フランス・アルザスやドイツ・フランケンの白ワインがお好きな方は、シルヴァネールのワインを飲んだことがある人が多いかと思います。
ただ、実際あまり詳しくない、シルヴァネールの白ワインの違いがあまり分からない方!
今回はシルヴァネールの特徴から、おすすめの白ワインをご紹介します。
シルヴァネールとは?
シルヴァネールはオーストリア原産の白ワイン品種です。
主要産地は、ドイツのフランケンやラインヘッセン、フランスのアルザス地方です。シルヴァネール(sylvaner)はフランスでの名称で、ドイツやオーストリアでは、シルヴァーナー(sylvaner・silvaner)と言われています。
ドイツではミュラー・トルガウやリースリングに並び、白ワインの代表的なブドウ品種のひとつです。
シルヴァネールの特徴
ブドウの特徴
比較的早熟な品種で病気に弱いところもあるため、畑や気候に対して条件の多い品種です。柑橘系果物やハーブのような繊細なアロマと、すっきりとした爽やかさが特徴的です。また産地に石灰質土壌が多く、ミネラル感を感じるワインもあります。
ワインの特徴
基本的には酸味が強く、軽やかな早飲みタイプのワインになることが多いです。
ただ、気候や土壌によっては長熟タイプのワインに仕上がります。フランスのアルザスではフルボディのワインが造られています。
シルヴァネールのワインの選び方
味わいで選ぶ
辛口
シルヴァネールはドイツのフランケン地方の辛口白ワインが有名で、他の産地で造られるワインも辛口なことが多いです。フランケン地方の白ワインというと、ドイツワインの中でも男性的なワインだと言われますが、飲みやすい爽やかなシルヴァネールワインもたくさんあります。
甘口
日本での流通量は少ないですが、やや甘口の白ワインも一部あります。
産地で選ぶ
シルヴァネールはフランスのアルザスやドイツのフランケン・ラインヘッセンが主な産地です。その他にも、カリフォルニアやイタリア北部・スイスなどで栽培されています。次からドイツ・オーストリア・フランスのシルヴァネール産地について紹介します。
ドイツ
かつて1960年代にそのピークを迎え、現在ではミュラー・トルガウ、リースリングの次にドイツ白ワインにおいて重要なブドウ品種です。
石灰岩土壌のフランケン地方で作られるシルヴァネールワインは力強い風格とミネラル感を持ち、フランケンを代表するワインです。フランケン地方は大陸性気候で寒暖の差が激しく、ワイン造りに最適なこの地では約1300年前からワインが造られてきました。フランケンワインのボトルは特徴的な扁平形で、ボックスボイテルと呼ばれる特有の形状をしています。
ラインフロントの黄土層土壌のラインヘッセンでは、優雅でフルーティーな味わいのワインが造られています。
オーストリア
シルヴァネールはオーストリアが原産国と考えられていますが、現在のオーストリア国内の栽培面積は38ha程と、マイナーな品種です。
前世紀半ばまでは重要な白ワイン品種だったのですが、グリューナー・ヴェルトリーナーと比較して冬の霜への耐性が弱く、病気にも弱かったため、栽培面積ふぁ現象しています。
フランス、アルザス
フランスでのシルヴァネールの栽培は、アルザス地方が有名です。アルザス地方はライン川に沿ったドイツ国境に近い丘陵地帯で、ワインに使用されるブドウにドイツからの影響が現れています。シルヴァネールはドイツで最もポピュラーな品種ですが、アルザスではそれがすっきりとした辛口のワインに仕上がります。
アルザスの特徴として、単一の品種でワインを作ることが挙げられます。この地域の高貴品種はリースリング・ゲヴュルツトラミネル・ピノ・グリ・ミュスカですが、シルヴァネール単一のワインももちろん造られています。
また、2006年からゾッツェンベルクのブドウ園に限り、アルザス・グラン・クリュワインを作る品種に、シルヴァネールが含まれています。
価格で選ぶ
シルヴァネールは手頃なものだと1000円少しくらいからで、この価格帯ですと味わいのすっきりした早飲みタイプが多いです。2000円以下のワインでも、優れた生産者によるワインや高品質なワインがあります。コストパフォーマンスの高いお気に入りの一本を見つけてみてください。
2000円以上の高いものになると、より熟成に差が出てきて、甘口のシルヴァネールワインもあります。甘口のシルヴァネールワインは、ブドウの水分が減って凝縮されている、完熟の甘みを楽しむことができます。こちらは、何か特別なことがある日用や、来客用、プレゼントにお勧めです。
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5位
フランケン ゾンメラッヒャー カッツェンコップ シルヴァーナー トロッケン 2016
ゾンメラッハ協同組合は構成員が2000人以上と言われ、多数の組合員に支えられ高品質なワインを生み出しています。近年特に品質にこだわる姿勢を見せ、徹底した管理のもと数々の名誉を獲得しています。2006年にはドイツのワイン専門誌「Wine Wirtsschaft」にて最優秀協同組合に選出されました。
カッツェンコップという畑でブドウ栽培を行っていますが、この地はかつて海中にあり、貝殻石灰質のミネラル感がはっきりとワインにも現れています。透明感のあるミネラルの爽やかさが特徴的で、高品質ながらリーズナブルなお値段です。
フランケン地方のワインはドイツでもっとも男性的とされ、合わないかたもいますが、このワインは辛口を飲み慣れていない人にも比較的飲みやすい仕上がりとなっています。
4位
トリンバック シルヴァネール
トリンバックはアルザスきっての名門ワイナリーで、伝統的を重んじながらも革新的技術を導入したワイン造りをしています。環境を守ることを第一に考えられた栽培方法で、きめ細かい配慮がなければこのワインはできません。
醸造と熟成の段階では、品種ごとの特徴を引き出すために、伝統的な木樽とステンレスタンクが併用された、バランスの良いワイン造りをされています。また、トリンバックではマロラクティック発酵を行わないため、ブドウ本来の新鮮な酸が保たれるのも特徴です。
トリンバックのワインは果実味・風味・ミネラル感においてバランスのとれたもので、食事と共に楽しめることを念頭に置いています。コストパフォーマンスが高く、プロのソムリエから絶大な支持を受けています。和食とも相性抜群で、お寿司やお刺身などと組み合わせたい一本です。
3位
ドメーヌ ジンク シルヴァーナー
製造元のジンク社は1964年に設立し、フランス アルザス地方のエギスアイムにあります。エギスアイムの土壌は粘土石灰質で、ブドウの栽培には大変恵まれている土地でブドウ栽培を行っていて、洗練された味わいを目標としてワイン造りをしています。
ライムやレモンバームのような柑橘系・ハーブ・芝生のアロマに、少しのほろ苦さとレモンのような酸味が特徴のワインです。シルヴァネールの軽快で柔らかい味わいが楽しめます。
カルパッチョと共にいただくのをおすすめします。
2位
ノルデハイマー フェーゲライン シルヴァーナー フランケン クーベーアー トロッケン
ドイツ ノルトハイム村のヴァルデマー・ブラウン家が設立した家族経営のワイングートで造られたワインです。「自然と共存したブドウ栽培」をモットーに環境に配慮したブドウ栽培でできたシルヴァネールは、収穫された後全房プレスされ、ステンレスタンクで発酵と熟成されます。
ドイツ国内のワイン愛好家に人気の一本で、生産量の85%が国内の個人愛好家に向けて販売されます。
青リンゴのようなアロマに、ミネラル感が感じられる、きりっと爽やかな辛口です。
1位
テュルクハイム・アルザス・シルヴァネール
ゴーミヨ誌も注目の造り手によるフランス アルザスの辛口白ワインです。テュルクハイムで生産されるシルヴァネールの特徴である、しっかりとした酸味の仕上がりです。
色はやや薄めのレモンイエローで、その香りは洋梨・ミカン・オリエンタルフルーツといった果物や花のアロマを持っています。味わいはドライですっきりしていて、後味にわずかな甘みを感じられます。日常使いできる価格で、アルザスのすっきりとした辛口ワインを味わえます。
生産地のアルザスではシュークルートやタルトフランベと共に楽しまれるようです。日本なら、煮物や鍋と一緒に頂いてみてはいかがでしょうか?
2,000円以下のシルヴァネール比較表
商品画像 | |||||
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商品名 | テュルクハイム・アルザス・シルヴァネール | ノルデハイマー フェーゲライン シルヴァーナー フランケン クーベーアー トロッケン | ドメーヌ ジンク シルヴァーナー | トリンバック シルヴァネール | フランケン ゾンメラッヒャー カッツェンコップ シルヴァーナー トロッケン 2016 |
詳細 | 産地 フランス アルザス | 産地 ドイツ フランケン | 産地 フランス アルザス | 産地 フランス アルザス | 産地 ドイツ フランケン アルコール度数 11.5% |
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週末や来客などがある日に!2,000円~5,000円ベスト5
5位
ジャン・マルク・ドレイヤー アルザス シルヴァネール オリジン
生産者のジャン・マルクが初めてシルヴァネールで仕込んだマセラシオンです。マセラシオンとは発酵するときに液体に実を漬ける醸しのことです。
通常赤ワインの手法ですが、別に発酵させていたシルヴァネールとの味わいの差をつけるためにチャレンジしたとのことです。結果的に上品でまとまりがありバランスのとれた味わいに仕上がりました。
黄桃・パッションフルーツ・マンゴー・金木犀・蜜蝋・カテキンのアロマを持ち、ワインの味わいはフルーティーかつ優しいタンニンを持ち、スパイシーな味わいが柑橘系のフレーバーと共に鼻に抜けます。
4位
ユリウスシュピタール シルヴァーナー QbA トロッケン
ユリウスシュピタールはフランケン地方のワイン生産者で、ゴーミヨ誌では4つ房評価を受けています。
ユリウスシュピタールの歴史は古くドイツ国内でも最も有名な醸造所の一つです。
ステンレスタンク内で低温でゆっくりと発酵されたワインは、洋梨・グーズベリー・熟したリンゴのアロマが広がり、レモンなど柑橘系果実の味わいです。男性的な骨格のしっかりとしたワインで、焼き魚の塩焼きなどと共にいただきたい一本です。
3位
シルヴァネール レゼルヴ 2016 ドメーヌ ヴァインバック
17世紀初頭に、アルザス地方のカイゼルスベルグ地区にカプチン派の修道僧たちによって創立されました。1998年から実施していたビオディナミ栽培を2005年から全面実施し、収穫はブドウが完熟するまで待って、できるだけ遅く手作業で収穫を行っています。良いワインを造るためには、良いブドウが必要をモットーにワイン造りを行っています。
喉の渇きを潤す美しく爽やかなワインで、白い花を思わせる華やかで印象的なアロマと、いきいきとして上品なフルーティーさと、しっかりしたミネラル感が調和した味わいです。
2位
ヴュルツブルガー・シュタイン シルヴァーナー トロッケン
このワイナリーは、フランケンワインの中心地ヴェルツブルク村にあり、そのブドウ畑はフランケンの中でも最も良い場所にあります。創立は1576年で実に430年以上にわたる歴史があり、その中で培われてきたワイン造りのノウハウを使って美味しいワインを造っています。
青リンゴやレモンのコンポート、菩提樹や金木犀の花のアロマに、石灰のミネラル感とフルーティーでフレッシュな味わいを持つワインです。まろやかでふくよかな味わいの広がりは、豊かな酸味とのバランスが取れています。
1位
ローラン・シュミット シルヴァネール グラン・ア
一位は、ソムリエ界の巨匠 セルジュ・デュブスに「ローラン・シュミットのグラン・アは、世界最高のシルヴァネールである」と言わせたこのワインです。実際アルザスの3つ星レストラン「オーベルジュ・ド・リル」にも長年にわたってオンリストしています。
ローラン・シュミットはアルザス最北部のグランクリュの一つであるアルテンベルグ・ド・ベルビテンの盟主です。2004年から完全無農薬栽培に移行し、2010年にはエコサートを取得しました。
ワイン畑の土中にはこの土地特有の石灰層があり、爽快なミネラル感が感じられる仕上がりになっています。優美なスタイルの極辛口で、魚介類との相性が抜群です。
2,000円以上のシルヴァネール比較表
商品画像 | |||||
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商品名 | ローラン・シュミット シルヴァネール グラン・ア | ヴュルツブルガー・シュタイン シルヴァーナー トロッケン | シルヴァネール レゼルヴ 2016 ドメーヌ ヴァインバック | ユリウスシュピタール シルヴァーナー QbA トロッケン | ジャン・マルク・ドレイヤー アルザス シルヴァネール オリジン |
詳細 | 産地 フランス アルザス | 産地 ドイツ フランケン | 産地 フランス アルザス | 産地 ドイツ フランケン | 産地 フランス アルザス アルコール度数 13% |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
シルヴァネールまとめ
いかがだったでしょうか?今回は日常使いと特別な日用に分けて紹介してきました。中央ヨーロッパ起源のシルヴァネールは、現在ドイツ白ワイン品種として知られています。フルーティーなアロマですっきりと爽やかなワインが多いです。
2000円以下のものでも十分高品質なシルヴァネールワインが手に入るので一度試してみてはいかがでしょうか?
他の白ワイン品種も知りたい方はこちらをどうぞ。
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