすすめです。
2位 フォアローゼズ ・プラチナ
フォアローゼス プラチナ
「フォアローゼズ・プラチナ」は、長期熟成の原酒のみを選りすぐった日本限定発売の商品です。
バーボンというよりは、むしろコニャックのようなフルーティさと、洗練された奥行きのある風味があります。
花や果実を思わせる華やかな香りとなめらかな味わいから女性にも人気です。オンザロックでゆっくりと味わうのがおすすめ。
1位 ブラントン
ブラントン 46.5度
競走馬のあしらわれたキャップが印象的なプレミアム・バーボンの逸品です。
4年間熟成された原酒を厳選し、さらに特殊な熟成庫で4~6年再熟成させるという製法で造られています。
深く骨太なコクを持ち、まろやかなフレーバー、キャラメルのような甘みが広がります。
ぜひストレートで飲んでバーボンの最高峰を味わいましょう。
バーボンの美味しい飲み方
ストレート
ウイスキー本来の味わいをそのまま楽しみたいときの飲み方です。
小振りのグラスを使用し、3分の1から2分の1ほど注ぎます。時間の経過とともに香りが開いていくので、注いだ直後の香りとの変化を楽しみましょう。
度数が高いので、冷たいミネラルウォーター(チェイサー)を用意しながら交互に味わうのがおすすめです。
水割り(氷を入れるかどうかは好み)
湿度の高い日本で生まれたとされる独自のスタイルです。
タンブラー型のグラスにウイスキーを注ぎ、ウイスキーの倍量程度のミネラルウォーターで割ります。
ソーダ割りに比べてまろやかな味わいが楽しめます。お好みで氷を入れてもよいですが、ウイスキーの香りを楽しみたい方は常温のミネラルウォーターを使用しましょう。
トワイスアップ(水割りの一種。水:ウイスキーを1:1で。氷は入れない)
ワイングラスのように口がすぼまったグラスにウイスキーを注ぎ、それと同量の常温の水を注ぐのがトワイス・アップ。
水を注ぐことでよりウイスキーの香りが開きやすくなり、ブレンダーのテイスティングにも用いられる飲み方です。
ストレートでは強すぎるときや、初めて飲むウイスキーの香りを楽しみたいときにぜひ!
ソーダ割り(=ハイボール。氷を入れるかどうかは好み)
タンブラー型のグラスに氷をたっぷりと詰め、ウイスキーを3分の1くらいまで注ぎ、その上からウイスキーの倍量程度のよく冷えたソーダを注ぎます。
かき混ぜ過ぎると炭酸が飛んでしまうので、軽くかき混ぜればOKです。
喉越しや爽快感を楽しめる飲み方で、お好みでレモンなどを加えても美味しく召し上がれます。
オンザロック(大きめの氷が入ったグラスに注ぐ。水は入れない)
ロックグラスに大振りな氷を入れて、その上からグラスの半分くらいまでウイスキーを注ぐのが、オンザロックスタイルです。
ポイントは氷です。すぐに溶けてしまってはウイスキーが薄まってしまうため、よく締まった氷を使いましょう。
バーで提供されるような球状の丸氷であれば、時間が経っても溶けにくく理想的です。
ミスト(クラッシュアイスを詰めたグラスに注ぐ。水は入れない)
ロックグラスの中に細かく砕いたクラッシュアイスを敷き詰めることで、グラスが霧のような水滴に包まれることからこの名前が付きました。
見た目にも涼しく、夏場などウイスキーをしっかり冷やして飲みたいときにおすすめの飲み方です。
細かい氷を使用しており、溶ける速度が早いので水っぽくなる前に飲み切りましょう。
ジュレップ
「ミント・ジュレップ」とも呼ばれ、クラッシュアイスを詰めたグラスにスペアミントの葉を潰し、ガムシロップなどの糖分を加えて最後にソーダで割ります。
モヒートのバーボン版ともいうべきカクテルで、ミントの爽やかな苦味と甘味、炭酸の組み合わせが絶妙です。
ケンタッキーダービーのオフィシャルドリンクとしても知られています。
さいごに
いかがでしたか?まずはおすすめしたバーボンの中から、自分の好みに合うものを見つけてみましょう。
そこから、そのバーボンと同じ蒸留所の銘柄を試していくと、より自分の好みにマッチしたものが見つかりやすいです!
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