イタリアの赤ワインによく使われる「アリアニコ」
アリアニコは南イタリアを代表とするワイン品種の一つであり、最も歴史あるブドウとして知られています。
今回は、アリアニコの特徴や選び方おすすめワインをご紹介していきます。
アリアニコとは
イタリア南部を中心に栽培される赤ワインの品種です。
アリアニコの歴史は古く、「最も永きに渡り、ワインとして消費され続けてきた歴史を持つブドウである」と言われるほどで、その起源は紀元前までさかのぼります。
アリアニコの特徴
アリアニコの最大の特徴は、なんといってもしっかりとしたタンニンと、豊富な酸味です。
若いうちのアリアニコは、そのタンニンと酸味ゆえにトゲがあり、渋みが強く出がちなのですが、長期熟成することで、まろみのあるタンニンと酸に変化し、男性的かつエレガントなワインに変化します。
それ故に、赤ワインにはまりたての人よりも、飲み慣れてきてイタリアのワインについてもっと深く知りたい方におすすめです。
アリアニコのワインの選び方
味わいで選ぶ
アリアニコはパワフルなタンニン主張の激しい酸が特徴の品種なので、そのほとんどがボリューム感のあるフルボディもしくはミディアムボディです。
特に、若いアリアニコのワインは、タンニンや酸の存在感が強すぎるので、当たりがキツく、若干飲みづらいと感じる人も少なくありません。その場合は、最低2時間ほどデキャンタージュして、空気に触れさせることで、風味が柔らかくなり、アリアニコ特有のフローラルで果実系の香りやビターな芳香がより開いてきます。
産地で選ぶ
南イタリアにあるカンパーニア州とバジリカータ州がアリアニコワインの2大生産地です。
カンパーニア州で作られるタウラージとバジリカータ州で作られるアリアニコ・デル・ヴルトゥレは、同じアリアニコを用いながらもそのアロマや味わいが微妙に異なってきます。
カンパーニア州のタウラージ
アリアニコワインといえば、ワイン好きならまずタウラージの名前が浮かぶことでしょう。
カンパーニア州タウラージ村で作られ、1970年にDOC(原産地統制呼称)に認定され、1993年には南イタリア初のDOCGワインに認定された赤ワインで。
北イタリアを代表とする赤ワイン『バローロ』と並び、パワフルで芳醇な味わいと評され、世界中の愛好家によって愛され続けています。
若いころは少々トゲがありますが、長期間寝かせて熟成することでその味わいは劇的に変化します。タンニンは角が取れて滑らかになり、酸味はまろやかでほのかにサクランボを思わせるような甘酸っぱい風味に代わり、濃厚でまろみのある端正な味わいになります。
香りはスミレの花やチェリーなどの果実系から黒トリュフやなめしたレザーのような芳香に変化していき、最終的にはビターチョコやたばこ、スパイスなどを感じさせるアロマに変化していきます。ワインとして成熟したタウラージの味わいは、例えるならば『酸いも甘いも噛分けてきた紳士』とでも言えるでしょうか。
バジリカータ州のアリアニコ・デル・ヴルトゥレ
アリアニコ・デル・ヴルトゥレは、タウラージと同じく「南のバローロ」と呼ばれるほど上質な味わいを楽しめます。
バジリカータ州ポテンツァにある休火山、モンテ・ヴルトゥレの名を冠したこのワインは、ふくよかな味わいと、複雑かつ芳醇なアロマ、そしてミネラル感が特徴です。
フローラル系や、プラムやベリーといった果実の芳香に交じり、たばこやハーブ、アーモンドといった香りが漂い、実に複雑で芳醇なアロマを楽しめます。アリアニコの特徴を活かしたタンニンと酸の力強さを感じさせ、果実味の中に深く、まろやかな渋みに豊かなミネラル感、それでいて包容力を感じさせる安定した味わいと、実に男性的です。
熟成されたタウラージが、紳士的であるならば、アリアニコは南イタリアによくいる、『人懐っこく、ダンディな魅力あふれるおじ様』然とした風味と言えます。
アリアニコのおすすめワイン10選
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5位
テヌータ・イ・ジェルシ ジェルソ・ロッソ
鮮烈で輝きを放つ赤は、ガーネットやルビーといった宝石やバラを思わせ、スミレやブラックチェリー、熟したプルーンや紅茶の香り、そしてスパイシーなアロマは、若々しさとともに成熟した複雑さを感じさせます。
味わいも、滑らかな果実味のアタックから濃厚で確かなタンニンを感じさせる、アリアニコ特有のコクと旨味が口の中に漂い、紅茶やスパイス、樹皮を思わせる風味が広がっていき、深く、味わい深い余韻が続きます。
4位
ポッジョ・レ・ヴォルピ
丹念な仕事を証明するかのように、その味わいはアリアニコ特有のパワフルさとともに、端正な仕上がりになっています。
華やかなルビーレッドに、フローラルな香りと果実香が合わさった濃厚で華麗なアロマ、そして、まろみのあるアタックから、しっかりと上品なタンニンが広がる味わいと、アリアニコの本領を発揮しています。
3位
サクラヴィーテ
イチジクやブルーベリーといった濃厚でフレッシュな果実香とともに、墨やスパイスを思わせる香りが交じり合い、複雑かつ芳醇なアロマを漂わせます。
その風味は実に端正かつパワーがあり、豊かな果実味と力強く、それでいてなめらかなボディと口当たりがよく、それでいてアリアニコ特有のパワフルなタンニンと酸がバランスよく馴染み、それでいてしっかりと存在感を表しています。
その味わいは、和・洋・中と区別なくマリアージュでき、特に辛口の四川料理や黒豚を使った肉料理、赤身肉のステーキと相性抜群です。
2位
ベネヴェンターノ アリアニコ
ボリューミーでがっしりとした味わいを楽しめます。色身も濃厚でチョコレートを思わせるような深い黒紫で、ビターチョコやナッツといった香ばしさを感じさせるアロマに、豊富なタンニンと酸、そして果実味と、実にパワフルです。
1位
ピポリ アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ
色身、風味、味わいといずれも濃縮された芳醇な味わいを楽しめます。
チェリーの一種であるマラスカ種特有の果実を思わせる強い香りに、スパイスやバニラといった濃厚なアロマが交じり合い、複雑かつ豊かな芳香が鼻孔をくすぐります。
ボディもミディアムながらもがっしりとした骨太さで、バルサミコを思わせるコクのある酸味に、まろやかに成熟したタンニンと、力強さを感じさせます。それでいて完熟したフルーツのような、ジャムを思わせる甘酸っぱさも加わり、アリアニコの魅力を発揮しつつ、飲みやすい仕上がりになっています。
2,000円以下のアリアニコ比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | ピポリ アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ | ベネヴェンターノ アリアニコ | サクラヴィーテ | ポッジョ・レ・ヴォルピ | テヌータ・イ・ジェルシ ジェルソ・ロッソ |
詳細 | アルコール度数:13% ミディアムボディ アリアニコ100% | アルコール度数:13% ミディアムボディ アリアニコ100% | アルコール度数:14% ミディアムボディ アリアニコ100% | アルコール度数:14%未満 ミディアムボディ アリアニコ100% | アルコール度数:14.5% ミディアムボディ アリアニコ100% |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
週末や来客などがある日に!予算5,000円
5位
アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ・ピアーノ・デル・チェッロ
蜘蛛のデザインが実にスタイリッシュなボトルが特徴的なこのワインは、日本の女性だけによる国際ワインコンペティション『サクラアワード』にて、ダイヤモンドトロフィーを獲得するほどの高い実力を持つ逸品です。
じっくりと時間をかけてマロラクティック醗酵が成されることで、アリアニコ特有の強いタンニンと酸がなめらかになり、優雅な深紅にバルサム樹特有の匂いやスパイス香と、スグリや桑の実といった黒い果実を煮詰めてジャムにしたような濃厚なアロマが交じり合い、複雑かつ豊かな香りを漂わせます。
その味わいもなめらかで、フレッシュで上質なアルコール感にどっしりと、それでいてエレガントなボディで、味わい深く幸福感のある長い余韻を楽しめます。
4位
レ・マンフレディ アリアニコ・デル・ヴルトゥレ
タウラージと並び、『南のバローロ』と呼ばれるバジリカータ州を代表するアリアニコ・デル・ヴルトゥレは、深みのあるルビーレッドに滑らかなタンニンと濃厚な風味と、まさにアリアニコの本質を表しています。
長期熟成によって生み出された複雑で豊かなアロマは、チェリーのような甘酸っぱい果実香に、バニラや複数のスパイスを思わせ、グラスに注ぐだけで周囲に漂い、ここちよく鼻孔をくすぐります。
その風味もスパイシーかつまろやかであり、個性豊かでエレガントと、実に芳醇です。
3位
タウラージ・リゼルヴァ・ラヤマグラ・ヴィノジア
ゆっくりと時間をかけて濃密に熟したブドウを使ったワインは、凝縮された端正な味わいと、複雑で濃厚なアロマを漂わせます。
テロワールを重視し、アリアニコの個性と現代における卓越した醸造技術が織りなすことで生まれるワインは、ブドウの果実味を活かしつつ、シルキーなタンニンが合わさった、実に芳醇かつ濃厚で、確かなボディを感じさせる男性的な味わいです。ブラックベリーなどの果実香やバニラ、ヨードといった多彩な香りが複雑に絡み合い、奥行きのある上質な余韻が長く続きます。
2位
アリアニコ・コンタド・リゼルヴァ
オーガニックで健全な畑と、経験と知識による熟練の栽培技術によって育まれ、水分を40%ほど減らした状態で収穫されたブドウは、旨味とタンニン、酸、そして果実味がギュッと濃縮されています。
その色合いは、ピジョンブラッドを思わせる深く、気品のあるルビーレッドで、スミレの花や熟したプラムといったフローラルでフルーティーな香りとともに、濃厚なチョコレートやスパイスを感じさせる香りが入り混じり、趣深く品のあるアロマを楽しめます。また、風味はカンパーニアやバジリカータとはまた違った軽やかさがあり、それでいて滑らかなタンニンが奥深い余韻を生み出します。
1位
タウラージ・ヴィーニャ・マッキア・ゴーディ
カッジャーノは、古くからアリアニコの最上の畑として知られる『マッキア・ゴーディ』から作られるブドウだけを使用し、年間3,000本しか製造されないため、高い希少性を誇ります。
18ヶ月もの間、バリックによって熟成させることで生まれたワインは、濃厚かつエレガントな味わいが特徴です。そのポテンシャルはマエストロヴェラルディーノ作のタウラージに迫るほどで、愛好家からも高い評価を得ています。
グラスに注げば、プラムやダークチェリーといった黒い果実が完熟した芳醇な果実香が鼻孔をくすぐり、後からリコリス(甘草)やスターアニスといったスパイスの香りが入り混じり、実に複雑かつ上品なアロマを漂わせます。風味もその芳醇さに負けず、エレガントながらも存在感を示すタンニンと濃厚な口当たりとパワフルかつ気品を感じさせます。
2,000円~5,000円のアリアニコ比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | タウラージ・ヴィーニャ・マッキア・ゴーディ | アリアニコ・コンタド・リゼルヴァ | タウラージ・リゼルヴァ・ラヤマグラ・ヴィノジア | レ・マンフレディ アリアニコ・デル・ヴルトゥレ | アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ・ピアーノ・デル・チェッロ |
詳細 | フルボディ アリアニコ100% | アルコール度数:14% フルボディ アリアニコ100% | アルコール度数:14% フルボディ アリアニコ100% | アルコール度数:14% フルボディ アリアニコ | アルコール度数:14% フルボディ アリアニコ100% |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
アリアニコのまとめ
今回は、南イタリアの赤ワインを代表する品種であるアリアニコについてご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ワイナリーも老舗から新進気鋭までキャリアの幅があり、それゆえに価格の幅も広く、比較的安価で上質なアリアニコを入手することが可能です。
他の赤ワイン品種も知りたい方はこちらをどうぞ。
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