「マコンワインってどんなワイン?」
「おすすめの銘柄はどれ?」
マコンはフランスのブルゴーニュ地方、マコネ地区にあるワイン産地です。
土壌や気候の特徴を生かして栽培される、シャルドネを使用した白ワインが生産量の7割を占めます。
この記事では、そんなマコンワインの産地や品種などの特徴、おすすめの商品を7つご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
マコンワインの特徴

マコンはフランス・ブルゴーニュ地方、コート・ドールに位置するマコネ地区にある産地で、1937年にAOC認定を受けています。
軽やかでフレッシュな白ワインの産地として有名で、白ワインの生産量は7割を占めます。
ここではそんなマコンワインの特徴を解説します。
シャルドネを使用した白ワイン

マコンの主な栽培品種は国際品種のシャルドネで、「シャルドネの故郷」と呼ばれているほどです。
マコンは石灰岩の上を粘土や沖積土が覆う土壌を持ち、年間を通して日照条件に恵まれ、夏は気温が上がりやすいのが特徴。
シャルドネの栽培にとても適したテロワールです。
そんなシャルドネから造られる高品質な白ワインが、ブルゴーニュ地方全体での白ワイン生産量の約3分の1を占めており、マコンを代表するものとなっています。
白ワイン以外では赤やロゼが3割ほどで、ガメイを主体にした果実味豊かな若飲みタイプのワインが造られています。
比較的カジュアルなワイン

マコンのワインは、高級ワインが多いブルゴーニュ地方の中では比較的カジュアルなものが多いです。
理由は、2020年9月まで畑の格付けであるグラン・クリュ(特級畑)やプルミエ・クリュ(一級畑)を持たない産地であったため。
しかし、ブルゴーニュで造られていると思わせるだけの十分なクオリティはあり、リーズナブルなのに品質は高いということで、世界中で愛されているワインです。
11月には新酒が解禁
マコンではボージョレ・ヌーヴォーと同じように、11月に新酒が解禁されます。
マコネ地区のマコン・ヴィラージュというエリアで収穫されるシャルドネで造る白の新酒で、マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォーと呼ばれ世界的に人気を集めています。
マコンワインの産地

マコンとは、フランス・ブルゴーニュ地方の南部にあるマコネ地区のワイン産地です。
マコンとマコネがわかりづらいですが、マコンはワイン産地、マコネは地区を表します。
マコネ地区は南北約50km、東西約15kmの長方形に広がる地域で、各村々でワインの生産が行われており、ブドウ畑の多くは渓谷の南向きの斜面、高度350m~400mに位置する場所にあります。
それぞれの原産地によって等級が認められており、現在は主に4つに分けられます。
そんなマコネの等級について解説します。
マコネの等級
現在マコネ地区で生産されるマコンワインに与えられている4つの等級について、表にまとめると以下の通り。
上から順に上級品となっており、白ワイン以外のマコンワインはAOCマコンに割り当てられます。
プルミエ・クリュ(一級畑) | 2020年9月にマコンで初めてプイィ・フュイッセの22のクリマが認定された。 マコンワインの最高ランク。 |
---|---|
5つの村名格アペラシオン | 市場で見かけることも多い上級ランク。 100%シャルドネの辛口のみという決まりがある。 |
マコン・ヴィラージュ | AOCマコンより1ランク上の白ワインのみ認められている。 現在43村が名乗ることができ、生産量はブルゴーニュでの白ワイン生産量の約4分の3を占める。 |
AOCマコン | 一般的なマコンワイン。 |
これらのランクは価格にも影響し、かつてカジュアルなワインのイメージが強かったマコンワインに変化をもたらしています。
他にも、コート・ドールの地価やブルゴーニュワインの価格の高騰を受けて、トップドメーヌがマコンの地に進出してきていることもあり、今後の動きから目が離せない生産地となっています。
特に5つの村名格アペラシオンでは、その品質の高さからプルミエ・クリュへの認定が期待されているクリマが現在も多く存在します。
5つの村名格アペラシオンとは
上記の表における村名格アペラシオンとは、2020年9月にプルミエ・クリュの認定がなされるまで最も上級のマコンワインに与えられていたランクです。
プイィ・フュイッセ、プイィ・ロシェ、プイィ・ヴァンゼル、サン・ヴェラン、ヴィレ・クレッセという5つのアペラシオンが認定されています。
中でも特に高い評価を受けており、最も有名なのがプイィ・フュイッセで、プルミエ・クリュに認定された22のクリマを持つ地域でもあります。
その他、1999年に認定されたヴィレ・クレッセは最も新しいアペラシオンで、その優れた品質と個性でマコン・ヴィラージュからの昇格となりました。
マコンワインのブドウ品種

マコンのワインで使われる品種の多くはシャルドネ、ガメイで、その他に少量のアリゴテやピノ・ノワールが栽培されています。
それぞれどのような品種なのか見ていきましょう。
マコンワインの白ワイン品種
シャルドネ

ブルゴーニュ原産の品種で、土壌や気候の影響を受けやすく、ブルゴーニュの中でも産地によって味わいが異なります。
造り手の醸造技術や道具の影響も、ワインに強く反映される品種です。
マコンのシャルドネは、グレープフルーツなどの柑橘系の香りで果実味が豊かな、土壌由来のミネラル感に溢れたワインに仕上がります。
熟成に必要な酸もあり、熟成させることでまろやかさと複雑味が増した味わい深いワインになるでしょう。
アリゴテ

ブルゴーニュを中心に栽培されている品種です。
シャルドネよりは劣る印象があるものの、よく熟したアリゴテはしっかりした酸と果実味を持つ、バランスが取れたワインに仕上がります。
マコンで栽培されているアリゴテはわずかですが、シャルドネにブレンドされてその味わいに深みを与えています。
アリゴテについて詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
>>アリゴテをもっと見る
マコンワインの赤ワイン品種
ガメイ

ブルゴーニュの最南端にあるボージョレ地区で多く栽培されている品種です。
日本でも11月第3木曜日解禁の新酒、ボージョレ・ヌーヴォーでおなじみですね。
マコンの赤ワインもボージョレのように渋みが少なく、フルーティーで飲みやすいという印象がありますが、マコンとボージョレでは土壌が異なり、味わいにも影響します。
ボジョレーの土壌は主に花崗岩土壌で、マコンは粘土石灰質。
この違いで、マコンのワインにはボージョレにはないコクや深みを感じることができます。
ガメイについて詳しく知りたい方は、こちらを合わせてご覧ください。
>>ガメイをもっと見る
ピノ・ノワール

ブルゴーニュ原産の品種で、栽培が難しいため、ブルゴーニュ以外では栽培できない品種とされていました。
しかし、現在では栽培に成功している地域が増え、世界各地で栽培されています。
エレガントな香りとタンニン控えめでしっかりした酸味、繊細な味わいのワインができあがります。
マコンではガメイの生産量が多く、ピノ・ノワールの栽培は少なめですが、他のブルゴーニュワインとはひと味違うピノ・ノワールを楽しむことができ、好評です。
マコンワインのおすすめ7選

ここからはおすすめのマコンワインを7本ご紹介します。
マコンワインの代表格である白ワインから赤、ロゼと幅広く紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
今回ご紹介する7本は以下の通り。

- ・高い
- ・飲み切るのが大変
- ・他と比較できない
という悩みがありますよね。
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それでは詳しくみていきます。
アルベール・ビショー マコン・ヴィラージュ
2011年にロンドンで開催されたインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)で、「ホワイト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたアルベール・ビショーが手がけるシャルドネ100%の白ワインです。
フレッシュな果実味と優しい花のような香りが特徴的。
程よいミネラル感とふくよかさもあり、すっきりとした余韻が感じられるため、ちょっとした食事と一緒に楽しむのもおすすめです。
シーフードやチーズと合わせて、そのエレガントな風味を楽しんでください。
等級 | マコン・ヴィラージュ |
品種 | シャルドネ100% |
香り | 熟れたレモン、白い花 |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |

ルイジャド プイィ・フュイッセ
自社畑のほとんどがグラン・クリュとプルミエ・クリュ、1859年創立の銘家ルイ・ジャドのシャルドネ100%の白ワインです。
プイィ・フュイッセは険しい坂の上に広がっており、白亜質と粘土が混合した土壌の性質によって、ヘーゼルナッツや煎ったアーモンドのような香ばしさを際立たせます。
柑橘類や蜂蜜など豊富な香りをもち、芳醇さもありながら、爽やかな酸で飲みやすいのが特徴です。
甲殻類を使用した料理やクリーム煮などのまろやかな料理と合わせると、お互いを引き立てるのでおすすめです。
等級 | ACプイィ・フュイッセ |
品種 | シャルドネ100% |
香り | 洋梨、トースト |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |

パスカル・ボンノム・ヴィレ・クレッセ
土壌の特性を生かし、 40〜60年の古木のシャルドネでブドウ本来のうま味を表現した1本です。
ヴィレ・クレッセは1999年にマコン・ヴィラージュから派生し認定された、他の村名格のACに比べ比較的新しい地域です。
造り手であるパステルは、かつて、ヴィレ・クレッセの神様的存在となっていた父からワイン造りを10年かけて学んでいたこともあり、「神の子が作るワイン」とも称されています。
レモンイエローの輝きを放ち、優しく甘い香りが控えめに香った後、穏やかな酸とふくよかな果実味、さっぱりながらもコクのある味わいが広がります。
等級 | ACヴィレ・クレッセ |
品種 | シャルドネ100% |
香り | 白桃、ミネラル |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |

メゾン・ジョセフ・ドルーアン プイィ・ヴァンゼル
135年以上家族経営にこだわり、「エレガンスとバランス」を追求し続けるワイナリー「メゾン・ジョセフ・ドルーアン」の白ワインです。
村名格アペラシオンであるプイィ・ヴァンゼルは、ローマ時代から知られた畑で、海抜250mの急斜面に位置します。
果実をゆっくりとプレスしたり、一部をオーク樽で熟成することでコクを演出したりすることでテロワールを表現しており、骨格のあるしっかりとした味わいが特徴です。
ペールイエローの柔らかな色調で、華やかかつフレッシュで活き活きとしたアロマが香り、口に含むとその香味が一気に広がります。
魚介類のカルパッチョやサーモンステーキなどの料理と相性抜群です。
等級 | ACプイィ・ヴァンゼル |
品種 | シャルドネ100% |
香り | 洋梨、トースト |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |

ドメーヌ リュケ サン ヴェラン キュヴェ ヴェール レ モン
シャルドネを中心として年間24万本ものワインを生産するマコネ地区きっての優良ドメーヌ「ドメーヌ・リュケ」の白ワインです。
使用するシャルドネは、ドメーヌの中でも最も高い位置にある畑で栽培され、土壌は石の多い粘土石灰質のため、ミネラル感のある味わいになります。
口に含むとシャルドネの力強さとエレガントな酸がふくよかに広がり、芳醇な余韻が楽しめます。
飲みごたえもあり満足感の高い1本となっています。
等級 | ACサン・ヴェラン |
品種 | シャルドネ100% |
香り | 白い花、ミネラル |
酸味 | ★★★★★ |
ボディ | ★★☆☆☆ |

メゾン・ルロワ マコン・ルージュ
ワインラバーなら一度は憧れるメゾン・ルロワの赤ワインです。
ボディは比較的軽めながら、ブルゴーニュらしいはっきりとしたエレガンスさかつ華やかさが楽しめます。
深いルビーの色調で、赤い果実のアロマや赤バラのニュアンスが重なり、口に含むと広がるボリューミーな果実味が特徴です。
主張しすぎない酸がはっきりとした輪郭を生み出し、お手頃価格で味わえるとは思えないほどの、透明感ある上品な1本です。
等級 | AOCマコン |
品種 | ピノ・ノワール、ガメイ |
香り | プラム、バラ |
酸味 | ★★★★★ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
渋み | ★★☆☆☆ |

ドメーヌ・ド・ラ・サラジニエール マコン・ロゼ
家族経営でマコン・ヴィラージュを生産する生産者の一つ「ドメーヌ・ド・ラ・サラジニエール」のロゼワインです。
サラジニエールとは、所有する畑の区画名から名付けられています。
手をかけすぎない自然を尊重したワイン造りを徹底しており、白ワインの醸造と同じように直接プレス機に収穫したブドウを入れ、2時間半ほどのプレスのみで抽出しています。
出来上がったロゼは輝きのあるサーモンピンクをしており、赤い果実やフローラルな香りや清々しい大地を思わせる香りが香ります。
優しい果実味、フレッシュな酸味、中盤から広がる香ばしさやスパイシーさが特徴的です。
等級 | AOCマコン |
品種 | ガメイ |
香り | 熟れたレモン、白い花 |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |

質の高いマコンワインは最先端のテーブルワイン

いかがでしたか?
今回はマコンのワインについて、特徴や産地、おすすめの商品をご紹介しました。
シャルドネの白もガメイやピノ・ノワールの赤も、とても軽やかで飲みやすいのに加え、リーズナブルなものが多いので、日常使いにおすすめです。
シャルドネは地域によってさまざまな個性を発揮するので、同じブルゴーニュの別の地域と飲み比べてみるのも面白いでしょう。
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