昔、プーリアはワイン生産量が多いことから、「ヨーロッパの酒蔵」と呼ばれていました。
造られるワインは赤ワインが7割を占めています。
今回はそんなプーリアの赤ワインについて、その特徴から、選び方、おすすめのワインまでご紹介します。
目次
プーリアの赤ワインの特徴
質より量
イタリア全20州で1、2位を争う生産量があり、質より量のテーブルワインが主体です。
各DOCについて
現在、プーリアには28のDOCがあるといわれています。そのうち代表的な4つのDOCについて紹介します。
カステル・デル・モンテ
プーリア州のコラートとアンドリアにまたがるブドウの生産地を「カステル・デル・モンテ」といいます。プーリア州の中で1番の生産量を誇るDOCです。この地域は地中海性気候で、夏は雨が少なく、年間を通して温暖な気候です。
カステル・デル・モンテで造られる赤ワインには、ウーヴァ・ディ・トロイアやモンテプルチアーノを75%以上使用するよう決められています。
コペルティーノ
粘土質の土壌と、温暖な地中海性気候がブドウ造りに最適です。
コペルティーノで造られる赤ワインには、最低でも70%ネグロ・アマーロを使用することが決められています。残りは、マルヴァジーア・ネーラとモンテプルチアーノは30%、サンジョヴェーゼは15%まで使用することが認められています。
プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア
マンドゥリアは、ターラント県にあるブドウの生産地です。土壌は酸化した鉄分やミネラルを含んだ赤土。ここで造られるブドウのほとんどは、酸味が強いプリミティーヴォ種です。
サリーチェ・サレンティーノ
カステル・デル・モンテに次ぐ生産量があります。プーリア州で最古のワイン生産者といわれるレオーネ・デ・カストリスによってDOCが誕生しました。
サリーチェ・サレンティーノで造られるワインは、ネグロ・アマーロを80%以上使用するよう定められています。
プーリアの赤ワインは品種で選ぶ
プーリア州は固有品種の宝庫とも言われ、リーズナブルで飲みやすい赤ワインが多く造られています。アメリカではジンファンデルと呼ばれるプリミティーヴォと、ネグロアマーロが代表的な品種です。
最近ではプーリア州最古の土着品種であるネロ・ディ・トロイアも人気が上昇しており、複雑な香りにしなやかなタンニンとふくよかなボディーのワインに仕上がります。
どの品種も比較的リーズナブルな価格帯で購入出来るアイテムが多いです。
プリミティーヴォ
プリミティーヴォはイタリア国内で大変人気の品種です。アルコール度数も高めで強い酸が特徴ですが、コンポートやジャムのような甘い果実味が口当たりをマイルドにしています。
雨が少なく乾燥しており、年間を通して温暖なプーリア州は、プリミティーヴォの栽培に適しており、さくらんぼやベリー系のアロマが強めに出る傾向があります。
完熟トマトソースのパスタや、炭火焼きBBQなど豪快に焼いたステーキなどとマリアージュを愉しめます。
ネグロ・アマーロ
ネグロアマーロはイタリア語で「黒く苦い」という意味を持つように、濃い紫色の色調で後味にビターチョコレートのようなほろ苦さを感じるワインになります。
洋ナシやプラムなどの華やかな香りに口当たりが上品で柔らかく、さくらんぼやよく熟したプラムの果実味がジューシーで、アルコール度数は高めです。ほのかにスパイシーなニュアンスも感じられます。
ネグロアマーロのように果実味溢れるワインには風味豊かな料理が合います。赤身のお肉全般のスパイシーステーキやジビエ、トマト煮込みなどとマリアージュを愉しめます。
ネロ・ディ・トロイア
ギリシャ伝来の黒ブドウで、暑い気候を好みパワフルなボディに仕上がる品種です。
ブルーベリーやブラックベリーの果実香にインクのニュアンスなど複雑な香りを持ち、イチジクなどの果実味に洗練されたタンニンが特徴的なワインに仕上がります。
アフェッタートミスト(生ハムとサラミのアンティパスト)、ビーフやラムの炭火グリルなどと好相性です。
ウーヴァ・デ・トロイア、スマレッロとも呼ばれています。
プーリアのおすすめ赤ワイン15選
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デイリーワインにおすすめ!予算2,000円
5位
トッレヴェント ボーロネーロ カステル・デル・モンテ ロッソ
品種:ウーヴァ・ディ・トロイア70%アリアニコ30%
世界遺産のカステル・デル・モンテのそばのブドウ畑で収穫された、ウーヴァ・ディ・トロイアとアリアニコを使用して造られたワインです。
ステンレスタンクで熟成させており、ブドウの果実味を楽しむことができますよ。プーリアの赤ワイン初心者に飲んで欲しいワインです。
4位
0・ゼロ・ネグロアマーロ
品種:ネグロ・アマーロ100%
ネグロ・アマーロは、黒い・苦いという意味です。その名の通り、濃厚な紫色とほろ苦い後味が特徴的なワインです。ネグロ・アマーロのワインを飲んだことがないという方におすすめしたい1本です。
3位
コペルティーノ ロッソ2015
品種:ネグロ・アマーロ70%モンテプルチャーノ30%
手で摘んだネグロ・アマーロを、アメリカ産の樽で熟成させたワインです。フレッシュなベリーの香りと強すぎないタンニンとのバランスが絶妙です。
適度な甘さを感じることができるため、渋すぎる赤ワインが苦手な人におすすめです。
2位
プリミティーヴォ ディ マンドゥーリアポッジョ・レ・ヴォルピ
品種:プリミティーヴォ100%
プリミティーボの特徴である、酸味とタンニンが調和したワインです。スパイスを使用した肉料理との相性がよいといわれています。バーベキューと一緒に楽しんで欲しい1本です。
1位
フェウド・モナチ・サリチェ・サレンティーノ
品種:ネグロアマーロ、マルヴァジーア・ネーラ
早朝に摘み取ったブドウを使用して造られたワインです。ネグロ・アマーロの特徴である濃いルビー色がきれいで、力強い果実由来の香りがあります。日頃赤ワインを飲み慣れている方にも満足いただけるはずです。
2,000円以下のプーリアの赤ワイン比較表
週末や来客がある日に!2,000円〜5,000円
5位
プリミティーヴォ ディ マンドゥーリアヴィーニ ヴェッキエ レジェンダ 2015
品種:プリミティーヴォ
果実を煮詰めて造られるジャムのような凝縮した香りと甘みを感じることができるワインです。
4位
コレッツィオーネ ・チンクアンタ+N.V年 サン・マルツァーノ
品種:プリミティーヴォ、ネグロ・アマーロ
樹齢50年以上のブドウの木から取れるプリミティーヴォとネグロ・アマーロを使用して造られたワインです。プルーンを煮詰めたような濃厚な果実味と、ほんのり香るスパイスが特徴です。古樹から造られるワインを飲んでみたいという方におすすめです。
3位
タトール プリミティーヴォ ディ サレント2016 ポッジョ レ ヴォルピ
品種:プリミティーヴォ100%
ブドウを粉砕せずそのままステンレスタンクに入れて発酵させたワインです。ベリーやドライイチジクのような濃厚な果実味を感じることができます。週末にローストビーフなどの肉料理と一緒に楽しんでみては?
2位
ヴィーニャ・ペダーレ カステル・デル・モンテ ロッソ リゼルヴァ2012
品種:ネーロ・ディ・トロイア100%
プルーンやブルーベリーの香りとローリエのようなスパイスを感じることができます。大切な人との記念日に、ぜひ飲んで欲しい濃厚な赤ワインです。
1位
アッポローニオ<ディヴォート>コペルティーノ・リゼルヴァ2008
品種:ネグロ・アマーロ70%、モンテプルチアーノ30%
ディヴォートは日本語で「神に感謝する年」という意味。濃厚な果実味とバニラやキャラメルのような香りが絶妙なバランスを楽しむことができます。大事な人との時間を大切にしたいと考えている人におすすめしたいワインです。
2,000~5,000円のプーリアの赤ワイン比較表
特別な日に!5,000円以上
5位
スコラ・サルメンティ ディチョット
品種:プリミティーヴォ100%
プラムのような果実味と、タンニンや酸味が穏やかなバランスのよいワインです。このワイナリーは、若手の生産者が立ち上げたものです。若いワイナリーが手がけるワインを飲んでみたいという方におすすめです。
4位
ジャンフランコ・フィノ・プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア ・エス2014
品種:プリミティーヴォ100%
イタリアワインガイド誌で高評価をつけたワインです。2回の選果で厳選したブドウを使用し、ステンレスタンクで発酵、フレンチオークの樽で熟成させました。レーズンのような香りと鉄系のミネラルがバランスよく調和したワインです。柔らかい苦味を感じることができ、リッチな味わいが長く続きます。赤ワイン好きの方に選んでもらいたい1本です。
3位
ボッカ・ディ・ルポ・トルマレスカ2012
品種:アリアニコ100%
果実由来の香りと白胡椒を思わせるスパイスを感じることができます。飲み始めはマイルドですが、口の中にタンニンの苦味がじんわりと広がります。南のバローロといわれることもあるため、バローロを好む方に飲んで欲しいワインです。
2位
タウリーノ パトリリオーネ サレント・ロッソ
品種:ネグロ・アマーロ、マルヴァジーア・ネーラ
先祖から受け継いだ畑で栽培されたブドウを、半ば乾燥した状態になってから収穫して造られます。枯れ葉のような香りと黒すぐりを思わせる果実味を感じることができます。
1位
サン・マルツァーノ・アニヴェルサーリオ・セッサンタドゥエ・リゼルヴァ2014
品種:プリミティーヴォ100%
幻の高級ワインと称されるほど評価の高いワインです。
プルーンやチェリーのような香りとタバコを感じさせるスパイシー感が口に広がります。結婚記念日など大切なお祝いの日に飲んで欲しいワインです。
プーリア赤ワインまとめ
プーリアは古代ローマ時代に、ギリシャからブドウ栽培やワイン生産が伝わったといわれており、イタリアの中でも歴史あるワイン生産地です。ピエモンテやトスカーナと比べると知名度は低めですが、ワインの生産量ではそれらの地域を上回っています。
プーリアの赤ワインを選ぶときは、ウーヴァ・ディ・トロイアやネグロ・アマーロを使用したものがおすすめです。ぜひプーリアの特徴が活かされた赤ワインを楽しんでみてください。
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