寒い季節ならではのワインの楽しみ方であるホットワイン。
ホットワインはヨーロッパでは伝統的なワインの飲み方として人気があり、実は自宅でも簡単に作ることができます。
今回の記事では基本的なホットワインの作り方や、アレンジレシピをソムリエが解説します。
目次
ホットワインとは
こちらでホットワインについて基礎的な知識をご紹介します。
ヨーロッパでは定番のワインの飲み方
ホットワインは、その名の通りワインを温めて飲む飲み方です。
ヨーロッパでは冬の風物詩として定番で、冷たい季節に体を温めるのに最適な飲み物とされています。
特にホットワインはクリスマスマーケットや、冬のお祭りなどのアウトドアイベントで人気です。
一般的なホットワインは赤ワインをベースに、砂糖やフルーツ、スパイスを加えて温めて作られます。
甘みや香り付けが行われるため、ホットワインは単にワインを温めた味わいとは異なります。
また、温めることでアルコール分が飛ぶことから、お酒が苦手な方にとっても飲みやすい点も魅力です。
飲んだ瞬間から温かさが身体全体に広がり、身も心も満たされる心地よさを感じることができるでしょう。
ホットワインの主な原材料
ホットワインに使用される主な原材料について、こちらでご紹介します。
ワイン
ホットワインのベースには赤ワインが使用されることが多いです。
一部地域では白ワインを使ったホットワインも作られています。
ワインにスパイスなどを加えて加熱するため、ホットワインに使うワインの品質はそこまで気を遣わなくても問題ありません。
逆に高級なフルボディのワインを使うと、渋味や酸味が強すぎて味わいのバランスが悪くなってしまうこともあるでしょう。
ホットワインに使用するワインは、スーパーやコンビニで購入できる気軽なワインで十分です。
スパイス
ホットワインを大きく特徴付ける材料であるスパイス。
スパイスが入ることで、ホットワインはリラックス感のある独特な風味がもたらされます。
ホットワインに使用される代表的なスパイスは以下の通りです。
クローブ
ナツメグ
スターアニス
カルダモン
生姜
中でも最も重要なスパイスはシナモン、クローブ、ナツメグです。
これらはそれぞれ新約聖書に登場する「東方の三賢者」が、キリストへ贈った乳香、没薬、黄金を表しているのだとか。
そのためクリスマスに作られるお菓子にはこれらのスパイスがよく使われています。
同じくクリスマスマーケットで定番のホットワインにも、シナモン、クローブ、ナツメグがよく使われているのです。
フルーツ
ホットワインにはフルーツを加えることも定番です。
フレッシュなフルーツが入ることで、温まったホットワインにも爽やかさが与えられます。
特にオレンジが使われることが多く、フレッシュな生のスライスが加えられるほか、風味付けを目的として果皮が添えられることも。
また、シナモンとの相性が良いリンゴも人気の材料です。
生のフルーツだけでなく、レーズンなどのドライフルーツが加えられこともあります。
オレンジとリンゴがホットワインの定番ですが、お好みのフルーツを入れてみても良いでしょう。
甘味料
ホットワインには甘味が加えられます。
一般的に砂糖が使われることが多いですが、より自然な甘味を出すために蜂蜜が使われることもあります。
甘味が加わることでほっこりと柔らかな味わいになるため、甘味料はなにかしら入れることをおすすめします。
その他のお酒
ホットワインにはワイン以外のお酒が加えられる場合があります。
アルコール度数を上げて体を温めるために、完成したホットワインに蒸留酒などを加えるレシピも少なくありません。
使われるお酒としてはブランデーやラム酒、甘味のあるフルーツリキュールなどが人気です。
大人な味わいのホットワインが好みの方は、ぜひお酒の追加を試してみてはいかがでしょうか。
ホットワインが飲まれている国
ホットワインはヨーロッパを中心に文化として根付いたワインの飲み方です。
こちらでホットワインが飲まれている国についてご紹介します。
ドイツ
ドイツでは「グリューワイン(Glühwein)」という名前でホットワインが楽しまれています。
ドイツのほかにはオーストリアやスイスなどでもグリューワインは伝統的な飲み物として親しまれています。
赤ワインをベースにし、シナモン、クローブ、オレンジ、そして砂糖が加えるのが一般的なレシピ。
ドイツでは「ヴァイナハツ・マルクト」と呼ばれる、冬の屋外で開催されるクリスマスマーケットでグリューワインは定番となっています。
厳しい寒さをしのぐために、ブランデーやリキュールなどが加えられたグリューワインもあります。
>>【専門家監修】ドイツワインの特徴は?産地・品種からおすすめまで紹介!
フランス
フランスでホットワインは「ヴァン・ショー(Vin Chaud)」と呼ばれます。
赤ワイン、シナモン、クローブ、そしてオレンジピールからなり、その他のスパイスや砂糖が加えられるレシピが一般的です。
フランスの街角にはカフェがたくさんあり、寒い時期になるとヴァン・ショーがカフェのメニューに並ぶようになります。
また、フランス東部のアルザス地方ではヴァン・ショーに白ワインを使用することもあります。
>>【ソムリエ執筆】フランスのワイン産地、歴史、格付け、有名銘柄を徹底解説!
北欧
スウェーデンやノルウェーには「グレッグ(Glögg)」というホットワインがあります。
北欧ではホットワインは家庭で飲まれるホットドリンクとして親しまれています。
レシピは一般的なホットワインの材料に加えて、レーズンやアーモンドをトッピングすることが特徴です。
イギリス
イギリスのホットワインの呼び名は「モルドワイン(Mulled Wine)」です。
こちらもクリスマスの時期には街角にモルドワインの屋台が並ぶほど、モルドワインは市民の生活に根付いています。
他のレシピと同様に、赤ワインにシナモンなどのスパイス、オレンジ、砂糖、蜂蜜を加えます。
アップルサイダーやアップルジュースなどをベースとした、モルドアップルもイギリスでは人気です。
レンジで簡単!ホットワインの作り方
寒い季節に心も体も温まるホットワインを、電子レンジを使って手軽に作ることができます。
従来のストーブやコンロを使う方法と比べ、レンジ調理なら時間も手間も大幅に節約でき、数分の加熱で、赤ワインにオレンジやスパイスの香りが豊かに広がり、本格的な味わいを楽しめます。
材料を耐熱容器に入れてレンジで加熱するだけの簡単な手順で、誰でも失敗なく作れるのが魅力です。
忙しい日々の中でも、ほっと一息つきたいときや、急な来客時にもさっと準備できる便利さが人気です。
おすすめのホットワインの簡単レシピ4選
こちらでホットワインレシピを4つご紹介しましょう。
赤ワイン以外に必要なのは、スパイス、果皮・果実類、甘味などです。
「これを入れなければNG」というものはなく、何回か作って好みの味を見つけるのが良いでしょう。
【レシピ1】手軽なホットワイン
ごく一般的なホットワインレシピです。
飲み残しのワインを上手に使うのがおすすめです。
材料と所要時間
所要時間は5〜15分です。
【材料】
●赤ワイン
●オレンジ・レモンなどの果実
●オレンジピールなどの果皮
●シナモン・クローブなどのスパイス
●砂糖や蜂蜜
作り方
①ワインに好みの果実・果皮・スパイス・甘味料(砂糖・蜂蜜など)を追加。
②火にかけて温めます。
③加熱しすぎるとワインの風味とアルコールが飛んでしまうので注意しましょう。
おすすめワイン
ホットワイン用にワインを準備するなら、加熱して使用するので、安価なもので十分です。
むしろ高価なものはそのまま飲む用にとっておきましょう。
チリの赤ワインなら品質も価格も安定しているので、間違いないでしょう。
しっかりしたボディのコクのあるタイプで作りたいなら
プードゥ カベルネ ソーヴィニヨン & シラーズ コンチャ イ トロ
ボディー フルボディ
原産国名 チリ
メーカー名 メルシャン
果実 % カベルネ・ソーヴィニヨン&シラーズ
カベルネ・ソーヴィニヨンに由来するふくよかさと、シラーズの凝縮した果実感が調和したバランスのとれた味わいです。
産地 | ブドウ品種 |
チリ | カベルネ・ソーヴィニョン/シラーズ |
香り | カシス、クローブ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★★☆ |
なめらかなミディアムボディベースがお好みなら
コノスル ピノノワール ビシクレタ
ほどよいタンニンと酸のバランスが絶妙です。
ほのかに感じるスパイシーさは、ホットワインのベースとして使った時に個性を発揮してくれるでしょう。
産地 | ブドウ品種 |
チリ | コノスル |
香り | すみれ、レッドチェリー |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
【レシピ2】専用スパイスを使ったホットワイン
材料と所要時間
所要時間は10分〜です。
【材料】
●赤ワイン
●ホットワイン用スパイス
●お好みでレモン・蜂蜜・ジャムなど
作り方
各商品に記載されたレシピを参考にしましょう。
ポンパドール グリューホットワインミックスの場合のレシピは以下になります。
①鍋にワインを500mlほど入れる。
②グリューホットワインミックスティーバッグと好みの量の砂糖を追加。
③蓋をして沸騰させずに5分ほど加熱。
④スパイスの香りを引き出すため火を止めて蓋をしたまま5分ほど蒸らす。
⑤耐熱ガラスか陶器のカップに注ぐ。
⑥お好みでレモン・蜂蜜・ジャムなど加えるのもおすすめ。
おすすめの専用スパイス
ポンパドール グリューホットワインミックス
ポンパドール グリューホットワインミックス
紅茶で有名なポンパドールのお手軽ティーバッグ!
ホットワインを作る時に手軽で便利です。このままスパイスティーとしても楽しむことも可能です。
ゾネントア ホットワインスパイス
ゾネントア バラエティーラインナップ ホットワインスパイス 赤
オーガニックのホットワイン用スパイスはオーストリアから!
ゾネントアの農園では、農薬や化学肥料を使わず栽培が行われ、収穫は月の運行に従って全て手積みで行われます。
【レシピ3】ラム酒を加えたホットワイン
ホットワインは沸騰させないように作っても、加熱により若干アルコール分が飛びます。
そのアルコール分を補うため、ラム酒などアルコール度の高いお酒を入れてアルコール分を強化して飲むレシピもあります。
正式名称は、ドイツ語で「グリューヴァイン・ミット・シュース Glühwein mit Schuss(蒸留酒を加えたグリューヴァイン)」です。
材料と所要時間
所要時間は5〜10分前後です。
【材料】
●赤ワイン
●ラム酒
●甘味料(砂糖・蜂蜜など)
●シナモンスティック、クローブ
作り方
①材料を全部鍋に入れて中火で温めます。
②沸騰直前で火からおろします。
③茶こしなどを使っクローブを取り除き、カップに注ぎます。
おすすめラム酒
マイヤーズラム オリジナルダーク 40度
ラムの代名詞的存在!
ラム酒は、ストレートはもちろん、カクテルベースとしてコーラやソーダで割ったりして楽しめます。ホットカクテルのベースとしても優秀な存在。
お菓子の材料としてもよく使われますし、ラムレーズンを手作りするのもおすすめ。常備しておけばいろいろ使えて便利です。
産地 | アルコール度数 |
ジャマイカ | 40% |
【レシピ4】ノンアルコールのホットワイン
ドイツにはアルコール類を使用しない、ブドウジュースをベースにホットワインの風味を持たせた伝統的なソフトドリンク「キンダープンシュ」があります。
アルコールが苦手な方や、子どもたちにぴったり。クリスマスシーズンの風物詩を一緒に楽しみましょう。
材料と所要時間
所要時間は5〜10分です。
【材料】
●果汁100%ブドウジュース
●シナモンスティック
●カルダモン
●八角・クローブ(お好みで)
●蜂蜜・砂糖(お好みで)
作り方
①鍋にジュースとスパイスを入れて温めます。
②耐熱ガラス容器かマグカップに注げば出来上がり。
※ホットワイン用のティーバッグ型スパイスを使うのもおすすめです。
おすすめのジュース
ファルツァー トラウベンザフト ホーニッヒゼッケル
ワイン用ブドウ果汁をそのまま瓶詰めしたドイツ産ピュアグレープジュース!
ワイン用ブドウから造られたジュースは、食用のブドウ以上にギュッと詰まった凝縮感があり、濃厚な味わいに仕上がっています。
レンジで温めるだけ!すぐ飲めるおすすめホットワイン
クリスマスマーケットのシーズンになると、ドイツではスーパーマーケットで瓶やペットボトルに入ったホットワインの販売がスタートします。
このタイプは、日本でも最近人気が急上昇しているようですね。
ボトル入りのものは、耐熱ガラスのグラスや耐熱カップに入れて沸騰しないように電子レンジで温めて飲みます。
寒い日にホッとしたい時や、体を温めて眠りにつきたい時には、とても手軽でありがたい存在です。
フルボトル(750ml)の高級ワインには、
- ・高い
- ・飲み切るのが大変
- ・他と比較できない
という悩みがありますよね。
ホームワインは高級ワインが100mlで4本ずつ届くから、ワインの違いをわかりたい方にオススメ。本サイトの編集長ソムリエ佐々木が監修した学習コンテンツや、2023年にスタートしたソムリエによるコンシェルジュサービスも大人気。
ワインをもっと楽しむために、始めない理由がありません!▼
※販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。
ソレイユ・キュヴェ・ユウコ
ソレイユ・キュヴェ・ユウコ
甘口ワインなら砂糖やハチミツを入れずに、ぶどうの自然な甘さが楽しめます。
このワインはメルロー種を主体とし、完熟イチゴのようなフルーティな味わいです。
アルコール6%と低めですから、お酒の苦手な方でも飲みやすいです。
産地 | アルコール度数 |
フランス | 5% |
香り | カシスのコンポート、イチゴジャム |
酸味 | ★★☆☆☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
渋み | ★★☆☆☆ |
サントリー 赤玉 スイートワイン
サントリー 赤玉 スイートワイン
100年を超えて愛されるサントリーの甘口ワイン。
あなたのお母さんやおばあちゃんも、このワインをご存じかもしれません。
サントリーの創業者・鳥井信治郎が、日本人に合う味としてこのワインを造りました。
スペインのポートワインに影響を受けています。フルーティで華やかな風味です。
産地 | アルコール度数 |
日本 | 14% |
香り | 完熟したいちご、すみれ |
酸味 | ★★☆☆☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
渋み | ★★☆☆☆ |
井上スパイス ホットワインスパイス
井上スパイス ホットワインスパイス
安心の日本製のホットワイン用スパイスです。
粗糖とスパイスが入っているので、鍋にワインとこのホットワインスパイスを入れたら、ホットワインのできあがり。
1パックずつの使い切りタイプなので使いやすいです。
ハウザーズ ビオ ホットワイン
ハウザーズ ビオ ホットワイン
ホットワインの本場ドイツの生産者の造るワインです。ヨーロッパとドイツの有機認証を受けています。
シナモン、グローブ、オレンジとレモンエキスがブレンドされているので、温めるだけで楽しめます。
産地 | アルコール度数 |
ドイツ | 9.9% |
香り | クローブ、シナモン |
酸味 | ★★☆☆☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
渋み | ★★☆☆☆ |
ドクターディムース/カトレンブルガー アップルシナモン グリューワイン
ドクターディムース/カトレンブルガー アップルシナモン グリューワイン
ホットワインはぶどうのワインだけではありません。
このホットワインはリンゴ、キウイなどのフルーツ果汁を原料とし、シナモンやハーブなどをブレンドしています。
2013年ドイツ農産物協会主催コンクールで金賞を受賞。珍しい白のホットワインです。
産地 | アルコール度数 |
ドイツ | 8.5% |
香り | りんご、ハーブ |
酸味 | ★★☆☆☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
ホットワインの作り方は赤と白で変わる?
特徴/作り方 | 赤ワインを使ったホットワイン | 白ワインを使ったホットワイン |
---|---|---|
使用されるワイン | フルボディやミディアムボディの赤ワイン | 辛口や中辛口の白ワイン |
よく使用される材料 | オレンジやレモンなどの柑橘類 | リンゴやナシなどの果物 |
スパイス | シナモン、クローブ、ナツメグなどのスパイス | ジンジャーやカルダモンなどのスパイス |
特徴 | 濃厚で温かみのある味わい | さっぱりとした軽い味わい |
香り | スパイシーな香りが強調される | フルーティーな香りが強調される |
加熱温度 | やや高めの温度(70-80℃程度) | 控えめな温度(60-70℃程度) |
加熱時間 | やや長め(10-15分程度) | 短め(5-10分程度) |
スパイスの使用量 | 多め | 控えめ |
果物の選択 | 柑橘系が多い | リンゴやナシなどの洋ナシ系が多い |
ホットワインの作り方は、赤ワインと白ワインで若干異なります。
赤ワインの場合は、フルボディやミディアムボディのワインを使い、オレンジやシナモンなどのスパイスを加えて、濃厚で温かみのある味わいを作ります。
一方、白ワインは辛口や中辛口を使用し、リンゴやジンジャーなどを加えて、さっぱりとした軽い味わいを楽しめます。
加熱温度と時間も赤ワインの方がやや高めで長めです。
どちらも季節や好みに合わせて楽しめる温かい飲み物ですが、スパイスの使用量や果物の選択に違いがあります。
ホットワインに合わせる料理
こちらでホットワインに合うお料理をご紹介します。
ほっとひと息つきたいときの、ホットワインのお供にちょうどいいおつまみをピックアップしました。
シュトーレン
シュトーレンはドイツの伝統的なクリスマスケーキです。
洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツが練りこまれており、ふんわりとしたケーキの生地との組み合わせを楽しむことができます。
ホットワインと同じく、シュトーレンはドイツのクリスマスには欠かせないお菓子です。
今年の冬はホットワインとシュトーレンを合わせ、ドイツ風のクリスマスを過ごしてみてはいかがでしょうか。
ドライフルーツ
ドライフルーツはホットワインのおつまみとしてピッタリです。
ギュッと濃縮された果実の甘味が、スパイスの奥に隠れたホットワインの風味を引き立ててくれます。
また、ドライフルーツをホットワインのトッピングにしてしまうのも楽しみ方のひとつです。
ホットワインのおつまみに困ったときはとりあえずドライフルーツをおすすめします。
チョコレート
チョコレートとホットワインは意外とよく合う組み合わせです。
ホットワインと特によく合うのはダークチョコレートで、そのビターな味わいがホットワインの甘さとフルーツの風味を引き立てます。
また、チョコレートの風味はスパイスやオレンジの香りとも相性ピッタリです。
ブランデーやラム酒を加えたホットワインには、ぜひチョコレートを合わせてみてください。
ピンチョス
スペインの伝統的な一口サイズの前菜であるピンチョス。
チーズや生ハム、オリーブなどのカジュアルな食材は、ホットワインともよく合います。
お菓子ではなく食事とホットワインを合わせたい方は、ピンチョスなどの軽い料理がおすすめです。
見た目も華やかなので、クリスマスのホームパーティーなどでは喜ばれること間違いないでしょう。
豆知識!ホットワインの歴史
最後にホットワインの歴史について簡単にご紹介します。
古代ギリシャ時代からホットワインは存在!?
ホットワインの歴史は古く、古代ギリシャにまで遡ります。
古代ギリシャ人が飲みきれなかったワインにスパイスを入れて温めたことから始まりました(もっとも、古代ギリシャ人はワインを飲み残すようなことはあまりない人たちでしたが)。
古代ギリシャから古代ローマ人へ
そして古代ギリシャ人をまねて、古代ローマ人も同様にホットワインを飲みました。
5、6世紀のローマの料理本にはホットワインのレシピが残されています。
そのレシピによると、このころのホットワインには、ハチミツ、コショウ、ベイリーフ(月桂樹の葉)、サフラン、デイツ(ナツメヤシの実)が入っていたことがわかります。
当時のホットワインは贅沢品とされており、食後に楽しむ飲み物として大変人気でした。
中世のイギリスで発展
ペストが大流行した中世ヨーロッパには、スパイスを入れたホットワインは健康によいと考えられて、非常に人気となりました。
そして、現在のホットワインの飲み方はイギリス・ビクトリア王朝時代から始まったと考えられています。
イギリスで1843 年に出版されたチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」には、クリスマスにホットワイン(作品中では「スモーキング・ビショップ」と呼ばれています)を飲む、という記述が見られます。
また、この時代にはホットワインがクリスマスの飲み物としてすでに定着していたようです。
ホットワインが世界に広がったのは、その味わいや滋養強壮効果もさることながら、ワインの酸化を防いで長持ちさせてくれる効果が大きかったと考えられます。
ホットワインは手軽に作れるワインレシピ!
ホットワインは寒い季節にぴったりの飲み物です。
「飲み残しのワイン」や「朝食のオレンジの果皮」、「使い切れないスパイス」って案外台所にありますよね?
あまり堅苦しく考えずに、家にある材料を上手に使って気が向いた時にササっと作って楽しみましょう。
冷蔵庫や食材棚の整理をしながらヨーロッパの冬の風物詩を楽しむのもなかなか乙なものです。
日本の厳しい寒さを乗り越えるためにも、ぜひホットワインを飲んで温まってみてはいかがでしょうか。
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