「青森の有名な日本酒を知りたい」
「青森旅行に行くので地酒を試飲できるところを知りたい」
そんな方に向け今回は、日本酒ソムリエ有資格者が、青森県の日本酒の特徴や人気の銘柄を解説。
酒蔵見学で試飲ができるスポットや、静岡の日本酒と合わせたいご当地グルメもピックアップしていきます。
青森の日本酒の特徴は?
コクのある旨口な味わい
青森の日本酒はしっかりとした旨味のあるタイプが多い傾向。
濃いめの味付けの食文化があるため、それに合わせて日本酒も旨口な仕上がりになっています。
とくに津軽地方ではコクのある日本酒造りが盛ん。
太平洋側の八戸市では個性的な日本酒を醸す酒蔵が数多くあります。
高品質な米・水・酵母
青森の日本酒には豊かな自然と、研究開発によって生まれた原材料が使われています。
白神山地や八甲田のミネラル豊富な地下水で仕込まれる日本酒は、深みのある味わい。
個性的な酒米の数々を独自に開発しています。
また、青森県独自に開発した「まほろば酵母」は、日本酒にリンゴやバナナなどのフルーティーな香りを与えます。
青森の日本酒の選び方
【選び方1】甘口・辛口で選ぶ
青森の日本酒はコクのある旨口タイプが主流。
その中からさらに甘口・辛口に分けることができます。
日本酒の甘口・辛口を見分ける際は「日本酒度」を確認しましょう。
日本酒度とは、日本酒に含まれる糖分の量を数値とプラスマイナスで表したものです。
甘口が好みの方は日本酒度がマイナスのものを、辛口好きの方はプラスのものを選ぶといいでしょう。
日本酒度は酒瓶の裏ラベルや酒蔵ホームページから確認することができます。
【選び方2】酒蔵で選ぶ
田酒を醸す人気トップクラスの酒蔵「西田酒造店」
手作りの高品質な日本酒にこだわる酒蔵です。
代表銘柄は「田酒」「喜久泉」。
「田んぼの酒」を意味する田酒は3年の開発期間を経て誕生。
現在は青森を代表する全国的にも人気なブランドです。
時代の変化に対応した酒造り「八戸酒造」
華やかでフレッシュなモダンタイプの日本酒造りが特徴。
代表銘柄は「陸奥八仙」「陸奥男山」。
使用する原材料は青森県産の米と酵母、仕込み水は八戸の湧水を使っています。
フルーティーで甘味と酸味のバランスが取れた日本酒が人気です。
作り手の顔が見える丁寧な酒造り「三浦酒造」
フレッシュで爽やかな甘味を感じる日本酒を醸す蔵元。
代表銘柄は「豊盃」。
家族経営ならではの一致団結した酒造りです。
酒造りの80%にはブランド名と同じ「豊盃米」という酒米を使用しています。
身体に馴染むうまい酒「㈱桃川」
「いい酒は朝が知っている」をフレーズに、健康で美味しい日本酒造りを行う酒蔵です。
代表銘柄は「桃川」「ねぶた」「杉玉」。
キレのある辛口や、コク深い日本酒を銘柄によって造り分けています。
そのどれもが親しみやすい味わいで、飲みやすく気軽に飲める仕上がりです。
【選び方3】酒米で選ぶ
華吹雪
青森県産の最もスタンダードな酒米です。
大粒であり栽培しやすい特徴から、青森県の多くの酒蔵で使用されています。
華吹雪を使った日本酒は米の旨味がよく出たコク深い味わいになります。
華想い
大吟醸酒など、高級酒向けに開発された酒米です。
酒米の王と呼ばれる「山田錦」と「華吹雪」を交配。
華やかな香りときれいな後味の日本酒を生み出します。
まっしぐら
青森県で2006年に開発されたブランド米。
食用米らしいふくよかな味わいがあり、粘り気が少なく酒造りにも向いている点が特徴。
酒米ではありませんが、まっしぐらを日本酒の原材料として使う酒蔵は多くあります。
青森の日本酒ランキング10選
ここからは日本酒のソムリエ資格を持つ著者が厳選した、青森の日本酒をランキング形式で紹介。
豊かな自然を活かして研究開発された原材料を使用するほか、濃い味付けの食文化に合わせて作られた旨口な日本酒を中心にピックアップしました。
10位 菊駒 上撰
菊駒 上撰
酒米:まっしぐら
アルコール度数:15~16%
地元で愛される飲み飽きしない定番酒。
米の風味がやわらかに感じられ、程よい旨味と甘味が感じられます。
軽やかな味わいは青森の濃い味付けの料理と相性バッチリ。
生産量のほとんどが地元で消費される地酒です。
9位 辛口ねぶた
辛口ねぶた
酒米:青森県産米
アルコール度数:15~16%
爽快な切れ味を誇る辛口の日本酒。
辛口でキレ柄味抜群の味わいがあり、飲み飽きしない味わいがあります。
冷酒でも熱燗でも美味しく晩酌酒として人気。
青森らしさを感じる商品名のため辛口の日本酒好きな方へのお土産にもおすすめ。
8位 じょっぱり 純米酒
じょっぱり 純米酒
酒米:青森県産米
アルコール度数:15%
淡麗な味わいの純米酒。
低温での発酵により落ち着いた味わいに仕上がっています。
穏やかな印象でありながら純米酒らしい米の風味や旨味を感じます。
じょっぱりとは津軽弁で「頑固者」を表します。
7位 喜久泉 吟冠 吟醸造
喜久泉 吟冠 吟醸造
酒米:華吹雪
アルコール度数:15.5%
さらりとした味わいの吟醸酒。
フルーティーな香りがしっかりと感じられます。
味わいは米の旨味が堪能できますが、後味はすっきりと軽快。
キリっと冷やして前菜などの軽めのお料理と一緒にぜひ。
6位 鳩正宗 ハトランス 大吟醸
鳩正宗 ハトランス 大吟醸
酒米:華吹雪・華想い・山田錦
アルコール度数:15%
3つの酒米を使った日本酒をブレンドした大吟醸酒です。
華吹雪・華想い・山田錦で仕込んだ大吟醸酒をバランスよく配合。
華やかな香りとブレンドならではの複雑な味わいを楽しめます。
大吟醸とは思えないリーズナブルな価格も魅力。
5位 桃川 吟醸純米
桃川 吟醸純米
酒米:国産米
アルコール度数:15~16%
旨味とキレのバランスが秀逸な純米吟醸酒。
酵母には青森酵母と桃川の蔵付き酵母を使用。
華やかな香りと軽い口当たりがあり、米の旨味も確かに感じられます。
日本酒コンクールで数々の受賞実績あり。
4位 寒立馬 純米吟醸
寒立馬 純米吟醸
酒米:まっしぐら
アルコール度数:16.8%
力強さと優美さを備えた純米吟醸酒。
しっかりと強く感じるコクのある米の旨味や酸味が特徴。
アルコール度数が高く飲みごたえがありますが、フルーティーな吟醸香も感じられます。
ほとんどが地元で消費される知る人ぞ知る銘柄です。
3位 豊盃 特別純米
豊盃 特別純米
酒米:豊盃米
アルコール度数:15%
親しみのある味わいの特別純米酒。
香りは穏やかですが、米の風味をほのかに感じます。
口当たりはなめらかで、落ち着きのある味わいは食事との相性が抜群です。
お燗にするとより味わいが膨らむのでおすすめ。
2位 陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸 火入れ
陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸 火入れ
酒米:華吹雪・まっしぐら
アルコール度数:15%
フルーティーさと芳醇な旨味が特徴の吟醸酒。
メロンやバナナを思わせるリッチな果実の香りを感じられます。
味わいは奥深く、吟醸酒の軽やかさもあり豊かな飲み心地。
和食はもちろん洋食とのペアリングもおすすめです。
1位 田酒 特別純米酒
田酒 特別純米酒
酒米:華吹雪
アルコール度数:15.5
辛口ながらコクのある特別純米酒。
ふくよかな米の甘味・旨味が心地よく、後味はしっかりとした切れ味があります。
純米酒ながらマスカットのようなフルーティーな香りも。
米の味わいを楽しめる混じりけのない1本です。
酒蔵見学できる青森の蔵元4選
大規模な酒蔵をぐるりと見学できる「㈱桃川」
桃川は青森県内でも最大手に属する酒蔵。
見学回廊をめぐり、酒蔵の全体像や日本酒の製造工程を見学することができます。
ツアーの最後には試飲タイムがあり、気に入った銘柄は売店で購入することも可能です。
TEL:0178-52-2241
営業時間:9:30~15:30
料金:無料
予約:電話又はホームページから受付
ホームページ:https://www.momokawa.co.jp/jp/company-2/%E9%85%92%E8%94%B5%E8%A6%8B%E5%AD%A6/
和洋折衷のおしゃれな酒蔵「八戸酒造」
陸奥八仙の作り手である八戸酒造。
和の趣を感じる伝統の酒蔵や、洋風建築のレンガ蔵など文化財として希少な建築物を6つ有しています。
大正時代に建築された酒蔵は、歴史的価値もさることながら写真映えもバッチリ。
もちろん日本酒の試飲もできるので、八戸市に訪れる際にはぜひ行きたいスポットのひとつです。
TEL:0178-33-1171
営業時間:10:00~16:00
料金:500円
予約:電話で受付
ホームページ:https://mutsu8000.com/kura/
観光の合間に酒蔵見学「鳴海醸造店」
「菊乃井」を醸す青森でも歴史の長い老舗の酒蔵。
日本の道百選にも選ばれた「こみせ通り」の中にあるため、観光の途中に立ち寄るのがおすすめです。
酒蔵見学では古風で歴史を感じる酒蔵内や中庭の散策と、無料の試飲を楽しむことができます。
TEL:0172-52-3321/FAX:0172-52-3819
営業時間:9:00~16:00
料金:無料
予約:電話又はFAXで受付
ホームページ:https://narumijozoten.com/
アクセス良好で食事も楽しめる「八戸酒類」
協会10号酵母の発祥蔵として知られる八戸酒類。
八戸市の中心部に位置しているためアクセスは良好です。
風情を感じる和モダンな酒蔵の造りはインパクト大。
併設している蔵元直営レストラン「ほこるや」で食事を楽しむこともできます。
TEL:0178-43-0010
営業時間:8:30~17:30
料金:無料
予約:電話で受付
ホームページ:https://hachinohe-syurui.com/u/tour
青森の日本酒に合わせたいご当地おつまみ
大間の本マグロ
青森の海鮮といえば大間の本マグロ。
大間のマグロは上質で脂の乗りが非常に良く、セリでは1億円越えの価格で落札されています。
味の濃い大間のマグロは青森のコクのある日本酒と相性抜群。
赤身には味わい深い純米酒を、トロにはさっぱりとした吟醸酒を合わせるのがおすすめです。
十和田バラ焼き
青森の人気B級グルメと知られる十和田バラ焼。
牛バラ肉と玉ねぎを鉄板で甘辛いタレとともに炒めたシンプルなご当地グルメです。
ご飯が進む味わいがありますが、日本酒のおつまみとしてもよく合います。
青森県産のリンゴを使った甘辛いタレが特徴なので、フルーティーな日本酒と好相性。
いちご煮
八戸市の漁師料理が元となった、ウニと鮑の贅沢なお吸い物。
お椀に浮かぶウニの見た目が野苺に似ていることから「いちご煮」と呼ばれるようになりました。
海の幸がたっぷり詰まったいちご煮は、日本酒と合わせることでより深みを増した味わいになります。
八戸の現地で味わうほか、缶詰も発売されているので自宅でも楽しむことができます。
まとめ
青森の日本酒はコクのある旨口な味わいが特徴。
青森の日本酒を選ぶ際は日本酒度や人気の酒蔵、青森県産の酒米を参考にしてみてください。
また、現地に行った際には地酒の飲み比べができる酒蔵見学もおすすめ。
大間の本マグロや十和田バラ焼きなど青森グルメと一緒に日本酒を楽しみましょう。
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