「ポートワインとは?」
「どこで作られているワイン?」
「ポートワイン」という名前は聞いたことがあっても、どのようなワインか、詳しくご存知ない方が多いのではないでしょうか。
ポートワインの選び方や楽しみ方を知ると、レストランはもちろん、ご家庭でのワインライフがグンと豊かになります。
この記事では、ポートワインとは何かということについて、ソムリエが詳しく解説していきます。
美味しい飲み方やおすすめの銘柄も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事を最後まで読むことで、ポートワインについての地域が深まり、よりワインを楽しめるようになるでしょう。
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ポートワインとは
ポートワインは、ポルトガル北部ドウロ川流域で生産されます。
醸造過程でアルコール(酒精)を添加してアルコール度数を高めた「酒精強化ワイン」であり、食前酒・食後酒として楽しむワインです。
ポートワインの度数
ポートワインのアルコール度数は15~20%です。
なお、通常のスティルワイン(赤ワイン、白ワイン)は、アルコール度数12~13%ほどになります。
ポートワインと原産地呼称制度
主要なワイン生産国には「原産地呼称制度」があり、「産地・品種・製法」などの規定をクリアしたワインのみが認証されます。
この仕組みのきっかけになったのがポートワイン。
1756年のポートワイン原産地管理法の制定が、この制度の始まりです。
この制度は、伝統を守って造られた地域特有の食品など多様な農業生産をサポートし、その原産地名称を保護し、消費者に正しい情報を提供することが目的です。
ポートワインの作り方
ポートワインは、発酵途中のワインに高アルコール度数のブランデーを加えて酵母の働きを止めて造られます。
「酒精強化ワイン」と呼ばれるカテゴリーに分類され、独特の甘みとコクが特徴です。
アルコール度数が高いので、通常のワインと違って開栓後もしばらく保存可能。
ポルトガルのワイン銘醸地ドウロ地区で生産され、ポルトからポートワインとして出荷されます。
ポートワインの種類
ポートワインは、まず白ブドウを原料にしたホワイト・ポートと、黒ブドウを原料にしたレッド・ポートに大別されます。
さらにレッド・ポートはルビータイプとトワニータイプに分かれます。
食前に楽しむホワイト・ポート
白ブドウを原料として低温発酵したポートワイン。甘口もありますが、比較的辛口タイプが多いポートです。
氷とともにロックで楽しんだり、カクテルの材料にも使われます。
食後に楽しむレッド・ポートのルビータイプ
3年程度の熟成後に瓶詰めされるポートワインで、その中では若いタイプです。ワインの色が宝石のルビー色に近いので、こう呼ばれています。
ヴィンテージ・ポート
優れた出来の年のブドウから造られます。収穫後2~3年目に濾過せず瓶詰めされ、長期間の熟成を経て飲まれます。
無濾過なので、飲む際にはデカンタージュが必要です。
レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
ヴィンテージ・ポートに準ずる出来のブドウで造られるポートで、ルビーポートのスペシャルタイプの位置付けです。瓶詰めは収穫から4~6年目に行われます。
食後に楽しむレッド・ポートのトウニータイプ
ルビーポートを酸化熟成させ、黄褐色(=トウニー)に変色したポートです。熟成年数表記トウニーポートとコリェイタがあります。
熟成年数表記トウニーポート
長期間樽熟させ、色素が沈着してトウニー色になったポートです。10年・20年・30年・40年ものがあります。
濾過後に瓶詰めされるので、デカンタージュは必要ありません。
コリェイタ
収穫年表示のポートで、収穫後7年後から瓶詰めされます。
おすすめのポートワイン18選
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食前酒におすすめ!ホワイト・ポート6選
軽いオードブルとともに、ホワイトポートを食前酒にパーティーを開始すれば、参加者の期待がふくらむ楽しい集まりになるでしょう。
6位 ニーポート ドライ ホワイトポートNV
高品質な一本
使用する葡萄は手摘みで行われており、高品質な一本。
ナッツ系の香りを楽しみつつ、ワンランク上のホワイト・ポートをお楽しみいただけます。
香り | 白桃、ヘーゼルナッツ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
5位 フェレイラ
伝統的なスタイル
クラシックなスタイルのホワイトポートは、平均約3年熟成のやや甘口タイプ。
程よい柑橘系の香りと酸味が食欲をそそります。
香り | グレープフルーツ、ナッツ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
4位 サンデマン ホワイトポート
酸味と甘みの絶妙なバランス
花の香りと果実の香りでほのかに甘いタイプ。
蜂蜜やナッツの香りも感じ、甘さと酸味のバランスの良い味わいが魅力です。
香り | 白桃、ナッツ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
3位 グラハム ファインホワイト ポートワイン ポルトガル
パワフルな味わいの辛口
辛口でいきいきとした活力を感じる味わいのホワイトポートです。
ブドウ本来の香りにアーモンドのフレーバーを感じる味わい。
香り | メロン、ナッツ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
2位 テイラー ファイン ホワイト ポート
甘味・酸・香ばしさのバランスが絶妙
1692年の創業以来、創業家一族が経営するテイラー社。現在54か国で流通しています。テイラー社はホワイトポートをはじめて世に生み出した生産者です。
こちらのホワイト・ポートは複数の白ぶどう品種をブレンドした辛口です。すっきりした甘味、酸、ナッツのような香ばしさのバランスが絶妙です。
香り | ライム、ナツメグ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
1位 クローン・ドライ・ホワイト・ポート
辛口なのにフルーティー
ヴィーズ&クローン社は1865年にジョセ・ファルコ・キャルネロ氏が創業。
現在も家族で経営している生産者です。
このホワイト・ポートは、辛口ながらもメロンや白桃のような果実味が感じられ、フルーティーな味わいです。
香り | アプリコット、白バラ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
食後酒におすすめ!ルビー・ポート6選
宝石のルビーのような美しい色と、フレッシュな果実味がルビー・ポートの醍醐味。
しっかりした味わいのチョコレートと合わせたら最高のデザートです。ドライフルーツを使ったチョコレートが良いでしょう。食後にじっくり楽しんでください。
6位 KWV ケープ・ルビーポート
丁寧な収穫から完成
ブドウ栽培に適している南アフリカの地中海性気候によって作られるルビー・ポート。
丁寧に育てられたブドウから放たれる味わいは、フルーティーで優しさを感じます。
香り | カシス、ナッツ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
5位 ニーポート ルビーポート
赤い果実の香りと長い余韻
新鮮なチェリーなどの赤いフルーツの果実の香り。長い余韻を楽しむことができます。
食後にフルーツやチーズ、チョコレートと合わせてお楽しみください。
香り | ブラックベリー、アーモンド |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
4位 ファイン ルビー・ポート ポルトガル
若い果実に濃厚なタンニン
若々しい果実を感じる味わいと、力強いタンニンが魅力。
甘口ポートはチョコレートとの相性が抜群で、初級者も気軽に楽しめます。
香り | プラム、アーモンド |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
3位 サンデマン・ルビー・ポート
果実の香りが豊かでリッチなルビー・ポート
深紅の色合いのルビー・ポートは、プラムやベリーの香りを感じるリッチな風味。
厳選された手摘みブドウによって、若々しく力強い味わいが維持されています。
香り | カシス、ナッツ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
2位 フェレイラ・ルビー・ポート
ドライフルーツのような濃厚さ
フェレイラ社は、アメリカのワイン専門誌ワイン&スピリッツ マガジンで2012年にポルトガルのドウロでもっとも偉大なワイナリーと称賛されています。
このルビーポートは、手摘みしたぶどうを皮ごと発酵させて造ります。レーズンやプルーンのような味わいがする、濃厚な甘口のルビーポートです。
香り | ジャム、シナモン |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
1位 フォンセカ・ルビー・ポート
足踏み式醸造による若々しい味わい
フォンセカ社は6世代にわたってポートワインを造る生産者。伝統的な醸造法(足でぶどうを踏んで破砕する)でポートワインを醸造しています。
このルビー・ポートはカシスのような果実味があり、若々しい味わいを楽しめます。
香り | ブルーベリー、バラ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★★☆ |
食後酒におすすめ!トウニー・ポート6選
ジャムのような濃厚な果実感にシナモン・クローブといったスパイスやココアの香りも。
ぜひ濃厚な味わいのチョコレートとゆったりした気分でお楽しみください。
6位 テイラー トウニー 10年 ポートワイン
平均10年の熟成から
平均10年熟成させて作られたトウニ―・ポート。
熟した果実を感じられ、エレガントな雰囲気を演出してくれます。
香り | プラム、ヘーゼルナッツ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
5位 サンデマン トウニー ポート
コクの中の果実味、そして長い余韻
しっかりとしたコクの中に感じるフルーティーな味わい。
長い余韻もあるので、食後にゆったりとした時間を楽しめます。
香り | カシス、ナツメグ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
4位 ケヴェード トウニー ポート NV
口当たりの良い親しみやすいポート
プラムやイチゴジャムのような甘い果実味の中に酸味もあり、親しみやすい味わい。
どなたにも気軽に楽しんでいただけるトウニー・ポート。飲みやすい仕上がりです。
香り | ブルーベリー、バラ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
3位 ポート メッシアス トウニー NV カーヴェス・メッシアス
赤い果実のジャムに樽由来の香り
リーズナブルで高品質なポートワインを造り出すワイナリー。
フレッシュな赤い果実のジャムのアロマに、バニラや木樽の香りが加わった濃厚な味わいです。
香り | プラム、シナモン |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
2位 グラハム・トゥニー10年
10年熟成の華やかさ
グラハム社はポートワインの代名詞とも言われる生産者。
このトウニー・ポートは10年の熟成をさせています。オレンジの皮、ナッツのような風味が感じられ、とても華やかな味わいです。
香り | カシス、トースト |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
1位 ワレ・シントラ・ビンテージ ポート
洗練された味わいのヴィンテージポート
ワレ社はグラハムと並ぶ伝統的なポートワインの生産者。英国のポートワイン生産者としてはもっとも古い歴史を持ちます。世界的なワイン評論家のロバート・パーカー氏やジャンシス・ロビンソン氏もこの生産者を大絶賛しています。
このトウニー・ポートはヴィンテージポートです。30年以上の熟成を経て、甘さがまろやかで洗練された味わいになっています。
1985年生まれの方へのプレゼントにも良いでしょう。
香り | ブルーベリー、ナッツ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
ポートワインの美味しい飲み方
ここではポートワインの美味しい飲み方について紹介していきます。
今回は保存温度・ワイングラス・カクテルについて紹介していきます。
では早速見ていきましょう。
保存温度は12℃前後で
ポートワインの保存温度は12℃にしましょう。
12℃前後で保存することで、ポートワインの甘さや美味しさを適切に保てますよ。
12℃前後ということから冷蔵庫での保存はおすすめしません。
冷蔵庫ではポートワインが冷えすぎてしまうことや、乾燥によってコルクが収縮してしまう恐れがあるからです。
そこでワインセラーを使用することがおすすめです。
ワインセラーを使うことで、ポートワインに限らず多くのワインを適温で保存することができますよ。
ワイン好きなら1台は持っておきたい必需品とも言えます。
家庭用のワインセラーについてはコチラを参考にしてみてください。
>>【ソムリエセレクト】おすすめワインセラー17選!家庭用にはコレ!
ワイングラスは小さめが吉
ポートワインを楽しむ際のワイングラスは小さいものを選ぶことがおすすめです。
小さいワイングラスを選ぶことで、ポートワインを早く飲み切ることができ、手の熱がワインに伝わり味がぼやけることを防げます。
またポートワインは度数が高いワインのため、少量ずつ楽しむことに適しているという理由でも小さめのワイングラスが良いでしょう。
具体的にはデザートグラスなどを用意すれば問題ありません。
またワイングラスについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらも参考にしてください。
>>【ソムリエセレクト】おすすめのワイングラス15選!種類とブランドも紹介
カクテルにして楽しむのおすすめ
ポートワインをカクテルとして楽しむこともおすすめです。
カクテルにすることで、ポートワインをより自分好みに変化させることができることや、強いアルコールを和らげることにも繋がります。
ここでは白ワインの定番カクテルである「ポート・サンガリー」の作り方を簡単にご紹介します。
ポート・サンガリーは「ポートワイン90ml・砂糖5g・ソーダ適量・氷・ナツメグ」を用意し、合わせるだけで完成します。
ソーダの量を調整することでアルコール度数を自分好みにしつつ、ポートワインを長く楽しめるカクテルとなっています。
もちろんロックで楽しむこともおすすめですが、ぜひ1度カクテルとしてポートワインをお楽しみください。
カクテルについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらをご覧ください。
>>おすすめの美味しいカクテル25種類!レシピも合わせてご紹介!
ポートワインに合うおつまみ
「食後酒」「食後酒」と言われると、レストランで楽しむものと思いがちですが、あまり難しく考えずに試してみましょう。
そこでここでは、具体的なおすすめ料理を紹介していきます。
ホワイト・ポートとレッドポートに分けて紹介していきますので、それぞれご覧ください。
では見ていきましょう。
ホワイト・ポートはチーズと
まずはホワイト・ポートは、おつまみなどと一緒に食前酒として楽しみます。
具体的なホワイト・ポートに合うおつまみは以下の通りです。
・ナッツ
・チキン
・ホタテ
・ケーキ
ホワイト・ポートと相性の良いつまみは、基本的に白ワインと同じようなおつまみが多いです。
中でもチーズとの相性が良く、ブルーチーズと一緒に楽しむことがおすすめです。
また白ワインと相性の良いつまみについて詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
>>【ソムリエ厳選】白ワインの人気おすすめつまみ14選!ワインも紹介!
レッド・ポートはチョコレートや調味料に
レッドポートと相性の良いつまみは以下の通りです。
・ケーキ
・ナッツ
・ドライフルーツ
レッド・ポートは、食後に濃厚な味わいのチョコレートと合わせるのがおすすめです。
他にもつまみ定番のナッツやケーキとの相性も良いため、食後の楽しみとして一緒にお楽しみください。
またレッド・ポートは豚肉料理の調味料としても非常に優秀です。
豚肉料理に適量加えるだけで風味が変わり、より楽しめますよ。
ぜひ自分だけのポートワインのつまみを見つけてくださいね。
ポートワインを楽しもう!
ポートワインに興味を持っていただけましたか?
ポートワインの種類と楽しみ方を一度理解しておけば、ワインを楽しむシーンに奥行きが出ます。
まずは、食後にレッドタイプのポートワインをチョコレートとともに楽しんでみてください。
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