「ロバート・パーカーってどんな人?」
「ワイン界ではそんなに有名な人なの?」
ワインショップやオンライン通販で、パーカーポイント〇〇点という文言をよく見かけるという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなロバート・パーカーとはどのような人物なのか詳しくご紹介します。
さらには、パーカーポイント100点にも輝いたおすすめの銘柄も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ロバート・パーカー氏とは
ロバート・パーカー氏は世界的に最も影響力のあるワイン評論家です。
ワインの国フランスの出身だと思われる方が多いのですが、実はアメリカのメリーランド州出身です。
元々の職業は弁護士、ワインをこよなく愛する「愛好家」として、アメリカで独自のワイン評価方法を編み出しました。
それがパーカーポイントであり、ワインの価格にも絶大な影響を与えているのです。
パーカー氏が支持される理由
わかりやすい100点満点で評価した「ワインアドヴォケート誌」の発行
ロバート・パーカー氏はワインが好きすぎて、1975年からワインに関する記事を執筆し始め、1978年に「ワイン情報誌」を創刊します
この情報誌がワインアドヴォケートの始まりです。
掲載されるワインの数や辛口なテイスティングコメントから人気に火が付き、徐々に影響力を高めていくきっかけとなります。
それまではワインの評価方法が分かり難かったため、パーカー氏は初心者でも受け入れやすい100点満点での採点を編み出します。
これがワイン業界に衝撃を与えたパーカーポイントです。
消費者の立場で公平かつ客観的な評価
パーカー氏が公平な判断をしているとして信用を得た一要因として、ワイン・アドヴォケイト誌は一切の広告を掲載しないことが挙げられます。
また、ティスティングはブラインド(銘柄を伏せる)で行われており、先入観なく客観的な評価を行なっていることも、信望を集めた理由の一つだと言えます。
今ではボルドーのシャトーでも、パーカーポイントを確認してからプリムールの販売価格を決めるという動きもあるほど、彼の評価は確かなものだと証明されています。
神の舌持つ男
パーカー氏は神の舌を持つ男として称えられています。
一度飲んだワインはたとえ10年後であっても味を忘れないほど、非常に高いティスティング能力を持っていると言われています。
その圧倒的な能力が証明されるきっかけとなったのが、ボルドーの1982年ヴィンテージ・プリムールティスティングです。
他の評論家たちは皆、出来の悪いヴィンテージで長期熟成も望めないと手厳しい評価をしました。
ところがパーカー氏だけが「世紀の素晴らしいヴィンテージだ」と絶賛したのです。
1982年が驚異的なヴィンテージである事をいち早く見抜き、実際にその評価が正しかった事から、多くの人を納得させる結果となりました。
その後パーカーポイントは、ワインの市場価格に絶大な影響を与えることになり、パーカー氏は世界で最も影響力のあるワイン評論家の地位を獲得したのです。
パーカーポイントとは
パーカー氏は一般にわかりやすいよう100点満点で、ワインの詳細を評価しています。
これがいわゆる「パーカーポイント」のことです。
現在は消費者にとって、ワインを選ぶ際必要不可欠な情報として、世界中で高い信頼を得ています。
パーカー氏の評価方法
まずパーカー氏はどんなワインでも評価する訳ではありません。
評価するに値するワインであれば、まず50点が与えられます。そこから加点方式で得点が加算されます。
全てがパーフェクトで最高の評価であれば、100点満点を与えられます。
・ワインの外観(総合的な色あい):1〜5点
・アロマ(ブドウそのものからくる香り)、ブーケ(熟成によって感じる香り):1〜15点
・味わいの総合判断:1〜20点
・全体的な品質と長期熟成のポテンシャル:1〜10点
パーカーポイントの評価点
・96~100点:格別(Extraordinary)
・90~95点:傑出(Outstanding)
・80~89点:かろうじて平均的か、まぁまぁ良い(Barely above average to very good)
・70~79点:平均的(Average)
・60~69点:平均以下(Below average)
・50~59点:受け入れ難い(Unacceptable)
同じ品種、同じ価格で迷った場合、パーカーポイントを参考にしてみてください。
85点以上を選べば、大きな失敗もなく品質の高いワインを購入出来ます。
ワイン中級者かそれ以上の方でしたら、90点以上で探すと掘り出し物を発見できたり、新たな感動を覚えるワインとの出会いがたくさんある事と思います。
パーカーパイントが値段を大きく左右
パーカーポイントはワインの値段にも絶大な影響を与えています。
そのため高得点がついたワインは価格が跳ね上がる場合もよくあります。
例えば、スクリーミング・イーグルの初ヴィンテージがリリースされた時、$100以下の価格設定でした。
ところがいきなりパーカーポイント99点をたたき出し、その後何度も100点を獲得。現在の平均価格は$3000ほどかそれ以上で、極めて入手困難なワインとなりました。
パーカーポイント100 点を獲得したワインは、最安値でおよそ4万円程度から入手出来ます。
パーカーポイント100点のおすすめワイン10選
- ・高い
- ・飲み切るのが大変
- ・他と比較できない
という悩みがありますよね。
ホームワインは高級ワインが100mlで4本ずつ届くから、ワインの違いをわかりたい方にオススメ。本サイトの編集長ソムリエ佐々木が監修した学習コンテンツや、2023年にスタートしたソムリエによるコンシェルジュサービスも大人気。
ワインをもっと楽しむために、始めない理由がありません!▼
※販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。
テルマンシア ボデガ ヌマンシア
PP:2004年100点獲得
樹齢120年以上、プレフィロキセラのティンタ・デ・トロ(テンプラニーリョ)100%のワインです。
収穫は完全手摘み、厳しい選果を行い完璧な状態熟したブドウのみを厳選して使用しています。
更にフレンチオークの新樽100%で22ヶ月の熟成を得て出荷!
カカオやブリオッシュ、トリュフをも思わせる複雑な香りに、ベルベットに包まれるようにエレガントなタンニンがこの上なく上品です。
トゥアリータ レディガフィ
PP:2000年100点獲得
パーカーポイントだけでなく、ワインスペクテイター誌でも100点を獲得した驚異のスーパータスカンです。
ざくろやカシスなどの華やかなアロマに、口当たりは非常に滑らか!
豊かな果実味で雑味を感じず、イタリアらしい酸が心地よく洗練された仕上がりです。
ツィント フンブレヒト ピノグリ クロ ジェブサル セレクションドグランノーブル
PP:1990年100点獲得
各ワイン評価誌で常に高得点をキープするフンブレヒト!本格的なビオディナミを行なっている素晴らしい造り手です。
クローバーハニーや白い花束を思わせる可憐なアロマが印象的!
奥行きある濃密な甘さに引き締まった酸が調和して大変バランスが良く、気品に溢れる仕上がりです。
シャトー ポンテカネ メドック 格付第5級 AOCポイヤック
PP:2009、2010年 100点獲得
五大シャトーを脅かす格付け5級のポンテカネ!畑は1級ムートンに接した位置にあります。
2004年から完全ビオディナミに移行、そこから急速に高い品質を評価されるようになります。以前はぎしぎしとしたタンニンもビオディナミに移行してすっかり優しい印象となり、アロマもより華やかになりました。
ブドウそのもののジューシーな果実味に長い余韻が心地良い仕上がり!飲んだら虜になるほどの出来栄えです!
シャトー・スミス・オー・ラフィット ルージュ・グラーヴ
PP:2009年 100点獲得
完全有機農法、馬による耕作や完全手摘みなど伝統を重んじながら、最新設備を導入するなど時代をリードするシャトーです。
フランスで唯一環境保全ワイナリーとしても認められています。
カカオやコーヒー豆、トーストなどの香りが特徴的で、カシスやクランベリーの芳醇な果実味が前面に出ています。
妖艶でエレガントなボディにミネラリーな余韻が素晴らしい、完成度の高い仕上がりです。
ヴェリテ・ラミュゼ
PP:2001, 2007, 2008, 2013,2014年 100点獲得
パーカー氏に「現代の伝説」とまで言わしめたカルトワイン!!
初ヴィンテージが1998年と比較的まだ若いワイナリーでありながら、なんと既に5度も100 点を獲得しています。
ラミュゼはメルロー主体でポムロールスタイルに造られたワインです。
ベリー系果実の豊かなアロマに土やスパイス、トリュフなどの複雑な香りが特徴的!
力強いボディにメルローらしい滑らかで優しいタンニンは、ペトリュスを彷彿させるほどの素晴らしさです。
シャブリ グラン クリュ レ・クロ フランソワ ラヴノー
PP:2002年100点獲得
ラヴノーはシャブリ地区最高峰の造り手です。
そしてグランクリュ畑「レ・クロ」は多くのワインマニア垂涎の的として非常に入手困難なワインです。
栽培はリュット・レゾネを実施、樹齢50年を超えるブドウから造られています。
20年は熟成させて欲しいとして、コルクを守るべく蝋で封印しているのも特徴的です。豊かな果実味に心地よいミネラル感、シャープな酸とのバランスも完璧です。
マーカッシン ”マーカッシンヴィンヤード” シャルドネ ソノマコースト
PP:1996, 1998, 2001, 2002, 2008, 2012, 2013年 100点獲得
マーカッシン は、アメリカで最も尊敬され、「ワインの女神」と呼ばれるヘレン・ターリー女史が立ち上げたワイナリーです。
白い花のゴージャスなアロマが特徴的で、洋梨やパイナップルのニュアンスも感じられます。
パワフルなミネラル感と上品でほのかな樽香、長い余韻がこの上ない素晴らしい仕上がりです。
クリュッグ クロドメニル ブラン・ド・ブラン
PP:1988, 1996年 100点獲得
クロドメニルは、たった1.8haのグランクリュ畑から取れたシャルドネだけを用いて造られる最上級のシャンパーニュ!
ブリオッシュやヘーゼルナッツ、ジンジャーなど高貴なシャンパーニュらしい香りが大変印象的です。
パワフルで、うっとりするような旨味が溢れる長期熟成型に仕上げています。
作柄の良かった年にしか造られず、希少価値の高いシャンパーニュ。是非、人生の節目のお祝いにセレクトしたい1本です。
ハーランエステート プロプライエタリーレッド ナパヴァレー
PP:1994, 1997, 2001, 2002, 2007, 2013年 100点獲得
ハーランエステートは、スクリーミングイーグルと並んでカルトワインの頂点に立つワインです。
選果は粒単位でフリーランジュースのみを使用。フレンチオークの新樽で熟成させるこだわりようで、年間生産量は1500ケースほどと大変希少なワインです。
果実の凝縮感には圧倒されるほどで、シルクのように柔らかな口当たりに、複雑さと奥行きのある味わいが印象的!
穏やかな酸に洗練されたタンニンが完璧に調和、長い余韻がうっとりするほど素晴らしい仕上がりです。
2019年5月に引退
そんなロバート・パーカー氏ですが、2019年5月正式に引退を表明しています。
ワイン業界の最重要人物とも讃えられたパーカー氏。
引退した後も、他評論家による採点よりも信頼は厚く、依然として絶大な影響力を持ち続けています。
ワイン・アドヴォケート誌は編集長と他のレビューワーにしっかりと引き継がれており、今後はワインアドヴォケート〇〇点という表記が増えてくる事と思われます。
なおパーカー氏はワインの発展に大きく貢献したとして、1999年にフランスで最も権威のあるレジオンドヌール勲位を、1993年にはもうひとつの国家的名誉である「メリット勲章」を授与されています。
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