ボルドー右岸のワイン銘醸地であるサンテミリオン。
ボルドーではいくつかの産地に格付けがありますが、サンテミリオンの格付けはその中で最も厳格とされています。
今回はサンテミリオンについて、産地の特徴や格付け、おすすめワインをソムリエがご紹介します。
目次
サンテミリオンとは?
サンテミリオンはフランス・ボルドー地方に位置する人気ワイン産地の一つです。
特に赤ワインの銘醸地として知られ、その品質は世界中のワインファンから高い評価を受けています。
サンテミリオンが位置するのは、5大シャトーで有名なメドック地区とは川を挟んで反対側のいわゆる「ボルドー右岸エリア」。
気候風土は大西洋に近いため温暖ですが、ボルドー地方の中でも内陸に位置しているためメドック地区よりも昼夜の寒暖差が大きくなります。
サンテミリオンで生産される赤ワインは黒ブドウ品種であるメルローが主体で、フルボディながらなめらかで優しい味わいが魅力。
サンテミリオンにはメドック地区のように格付け制度があります。
格付けは3つの階層に分かれており、約10年ごとに格付けの見直しが行われるのが大きな特徴です。
また、サンテミリオンはその美しい町並みでも知られ、ワイン産地として初めて世界遺産に登録されています。
人口はわずか2,000人程度の街でありながら、観光客は年間約50万人が訪れる観光名所となっています。
>>【ソムリエ監修】ボルドーワインの特徴を徹底解説!産地の特徴、選び方、おすすめ銘柄もご紹介
サンテミリオンのワインの特徴
ボルドーの人気赤ワイン産地であるサンテミリオン。
そんなサンテミリオンの特徴について、3つに分けてご紹介します。
柔らかくふくよかな赤ワイン
サンテミリオンの赤ワインの魅力は、その柔らかさと豊かさにあります。
ボルドーの赤ワインと言えば渋みが強く、がっしりとした味わいをイメージされる方も多いでしょう。
サンテミリオンの赤ワインにもフルボディな味わいはありますが、その中でもサンテミリオンには柔らかさや上品さを感じます。
骨太で濃厚な風味を楽しめる一方で、味わいは非常になめらかで気品があるのが魅力。
ボルドーワインや赤ワインの入門としてサンテミリオンは最適でしょう。
5大シャトーをはじめとする、カベルネ・ソーヴィニョン主体のフルボディタイプの赤ワインが苦手な方も、サンテミリオンのワインであれば美味しくいただけるかもしれません。
>>ワインの当たり年ってなに?メリットやデメリット、主要産地の当たり年銘柄をご紹介!
メルロー主体のボルドーワイン
メルローは渋みがまろやかで酸味が比較的穏やかな一方、豊かな果実味と糖度を持っています。
サンテミリオンの柔らかなワインの味わいは、このメルローの持つ品種特性が反映されていると言えるでしょう。
メルローはボルドー地方全体で栽培されていますが、特にボルドー右岸地域にて栽培が盛んです。
その理由については、ボルドーの気候や地理的な条件とブドウ品種の栽培特性が関係しています。
ボルドー右岸に位置するサンテミリオンは、海から離れた内陸に位置していることから気温がやや低くなります。
また、土壌は熱しにくく冷めやすい粘土質土壌が多く、ブドウが熟しにくいやや冷涼な環境が特徴。
そのため、晩熟型のカベルネ・ソーヴィニョンよりも、早熟型の特性を持つメルローがサンテミリオンでは好んで栽培されています。
10年ごとに見直しされる格付け
サンテミリオンはボルドー右岸で唯一の格付け制度を持っています。
サンテミリオンの格付けがスタートしたのは、5大シャトーで有名な「ボルドー・メドック地区の格付け」が制定された約100年後の1954年。
サンテミリオンの格付けは以下の3階層に分類されます。
・グラン・クリュ・クラッセ
・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB
・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA
特別級のグラン・クリュ・クラッセと、その上に第一特別級のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセがB→Aの順に続きます。
サンテミリオンの格付けは、約10年ごとに格付けが見直されるところが大きな特徴です。
ボルドーで最も有名なメドック地区の格付けは、1855年の格付け決定以来ごく一部の例外を除けば格付けの内容にほとんど変わりはありません。
しかし、サンテミリオンの格付けは過去に1969年、1986年、1996年、2006年、2012年、2022年と変更が行われました。
格付けの見直しが行われる背景には、メドック地区の格付けに見られるような「格付けに選ばれたシャトーが半永続的に評価され続ける」不公平さに理由があるのではないかと考えられます。
そのため、定期的な見直しが行われるサンテミリオンの格付けは、他の格付け制度よりも信憑性が高いと言われています。
>>【ソムリエ執筆】五大シャトーとは?値段から当たり年まで徹底解説
サンテミリオンのワインの選び方
こちらでサンテミリオンのワインの選び方をご紹介します。
お気に入りの1本を見つけるためにも、ぜひご参考ください。
ブドウ品種で選ぶ
メルロー
ブドウ栽培の総生産量のうち、65%がメルローとなっています。
メルローから作られるワインには、プラム、チェリー、カシスなどのフルーティな風味を感じます。
また、穏やかな酸味と、なめらかで口当たりの良い渋みも特徴です。
熟成を行うことでチョコレートやコーヒーなどコクのある風味も生まれます。
サンテミリオンの赤ワインを飲むことで、メルローの品種特性をしっかりと感じることができるでしょう。
>>【ソムリエ監修】メルロの人気おすすめワイン25選を紹介!特徴も解説
カベルネ・フラン
カベルネ・フランは、サンテミリオンで2番目に多く栽培されている品種です。
カベルネ・フランはメルローに比べてより酸味があり、ブラックカラント、ラズベリー、ハーブ、スパイスの香りをもたらします。
また、カベルネ・フランは耐寒性が高く、冷涼な年でも安定した収穫が期待できるのも特徴。
カベルネ・フランはメルロー主体のワインにブレンドされることが多いですが、カベルネ・フラン比率の高いワインを生産するシャトーもあります。
>>【ソムリエ監修】カベルネ・フランとは?品種特徴、おすすめ15銘柄も価格別にご紹介!
カベルネ・ソーヴィニヨン
ボルドーワインを代表するブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニヨン。
主にメドック地区などのボルドー左岸で栽培が盛んですが、サンテミリオンでも一部栽培されています。
カベルネ・ソーヴィニヨンは強いタンニンと酸味を持ち、ブラックベリーやミント、ダークチョコのような香りが特徴です。
メルロー主体のワインにカベルネ・ソーヴィニョンをブレンドすることで、ワインに力強さを与えます。
>>【ワイン教養】カベルネ・ソーヴィニヨンを解説!品種特徴や豆知識、おすすめ銘柄などご紹介!
格付けで選ぶ
格付けはワインを選ぶ上で最も参考になる指標のひとつです。
サンテミリオンの格付けは以下の3階層に分かれています。
・グラン・クリュ・クラッセ
・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB
・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA
グランクリュ・クラッセ
サンテミリオンの格付けの中で基本的なレベルが「グランクリュ・クラッセ」です。
グランクリュ・クラッセの数は2022年の格付け時点で71シャトー。
格付け制度の中では最も低い等級となりますが、サンテミリオンはワイン生産者がとにかく多い産地となります。
グランクリュ・クラッセであっても、数あるシャトーの中から選ばれたことから非常に品質の高いワインを生み出しています。
プルミエ・グランクリュ・クラッセB
プルミエ・グランクリュ・クラッセBは、サンテミリオンの格付けにおける2番手です。
2022年最新の格付けでは14のシャトーがクラッセBに選出されました。
前述したとおり、サンテミリオンの格付けは10年ごとに見直しが行われています。
そのため、次の格付けではクラッセAに昇格するという強い意志を持って、真摯なワイン造りに取り組むシャトーが多い等級です。
また、かつてクラッセAに格付けされていたシャトーが、現在のクラッセBに降格しているということもあります。
価格と品質のバランスを考えている方は、クラッセBのワインを選んでみてはいかがでしょうか。
プルミエ・グランクリュ・クラッセA
サンテミリオンの格付け最高レベルが「プルミエ・グランクリュ・クラッセA」です。
サンテミリオンで最も優れたワインを生産するシャトーだけがこの認定を受けられます。
クラッセAに分類されるワイナリーは非常に限られており、これまでの格付けでは2~4シャトーのみしか選出されていません。
なお、2022年に更新された最新の格付けでは、以下の2つのシャトーがクラッセAに選ばれました。
・シャトー・フィジャック
・シャトー・パヴィ
サンテミリオンの最高級ワインをお求めの方は、上記のシャトーの中から1本を選んでみてはいかがでしょうか。
シャトーで選ぶ
サンテミリオンには世界的に有名なシャトーがいくつもあります。
その中でも特に人気や注目度の高いシャトーをご紹介します。
シャトー・オーゾンヌ
シャトー・オーゾンヌは、サンテミリオンで最も人気の高いシャトーのひとつ。
サンテミリオンの格付け当初からクラッセAに選出されていましたが、最新の格付けからは自ら辞退するなどワイン業界に衝撃をもたらしました。
オーゾンヌはメルローとカベルネ・フランが主体で、カベルネ・ソーヴィニョンは栽培していません。
メルローとカベルネ・フランが生み出す、やわらかな果実味と酸味、渋みのバランスが取れた秀逸なワインが世界的に評価されています。
サンテミリオンの最新格付けからは外れていますが、オーゾンヌは間違いなくサンテミリオンの頂点に君臨する生産者です。
シャトー・シュヴァルブラン
フランス語で「白馬」を意味するシャトー・シュヴァルブラン
シュヴァルブランのワインの大きな特徴は、ボルドー全体で見ても珍しいカベルネ・フラン主体のワイン造りです。
ボルドーワインの特徴であるパワフルで肉厚な味わいではなく、華やかでエレガントな仕上がりとなっています。
また、熟成のポテンシャルの高さにも定評があり、数年~数十年かけてその飲み頃が続くとも言われています。
シュヴァルブランも格付け初期からクラッセAに位置していましたが、オーゾンヌと同じく最新の格付けからは辞退しています。
シャトー・アンジェリュス
シャトー・アンジェリュスはサンテミリオンの中でも躍進がめざましいシャトーです。
1980年代からワイン造りの改革を推し進め、1996年の格付けにおいてクラッセBに選出。
さらに2012年の見直しではついにクラッセAに昇格しました。
アンジェリュスのワインは、力強さと同時に非常に洗練された風味があります。
特に渋みのなめらかさは秀逸で、口の中に馴染むような口当たりを楽しむことができます。
最新の格付けでは、格付けに関するアンジェリュスの不当な介入があったと有罪判決が出たため、2022年の格付けからは脱退しています。
シャトー・パヴィ
シャトー・パヴィは2022年の最新格付けでクラッセAに選出されたトップシャトーです。
1954年の格付け当初ではクラッセBに選ばれ、2012年の格付けか見直しからクラッセAに昇格を果たしました。
パヴィのワインはかつて繊細で穏やかなものでしたが、近年はその味わいが大きく変化しています。
現在は力強い口当たりと幾重にも広がる豊かな香りが感じられ、「右岸のラフィット」とも称されるほどの品質に。
より力強いワインをお求めの方はパヴィがおすすめです。
シャトー・フィジャック
シャトー・フィジャックは2022年の最新の格付けで初めてクラッセAに昇格したシャトーです。
ボルドーでは最古のシャトーのひとつとして知られており、サンテミリオンの格付けでは長らくクラッセBの地位に甘んじていました。
最新の格付けで満を持してクラッセAに昇格したため、いまサンテミリオンで最も注目を集めている生産者と言えるでしょう。
フィジャックの特徴は砂利質土壌を有することから、カベルネ・ソーヴィニヨンを多く栽培しているところ。
カベルネ・ソーヴィニヨン比率が高く、骨格のしっかりとしたボリュームのあるワインが生み出されています。
サンテミリオンのトップシャトーであるシュヴァルブランは、フィジャックの畑から分かれた土地としても有名です。
サンテミリオンのおすすめワイン10選
こちらでサンテミリオンのおすすめワインを10本ご紹介します。
安価に購入できるものから、格付け上位のものまでをピックアップしました。
商品画像 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
商品名 | シャトー・シュヴァル ブラン | シャトー・アンジェリュス | シャトー・フィジャック | シャトー・オーゾンヌ シャペル ドーゾンヌ | シャトー・カノン | クロ・サン・ジュリアン | シャトー カップ ド ムルラン | サン・テミリオン フルコー ローサック | サン・テミリオン シャトー ラプラニョット ベルヴュー | J.J.モルチェ サンテミリオン |
詳細 | ブドウ品種:メルロー45%/カベルネ・フラン55% 格付け:- 生産者:シャトー・シュヴァル ブラン | ブドウ品種:メルロー50%/カベルネフラン47%/カベルネ・ソーヴィ二ヨン3% 格付け:- 生産者:シャトー・アンジェリュス | ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン35%/メルロー30%/カベルネ・フラン35% 格付け:プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA 生産者:シャトー・フィジャック | ブドウ品種:メルロー/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニョン 格付け:- 生産者:シャトー・オーゾンヌ | ブドウ品種:メルロー65%/カベルネ・フラン35% 格付け:プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB 生産者:シャトー・カノン | ブドウ品種:メルロー50%/カベルネ・フラン50% 格付け:グランクリュ・クラッセ 生産者:クロ・サン・ジュリアン | ブドウ品種:メルロ65%/カベルネ・フラン25%/カベルネ・ソーヴィニョン10% 格付け:グランクリュ・クラッセ 生産者:カップ・ド・ムルラン | ブドウ品種:メルロー 格付け:- 生産者:シャトー ラプラニョット ベルビュー | ブドウ品種:メルロー70%/カベルネ・フラン20%/カベルネ・ソーヴィニョン10% 格付け:- 生産者:シャトー ラプラニョット ベルビュー | ブドウ品種:メルロー主体 格付け:- 生産者:J.J.モルチェ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
J.J.モルチェ サンテミリオン
J.J.モルチェ サンテミリオン
格付け:-
生産者:J.J.モルチェ
本格的かつカジュアルな味わいの赤ワイン。
メルロー主体のブレンドで、ボルドーワインらしい骨格を持ちつつ口当たりはなめらかです。
肉料理との抜群の組み合わせを見せてくれます。
気軽に楽しめるミディアムボディの1本。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー主体 | – | J.J.モルチェ |
サン・テミリオン シャトー ラプラニョット ベルヴュー
サン・テミリオン シャトー ラプラニョット ベルヴュー
格付け:-
生産者:シャトー ラプラニョット ベルビュー
しっかりとしたコクを感じる1本。
ブラックベリーの風味の中に、カカオやシナモンなどのニュアンスを感じます。
豊かな果実味とシルキーな渋みが合わさっており、優美な飲み心地が印象的。
バランスの取れた完成度の高いボルドーワインに仕上がっています。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー70%/カベルネ・フラン20%/カベルネ・ソーヴィニョン10% | – | シャトー・ラプラニョット ベルビュー |
サン・テミリオン フルコー ローサック
サン・テミリオン フルコー ローサック
格付け:-
生産者:シャトー ラプラニョット ベルビュー
濃密さと複雑性に富んだ1本。
黒系ベリーの濃厚な香りとダークチョコレートの香りが特徴的。
なめらかな口当たりはするりと喉を通りますが、余韻は深く、長く続きます。
牛肉の煮込み料理とぜひ一緒に。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー | – | シャトー ラプラニョット ベルビュー |
シャトー カップ ド ムルラン
シャトー カップ ド ムルラン
格付け:グランクリュ・クラッセ
生産者:カップ・ド・ムルラン
リッチで豊かな果実味を感じるグランクリュ。
果実味の力強さが印象的で、黒系ベリーの風味が口いっぱいに広がります。
熟成により渋みは非常になめらかになりますが、ボリューム感は健在です。
グランクリュならではの優美な味わいをお楽しみください。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロ65%/カベルネ・フラン25%/カベルネ・ソーヴィニョン10% | グランクリュ・クラッセ | カップ・ド・ムルラン |
クロ・サン・ジュリアン
クロ・サン・ジュリアン
格付け:グランクリュ・クラッセ
生産者:クロ・サン・ジュリアン
エレガントさが際立つグランクリュ。
メルローらしい果実の風味の中に、ハーブやお花のような繊細な風味が感じられます。
味わいには落ち着きがあり、複雑な風味が余韻として長く残ります。
高貴な味わいがあるので、独特な風味のジビエ料理などと合わせてみてはいかがでしょうか。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー50%/カベルネ・フラン50% | グランクリュ・クラッセ | クロ・サン・ジュリアン |
シャトー・カノン
シャトー・カノン
格付け:プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB
生産者:シャトー・カノン
あの有名ファッションブランド「シャネル」が所有するシャトー。
非常にブドウの凝縮感を強く感じ、赤系・黒系ベリーのフレッシュな風味が活きています。
ピュアな酸味の中に落ち着きのある渋みがあり、洗練された印象です。
熟成ポテンシャルも秘めた、今後に期待がかかっているシャトーです。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー65%/カベルネ・フラン35% | プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB | シャトー・カノン |
シャトー・オーゾンヌ シャペル ドーゾンヌ
シャトー・オーゾンヌ シャペル ドーゾンヌ
格付け:-
生産者:シャトー・オーゾンヌ
サンテミリオンを代表するシャトー・オーゾンヌのセカンドラベル。
シャトーの中でも若いブドウ樹のブドウを使用していますが、醸造方法はファーストラベルと同じです。
香りには熟したカシスやタバコ、ミントなどを感じ、味わいは若々しい果実味と骨格のあるボディが共存。
オーゾンヌの風格を感じるには十分な1本です。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニョン | シャトー・オーゾンヌ |
シャトー・フィジャック
シャトー・フィジャック
格付け:プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA
生産者:シャトー・フィジャック
最新の格付けでクラッセAに昇格した話題のシャトー。
サンテミリオンでは珍しく、カベルネ・ソーヴィニョン主体のワインを生産しています。
その味わいは非常に力強くも、サンテミリオンらしいエレガントな柔らかさも両立。
今飲んでも非常に美味しいですが、数十年熟成させることでさらに偉大なワインへと変貌していくとも言われています。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
カベルネ・ソーヴィニヨン35%/メルロー30%/カベルネ・フラン35% | プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA | シャトー・フィジャック |
シャトー・アンジェリュス
シャトー・アンジェリュス
格付け:-
生産者:シャトー・アンジェリュス
かつてクラッセAに格付けされていた超人気のシャトー。
近年のアンジェリュスのワインは、果実味が豊かでブドウの凝縮感を感じる味わいに仕上がっています。
メルロー比率が50%と抑えめになっており、カベルネ・フラン特有の可憐な風味が印象的。
格付けから脱退していますが、その品質は現在もトップクラスのシャトーです。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー50%/カベルネフラン47%/カベルネ・ソーヴィ二ヨン3% | – | シャトー・アンジェリュス |
シャトー・シュヴァル ブラン
シャトー・シュヴァル ブラン
格付け:-
生産者:シャトー・シュヴァル ブラン
格付けから辞退しつつもサンテミリオンのトップに君臨するシャトー。
その味わいに感じるブドウの完熟感と深みは、他のシャトーには真似できない仕上がりとなっています。
瓶内でもゆっくりと熟成が進んでいくため、リリースされた銘柄も10年・20年はゆうに品質が向上していくとされています。
人生で1度は飲んでみたい、サンテミリオン最高峰の1本です。
ブドウ品種 | 格付け | 生産者 |
メルロー45%/カベルネ・フラン55% | – | シャトー・シュヴァル ブラン |
サンテミリオンのワインの美味しい飲み方
こちらでサンテミリオンのワインを美味しく飲む方法についてご紹介します。
上質なワインをしっかりと堪能するためにも、ぜひご参考ください。
温度にこだわる
サンテミリオンのワインはやや高めの温度で飲むのがおすすめ。
具体的には16~20度程度で飲むのが良いでしょう。
赤ワインに含まれる渋みは、温度が低い状態だと口の中でざらつきを感じやすくなります。
温度を上げることで渋み成分であるタンニンにまろやかさが生まれ、コクのある味わいを楽しめます。
また、ワインの重要な要素である香りも、温度が高いほど感じやすくなるのが特徴。
サンテミリオンのワインを飲む際には、室温よりもやや低めの温度から飲み始めるようにしましょう。
16~20度の温度を常温や冷蔵庫で維持するのは難しいので、できればワインセラーで保管することをおすすめします。
>>【ソムリエセレクト】おすすめワインセラー17選!家庭用にはコレ!
グラスにこだわる
サンテミリオンのワインを飲むための最適なグラスは、やはりボルドーグラスでしょう。
ボルドーグラスはグラスのボウル部分が大きく、ワインの香りをたくさんグラスの中に溜まるのが特徴。
また、グラスのデザインが直線的で、一直線にワインが口の中に入り込むようになっています。
ボルドーワインの魅力である力強く男性的な味わいを、よりストレートに感じることができるでしょう。
>>【ソムリエ厳選】おすすめの人気ワイングラス15選!種類もご紹介
サンテミリオンのワインに合わせるおつまみ
仔羊のロースト
ボルドーの赤ワインであるサンテミリオンは、やはりステーキ肉とのペアリングが王道。
基本的にどんな肉料理にも合いますが、中でも仔羊のローストをおすすめします。
仔羊の程よく脂に乗った味わいと独特の風味が、サンテミリオンの柔らかな味わいと調和します。
フルーツソースで頂くことで、メルローの果実味との相性がより良いものとなるでしょう。
牛肉の煮込み
熟した果実のニュアンスやチョコレートの風味が、コクのある煮込み料理の風味と相性ピッタリ。
特に、ワインに含まれるタンニンが肉の旨味を引き立て、一層豊かな味わいを作り出します。
牛の赤身肉や牛タンなど、噛み応えのある部位がおすすめです。
うなぎの蒲焼
サンテミリオンにぜひ合わせていただきたい食材がうなぎです。
意外な組み合わせかもしれませんが、ボルドーにはうなぎをサンテミリオンの赤ワインで煮込んだ「ランプロワ・ア・ラ・ボルドレーズ」という郷土料理があります。
そのため、うなぎと赤ワインの組み合わせはボルドー現地では定番のペアリングなのです。
日本で定番のウナギの蒲焼も、甘辛いタレがメルローの果実味と風味がマッチするので、ぜひお試しください。
チーズ
サンテミリオンのワインはチーズとの組み合わせも楽しめます。
特にカマンベールやブリーのような、クリーミーで豊かな白カビチーズと非常に良く合います。
チーズのコクとワインのフルーティさが相互に引き立てられ、素晴らしいペアリングを生み出します。
【豆知識】サンテミリオン最新格付けでトップシャトーが辞退続出?
サンテミリオンには格付け制度があり、約10年に1度の見直しが行われていることをここまでご紹介しました。
最新の見直しは2022年に行われたのですが、ここでワイン業界を大きく揺るがす事態が起こりました。
それが、元プルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに位置していた「シャトー・シュヴァルブラン」「シャトー・オーゾンヌ」の2大シャトーの格付け辞退です。
サンテミリオンの格付けにおいて常に上位に位置し、サンテミリオンの2枚看板とも呼ばれていたシャトーは、なぜ今回の格付けを辞退したのでしょうか?
その大きな理由としては「格付けの審査内容を疑問視している」というものがあります。
サンテミリオンの格付けの審査内容は、ワインの試飲だけでなく、シャトーの歴史やブドウ栽培、醸造技術などがチェックされます。
また、近年になってからは観光客の受け入れ状況やネット上での情報発信なども審査内容に含まれるようになりました。
審査の内容がここまで多岐に渡ると「これは一体何のための格付けなのか」と、疑問に思う生産者も出てくるでしょう。
また、近年は最上等級のクラッセAに認定されるシャトーが見直しの度に増えていたことから、格付けそのもののブランド価値が下がっていると感じる生産者も少なくありませんでした。
これらの思惑がおそらく関係し、サンテミリオンの2つのトップシャトーが今回の格付けを辞退したのではないかと言われています。
2大シャトーの後を追うように格付け辞退を表明するシャトーも現れたため、サンテミリオンの格付けに納得がいっていない生産者が一定数いることがわかるでしょう。
格付け制度はワイン消費者にとってわかりやすく便利なものであり、生産者にとっては自身のワインの売上・ブランド価値を大きく左右するものです。
10年に1度の見直しがあるサンテミリオンの格付けだからこそ、今回の騒動は起こったものだと考えられます。
今後サンテミリオンの格付けがどうなっていくのか、その動向に注目していきましょう。
サンテミリオンは柔らかで奥行きのあるボルドーワイン!
サンテミリオンはフランス・ボルドー地方の人気赤ワイン産地です。
5大シャトーを代表する力強い味わいとはひと味違う、柔らかで親しみやすい飲み口を楽しむことができます。
2022年に格付けが見直しされ、新たな格付けが決まったことから近年その注目度は増しています。
赤ワイン好きの方なら外せないワイン産地となるので、ぜひ今回の記事を参考にサンテミリオンのワインをお楽しみください。
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