ボルドーでも特に高級な赤ワイン産地として有名なポムロール。
ワイン造りにこだわる小規模生産者が多く、ポムロールのワインの価格は近年右肩上がりを続けています。
今回はポムロールのワインについて、特徴や選び方、美味しい飲み方について解説していきます。
目次
ポムロールとは
ポムロールはフランス・ボルドー地方の赤ワイン産地です。
フランス南西部・ボルドー右岸に位置しており、隣のエリアであるサンテミリオン地区としばしば比較されています。
そんなポムロールは、ボルドーのワイン産地としては極めて狭いエリアであることが特徴。
その面積は800ヘクタールと、隣接するサンテミリオンの1/4となっており、ワインの生産量も決して多くはありません。
ポムロールにはサンテミリオンのような歴史的な建造物や古い町並みはなく、ただただ平坦な土地にブドウ畑が広がっているのみです。
栽培されるブドウ品種はメルローが主体で、長期熟成が可能なふくよかで複雑なアロマを放つ赤ワインに仕上がります。
ポムロールの赤ワインは世界的にかなり高い評価を受けており、ポムロールのトップクラスワインはあの5大シャトーよりも高額で取り引きされるほど。
特に有名なのは、ポムロールの名を世界に知らしめたとされる「シャトー・ペトリュス」です。
ポムロールはかつてサンテミリオンと同じエリアとされていましたが、近年はその素晴らしい品質が世界に認められ価格が急騰しています。
>>【ソムリエ監修】ボルドーワインの特徴を徹底解説!産地の特徴、選び方、おすすめ銘柄もご紹介
ポムロールのワインの特徴
ポムロールのワインはなぜ高級と言われるのでしょうか。
こちらでそのポムロールのワインの特徴を確認していきましょう。
メルロー主体の高級赤ワイン
ポムロールの赤ワインにはメルロー種のブドウ品種が使用されます。
ボルドーは中心部を大きく流れる「ジロンド川」とその支流を境に、右岸と左岸にエリアが分かれます。
ポムロールはボルドーの右岸に位置し、粘土質の土壌とやや冷涼な気候からメルロー種が多く栽培されているのが特徴。
一方でボルドー左岸エリアは、力強い果実味と渋味が特徴のカベルネ・ソーヴィニョンの栽培が多くなります。
ポムロールは右岸エリアの中でも特にメルローの使用比率が高いことが特徴で、その比率は80%とボルドー地方で最大です。
そのためメルローの持つなめらかな舌触りと、柔らかな果実の風味がポムロールのワインからは感じられます。
また、ポムロールの土壌は「クラス・ド・フェール」と呼ばれる鉄の酸化物があり、これがトリュフやジビエを思わせるような妖艶な香りを生み出すと言われています。
ポムロールのワインは早期に飲み頃を迎えるものから、30年以上の長期熟成に耐えうるものまでそのバリエーションは幅広いです。
非常に小規模な生産者が多い
ポムロールは全体で約800ヘクタールという比較的小さな地域ですが、その中に約200のワイン生産者が存在しています。
ひとつひとつのワイン生産者が非常に小規模である点がポムロールの特徴です。
各生産者は自分たちの小さなブドウ畑を手塩にかけて育て、ワインの生産過程全体をこだわりを持って管理します。
各生産者がこだわり抜いたワイン造りを行うことで、仕上がるワインはその特定のテロワールを深く反映することとなるのです。
また、生産者が小規模であることから、ポムロールのワインは生産量も限られます。
ポムロールのワインが人気になり始めたのは1970年代とつい近年のこと。
需要に対してポムロールのワインはあまりにも生産量が少ないことから、現在は価格が高騰している状態となっています。
格付け制度が無い
フランス・ボルドー地方にはワインの品質を表すための格付け制度がいくつかあります。
・メドック格付け
・グラーヴ格付け
・ソーテルヌ格付け
・サンテミリオン格付け
このように、ボルドーでも著名な銘醸地には格付け制度が存在します。
しかし、ボルドー屈指の人気産地であるポムロールには格付け制度がありません。
ポムロールに格付け制度が無い理由は様々ありますが、その大きな理由のひとつがポムロールの生産者の意向にあります。
先述したように、ポムロールのワイン生産者の多くは小規模です。
格付け制度の存在はワインの消費量・売上に大きな影響を与えることから、小規模の生産者からすれば格付けは不公平さを感じるものとなります。
また、ポムロールのワインが評価されたタイミングが他の銘醸地よりも遅かったことから、格付けの設定の機会を逃したという考えもあります。
以上のような理由から、ポムロールには公式の格付け制度がないのです。
しかし、それはポムロールのワインが品質的に劣っていることを意味するものでは決してありません。
なお、非公式とはなりますが、ワイン専門家やジャーナリストたちが独自に行うポムロールの格付け制度はいくつか存在します。
ポムロールのワインの選び方
こちらでポムロールのワインの選び方をご紹介します。
ブドウ品種で選ぶ
メルロー
メルローはポムロールのワインを象徴する品種です。
ポムロールの多くの生産者がメルローを栽培しているのは、ポムロールの粘土質の土壌がメルローの成長に適していることが理由として挙げられます。
メルローを使用したワインは、豊かな果実味と滑らかなタンニンを特徴とし、まろやかで上品な味わいとなります。
比較的早く飲み頃を迎えますが、ポムロールのメルローは世界最高と呼ばれる長期熟成型のワインを生み出すことで有名。
ポムロールのワインを堪能したい方は、メルロー比率の高い銘柄を選ぶと良いでしょう。
>>【ソムリエ監修】メルロの人気おすすめワイン25選を紹介!特徴も解説
カベルネ・フラン
カベルネ・フランはボルドーワインにおいて補助品種として知られています。
ポムロールではメルロー主体のワインに少量ブレンドされ、複雑性と構造を加える役割を果たします。
カベルネ・フランが含まれているワインは、華やかな香りと軽快な口当たりを楽しめるのが特徴。
華やかさを求める方はカベルネ・フランがブレンドされたワインを選びましょう。
>>【ソムリエ監修】カベルネ・フランとは?品種特徴、おすすめ15銘柄も価格別にご紹介!
カベルネ・ソーヴィニョン
ボルドーの赤ワインを代表する品種であるカベルネ・ソーヴィニョン。
ボルドー右岸に位置するポムロールではメルローが主要品種であるため、カベルネ・ソーヴィニョンは少量しか栽培されていません。
カベルネ・ソーヴィニョンが含まれるワインはポムロールでは珍しくなりますが、ブレンドされたワインは厚みのあるパワフルな味わいに仕上がります。
よりフルボディな味わいを楽しみたい方はカベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドされた銘柄を選ぶと良いでしょう。
>>【ワイン教養】カベルネ・ソーヴィニヨンを解説!品種特徴や豆知識、おすすめ銘柄などご紹介!
地区で選ぶ
ポムロール
ポムロールのメインの産地です。
非常に狭いエリアの中に多くの小規模生産者がひしめき合うように点在しています。
ペトリュスやル・パンのような超有名シャトーのほか、名が知れていないながらも良質な生産者が多くいます。
現在もポムロールのワインは価格高騰が続いていますが、それに見合うだけの品質を有していることは確かです。
ラランド・ド・ポムロール
ラランド・ド・ポムロール地区は、ポムロールの北部に位置しています。
ポムロール地区と比べて品質は劣るものの、ポムロールと同様にメルローを主体とした小規模生産者がワイン造りを行っている地域です。
価格帯はポムロールよりも比較的手頃で、コストパフォーマンスに優れたワインが見つかることでしょう。
ポムロールの需要は高まり続けているため、その廉価版とも言えるラランド・ド・ポムロール地区は今後ますます注目を集める産地として人気があります。
シャトーで選ぶ
シャトー・ペトリュス
シャトー・ペトリュスはポムロールを代表する世界的に認められた高級ワイン生産者です。
ペトリュスは格付けに選出されていないワインながら、あの5大シャトーを差し置いてボルドーで最も取引価格の高いワインとなっています。
その味わいは非常に深く、芳醇な香りとベルベットのような口当たりが特徴的で、熟成によりさらに深みと複雑さを増すことで知られています。
1980年代に入り、著名なワイン評論家「ロバート・パーカー」氏がペトリュスを絶賛したことから、ペトリュスはポムロールの名とともに世界トップワインの座を掴むことに。
また、ペトリュスはファーストラベルしか生産しないことから、生産量そのものが非常に少なくなっています。
そのためペトリュスはワイン愛好家やコレクターから絶大な支持を集めており、死ぬまでに1度は飲みたいワインの筆頭としても有名です。
>>【ソムリエ監修】ペトリュスとはどんなワイン?特徴や当たり年も解説
シャトー・ル・パン
ポムロールの中心部に位置するシャトー・ル・パン。
ル・パンはメルローの最高傑作と評され、ポムロールで唯一ペトリュスと肩を並べる存在と言われています。
その畑は1.9ヘクタールと非常に小さく、年間平均生産本数は約7000本とごく僅か。
そのため希少性が高く、コンディションの良いオールドヴィンテージのワインを入手するのは困難とされています。
ル・パンの生み出すワインは非常にエキゾチックで華やかでありながら、威厳を兼ね備えているのが魅力。
ロバート・パーカー氏が監修するワイン評論誌にて何度も100点を叩き出したことから、短期間で価格が急騰し「シンデレラワイン」の代表格とも称されています。
シャトー・ラ・コンセイヤント
シャトー・ラ・コンセイヤントはポムロールにおける老舗シャトーのひとつ。
1871年から現在に至るまでニコラス家がオーナーとして代々受け継がれているシャトーで、非常に長い歴史を持つと言えます。
その一方で最先端の技術を一早く取り入れる柔軟性を持ち、ポムロールでは最も早くにステンレスタンクを導入しました。
ラ・コンセイヤントは「ブルゴーニュのグラン・クリュのよう」とも例えられるほど、香り高くしなやかで妖艶な味わいが魅力のワインを生産しています。
また、その栽培品種はメルロー主体ながら、カベルネ・フランが20%とブレンド比率が高くなっているのが特徴。
スミレの花を思わせる芳香としなやかさが生まれるため、シャトー・ラ・コンセイヤントはポムロールで最もエレガントなワインと呼ばれています。
シャトー・ラ・フルール
シャトー・ラ・フルールもポムロールの最高峰とされるワイナリーの一つ。
特に豊富で複雑なアロマはボルドー右岸で最高のものと称賛されています。
その理由は、ラ・フルールの畑がふんだんに有する鉄分やリン、マグネシウムなどのミネラル分が大きく関係しています。
また、ブドウはメルローとカベルネ・フランを50%ずつ栽培しているのも特徴。
ブラックベリーやラズベリーの果実の風味の中に、スパイスや大地を思わせる複雑な風味が幾重にも口の中に広がっていきます。
ラ・フルールはペトリュスとともに、ポムロールを代表するトップシャトーの一つであり、ヴィンテージによってはペトリュスを凌ぐほどの評価を受けることもあります。
ポムロールのおすすめワイン10選
商品画像 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
商品名 | シャトー・ペトリュス | シャトー・ル・パン | シャトー・ラフルール | シャトー・ラ ・コンセイヤント | シャトー・ラ・フルール・ペトリュス | ラ・グラヴェット・ド・セルタン | ラ・フルール・ド・ブアール | シャトー・ヴィエイユ・ディナスティ キュヴェ エレオノール | シャトー・ラ・グラヴィエール | シャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイ・レゼルヴ |
詳細 | ブドウ品種:メルロー 地区:ポムロールの シャトー:シャトー・ペトリュス | ブドウ品種:メルロー/カベルネ・フラン 地区:ポムロール シャトー:シャトー・ル・パン | ブドウ品種:メルロー/カベルネ・フラン 地区:ポムロール シャトー:シャトー・ラフルール | ブドウ品種:メルロー85%/カベルネ・フラン 地区:ポムロール シャトー:シャトー・ラ ・コンセイヤント | ブドウ品種:メルロー 地区:ポムロール シャトー:シャトー・ラ・フルール・ペトリュス | ブドウ品種:メルロー85%/カベルネ・フラン 地区:ポムロール シャトー:ヴュー・シャトー・セルタン | ブドウ品種:メルロー85%/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン 地区:ラランド・ド・ポムロール シャトー:シャトー・ラ・フルール・ド・ブアール | ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン 地区:ラランド・ド・ポムロール シャトー:シャトー・ヴィエイユ・ディナスティ | ブドウ品種:メルロー/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン 地区:ラランド・ド・ポムロール シャトー:シャトー・ラ・グラヴィエール | ブドウ品種:メルロー 地区:ラランド・ド・ポムロール シャトー:シャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイ・レゼルヴ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
シャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイ・レゼルヴ
シャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイ・レゼルヴ
100%新樽で熟成されたメルロー。
イチゴジャムや干し草、バニラを思わせるようなリッチな風味が感じられます。
味わいはしなやかな渋味があり、余韻も深く複雑さも備えています。
ポムロールの入門にふさわしい完成度の高い1本です。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー | ラランド・ド・ポムロール | シャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイ・レゼルヴ |
シャトー・ラ・グラヴィエール
シャトー・ラ・グラヴィエール
地区:ラランド・ド・ポムロール
シャトー:シャトー・ラ・グラヴィエール
チャーミングな味わいが楽しめる早熟なワイン。
味わいは若々しく華やかな印象。
スミレやブラックベリーの風味が感じられ、渋味は丸みを帯びておりしなやかさがあります。
飲み頃を迎えるのが早く、今すぐ飲んで美味しくいただけるポムロールです。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン | ラランド・ド・ポムロール | シャトー・ラ・グラヴィエール |
シャトー・ヴィエイユ・ディナスティ キュヴェ エレオノール
シャトー・ヴィエイユ・ディナスティ キュヴェ エレオノール
地区:ラランド・ド・ポムロール
シャトー:シャトー・ヴィエイユ・ディナスティ
カベルネ・ソーヴィニヨン100%で仕込まれたポムロールでは珍しい1本。
濃厚なルビー色の外観と、カシスやブルーベリー、木樽の風味が印象的です。
凝縮感のある果実味とややスパイシー風味が広がり、骨格のある仕上がりとなっています。
カベルネ・ソーヴィニヨンを使用していますが、どこか柔らかさを感じます。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
カベルネ・ソーヴィニヨン | ラランド・ド・ポムロール | シャトー・ヴィエイユ・ディナスティ |
ラ・フルール・ド・ブアール
ラ・フルール・ド・ブアール
地区:ラランド・ド・ポムロール
シャトー:シャトー・ラ・フルール・ド・ブアール
メルローならではのリッチでなめらかな風味が楽しめる1本。
ワイン造りを手がけるのは、サンテミリオン特別A級シャトーであるアンジュリスのオーナー。
繊細な渋味と豊かな果実の風味がうまくまとまっています。
ぜひ肉料理と一緒に味わっていただきたい逸品です。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー85%/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン | ラランド・ド・ポムロール | シャトー・ラ・フルール・ド・ブアール |
ラ・グラヴェット・ド・セルタン
ラ・グラヴェット・ド・セルタン
老舗シャトーであるヴュー・シャトー・セルタンのセカンドラベル。
ペトリュスが現れるまでは、ヴュー・シャトー・セルタンはポムロールのトップシャトーと称されていました。
若樹から採れるブドウを使用したワインは、親しみやすい味わいの中に風格とリッチさを備えています。
セカンドラベルの枠を越えた非常に高品質な仕上がりです。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー85%/カベルネ・フラン | ポムロール | ヴュー・シャトー・セルタン |
シャトー・ラ・フルール・ペトリュス
シャトー・ラ・フルール・ペトリュス
力強さとエレガンスのバランスが秀逸な上質なポムロール。
シャトーの名は、ペトリュスとラ・フルールの間に畑を所有していることが由来です。
ペトリュスのような力強さと複雑性、ラ・フルールの高貴な風味が合わさったかのような味わいが感じられます。
ポムロールの名シャトーに近い品質を味わえる、コストパフォーマンスに優れた1本です。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー | ポムロール | シャトー・ラ・フルール・ペトリュス |
シャトー・ラ ・コンセイヤント
シャトー・ラ ・コンセイヤント
ポムロールを代表するトップシャトー。
その品質は「ブルゴーニュのグランクリュ」と称されるほど。
ピュアな果実味とバラやスミレ、チョコ、タバコなど非常に多様なアロマを感じます。
洗練された味わいと長い余韻を楽しめるでしょう。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー85%/カベルネ・フラン | ポムロール | シャトー・ラ ・コンセイヤント |
シャトー・ラフルール
シャトー・ラフルール
ボルドー右岸で最高峰の豊満で複雑なアロマと称えられる1本。
ブラックベリーを思わせる香りの中に、プラムやドライハーブ、トリュフの風味が溶け込んでいます。
中程度の酸味がありますが、それを果実味と繊細な渋味がうまくまとめ上げています。
生産量が少なく、非常に希少なポムロールワインです。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー/カベルネ・フラン | ポムロール | シャトー・ラフルール |
シャトー・ル・パン
シャトー・ル・パン
世界中のワインファンが追い求める最高品質のポムロール。
ル・パンの畑はわずかに2ヘクタールのみで、少量高品質のお手本ともいえるワイン造りを行っています。
果実の旨味が凝縮されつつ、エキゾチックな芳香を放つそのワインは、ボルドーでも屈指の価格で取り引きが行われています。
現在は50万円以上で取り引きが行われている、非常にレアな1本です。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー/カベルネ・フラン | ポムロール | シャトー・ル・パン |
シャトー・ペトリュス
シャトー・ペトリュス
ポムロールを語るうえで外せないボルドー最高級のシャトー。
「ワインというよりも神話の象徴」と言われるほど、他のシャトーとは別格としてペトリュスは扱われています。
多種多様なベリーの風味にハーブ、花、スパイス、トリュフの香りが幾重にも感じられ、深く長く続く余韻はまさに感動もの。
ポムロールの真髄を味わうためにも、死ぬまでに1度は飲んでみたい1本です。
ブドウ品種 | 地区 | シャトー |
メルロー | ポムロール | シャトー・ペトリュス |
ポムロールのワインの美味しい飲み方
こちらでポムロールのワインを美味しく飲む方法についてご紹介します。
希少価値の高いポムロールのワインを最大限に楽しむためにも、ぜひご参考ください。
温度にこだわる
ポムロールのワインを最高の状態で楽しむためには、適切な温度管理が欠かせません。
ポムロールのワインは一般的に約16-18℃の温度で飲むと最適な味わいを楽しむことができます。
この温度帯で飲む事で、複雑で芳醇な香りが広がり、メルローならではの絹のような滑らかな口当たりを堪能できるでしょう。
温度が高すぎるとワインの味わいがぼやけてしまい、低すぎると渋みは滑らかさが欠け、香りの広がりがなくなってしまいます。
グラスにこだわる
ワインの風味を十分に引き立てるためには、適切なワイングラスの選択が重要です。
ポムロールのワインを楽しむためには、ワインの香りを広げ、タンニンをやわらげるための大きめのワイングラスが最適です。
具体的にはチューリップ型のボルドータイプのグラスがおすすめ。
長期熟成によるなめらかな渋みと厚みのある味わいを感じるには、直線的なグラスデザインのボルドーグラスがぴったりです。
一方で、メルロー100%の高級なポムロールは、バルーン型のブルゴーニュグラスで飲む事で、魅惑的な香りを堪能することができるでしょう。
>>【ソムリエ厳選】おすすめの人気ワイングラス15選!種類もご紹介
ポムロールのワインに合わせる料理
赤身肉のステーキ
ポムロールのワインはフルボディでタンニンが豊かなため、肉の旨味と見事にマッチします。
中でもおすすめなのが赤身肉のステーキ。
豊かな肉の風味を持つ赤身肉は、ポムロールの持つ果実味やジビエの風味と相まって絶妙なハーモニーを生み出します。
上質な和牛を使ったステーキと一緒にぜひ。
キノコのソテー
ポムロールの大きな魅力の一つがトリュフを思わせる熟成香。
このキノコの持つ大地を思わせるような風味が、熟成したポムロールとぴったり合うのです。
キノコの旨みと香りをじっくりと引き出したキノコのソテーは、ポムロールと互いの良さを引き出し合います。
キノコのソテーはそのままはもちろん、肉料理のソースにしてポムロールと合わせても良いでしょう。
うなぎの蒲焼
うなぎの蒲焼もポムロールのワインとのマリアージュが面白い一品です。
実はボルドーには「ランプロワ・ア・ラ・ボルドレーズ」という、ヤツメウナギを赤ワインで煮込んだ郷土料理があります。
そのためうなぎと赤ワインの組み合わせはボルドー現地でも楽しまれているのです。
うなぎの蒲焼の甘辛い濃厚な味わいと甘みが、ワインの果実味とタンニンと絶妙に絡み合い、新たな美味しさを引き立てます。
チョコレート
ポムロールはチョコレートとの組み合わせも楽しむことが可能です。
特におすすめなのがカカオの風味が際立つビターチョコレート。
メルローにはチョコレートを思わせる風味があり、熟成により生まれるなめし革や腐葉土の香りがビターチョコの風味とうまくマッチします。
デザートにポムロールとビターチョコの組み合わせを楽しんでみてはいかがでしょうか。
【豆知識】ポムロールとサンテミリオンの違い
ポムロールと同じくボルドー右岸に位置するサンテミリオン。
この2つの産地はともにボルドー右岸を代表する産地として知られて、隣接していることから比較されることも少なくありません。
ポムロールとサンテミリオンの違いを以下にまとめました。
比較項目 | ポムロール | サンテミリオン |
産地 | ボルドー右岸 | ボルドー右岸 |
ブドウ栽培面積 | 5,500ha | 800ha |
土壌 | 粘土質・酸化鉄 | 粘土石灰質 |
ブドウ品種 | メルロー主体 | メルロー主体 |
ワインのタイプ | フルボディ・長期熟成 | フルボディ・長期熟成 |
ワインの香り | ベリー・スパイス・紅茶・トリュフ | ベリー・ジビエ・スパイス・ピーマン |
ワインの味わい | 甘味がありやや酸味がある | 甘味があり酸味が穏やか |
格付け | なし | あり |
両地域ともボルドー右岸に位置し、メルローが主体のワインである点は共通です。
一方で両者を比較すると、ポムロールは地域全体が小さく、個々の生産者も小規模。
対してサンテミリオンは地域全体が広く、ブドウ栽培面積も大きいことが分かります。
生産されるワインは生産者によって大きく異なりますが、サンテミリオンの方がより芳醇な味わいで、ポムロールはよりエレガントなワインと称されています。
>>サンテミリオンのおすすめワイン10選!格付けや特徴をソムリエが解説
ポムロールはボルドー屈指の高級赤ワイン産地!
ボルドーでも屈指の銘醸地として知られるポムロール。
メルロー種から生み出されるその赤ワインは、数あるボルドーワインの中でもトップクラスに人気があります。
特にシャトー・ペトリュスやル・パンなどの生産者は、ワインショップや飲食店で見かけることすら困難な状況です。
超高級な銘柄だけでなく、手の届きやすい価格帯の銘柄もありますので、今回の記事を参考にぜひポムロールのワインを楽しんでみてください。
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