フランス最大のワイン産地にしてカジュアルワインの代名詞とも言えるラングドック・ルーション。1980年以降の変革によりカジュアルワインに加え、高品質なワインもラインナップされてきました。
今回はそんなラングドック・ルーションの赤ワインについてその特徴や選び方のコツ、おすすめ赤ワイン10選をご紹介します!
目次
ラングドック・ルーションとは
ラングドック・ルーションはラングドックとルーションという二つの異なった歴史を持つ地区から成り立っています。
全フランスワインのうちの約4割がこの地区で生産されており、フランス最大のワイン産地となっています。一年を通して温かい気候で多種多様なブドウ品種に恵まれています。
ラングドック・ルーションの赤ワインの特徴
この地区のワインの約7割はカジュアルなタイプのワインにあたります。手頃な価格で手に入れることができるので多くの方が知らず知らずのうちにラングドック・ルーションのワインを口にされている思います。
ラングドック・ルーションの赤ワインの選び方
ラングドック・ルーションの赤ワインは温かい気候を反映した味わいです。ローヌやプロヴァンスなどの南フランスを代表するブドウ品種のほかボルドータイプの品種など多様なブドウをブレンドして厚みのある味わいのワインを生み出しています。また、樽のニュアンスのしっかりしたワインも多く飲み応えや深みのある味わいを醸し出しています。
味わいで選ぶ
ボルドーのような高級ワインは少ないものの、ラングドック・ルーションの赤ワインは口当たりの良いものが多く、気軽に飲む事が出来ます。品種には多様性がありますが、どのワインも南フランスに輝く太陽のように力強い味わいと輝きのある赤色が特徴です。
フルボディ
地中海性気候で一年を通じて温暖な気候区分のラングドック・ルーション地区はフルボディタイプのワインが多く見受けられます。ボルドーの赤ワイン品種であるカベルネソーヴィニヨンやメルローなども、ブドウがしっかりと完熟してより濃厚な味わいを感じられ、南フランスの品種であるグルナッシュ、シラー、ムールヴェドルなどから造られるワインは、フランスのほかの地域に比べてしっかりとしていて、度数も高めのワインが造られています。
ミディアムボディ
ラングドック・ルーションのミディアムタイプを選ぶならピノ・ノワールがおすすめです。やはり暖かい気候を反映しており、酸度が心地よく熟れ、程よいタンニンと相まって豊かな味わいを感じられます。冷涼産地であるブルゴーニュ産のピノ・ノワールと飲み比べてみて、それぞれの気候や地域性に思いを馳せてみてはいかがでしょう。
格付けで選ぶ
フランスやヨーロッパのワインにはいくつかの格付けが存在します。「A・O・C」=「エー・オー・シー」(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)といって、これはフランス政府がそのワインの品質保証をしている証しです。畑の区画、ブドウの1ha辺りの収量、ブドウの品種など数々の項目をクリアしたものがA・O・Cを名乗ることが出来ます。ラングドック・ルーション地区はそれまでの大量生産思考から一転、1980年以降品質の向上に特に力を注いできています。そのA・O・Cのいくつかをご紹介します。
ミネルヴォワ・ラ・リヴィ二エールA・O・Cワイン
リヴィニエールは、ミネルヴォワ地区の中心ノワール山麓の石灰岩の台地の6カ村にあたります。標高80~300メートルの南斜面にありブドウはこの地区のなかでも最も早くから完熟します。夏は日中は暑く、夜間は斜面を爽やかな風が吹き抜けていき、この昼夜の寒暖差がワインに最高の味わいをもたらします。また、グルナッシュやシラーなどの高級品になりうるのもを生産しています。
マルペールA・O・Cワイン
マルペールでは赤ワインにはメルローを50%以上使用します。メルローの補助品種としてはカベルネ・フランやコットで、主にボルドー系の品種を栽培していて、他の地区とは少々異なる趣を持ったワインを生産しています。軽めの口当たりで若飲みではありますが、腰が強く力強さを感じ、カベルネ・ソーヴィニヨンやグルナッシュがそのアクセントを担っています。
フィトゥーA・O・Cワイン
主要品種としてカリニャンとグルナッシュを合わせて60%以上使用します。フィトゥーは隣接するコルビエール地区によって二つに分断されており、海側の「フィトゥー マリティム」は主要品種にムールヴェドルをブレンドし芳醇で丸みのある味わい。山側の「オー フィトゥー」は主要品種にシラーがブレンドされて腰がしっかりとした野性味ある味わいが特徴となっています。
コリウールA・O・Cワイン
ピレネー山脈の最も東端でスペインと接している地域、カリニャン、グルナッシュ、ムールヴェドル、サンソーなど2品種以上をブレンドします。地中海を見下ろす日当たりの良い高台で造られるワインは生き生きとした赤を呈し、シンプルで飲みやすいスタイルのワインが造られています。
モーリィA・O・Cワイン
2011年の収穫分からスティルワインの辛口の赤が認められるようになったばかりのニューフェイスです。グルナッシュを60~80%使用してそこにカリニャン、ムールヴェドル、シラーなどの補助品種を2種類以上ブレンドします。ルーション地区はフランスの生産地区でもだいぶ南よりにあるため、お隣のスペインの文化も色濃く反映されており、これからが楽しみな生産地区です。
ラングドック・ルーションのおすすめ赤ワイン10選
多様なブドウ品種に恵まれたラングドック・ルーション地区の赤ワインですが、普段飲みにおすすめのワインとおもてなし向けのワインをそれぞれに使用されてるブドウ品種の特徴なども含めご紹介いたします。
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5位
ル シルク
1000円出してもおつりが来る
2013年、2014年連続のパーカーポイント90点越えの最新ヴィンテージワインです。値段もさることながらこの味わいは必読ならぬ必飲です。グルナッシュ由来のソフトなタンニンとそれを引き締めるスパイスのきいたシラーが絶妙です。香りもカシスやスミレ、焦がしたカラメルのようなニュアンスで薄くスライスした鹿肉をフランボワーズソースなどとあわせて頂きたい一品です。
4位
バロン フィリップ カデ ドック メルロ ー
ボルドーの一級シャトーが南仏で手がけるワイン
メルローの単一品種らしい愛らしいガーネット色、赤系の果実のアロマ、丸みのあるストラクチャー。さっぱりとした味わいですのでご自宅でチキンのトマト煮込みと全粒粉のパンなどとあわせて夕食にいかがでしょうか。
3位
ドメーヌ ド ロラン フィトゥー
鹿肉のローストなどと相性抜群
フィトゥー地区でも山側のトゥシャン村で造られるワイン。その山の空気を感じさせるような青さ、シナモンやタイムなどのハーブの香りをお楽しみください。味わいも深くジビエ料理との相性が抜群です。ご自宅でジビエなどの料理が難しい場合はビーフシチューなどでも良いと思います。
2位
シャトラン ラメル グラン キュヴェ ミネルヴォワ
女子会におすすめ
みずみずしい果実味が特徴です。カリニャンの優しい味わいが主軸となりシラーとムールヴェドルがその輪郭を引き締めます。フルーティで渋みの少ないこのワインは前菜や立食のパーティで軽く味わうのにちょうど良いワインです。
1位
ヴィニウス オーガニック カベルネ フラン
アウトドアに持って行きたいワイン
オーガニックに拘った自然派ワイン。キャンプ場や海辺のバーベキューなどのアウトドアシーンにおすすめの一品です。カベルネフラン100%で野いちごなどのさわやかな果実感が心地よいです。胡椒や樽由来の芳ばしい感じもワインに厚みを出しています。
2,000円以下のラングドック・ルーション赤ワイン比較表
商品画像 | |||||
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商品名 | バロン フィリップ カデ ドック メルロ ー | ドメーヌ ド ロラン フィトゥー | ル シルク | シャトラン ラメル グラン キュヴェ ミネルヴォワ | ヴィニウス オーガニック カベルネ フラン |
詳細 | 原産国:フランス ボディ:ミディアムボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:ミディアムボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 |
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来客用におすすめ!2,000円以上
5位
ドメーヌ ド ヴィルマジュー
ご自宅でエールフランスの味わいを体感
南フランスの代表的な4品種を使用した贅沢な味わい。エールフランスのビジネスクラスの機内ワインとして提供された実績、アメリカや世界各国の情報誌でも高評価です。果実やスミレの複雑な香りに加えコーヒーのような香りのニュアンスもあります。お客さまをもてなすメインのお肉料理などとともに提供するとGOODです。
4位
コリウール コスプロン ルヴァン
骨格のしっかりとした味わいでもてなしたい時に
ラングドック・ルーション地区で最小のA・O・Cワインは、シラーを主体として上質なミネラル感があります。タンニンもしなやかでバランスのよい味わいです。ワイン好きの男性のお客様のおもてなしにはぴったりの逸品です。
3位
ラ キャピテール デュ ドメーヌ ド バロナーク
シャトームートンローシルトの流れを汲むプレミアムワイン
カリフォルニアのオーパスワン、チリのアルマヴィーヴァに次いで南仏で誕生した第3のプレミアムワインです。ムートンの醸造責任者が生産から醸造まで全てコンサルティングしています。メルローを主体とした気品ある味わいで余韻も非常に心地よく感じられます。ボルドーワイン好きのお客様にもアクセントの効いた提案が出来そうです。
2位
ドメーヌ ド トロミエス ミネルヴォワ ラ リヴィニエール
隠れた銘酒を再認識
リヴィニエールは、その名前が認められる前から知る人ぞ知るグランヴァンとして君臨してきました。シラーが70%使用され紫がかった深みのあるルビー色、凝縮されたボリューム感や滑らかな舌触りが素晴らしいです。普段家庭を支えてくださっている奥様に、改めて「ありがとう」の感謝の意を表してご夫婦で乾杯。という演出も素敵かもしれません。
1位
天地人 紅の豚
フランスと日本のマリアージュ
思わず目を引くこのラベル。とりあえずのつかみはOKです。こちらはブルゴーニュの神様と言われたアンリジャイエも認めた醸造家の沖田晃司の「ルー デュモン」と「スタジオジブリ」と「南仏ワイン」の3つのコラボレーション企画のワインです。メルロー、シラー、カベルネフラン、グルナッシュの4品種をブレンドしたこのワインは味わいも複雑でそれぞれの品種の個性の楽しめるワインとなっています。同級会や気の置けない仲間との飲み会などで活躍してくれそうです。
2,000円以上のラングドック・ルーション赤ワイン比較表
商品画像 | |||||
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商品名 | ラ キャピテール デュ ドメーヌ ド バロナーク | コリウール コスプロン ルヴァン | 天地人 紅の豚 | ドメーヌ ド ヴィルマジュー | ドメーヌ ド トロミエス ミネルヴォワ ラ リヴィニエール |
詳細 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 | 原産国:フランス ボディ:フルボディ 味わい:辛口 |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
ラングドック・ルーション赤ワインまとめ
今回はラングドック・ルーションの赤ワインをご紹介してきました。フランスで古くからワイン造りが行われてきたこの地区は、それぞれの時代ごとにフランスのワイン文化を支えてきました。ボルドーやブルゴーニュのような特別なトップスターは不在ではあるものの、暖かい気候に恵まれ多種多様な品種からバラエティ豊かなワインを世界に送り出しています。南仏の太陽の恵みをまるごと頂く感覚でその赤ワインを味わってみてはいかがでしょうか。
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