ワインの世界でよく耳にする、「当たり年」または「グレートヴィンテージ」。
ワイン愛好家の方であれば常識かもしれませんが、一般の方の間ではそれほど知られていないのではないでしょうか。
当たり年とは、その年の天候条件に非常に恵まれた年のこと。
ブドウの出来が品質を大きく左右するワインにとって、その年が当たりか否かというのはとても大切なポイントです。
そんなワインの当たり年について理解を深めてもらうため、当記事では当たり年の概要、主要産地の当たり年を表にまとめてご紹介しています。
ワインの当たり年が分かると、今後のワイン選びが楽しみになること間違いなしですので、ぜひ最後までご覧下さい。
ワインの当たり年とは?
「当たり年」または「グレートヴィンテージ」とは、その名の通り、他の年と比べて特に優れたワインが生産された年のことを指します。
みなさんご存知の通り、ワインはブドウから造られますが、そのブドウは農作物ですのでその年の気候条件、栽培方法、収穫方法などに大きく左右されます。
また、ワインは日本酒やウイスキーとは違って「加水」を行うことは決してありません。
ワインはブドウ果汁のみで造られるため、原料となるブドウの出来の良し悪しが最終的なワインの仕上がりに大きく影響を与えるのです。
ワインのヴィンテージ(収穫年)が他のお酒と比べて重要視される理由にはこうした背景があることをまずおさえておきましょう。
当たり年のメリット
当たり年のワインには、以下のようなメリットがあります。
【メリットその1】長期熟成に適している
当たり年のワインの最大の特徴と言っても過言ではないのが、「長期熟成ポテンシャル」。
作柄に恵まれたブドウはそうでない年と比べ、豊富なポリフェノール類、芳香成分、上質な酸を備えています。
こうしたブドウから造られたワインは、高い凝縮度、豊富かつ上質な酸とタンニン(赤ワイン)を呈しているため、長命な品となることが期待されるのです。
長期熟成すると何がいいの?
味わいの観点から見ると、「長期熟成が可能=”ワインは複雑みを増す”」と考えることができます。
ワインは瓶詰め後も、その瓶内では*主にワインに含まれる成分同士間で化学反応が起こっています。
*ここでの主な成分とは、アルコール、酸、水を指します。
そして、その反応の起きる回数が多ければ多いほどワイン中の風味成分は多くなり、結果的にワインは若い時とは比べものにならないほどの複雑みを呈していきます。
【メリットその2】コレクションとして価値が高い
当たり年のワインは高品質かつ長期熟成による品質向上も期待できるため、ワイン愛好家のコレクションとしても人気があります。
また、一部の高級ワインに限っては年々価格も高騰しているため、自宅のセラーに寝かせておいて気づいたら価格が数倍にもなっていたなんて事もザラです。
特に昨今はアジア諸国の新興国を筆頭に一部の富裕層が “資産” としても大量にワインを買い占めていることもあり、「当たり年の高級ワイン」に限っては今後もますます値段が高騰していくでしょう。
ワイン好きな富裕層こそ、当たり年のワインを嗜好品としても楽しみつつ、投資商品あるいは資産としても考えているのです。
当たり年のデメリット
当たり年のワインは何もいいことばかりではなく、以下のようなデメリットも考えられます。
【デメリットその1】高価格
当たり年のワインは、高品質かつ長期熟成のポテンシャルもあるため、その分価格も高くなる傾向があります。
これは特に一部の高級ワインでは顕著に表れ、今世界中で品薄状態のボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュなどのここ最近の当たり年銘柄は破格の値段で売買されているのが現状。
先ほどのメリット2でご紹介した価値の部分も富裕層からするといいものの、一般消費者からすると購入のハードルが高くなってしまうばかりです。
【デメリットその2】熟成に時間がかかる
当たり年のワインは長期熟成に適しているため、美味しい飲み頃を迎えるまでに時間がかかります。
これは正直、産地や生産者の製法、各ワインの状態次第のため一概には断言できませんが、数万するワインであれば当たり年から少なくとも10年以上経った後に抜栓したいところ。
もし仮に我慢できず、熟成が足りていない時に飲んでしまった場合はどうでしょうか。
おそらく、まだ若く荒々しいタンニンと口を窄めたくなるほどの酸、どこか調和していない風味のみ感じられるはずです。
確かに抜栓の数時間後や2、3日後でも美味しくいただけるのですが、やはり真価を発揮しないまま消費されてしまうのはワインラバーとしては惜しい所…。
まるでわが子を育てるように辛抱強くセラー内の快適な環境で寝かせて、飲み頃まで心待ちにしておきましょう。
外れ年は買わない方がいい?
ここまで当たり年の良い面を見ると、
「じゃあ外れ年は避けたほうがいいのか…」
「自分のバースデーヴィンテージは外れ年だった…」
なんて考えてしまう方も多いと思います。
しかし、これはよくあるワインの誤解の一つであり、実はワインを飲み慣れた人ほど当たり年ではなく、むしろ外れ年のワインを密かに狙っています。
これを知っておくと、ワインラバーとして一つ上のステップに進めること間違いなしですので、しっかりこの機会におさえておきましょう。
外れ年(オフヴィンテージ)とは、あまり天候に恵まれなかった年のこと。
昨今の温暖化による異常気象や火事、霜、収穫期直前の大雨などが挙げられる。
外れ年こそ生産者の腕の見せ所
ここ最近当たり年が続くボルドーを例に挙げると、不安的な気候に見舞われてしまった2013年は有名な外れ年の一つ。
確かに飲み応えにはやや欠けますが、ある意味それが古き良きボルドーの主張の強すぎないクラシカルで洗練されたスタイルを演出してくれています。
というのも、悪い年こそ生産者の力量が試されるため、例年以上の厳しい選果や品種割合、樽熟成の比率や期間を巧みに調整して見事なワインに仕上げていきます。
また、近年は栽培・醸造技術の発展も著しいため、昔ほど過剰にヴィンテージの良し悪しを気にしなくていいという意見が多いのも事実。
「外れ年だからこのワインはダメだね」ではなく、「外れ年にこそ作り手の考えが見られるからね」という様に楽しめるワインラバーになりたいですね。
外れ年は価格も手頃、飲み頃も早い
これは外れ年だから値段が安いというよりも、当たり年が本来の適正価格を大きく超えてしまうと言った方が正しいかもしれません。
そして、当たり年ほどの熟成ポテンシャルがない分、飲み頃を早く迎えます。
こうした外れ年のワインに概ね共通するのは、エレガントで落ち着きのある味わい。
こうしたスタイルのワインがお好きな方は、一度外れ年のワインを試してみてはいかがでしょうか。
【初心者向け】ワインの当たり年表まとめ
ここではワイン初心者向けに、これだけおさえておけばまず問題ないであろう各主要産地の21世紀の当たり年をまとめています。
またここに記載の当たり年は、「当たり年の中でも特に秀逸な年」のみを抜粋しています。
生産地 | 当たり年(2000年以降) |
---|---|
ボルドー(フランス) | 2000・2005・2009・2010・2015・2016・2018・2019 |
ブルゴーニュ(フランス) | 2005・2009・2010・2015・2019・2020 |
シャンパーニュ(フランス) | 2008・2012・2019 |
ローヌ北部(フランス) | 2003・2009・2010・2015・2017・2019 |
ローヌ南部(フランス) | 2000・2001・2005・2007・2010・2016 |
ロワール(フランス) | 2016・2019 |
アルザス(フランス) | 2017・2019 |
ピエモンテ(イタリア) | 2000・2001・2004・2007・2010・2016 |
トスカーナ(イタリア) | 2006・2010・2016 |
リオハ(スペイン) | 2004・2010・2016 |
リベラ・デル・デュエロ(スペイン) | 2004・2010・2016・2018 |
ドイツ | 2005・2009・2017・2018・2020 |
アルゼンチン | 2010・2011・2013・2017・2018・2019 |
チリ | 2010, 2011, 2013, 2015, 2017 |
ニュージーランド | 2013・2014・ 2019 |
カリフォルニア(アメリカ) | 2012・2013・2016・2018 |
山梨(日本) | 2012・2013・2014・2017 |
主要産地の当たり年ワイン紹介
【ボルドー】当たり年おすすめ銘柄
ボルドーの当たり年は、2000・2005・2009・2010・2015・2016・2018年。
当たり年という言葉がよく使われる傾向にあるのがボルドーワイン。
海に近いことで湿った空気や雨が多くなりブドウがよく熟せず、結果的に物足りなさの残る仕上がりが懸念されるからです。
とはいえ2010年以降は基本的に良い年が多く、オフヴィンテージとされている2013年でも10年経った今頃がちょうど飲み頃を迎えているほどですので、愛好家の方は見逃せませんよ。
シャトー・ソシアンド・マレ 2015
シャトー・ソシアンド・マレ 2015
ヴィンテージ:2015
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー45%、カベルネ・フラン5%
ボルドー格付けシャトーに劣らない圧巻の品質を誇る「シャトー・ソシアンド・マレ」。
フランス国内での人気が非常に高く、日本ではワイン愛好家の間では密かに絶大な人気を誇っている一品となっています。
2015年というグレートヴィンテージならではの凝縮感と骨格を備えており、今後の熟成に期待が集まります。
ワイナリー | ブドウ品種 |
シャトー・ソシアンド・マレ | カベルネ・ソーヴィニョン・メルロー、カベルネ・フラン |
シャトー・マルゴー 2019
シャトー・マルゴー 2019
ヴィンテージ:2019
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン90%、メルロー7%、カベルネ・フラン2%、プティ・ヴェルド1%
言わずと知れた、ボルドーを代表する官能的な名品「シャトー・マルゴー」。
格付け1級に君臨する5大シャトーの中でもとりわけ女性的かつ優美な仕上がりとなるのがマルゴーの魅力。
2019年は「テロワールに祝福されたヴィンテージ」と評されるほどの素晴らしい年。
その真価を発揮するにはまだまだ時間がかかりますが、歴史に残る見事な味わいに昇華することは間違い無いでしょう。
ワイナリー | ブドウ品種 |
シャトー・マルゴー | カベルネ・ソーヴィニョン・メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
シャトー・スデュイロー 2009
シャトー・スデュイロー 2009
名実ともにシャトー・ディケムに並ぶとも称される「シャトー・スデュイロー」。
果実味と甘味、酸味のバランスが非常に良く取れた一品で、ドライアプリコット、砂糖漬けのレモンピール、ヴァニラ、ハチミツといった甘美な風味が長い余韻へと続きます。
また、貴腐ワインはその長期熟成ポテンシャルも魅力の一つ。
30年は裕に熟成できますし、こうした貴腐ワインの中でもとりわけポテンシャルの高いものは50年近く経ってもその甘美な味わいを有しています。
ワイナリー | ブドウ品種 |
シャトー・スドゥイロー | セミヨン、ソーヴィニョン・ブラン |
【ブルゴーニュ】当たり年おすすめ銘柄
ブルゴーニュの当たり年は、2005・2009・2010・2015・2019年・2o20年。
ここ最近目を見張る価格高騰を見せるブルゴーニュワインですが、近年の2019、20はとりわけ品質、人気、価格が高まっています。
特に2020年ヴィンテージにおいては次の2021年が天候にあまり恵まれなかったことで、生産者もここで収益を図ろうと必死になっている背景があります。
今後数年〜数十年寝かせることを考えている方は、ぜひ2019、20年ヴィンテージがおすすめですよ。
ドミニク・ローラン ヌメロ・アン 2019
ヌメロ・アン 2019
ここ最近、筆者がそのあまりの美味しさにびっくりした「ドミニク・ローラン ヌメロ・アン」。
2019年というグレートヴィンテージながら価格は4,000円ちょっとをキープしている一品で、その味わいは村名レベルに負けず劣らずのクオリティ。
ドミニク・ローランらしさと当たり年ならではのブドウの力強さが見事にマッチしており、この価格ながらあと10年近くは寝かせて飲みたい一品となっています。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ドミニク・ローラン | ピノ・ノワール |
ルーデュモン ムルソー 2020
ルー・デュモン ムルソー 2020
ブルゴーニュで活躍する日本人生産者 “仲田晃司”氏が手がける「ルー・デュモン ムルソー」。
2020年のブルゴーニュ白はピュアな果実味としっかり芯のあるミネラルと酸を呈した優良年。
ムルソーらしいリッチで厚みのある果実味と上品な樽香が見事に絡み合い、今飲んでも十分楽しめる一品に仕上がっています。
また、ルー・デュモンはここ最近の人気が著しく、見つけたら今のうちに入手しておくのがおすすめです。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ルーデュモン | シャルドネ |
フィリップ・パカレ ヴォーヌ・ロマネ 2020
フィリップ パカレ ヴォーヌ・ロマネ 2020
今人気の自然派ワインの代名詞的存在の「フィリップ・パカレ ヴォーヌ・ロマネ」。
ピノ・ノワールのピュアな果実味を忠実に表現し、何層にも折り重なり合う重層的なフレーバーが口中をしみじみと広がります。
今飲んでもすぐに華やかで奥ゆかしいバラ、ローズマリー、クローブといった複雑みが堪能できますが、少なくとも8年以上は寝かせて徐々に醸される魅惑的なアロマを愉しみたいですね。
ワイナリー | ブドウ品種 |
フィリップ・パカレ | ピノ・ノワール |
【シャンパーニュ】当たり年おすすめ銘柄
シャンパーニュの当たり年は、2008・2012・2019年。
雨も多く気温も低いシャンパーニュ地方において、グレートヴィンテージは大変重宝される年となります。
しかし、昨今は温暖化の影響もあってブドウもよく熟すようになり、かつてほど厳しい環境条件に敷かれることは少なくなってきています。
今回ご紹介している2008、12、19年はとりわけ優れた年となっており、まだまだ更なる熟成ポテンシャルも秘めている最高級品ばかりです。
ベル・エポック 2012
ベル・エポック 2012
ヴィンテージ:2012
品種:シャルドネ 50%、ピノ・ノワール 45%、ピノ・ムニエ 5%
“シャンパーニュの華”こと「ベル・エポック」。
アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家エミール・ガレ氏が手がけたアネモネの花が目を引く一品。
また、そこに連想されるかのように白い花を思わせるフローラルなアロマが味わいにも感じられます。
ヴィンテージ・シャンパーニュらしい力強さとしなやかさを備えた極上の仕上がりをぜひお試し下さい。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ペリエ・ジュエ | シャルドネ、ピノ・ノワール・ピノ・ムニエ |
コント・ド・シャンパーニュ 2008
コント・ド・シャンパーニュ 2008
“シャンパーニュの貴婦人”と評されるテタンジェのヴィンテージシャンパーニュが「コント・ド・シャンパーニュ」。
2008年であれば熟成感もしっかりと感じられ、前菜のシーフードからグラタンやオマール海老のグリルなどとも合わせられるボリュームも感じられるでしょう。
グラン・クリュのシャルドネのみで構成された、言わずと知れた極上のブラン・ド・ブラン。
繊細さと優美さを兼ね備えた極上のシャンパーニュを堪能したい方は、迷う余地なく当銘柄一択です。
ワイナリー | ブドウ品種 |
テタンジェ | シャルドネ |
クリスタル 2012
クリスタル 2012
2012年は、ビオディナミ農法を始めた記念すべきヴィンテージでもある「クリスタル」。
クリスタルの特徴といえば、なんといってもその芯が張り詰めたようなミネラル感と余韻にかけてほのかに感じられる塩気。
シャンパーニュ銘柄の中でもとりわけ熟成ポテンシャルが高く、フィネス(繊細さ)の詰まった味わいが昔から今も全てのシャンパーニュ愛好家を虜にしています。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ルイ・ロデレール | ピノ・ノワール、シャルドネ |
【カリフォルニア】当たり年おすすめ銘柄
カリフォルニアの当たり年は、2012・2013・2016・2018年。
冷涼なカリフォルニア海流と豊富な日照の恩恵を受けるカリフォルニアは、フランスほどヴィンテージの差は気にしなくて大丈夫な国の一つ。
しかし、ここ最近気になるのは昨今の温暖化のせいとも言われる突発的な森林火災です。
特に2020年の火災はワイン業界にも多大な影響を与えた年となっており、多くのワイナリーが苦難を強いられていることはおさえておきましょう。
キスラー・ヴィンヤーズ ダットン ・ランチ 2016
キスラー・ヴィンヤーズ シャルドネ・ダットン・ランチ 2016
カリフォルニアを代表するシャルドネの名手「キスラー・ヴィンヤーズ ダットン・ランチ」。
メロンに白桃、アカシアの蜜やヴァニラにトースト、ブリオッシュといったグラン・クリュレベルのブルゴーニュブランを思わせる仕上がり。
“ダットン・ランチ”というソノマ中央部に位置する冷涼な畑の個性が忠実に反映された、繊細かつ上品なシャルドネが堪能できる当銘柄。
ブルゴーニュ好きにこそ飲んでほしい、カリフォルニアのシャルドネワインがここにあります。
ワイナリー | アルコール度数 |
キスラー・ヴィンヤーズ | シャルドネ |
オーパス・ワン 2016
オーパス・ワン2016
ヴィンテージ:2016
品種:カベルネソーヴィニヨン77%、プティヴェルド8%、メルロー8%、カベルネフラン5%、マルベック2%
カリフォルニアを代表する名実ともにNo.1銘柄がこの「オーパス・ワン」。
オーパス・ワンにはワイン界隈では有名なエピソードがいくつもありますが、最大の魅力はなんといってもその安定かつ高品質なボルドースタイルの味わいでしょう。
一般的なアメリカワインのリッチなタイプを想像して飲むと、そのあまりのエレガンスさに驚かれること間違いなし。
特に2016ヴィンテージは、恵まれた気候のアメリカでもとりわけ優れた一年のため価格も高値で取引されていますが、買う価値が大いにある一品となっています。
ワイナリー | ブドウ品種 |
オーパス・ワン | カベルネ・ソーヴィニョン・メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、マルベック |
【スペイン】当たり年おすすめ銘柄
スペインの当たり年は、2004・2010・2016・2018年。
スペインはイタリア同様、さほどヴィンテージによる差を気にする必要のないワイン生産地となっています。
一部の年では春先の多雨などによる病害もありますが、結果的に晴天で乾燥した天候に恵まれることが多いため、生産量も品質も回復する傾向にあることをおさえておきましょう。
ウニコ レゼルヴァ・エスペシアル NV
ウニコ レゼルヴァ・エスペシアル
ヴィンテージ:2003、2004、2006のブレンド
品種:テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニョン
スペインワインの王様とも称されるウニコのブレンデで造られる「ウニコ・レゼルヴァ・エスペシアル NV」。
こちらでご紹介しているのはスペインのグレートヴィンテージである2004年がブレンドされた一品。
他のワインとは一線を画す長期熟成から醸されるシルキーな舌触りと柔らで奥深い果実味と熟成香がなんともたまりません。
複数年の極上のウニコのみで構成された唯一無二の逸品ですので、ワイン愛好家にとってはウニコ以上に見逃せない一本なのではないでしょうか。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ベガ・シシリア | テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニョン |
ピングス 2010
ピングス
ウニコ同様にスペインを代表する最高級ワインの一つ「ピングス」。
テンプラニーリョの個性を最大限に引き出した妖艶なアロマが鼻腔をくすぐり、なめらかな酒質が長い余韻へと続きます。
ドライフルーツにシナモン、タバコやリコリスの甘やかで複雑みあるアロマが好みの方は、気にいること間違いなしの絶品銘柄です。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ドミニオ・デ・ピングス | テンプラニーリョ |
【イタリア】当たり年おすすめ銘柄
イタリアの当たり年は、2000・2001・2004・2006・2007・2010・2016年。
イタリアは、”エノトリアテルス(ワインの大地)”と称されるほど、ワイン造りに恵まれた多様な環境条件を持つことで知られています。
とはいえ恵まれた環境にも弊害は多々あり、例えば過剰な日照や気温による干ばつやブドウの日焼けには注意が必要。
そうした時にどう対処するかこそ、生産者の腕の見せ所なのです。
アルド・コンテルノ バローロ・コロネッロ 2016
アルド・コンテルノ バローロ・コロネッロ 2016
バローロの中でも特に評価の高い単一畑”コロネッロ”から造られた「アルド・コンテルノ バローロ コロネッロ」。
調和の取れたクラシカルで美しい余韻の長さを備えたバローロに仕上がっており、収穫から最低10年以降を目安に飲みたい一品。
ドライチェリーやラズベリー、クローブにナツメグ、スギやかすかなバルサミコなど多様で複雑なアロマが口中にしみじみと広がります。
ワイナリー | ブドウ品種 |
アルド・コンテルノ | ネッビオーロ |
テスタマッタ 2018
テスタマッタ 2018
ルーチェやサッシカイアといった人気銘柄と今や肩を並べる名実を誇る「テスタマッタ」。
有名ワイン評論雑誌では、「ブルゴーニュの有名グラン・クリュを彷彿とさせるサンジョベーゼのピュアな果実味がある」とまで言わしめる圧巻のクオリティ。
そして、中でもこの2018年は有名ワインコンペティションでも100点を記録するなど、テスタマッタ史上最高のヴィンテージの一つと言っても過言ではありません。
また、オーパス・ワン以上の評価を得ているにもかかわらず、その価格はオーパス・ワンの1/5という点も愛好家にとっては見逃せないポイントです。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ビービー・グラーツ | サンジョベーゼ |
【ドイツ】当たり年おすすめ銘柄
ドイツの当たり年は、2005・2009・2017・2018・2020年。
中でも特に天候に恵まれた2005年と2009年に関してはすでに市場で見かける機会が少なくなっています。
とはいえ、ドイツワインといえばなんといってもリースリングを使った長命なワイン。
ここ最近の優良年である2017、2018、2020年を買っておけば、少なくとも10年〜30年はゆうに熟成に耐えるため、今買ってセラーで寝かせておくのもいいかもしれませんね。
エゴン・ミュラー シャルツホーフベルガー アウスレーゼ 2017
エゴン・ミュラー シャルツホーフベルガー アウスレーゼ 2017
ドイツワインにおけるレジェンド的生産者が手がける「エゴン・ミュラー シャルツホーフベルガー アウスレーゼ」。
ドイツの銘醸畑の中でもとりわけ評価の高いシャルツホーフベルガーから取れた、アウスレーゼ級のリースリングから造られています。
今後数十年の熟成余地があり、時間と共に徐々に蜜感が増していって熟成リースリングらしい官能的なアロマと甘みを呈するようになるでしょう。
今すぐ開けたい方は何としても我慢していただき、セラーでゆっくり寝かせてから何十年後のここぞという大切なシーンで開けてもらいたい一本です。
ワイナリー | ブドウ品種 |
エゴン・ミュラー | リースリング |
ゲオルク・ブロイヤー ベルク シュロスベルク2020
ゲオルク・ブロイヤー ベルク シュロスベルク2020
当ワイナリーのフラグシップ銘柄となっている最高級品「ゲオルグ・ブロイヤー ベルク・シュロスベルク」。
ドイツの畑の中でも類い稀な好条件を満たしており、そのテロワールから呈される濃密な果実味とナッツのニュアンス、芯の張り詰まったミネラル感が最大の特徴です。
また、ムートンを思わせるような毎年変わるラベルアートも当銘柄の魅力の一つ。
2020年はケルンを拠点に活動する女性イラストレーターの作品となっており、古木や畑、ライン河、グラスに注がれたワインの生命力をイメージしているとのこと。
ワイナリー | ブドウ品種 |
ゲオルグ・ブロイヤー | リースリング |
まとめ
当たり年のワインについて、その意味や特徴をはじめ、メリットやデメリット、主要産地の当たり年などについてご紹介しました。
ワインの当たり年とは、気候条件、収穫条件などの要素が揃い、例年と比べて高品質なワインが生み出される年のこと。
こうしたワインは、希少価値も相まって人気が高く、長期熟成後の味わいはとにかく格別です。
しかし一方で、本来の価格以上の値がついてしまうことや飲み頃まで時間がかかるといったデメリットも忘れてはいけません。
皆さんもぜひこの機会に、ご自身に関するヴィンテージが当たりなのか外れなのか調べてみてはいかがでしょうか。
結果がどうであれ、当たり年は当たり年なりに、外れ年は外れ年なりの楽しみ方があることだけはワインラバーであれば肝に銘じていたいですね。
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