日本酒造りに恵まれた気候の水が揃っている岡山県。
酒造好適米「雄町 おまち」の発祥の地として有名です。
岡山県の日本酒を飲んでみたいけれど、種類が多く迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お酒のプロが岡山県のおすすめ銘柄や、選び方などをご紹介していきます。
岡山県の日本酒の特徴
・香りが芳醇でコクのある味わい
・万葉集の歌に読まれるほど古い歴史
・3つの産地によって味わいが異なる
【特徴1】香りが芳醇でコクのある味わい
岡山県の日本酒の特徴はなんといっても、香りが豊かなところ。
スッキリとした味わいが多い日本酒ですが、岡山県の銘柄は香りが芳醇でコクのある味わいに仕上がっているといった特徴があります。
温暖な気候がお米を凝縮させ、日本酒にコクが現れているのです。
その理由は、岡山県に流れる吉井川・旭川・高梁川の三大河川からの影響が強いと言われています。
また、酒造好適米「雄町 おまち」の故郷であり、「雄町」の最大の特徴が芳醇な香りが感じられること。
一般的には日本酒はおちょこで飲むことが多いですが、岡山県産はワイングラスで芳醇な香りを楽しみながら飲むのもおすすめです。
【特徴2】万葉集の歌に読まれるほど古い歴史
岡山県の日本酒は、「吉備の酒」として万葉集の歌にも読まれているほど古い歴史。
昔は「吉備の国」と呼ばれていた岡山県ですが、その頃からお酒造りは始まっていました。
岡山県(吉備の国)は古代における米酒の発祥の地として、日本酒好きの界隈では有名です。
今では日本を代表する日本酒の名産地にまでなっています。
【特徴3】3つの産地によって味わいが異なる
岡山県の日本酒の産地は旧国名で大きく3つの産地に分かれています。
それぞれの産地で作り方や味わいが大きく変わってきます。
3つの産地の特徴をご紹介していきます。
・備前エリア(岡山県・東部)
・備中エリア(岡山県・西部)
・美作エリア(岡山県・東北部)
備前エリア(岡山県・東部)
非常に人気のある、酒造好適米「雄町」が多く栽培されているエリアです。
上質で芳醇な香りの「雄町」から造られた日本酒を味わうことができます。
力強い味わいの日本酒が好きな方におすすめのエリアです。
備中エリア(岡山県・西部)
備中エリアは30近い酒蔵が存在する人気エリアです。
その理由は、岡山三大河川の1つの高梁川(たかはしがわ)が流れているため。
川からの豊富なミネラルでキレのある日本酒を多く造っています。
辛口の日本酒が好きな方におすすめのエリアです。
美作エリア(岡山県・東北部)
他の2つの産地とは違い、中国山地からの寒冷な気候が特徴。
恵まれた気候を活かしスッキリとした辛口の日本酒が多く造られています。
岡山の日本酒の選び方
ここからは、岡山県の日本酒の選び方を「老舗の酒蔵」「酒米」「味わい」に分けてご紹介していきます。
それでは選び方をみていきましょう。
・老舗の酒蔵
・酒米 雄町
・好みの味わい
【選び方1】老舗の酒蔵
3つのエリアごとに分け、老舗の酒蔵を紹介していきます。
岡山県には老舗の酒蔵も多く、さまざまなタイプの日本酒が作られているので日本酒選びの参考にしてみてください。
【備前エリア】宮下酒造
大正4年の1915年創業の酒蔵です。
旭川の伏流水を地下100メートルからくみ上げて仕込み水に使用しており、スッキリとした味わいの日本酒を多く造っています。
代表的な銘柄に極聖(きわみひじり)という日本酒があり、全国新酒鑑評会でも金賞や受賞に輝いている人気の銘柄です。
【備中エリア】菊池酒造
明治11年創業の酒蔵です。「旨みがあってキレの良い、一度飲んだら忘れられないようなお酒」を目指しています。
山田錦や雄町から造られる辛口の日本酒が非常に人気があり、料理との相性も抜群。
高梁川の伏流水を使用して造られた「燦然」がコクのある旨味とすっきりとした味わいが人気です。
【美作エリア】辻本店
1804年の創業の酒蔵です。日本酒造りに最適な恵まれた環境にある「辻本店」で造られる日本酒は、スッキリとした辛口の味わいが特徴です。
スッキリとした辛口の味わいなので料理と相性が非常に良くなっています。
【選び方2】酒米
日本酒を選ぶ際に一番迷ってしまうのが、「酒米」だと思います。
そこで今回は、大人気の酒米「雄町」についてご紹介していきます。
「雄町」の生産量の約9割を岡山県産が占めています。
「雄町」は、1859年に岡山県の農家の方が見つけた酒米。
現在、人気のある酒米「山田錦」や「五百万石」のルーツになった酒米でもあります。
「雄町」は稲が倒れやすいうえに、病気などにも弱く栽培が難しいとされていますが、岡山県は日本酒作りに恵まれた気候を活かし、多くの「雄町」からの造られる日本酒を醸造しています。
【選び方3】味わい
香りが芳醇でコクのある味わいが特徴的な岡山の日本酒。
日本酒の味わいは日本酒度と酸度によって変化が出てくることが多いです。
日本酒度と酸度を理解することで自分好みの日本酒を選ぶことが出来ます。
日本酒度
日本酒度は、ラベルにプラスマイナス表記で記載されています。
プラスの数字が高いほど辛口、マイナスが高いほど甘口の仕上がり。
この日本酒度を理解することで好み味わいを判断することが出来ます。
酸度
日本酒の味わいは酸度も大きく影響してきます。
酸度は、日本酒の中に含まれている「乳酸」や「リンゴ酸」などの含まれている量のことです。
日本酒度がマイナスの場合でも、酸度が高いとスッキリとした味わいに仕上がることもあります。
岡山県のおすすめ日本酒ランキング9選
ここからはお酒のプロが選ぶ岡山県の日本酒ランキング9選をご紹介。
岡山県の日本酒は芳醇な香りとスッキリとした味わいが特徴的。
食事に合わせたり、プレゼントしたりと用途に合わせて選ぶシーンも想定し、日本酒をピックアップしてみました。
商品画像 | |||||||||
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商品名 | 御前酒 純米 美作 | 嘉美心 秘宝 特別本醸造 | きびの吟風 備前雄町米 純米大吟醸 | 喜平 本醸造 | 萬年雪 純米吟醸原酒 一滴 | 燦然 純米大吟醸 50磨 | 三光正宗 天賦 純米七二 | 十八盛 朝日 純米大吟醸無濾過生原酒 | 大典白菊 純米酒 |
詳細 | 産地:岡山県 蔵元:御前酒蔵元 原料米:雄町 容量:1.8L | 産地:岡山県 蔵元:嘉美心酒造 原料米:あけぼの 容量:1.8L | 産地:岡山県 蔵元:板野酒造場 原料米:雄町 容量:720ml | 産地:岡山県 蔵元:平喜酒造 原料米:あけぼの 容量:1.8L | 産地:岡山県 蔵元:森田酒造 原料米:朝日 容量:500ml | 産地:岡山県 蔵元:菊池酒造 原料米:雄町 容量:1.8L | 産地:岡山県 蔵元:三光正宗 原料米:あけぼの 容量:1.8L | 産地:岡山県 蔵元:十八盛酒造 原料米:朝日 容量:1.8L | 産地:岡山県 蔵元:白菊酒造 原料米:白菊 容量:1.8L |
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9位 大典白菊 純米酒 白菊酒造 (たいてんしらぎく)
大典白菊 純米酒
蔵元:白菊酒造
原料米:白菊
容量:1.8L
備中地域にある酒蔵で造られる日本酒。
周りを山々に囲まれた自然豊かな場所で造られています。
コクのある味わいとスッキリとした辛口に仕上がっています。
8位 十八盛 朝日 純米大吟醸 無濾過 生原酒 (じゅうはちざかり)
十八盛 朝日 純米大吟醸無濾過生原酒
蔵元:十八盛酒造
原料米:朝日
容量:1.8L
十八盛酒造は瀬戸内海に近い場所にある酒蔵です。
味わいは無濾過生原酒なので、非常にフルーティーで口に含むと甘さと、溌剌の酸味を感じる事が出来る贅沢な仕上がりです。
しっかり冷やし、小さめのワイングラスで飲むのがおすすめです。
7位 三光正宗 天賦 純米七二(さんこうまさむね)
三光正宗 天賦 純米七二
蔵元:三光正宗
原料米:あけぼの
容量:1.8L
三光正宗で造られる日本酒は花見山の東麓を流れる神代川からの水を使って造られています。
非常に穏やかで心地よい香りが感じられ、味わいはドライで飲みやすい仕上がりになっています。
ドライな味わいなので冷酒で飲むのが、おすすめです。
6位 燦然 純米大吟醸 50磨 (さんぜん)
燦然 純米大吟醸 50磨
蔵元:菊池酒造
原料米:雄町
容量:1.8L
岡山県発祥の「雄町」を50%まで磨き上げた日本酒です。
味わいは非常にフルーティーです。芳醇な香りが感じられるので、大きめのワイングラスで飲むのがおすすめです。
5位 萬年雪 純米吟醸 原酒 一滴 (まんねんゆき)
萬年雪 純米吟醸原酒 一滴
蔵元:森田酒造
原料米:朝日
容量:500ml
こちらの日本酒は、岡山県倉敷市にある森田酒造で造られています。
岡山県産の朝日米を100%使用して造られており、お米本来の味わいを感じる事が出来る日本酒です。
和食との相性が抜群なので、合わせて飲むのがおすすめです。
4位 喜平 本醸造 (きへい)
喜平 本醸造
蔵元:平喜酒造
原料米:あけぼの
容量:1.8L
平喜酒造は岡山県南西部で日本酒造りを行っている酒蔵です。
「雄町」や「あけぼの」をメインに日本酒造りを行っており、上品なお米の香りとお米のコクを感じることのできる日本酒です。
3位 きびの吟風 備前雄町米 純米大吟醸
きびの吟風 備前雄町米 純米大吟醸
蔵元:板野酒造場
原料米:雄町
容量:720ml
創業80年の老舗、板野酒造場が岡山市で造る日本酒です。
雄町の特徴であるフルーティーな香りが感じられ、和食などのさっぱりとした食事との相性が良い一本です。
2位 嘉美心 秘宝 特別本醸造
嘉美心 秘宝 特別本醸造
蔵元:嘉美心酒造
原料米:あけぼの
容量:1.8L
嘉美心酒造は大正2年創業の老舗酒蔵です。
こちらの日本酒は「インターナショナルワインチャレンジ2015 ゴールドメダル受賞」を獲得するなど、とても人気の日本酒。
味わいは甘味と酸味のバランスが絶妙で、複雑な味わいに仕上がっているのでゆっくりと味わいながら飲むのがおすすめです。
1位 御前酒 純米 美作 (みまさか)
御前酒 純米 美作
蔵元:御前酒蔵元
原料米:雄町
容量:1.8L
岡山県発祥の「雄町」を100%使用して造られる一本。
御前酒蔵元 が目指す酒造りは「旨みがあってキレがある」。
こちらの日本酒は「雄町」の持つ旨みを最大限に引き出し、キレのある味わいに仕上がっています。
しっかりと冷やし、冷酒で飲むのがおすすめです。
岡山県の料理と日本酒の合わせ方
和食や中華、洋食など、幅広い料理と相性が良い岡山県の日本酒。
一番はお米を使った料理と相性が良いですが、そのほかにも料理との合わせ方を2つご紹介します。
【方法1】同じ味わいの料理と合わせる
同じ味わいの料理と合わせると日本酒の味が変化します。
味付けのしっかりとしている料理には、コクのある日本酒が相性良し。
逆にさっぱりとしている料理には、辛口のスッキリとした日本酒が合います。
【方法2】日本酒の温度と合わせる
日本酒の温度と合わせると、味わいのバランスが良くなります。
日本酒は冷酒や熱燗と種類が多く、常温で飲む日本酒も。
そのため、暖かい鍋料理などは熱燗との相性良し。
逆に冷たいお刺身などは、冷酒と合います。
まとめ
恵まれた気候で日本酒作りが行われていて、芳醇な香りの日本酒が多い岡山県 。
岡山県発祥の酒造好適米「雄町」から、全国で多くの日本酒が造られています。
和食や中華、洋食など幅広い料理との相性が良い、岡山県産の日本酒。
コクのある味わいが特徴のため、とくに味付けが濃い料理と一緒にお楽しみください。
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