【ソムリエ監修】フランスの弱発泡性ワイン「ペティアン」を解説!おすすめ10銘柄もご紹介

2019/01/06
■ワイン■

最近、ペティアンというスパークリングワインが世界的に注目されています。

注目されるようになったのは最近ですが、実は昔からある弱発泡のスパークリングワインです。

この記事では、ペティアンの特徴や選び方、おすすめのペティアンについて紹介していきます。

執筆者/監修者

佐々木 健太

J.S.A. ソムリエ・エクセレンス

ソムリエ/年間受講者数日本一を誇るカリスマワインスクール講師  21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。ワインのサブスク「HOME WiNE」を手掛ける。YouTubeチャンネル「ソムリエ佐々木」を運営。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。

ペティアンとは

弱発泡性のワイン

ペティアン(PETILLANT)は、フランス語で「わずかに泡立つ」という意味で、弱発泡性ワインを指します。

ペティアンのガス圧は1〜2.5気圧と定められています。ちなみに通常のスパークリングワインはガス圧3気圧以上です。

メトード・アンセストラル

ペティアンの多くは「メトード・アンセストラル」と呼ばれる方法で造られています。

「アンセストラル」は「古代の」という意味です。文字どおり何世紀も前からある製造方法です。

通常のスパークリングワインはベースになるワインを造るために一度発酵をおこない、炭酸を発生させるために二度目の発酵をおこないます。

メトード・アンセストラルでは、二度目の発酵はおこないません。一度目の発酵途中のワインをビンに詰め、ビンの中で残りの発酵をおこないます。

この方法で発生する炭酸ガスは、通常のスパークリングワインより弱いです。

ペティアン・ナチュール(ペト・ナット)

店頭やECサイトで見かけるペティアンの中には、「ペティアン・ナチュール」または「ペト・ナット」と記載されたものが増えています。

これらは「自然派」のペティアンを指し、有機農法、酸化防止剤不使用、無ろ過などのペティアンです。

ペティアンの選び方

産地で選ぶ

ペティアンはフランス語ですが、さまざまな国、地域で造られています。産地の特徴を見ていきましょう。

すっきりした味わいのフランス・ロワール地方

ペティアンはフランスのロワール地方を中心に造られています。ロワール地方はフランス最大の川、ロワール川沿岸の産地です。

ロワール地方はフランス北部に位置する冷涼な気候のため、ペティアンは酸がきいていてミネラル感があるすっきりした味わいです。

ロワール地方には原産地呼称を持ったペティアンまであります。(ヴーヴレ・ペティアン、モンルイ・シュール・ロワール・ペティアンなど)

使われるぶどう品種は、シュナン・ブランカベルネ・フランなどです。

その他の産地

ペティアンは、フランスのラングドック地方、オーストリア、アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、日本などでも造られています。

これらの産地のペティアン は、産地の代表品種のぶどうを使って造られています。

品種で選ぶ

ペティアンの中心地がフランス、ロワール地方なので、ペティアンの品種はロワール地方の代表品種が中心です。

ミネラル感のあるシュナン・ブラン

シュナン・ブランはペティアンで最も使われる白ぶどう品種。フランスのロワール地方が原産です。ロワール地方では、スパークリングワインのクレマンにも使われます。

酸味の強い品種で、リンゴやカリンの風味があり、ミネラル感があるのが特徴です。

さわやかなハーブの香り ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランもロワール地方を代表する白ぶどう品種です。フランス中央部ではブラン・フュメとも呼ばれます。
かんきつ類の果実のようなイキイキとした酸味、さわやかなハーブのような香り、濡れた小石のようなミネラル感のある風味が特徴です。

ピーマンのような風味のカベルネ・フラン

カベルネ・フランは、ロゼのペティアンに使われる黒ぶどう品種です。ロワール地方ではブルトンと呼ばれることも。

カベルネ・ソーヴィニヨンと似た味わいですが、より清涼感があり軽やかです。ピーマンやシシトウのような青っぽい風味があります。

価格で選ぶ

ペティアンは1,000円台から購入できます。1,000円台のものは自宅で普段の料理と合わせて楽しめますし、3,000円程度するものならプレゼントとしても良いでしょう。

1,000円台のものはすっきりした味わい、3,000円台のものはコクのある味わいのものが多いです。

おすすめのペティアン10選

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5位

山梨マルスワイナリー ペティアン ド マルス 甲州

詳細情報
産地: 日本、山梨県
品種: 甲州
タイプ: 辛口

日本の本格派ペティアン
山梨県産の甲州を使ったペティアン。このペティアンは手間のかかるシャンパン製法で造られています。無ろ過なので見た目は少しにごっています。

甲州は味わいが繊細な品種ですが、ペティアンの弱めの泡ならぶどう本来の個性を感じやすいでしょう。ナシのような優しい果実味、白い花や酵母由来の香ばしい香りがします。

和食全般と相性がいいです。穴子の白焼き、野菜の天ぷらなどと合わせたらおいしいです。

4位

F リュルトン フュメ ブランシュ ペティアン ソーヴィニヨン・ブラン

詳細情報
産地: フランス、ラングドック・ルーション
品種: ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ: 辛口

トロピカルな味わい
フランス、ラングドック・ルーション地方のクレマン。

温暖なラングドック・ルーション地方のソーヴィニヨン・ブランはよく熟し、南国の果物のような風味もあります。このペティアンにもそのような産地の特徴が反映されています。フレッシュな酸と果実味とのバランスが良いペティアンです。

中華料理などと合わせると相性が良いです。

3位

セバスチャン ブリュネ ヴーヴレイ ペティアン ル ナチュレ

詳細情報
産地: フランス、ロワール地方、トゥーレーヌ
品種: シュナン・ブラン100%
タイプ: 辛口

唯一無二の自然派ペティアン
フランス、ロワール地方のペティアン。酸化防止剤無添加の自然派ワインです。

ヴーヴレイという産地のシュナン・ブランは、フルーティーなものが主流です。しかし、このペティアンの生産者は、あえて酸味とミネラル感を生かしたワイン造りをおこなっています。

どのロワールのペティアンとも似ていない、唯一無二のペティアンです。

相性が良い料理は白身の魚です。

2位

エグジレ ペティアン ロゼ リズ エ ベルトラン ジュセ

詳細情報
産地: フランス、ロワール
品種: カベルネ・フラン100%
タイプ: 辛口

チャーミングな「流れ者」
「エグジレ」はフランス語で「流れ者」という意味。ある年にこの生産者たちのぶどうは悪天候のため収量が大きく減りました。「エグジレ」は、その不足分を補うために購入したぶどうから造ったペティアンです。当初、一時的にやってきた流れ者のような存在でしたが、現在は世界的に有名なレストランのメニューにもオンリストされるワインです。

樹齢20-50年のカベルネ・フランを使ったペティアンは果実の凝縮感がたっぷり。天然酵母使用、無補糖、無ろ過の自然派ペティアンです。

ラズベリーやイチゴのようなチャーミングな果実味と酸味があります。

マグロやカツオの刺身などと相性がいいです。

1位

デリンクエンテ ウィーピング ファン

詳細情報
産地: オーストラリア、リヴァーランド
品種: ヴェルメンティーノ90%、モンテプルチアーノ10%
タイプ: 辛口

オーストラリアとイタリアの融合
オーストラリアのリヴァーランドの生産者が造るペティアン。この生産者はリヴァーランドの気候に合う南イタリアの品種を使います。そしてなるべく人の手を介さずに、ワインを造ります。

ユニークなラベルは、こだわりの強い造り手の人柄そのものです。

このペティアンも、イタリア品種のベルメンティーノとモンテプルチアーノを使っています。酸化防止剤は不使用。

南国の果物のような果実味にあふれたペティアンです。

エビやタコなどと相性が良いです。

3,000円未満のペティアンの比較表

商品画像デリンクエンテ ウィーピング ファンエグジレ ペティアン ロゼ リズ エ ベルトラン ジュセセバスチャン ブリュネ  ヴーヴレイ ペティアン ル ナチュレF リュルトン フュメ ブランシュ ペティアン ソーヴィニヨン・ブラン山梨マルスワイナリー ペティアン ド マルス 甲州
商品名デリンクエンテ ウィーピング ファンエグジレ ペティアン ロゼ リズ エ ベルトラン ジュセセバスチャン ブリュネ ヴーヴレイ ペティアン ル ナチュレF リュルトン フュメ ブランシュ ペティアン ソーヴィニヨン・ブラン山梨マルスワイナリー ペティアン ド マルス 甲州
詳細産地: オーストラリア、リヴァーランド
品種: ヴェルメンティーノ90%、モンテプルチアーノ10%
タイプ: 辛口
産地: フランス、ロワール
品種: カベルネ・フラン100%
タイプ: 辛口
産地: フランス、ロワール地方、トゥーレーヌ
品種: シュナン・ブラン100%
タイプ: 辛口
産地: フランス、ラングドック・ルーション
品種: ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ: 辛口
産地: 日本、山梨県
品種: 甲州
タイプ: 辛口
商品リンク詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

プレゼントにおすすめ!3,000円~5,000円

5位

スーパーナチュラル ワインカンパニー SB ペティアン ナチュレル "ザ スーパー ナット" ホークスベイ

詳細情報
産地: ニュージーランド、ホークス・ベイ
品種: ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ: 辛口

複雑味のあるNZペティアン
ニュージーランドのホークスベイは雨の少ない乾燥した気候で、ぶどうがよく熟します。ニュージーランドの中ではボルドー品種で有名な産地ですが、高品質なソーヴィニヨン・ブランも造っています。

このペティアンは、有機農法のビオディナミ農法で栽培したソーヴィニヨン・ブランを使用。

レモンピールのような苦味とレモンの果実の酸味、ショウガのようなスパイシーさが味わえる複雑味のあるペティアンです。

複雑な味わいとシックなラベルは、大人の男性へのプレゼントに喜ばれるでしょう。

4位

ドメーヌ フランツ ソーモン ペティアン レガル! レ フィユ!

詳細情報
産地: フランス、ロワール
品種: シュナン・ブラン100%
タイプ: 辛口

ていねいな手仕事のペティアン
フランス、ロワール地方のペティアン。この生産者は無農薬農法にこだわってワインを造っています。収穫はすべて手摘みです。

シュナン・ブランをタンクで発酵後、12か月瓶内熟成させました。グレープフルーツやリンゴのような果実味、はちみつのような甘い香りがします。

ていねいな手仕事を好む、こだわりの強い方へのプレゼントにぴったりです。

3位

ヨハン ヴィンヤーズ ペティアン ナチュレル ピノ・ノワール

詳細情報
産地: アメリカ オレゴン州、ウィラメット・ヴァレー
品種: ピノ・ノワール
タイプ: 辛口

オレゴン ピノの自然派ペティアン
オレゴン州の代表品種ピノ・ノワールを使用。オレゴンのピノ・ノワールは、アメリカの中で最もブルゴーニュスタイルに近いです。有機農法のビオディナミ農法で果実を育て、早めの収穫によってキレイな酸を保っています。

ラズベリーやスモモのような風味がエレガントです。オリを残しているので、見た目が少々にごっていて、酵母由来のコクがあります。

ピノ・ノワール好きな方へのプレゼントにどうぞ。

2位

ピットナウアー ピット ナット ロゼ

詳細情報
産地: オーストリア、ブルゲンラント州ノイジートラーゼ
品種: メルロー90%、シラー10%
タイプ: 辛口

果実味たっぷり
オーストリア、ブルゲンラント州のペティアン。この地域は温暖で乾燥しているため、果実味のある黒ぶどうがよく育ちます。このペティアンも有機農法のビオディナミ農法で造られた黒ぶどうが使われています。

まろやかなメルローに、スパイシーなシラーをブレンド。果実味と酸味のバランスが良いペティアンです。

ファンタジックなラベルはプレゼントにもぴったりです。

1位

テスタロンガ エルバンディード アイ ウイッシュ アイ ワズ ア ニンジャ

詳細情報
産地: 南アフリカ、スワートランド
品種: コロンバール100%
タイプ: 辛口

お酒の弱い方へのプレゼントに
南アフリカのペティアン。”I wish I was a ninja”(「忍者だったらよかったのに」)というユーモアあふれるネーミングです。使っている品種はコロンバール。ブランデーのコニャックやアルマニャックに使われる品種です。
リンゴのような果実味とナツメグのようなスパイシーさがあります。
酸化防止剤は瓶詰め前にごく少量しか添加していません。

アルコール9.42%ですからお酒の弱い方にプレゼントしても喜ばれるでしょう。

3,000円以上のペティアンの比較表

商品画像スーパーナチュラル ワインカンパニー SB ペティアン ナチュレル ピットナウアー ピット ナット ロゼヨハン ヴィンヤーズ ペティアン ナチュレル ピノ・ノワールドメーヌ フランツ ソーモン ペティアン レガル! レ フィユ!テスタロンガ エルバンディード アイ ウイッシュ アイ ワズ ア ニンジャ
商品名スーパーナチュラル ワインカンパニー SB ペティアン ナチュレル "ザ スーパー ナット" ホークスベイピットナウアー ピット ナット ロゼヨハン ヴィンヤーズ ペティアン ナチュレル ピノ・ノワールドメーヌ フランツ ソーモン ペティアン レガル! レ フィユ!テスタロンガ エルバンディード アイ ウイッシュ アイ ワズ ア ニンジャ
詳細産地: ニュージーランド、ホークス・ベイ
品種: ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ: 辛口
産地: オーストリア、ブルゲンラント州ノイジートラーゼ
品種: メルロー90%、シラー10%
タイプ: 辛口
産地: アメリカ オレゴン州、ウィラメット・ヴァレー
品種: ピノ・ノワール
タイプ: 辛口
産地: フランス、ロワール
品種: シュナン・ブラン100%
タイプ: 辛口
産地: 南アフリカ、スワートランド
品種: コロンバール100%
タイプ: 辛口
商品リンク詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

まとめ

ペティアンは炭酸が弱く、通常のスパークリングよりお腹がいっぱいになりにくいです。そのため、お酒を飲みながらおいしいものをしっかり食べたい方に向いています。食いしんぼうの方、ぜひお試しください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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