ワインクーラーは美味しくワインを飲むために重宝するアイテムです。
食事中でもキリっと冷えたワインを楽しむには、ワインクーラーが欠かせません。
今回の記事では、ワインクーラーの特徴や使い方、種類、おすすめのワインクーラーをソムリエがご紹介します。
目次
ワインクーラーとは?
ワインクーラーとは、ワインを冷やす、あるいは冷えたワインを保冷する道具です。
ワインは飲用温度によって大きく味わいや香りが変わります。
どのワインにも適温があり、美味しくワインを楽しむためには温度管理が欠かせません。
ワインを美味しく飲む温度
ワインを美味しく飲むための適切な飲用温度をまとめました。
以下の表を参考にしてみてください。
ワインの種類 | 適温 |
---|---|
赤ワイン(ライトボディ) | 10-12℃ |
赤ワイン(ミディアムボディ) | 13-16℃ |
赤ワイン(フルボディ) | 16-18℃ |
白ワイン(甘口) | 5-8℃ |
白ワイン(辛口) | 7-14℃ |
ロゼワイン | 7-14℃ |
スパークリングワイン | 5-8℃ |
ワインクーラーがあれば、どんなワインでも適温に冷やす(または保冷する)ことができます。
「赤ワインは常温で飲むべきじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
「常温」とは、部屋の中の普通の温度を意味します。
例えば、7月上旬の東京で室温が24.7℃ですが、この温度は赤ワインの温度としては少々高めです。
ボディがしっかりした赤ワインでも、夏なら軽く冷やした方が適温になりおいしくなります。
豆知識!ワインクーラーというカクテルもある?
「ワインクーラー」と聞いて、カクテルを思い浮かべた方がいるかもしれません。
それもそのはずで、「ワインクーラー」というカクテルもあります。
カクテルのワインクーラーは、ワインとオレンジジュースを使ったカクテルです。
この記事でご紹介するのはカクテルのワインクーラーではなく、ワインを冷やす道具ですのでご注意ください。
ワインクーラーの使い方
ワインクーラーの使い方は2つあります。
【使い方2】すでに冷えているワインの温度を適温に保つ使い方です。
「ワインクーラーを使うなら、冷蔵庫やワインセラーがあるじゃないか」
このように思う方もいるかもしれません。
しかし、ワインクーラーには冷蔵庫やワインセラーにないメリットがあります。
ワインクーラーの効果とメリット
すぐワインを冷やせる!
まずワインクーラーは急速にワインを適温まで冷やすことができます。
ワインクーラーなら、20〜30分あれば冷えていないワインを適温まで冷やすことが可能です。
一方、冷蔵庫やワインセラーを使うと、ワインを適温まで冷やすのに数時間かかります。
スパークリングワインを冷蔵庫で冷やす場合だと、5時間程度は必要です。
いつでも冷えた状態でワインを楽しめる!
ワインクーラーは卓上に置いて使用することが多いです。
そのため、いつでも冷えた状態のワインを楽しむことができます。
一度開けたワインは室温で置いておけば温度が上昇します。
かといって、グラスに注ぎ終わったボトルをその都度冷蔵庫に入れに行くのは不便でしょう。
ワインクーラーを使えばその問題を解消することができます。
コンパクトで電気も不要!
ワインクーラーは冷蔵庫やワインセラーと違い、非常にコンパクトです。
冷蔵庫やワインセラーは電気が必要ですが、ワインクーラーは電源のない場所でもワインを冷やせます。
電源が不要なため、屋外や外出先などでも使えて便利です。
友人宅でのパーティーや、アウトドアシーンでワインを楽しみたいときに、ワインクーラーは大活躍するでしょう。
ワインクーラーの選び方
こちらでワインクーラーの選び方をご紹介します。
ワインクーラーはいくつかの種類がありますので、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
タイプで選ぶ
バケツタイプ【水と氷を利用】
レストランやバーなどで見かける最も一般的なワインクーラーです。
バケツのような形をしていてそこに氷水を半分程度満たし、ワインを入れて冷やします。
【メリット】:冷えていないワインを急速に冷やすことができる。
【デメリット】:水と氷を用意する必要がある、結露でテーブルが濡れる
バケツタイプ【気化熱を利用】
バケツタイプですが、氷は使いません。
陶器などでできたワインクーラーで、一度ワインクーラーに水を染み込ませてから水を捨て、冷やしたワインボトルを入れて使います。
【メリット】:氷が必要ないこと、結露が出ないこと
【デメリット】:冷えていないワインを冷やすのには使えない
バケツタイプ【断熱】
バケツタイプですが水も氷も使いません。
二重構造の金属製で、外気をシャットアウトする断熱型のワインクーラーです。
【メリット】:氷が必要ないこと、結露が出ないこと
【デメリット】:冷えていないワインを冷やすのには使えない
バッグタイプ【水と氷を利用】
カジュアルなダイニングバーなどで見かけるワインクーラーです。
ビニール製のトートバッグのような形をしています。
そこに水、氷、ワインを入れてワインを冷やします。
【メリット】:冷えていないワインを急速に冷やせる、たたんで保管できるので収納性が高い
【デメリット】:水と氷が用意する必要がある、結露でテーブルが濡れる
保冷剤を利用するタイプ
ワインボトルに保冷剤の入ったクッションを巻きつけて(または上からかぶせるなどして)、使います。
使用する前に、冷蔵庫でワインクーラーそのものをよく冷やしてから使用します。
【メリット】:水や氷が必要ない、結露でテーブルが濡れにくい
【デメリット】:事前にワインクーラーを冷凍庫に入れて冷やしておく必要がある
素材で選ぶ
ステンレス
ステンレス製のワインクーラーは、耐久性と効率的な冷却能力を兼ね備えています。
ステンレスは熱伝導率が高いことからワインを迅速に冷却することが可能です。
また、耐久性も十分にあるため、一度購入すれば長期間使用することができます。
スタイリッシュで飽きの来ないシンプルなデザインのものが多く、使い勝手は抜群と言えるでしょう。
ガラス・アクリル
透明な素材であるガラスやアクリル製のワインクーラーは、エレガントな雰囲気を醸し出します。
ワインの色とラベルが見えるため、視覚的にも楽しめるでしょう。
特別なディナーやパーティーなど、華やかな場に最適です。
陶器
陶器製のワインクーラーは温かみのある質感が特徴です。
素材自体が保冷性に優れているため、ワインを長時間適温に保つ点において優れています。
赤ワインなど室温を保ちたいワインに陶器製のワインクーラーは最適でしょう。
また、ユニークなデザインと風合いは、ひと味違うワインクーラーを探している方におすすめ。
木製
木製のワインクーラーは和の趣を感じるカジュアルなタイプ。
また、木製の大きなメリットは、結露が付かないこと。
金属素材は熱伝導率が良い反面、水滴が出るのでタオルなどが必要となります。
木製のワインクーラーは結露を気にせずに使うことが可能です。
サイズで選ぶ
ワインクーラーは利用するシーンによって適切なサイズを選ぶ必要があります。
具体的には、1本のワインをじっくり楽しむのか、複数本のワインを同時に楽しむのかを検討する必要があります。
ご家庭で食事をしながらワインを楽しむのなら、1本タイプのワインクーラーで問題ありません。
パーティーなど大人数でワインをシェアするのなら、大容量のワインクーラーを選ぶ必要があるでしょう。
おすすめのワインクーラー10選
フルボトル(750ml)の高級ワインには、
- ・高い
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10位 アイスクーラーバッグ・クリアー
アイスクーラーバッグ・クリアー
バッグタイプのワインクーラーで、氷と水を入れてワインを冷やします。
手提げがついているので、このバッグにワインを入れて外出先に持っていけます。
かさ張らず、軽いので、屋外でのバーベキューなどにピッタリです。
ただし屋外で使う場合は、氷と水の準備をお忘れなく!
タイプ | 素材 | サイズ |
バックタイプ | ビニール | 1本入れ |
9位 パール金属 ブラッセリー ダブルウォールワインクーラー
パール金属 ブラッセリー ダブルウォールワインクーラー
二重構造で断熱するタイプのワインクーラーです。
色がポップでテーブルが華やぎます。
ワインは冷やせませんが、冷やしたワインを冷たいまま保ちたいなら、これでも十分です。
テーブルも濡れないので、あとかたづけが楽チンです!
タイプ | 素材 | サイズ |
バケツタイプ【断熱】 | ステンレス | 1本入れ |
8位 ラピッドアイスワインクーラー
ラピッドアイスワインクーラー
保冷剤を用いたワインクーラーです。
冷凍庫に6時間程度入れてから、巻いて使います。
冷えてないワインを冷やす力は弱いですが、すでに冷えているワインなら2時間程度は保冷ができます。
タイプ | 素材 | サイズ |
保冷剤タイプ | 保冷剤 | 1~2本 |
7位 アクリル ワインクーラー クリア
アクリル ワインクーラー クリア
氷と水を入れて使うバケツタイプのワインクーラーです。
アクリル製で丈夫なつくりです。
透明なので、ワインの残量もわかりやすいです。
また、取手がついているので水や氷を入れて重くなっても、テーブルまで運びやすいです。
タイプ | 素材 | サイズ |
バケツタイプ【水と氷を利用】 | アクリル | 2~3本 |
6位 ル・クルーゼ アイスクーラースリーブ
ル・クルーゼ アイスクーラースリーブ
鍋などキッチン用品で有名なル・クルーゼ社のワインクーラーです。
これは保冷剤タイプのワインクーラーで、ボトルの上部からかぶせて使います。
両脇にゴムがついていて伸縮するので、シャンパンなど太めのボトルでも入ります。
色のバリエーションが豊富なので、選ぶのに迷ってしまいそうです。
タイプ | 素材 | サイズ |
保冷剤タイプ | 保冷剤 | 1本入れ |
5位 テラコッタ ワインクーラー
テラコッタ ワインクーラー
気化熱を利用したバケツタイプのワインクーラーです。
使用する15分前にワインクーラーを水に浸して水を染み込ませてから、冷やしたワインボトルを入れます。
素焼きの陶器でできていて、見た目にあたたかみがあります。
タイプ | 素材 | サイズ |
バケツタイプ【気化熱を利用】 | 陶器 | 1本入れ |
4位 Seasons ベイポート Bayport ワイン クーラー タブ バケツ Xl
Seasons ベイポート Bayport ワイン クーラー タブ バケツ Xl
バケツタイプのワインクーラーですが、ポリエステル製で折りたたみ可能です。
写真のとおり、たくさんのワインを一度に冷やせます。
バーベキューやピクニックなど大勢でワインを屋外で飲むときに便利です。
タイプ | 素材 | サイズ |
バケツタイプ【氷と水を利用】 | ポリエステル | 3~4本 |
3位 竹ワインクーラー
竹ワインクーラー
バケツタイプの竹製ワインクーラーです。本物のたけを使っているので、「和」の雰囲気、満点です。
外国人のお客様が来るときに用意したら喜ばれるでしょう。ひとつとして同じものがないので、プレゼントにも良いですね。
また、日本酒を冷やしておくにもピッタリです。
タイプ | 素材 | サイズ |
バケツタイプ【水と氷を利用】 | 木製 | 1本入れ |
2位 ワイン・オン・アイス
ワイン・オン・アイス
バケツタイプのワインクーラーです。
底の部分に氷を入れ、その上に中敷を載せて冷えたワインボトルを入れます。
中敷があるため、ワインボトルが濡れません。
結露もあまりつきません。コンパクトで見た目がスタイリッシュです。
タイプ | 素材 | サイズ |
バケツタイプ【水と氷を利用】 | ステンレス | 1本入れ |
1位 冷酒 カラフェ セレーブル(氷ポケット付) ワインクーラー
冷酒 カラフェ セレーブル(氷ポケット付) ワインクーラー
カラフェ型のワインクーラーです。
氷を入れるポケットがついているため、ワインが氷で薄まることがありません。
少し空気に触れさせたいワインを飲みたい場合は、一石二鳥です。
タイプ | 素材 | サイズ |
カラフェ | ガラス | カラフェ式 |
【豆知識】なぜ赤ワインは常温、白ワインは冷やすのか
一般に赤ワインは常温で飲む、白ワインは冷やして飲むという考えが通説となっています。
この考え方はとても理にかなっているのですが、こちらでその理由を深堀して解説していきます。
ワインの温度と味わいについて
ワインの味の要素は主に「甘味」「酸味」「渋味」であり、これらは温度によって感じ方が変わります。
「甘さ」は温度が低いと感覚が鈍くなり、「渋み」は赤ワイン特有の味わいで温度が低いと強く感じ、温度が高くなると感じにくくなるのが特徴。
「酸味」は温度によって感じ方があまり変わらず、冷たいときも温かいときも酸っぱさを感じます。
しかし、ひと口に酸味といっても「リンゴ酸」「酢酸」「乳酸」など、酸味の成分は様々あり、それぞれの酸味は心地よいと感じる温度が異なります。
また、ワインの大きな魅力である香りについては、香りの種類によって揮発する温度が変わるため、香りの観点からもワインの飲用温度は検討しなければなりません。
ワインの種類によって温度を変えるのは、そのワインの持つ特徴をより美味しく楽しむための手法のひとつなのです。
赤ワインを常温で飲む理由
赤ワインの持つ大きな特徴が「渋味」です。
渋みは温度が高いと口当たりがやわらぎ、心地よい飲み心地となります。
一方で、低温では渋みはキシキシとした不快な食感と、苦味のレベルが強くなってしまいます。
また、赤ワインの酸味には「乳酸」が含まれることが多く、乳酸は高い温度でまろやかさを感じるのが特徴です。
そのため、渋みのある赤ワインは常温に近い15〜18度の間で美味しく飲むことができます。
ただし、渋みが少なく乳酸をあまり含まないフルーティーな赤ワインは、12度程度に冷やした方が美味しく飲めるでしょう。
白ワインを冷やして飲む理由
白ワインの特徴はフレッシュな果実味と酸味です。
赤ワインに見られる「渋み」は白ワインには無いため、低温で飲むことが推奨されます。
フレッシュな白ワインに含まれる「リンゴ酸」という酸味は、低温で爽快感が増すことがわかっています。
白ワインの魅力である爽快感を最大限に楽しむためにも、白ワインは8~12度の間で飲まれることが多いです。
一方で、白ワインの中にも樽熟成などを行った複雑でふくよかなボディの銘柄もあります。
そういったタイプは、低温で飲むことで多様な香りが閉じてしまうので、少し温度を上げて12~15度の間で飲むと良いでしょう。
ワインの温度による変化
ワインの温度を上げたり下げたりすることで、どのように味わいが変化するのかを以下にまとめました。
・果実の香りを感じやすくなる
・甘味が抑えられる
・酸味が鋭くなる
・渋みが強く感じられる
・熟成感や複雑性が高まる
・甘味が強くなる
・酸味が柔らかくなる
・ふくよかなボディになる
・渋みが滑らかに感じる
ワインを最速で冷やす方法
最後に常温のワインを最速で冷やす方法をご紹介します。
最速でワインを冷やすには、氷水を張ったバケツタイプのワインクーラーが役立ちます。
さらに早くワインを冷やすためには、氷水に塩を加え、ワインをワインクーラーの中で回転させましょう。
水に塩を加えることで、水の氷点が下がりより冷たい氷水を造ることができます。
ワインクーラーに大さじ1〜2杯の塩を入れて、軽くかき混ぜてください。
また、ワインのボトルを回転させることで、ワインが均一に冷えていき効率よくワインを冷やすことができます。
こうすることで、常温のワインであれば10~15分ほどでしっかりと冷やすことができるでしょう。
ワインクーラーを活用してワインの魅力を楽しもう!
ワインクーラーはワインをよりおいしく味わうための道具です。
ワインセラーほど高価ではありませんので、気軽に買えます。
ワインクーラーは、材質や使い方などさまざまなタイプがありますので、用途にあったものをお選びください。
ポイントは冷えていないワインを冷やしたいのか、冷えたワインを保冷したいのか、です。
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