【ソムリエ監修】カリニャンはどんな品種?品種概要から味の特徴、おすすめ10銘柄をご紹介

2019/03/06
■ワイン■

カリニャンという品種をご存じですか?

この品種はスペイン・アラゴン地方原産の赤ワイン用ブドウ品種です。

味わいが強く、様々な品種にブレンドされることが多いです。

カリニャン主体の赤ワインが好きというコアなファンもいるくらいの品種。

実際にどんなぶどう品種の特徴があるの?使われているワインはどのようなものがあるの?という方に今回は、カリニャンの特徴からおすすめの赤ワインまで紹介します。


執筆者/監修者

佐々木 健太

J.S.A. ソムリエ・エクセレンス

ソムリエ/年間受講者数日本一を誇るカリスマワインスクール講師  21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。ワインのサブスク「HOME WiNE」を手掛ける。YouTubeチャンネル「ソムリエ佐々木」を運営。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。

カリニャンとは

カリニャン(Carignan)はもともとスペイン北東部アラゴン州で生まれた品種です。12世紀にフランス南部に伝わりました。

現在では南フランスのラングドック=ルシヨン地域で栽培されています。

この品種は長らく大量生産に利用され、質の低いワインとしてのイメージが定着していました。

しかし、近年は古木から作られるカリニャンはその複雑な風味と力強さで再評価されています

他の生産地としてはアメリカやチリなどがあります。

「カリニェナ」「マスエロ」「ボバレ・グランデ」「サムソー」などの別名があります。

カリニャンの特徴

ブドウの特徴

カリニャンの外観は濃いルビー色です。繁殖力が高く、温暖で乾燥した気候のもとで育ちます。砂漠でも育てられるほどのたくましさです。

ワインの特徴

香りはスパイシーで皮革に似たニュアンスですが、あまり強くはありません。味わいは豊かなベリーと強めの酸味の後にカカオのようなざらついた渋みが残ります。アルコール度は12~15%です。

他の品種とブレンドされることが多く、スパイシーな香りや重たい渋みを加えるのに役立っています。

しかしながら、ブレンドワインの消費量は世界的に減少傾向で、カリニャンの生産面積も年々縮小しつつあります。

カリニャンとほかのブドウ品種との違い

カリニャンは、しばしばグルナッシュやシラー、ムールヴェードルとブレンドされ、その力強い酸味とタンニンがブレンドワインに深みと構造を加えます。

単一品種のカリニャンは、他のブドウ品種と比べてよりスパイシーで、ミートやスモーキーな風味が強調されることが多いです。例えば、グルナッシュと比較すると、カリニャンはより深い色合いと強いタンニンを持ち、より引き締まった味わいを呈します

カリニャンのワインは産地で選ぼう

カリニャンはさまざまな地域で栽培されており、生産地によって異なる特徴が表れます。自分に合っていそうな特徴のものを選んでいけば、好みのワインを見つけやすいです。

フランス

フランスのカリニャンの産地として、ラングドック・ルーション、プロヴァンス、コート・デュ・ローヌが有名です。それぞれについて解説します。

ラングドック・ルーション

世界一の広大さを誇るワインの生産地です。その広大さを活かして、甘口から辛口まで、あるいは軽いものから濃厚なものまで、バリエーション豊かなワインが造られています。

メインで造られているのがデイリーワインとして好まれる赤ワインで、カリニャンは甘口のワインに使用されています。

プロヴァンス

地中海沿岸でワインが造られている、歴史のある生産地です。地中海性気候はカリニャンにとって理想的な環境と言えます。

プロヴァンスのカリニャンは、高級感と深みのある味わいの熟成タイプが多く造られています。

コート・デュ・ローヌ

こちらも温暖な気候の地域です。完熟したブドウで造られるワインは果実味が豊かでボリューム感があると言われています。

品質の割に価格も手頃で、デイリーワインとしては申し分ない飲みごたえと言えます。

アメリカ、カリフォルニア

ヨーロッパ以外の国でも上質なワインが造られています。こうした国々を「ニューワールド」と呼びますが、アメリカはその筆頭と言っても過言ではないでしょう。

その中でカリフォルニアは生産量の約9割を占めています。その安定的に温暖な気候で育つブドウから造られるワインは糖度が高く酸味の少ない、重厚な味わいであると言われています。

カリニャンが使用されているワインは安価なものが多いので、デイリーワインとして適しています。

チリ

日本で最も輸入量が多い、ワイン生産国です。

「VIGNO(ヴィーニョ)」というプロジェクトによって、それまでチリでは軽視されていたカリニャンが見直され、カリニャンのポテンシャルを引き出そうという動きが活発になっています。

VIGNOのワイン造りにおいては、カリニャンを65%以上使用することが義務付けられているため、チリワインにはカリニャンの味わいを楽しめるものが多くなっています。

カリニャンのおすすめワイン10選

本記事では、2,000円未満と2,000円以上のグループに分け、それぞれ5点ずつおすすめワインをご紹介していきます。

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デイリーワインに!予算2,000円

まずはお手頃価格で購入できるワインからご紹介します。カリニャンワインを試してみたいという方におすすめです。

5位

インドミタ グランレセルバ カリニャン

詳細情報
度数:14 %
味わい:フルボディ
産地:チリ、マウレヴァレー
品種:カリニャン85%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%

チリ産の赤ワインです。カリニャンを85%使用しており、カリニャン特有の味わいが楽しめます。

深みのある色が特徴で、濃厚でコクのあるフルボディの辛口ワインです。アルコールの強いワインが好きな人におすすめです。

4位

クロード・ヴァル

詳細情報
味わい:ミディアムボディ
産地:フランス、ラングドック&ルーシヨン
品種:グルナッシュ50%、カリニャン25%、シラー15%、メルロー10%

ラングドック・ルーション産で、カリニャンを25%使用しています。ミディアムボディなので、ほどよい濃さのワインを楽しみたい方に適しており、いろいろな料理に合わせられるのも魅力です。フルーティーなアロマと果実味、軽快なアタックはカジュアルにワインを味わいたい人におすすめです。

フランス産のワインとしては手を出しやすい価格といえます。「赤ワイン選びで迷ったらこれ」とまで言われるほど、はずれのないワインです。

3位

シャトー・モルナグ

詳細情報
味わい:ミディアムフルボディ
産地:チュニジア、モルナグ
品種:カリニャン、グルナッシュ、ムルヴェードル

アフリカはチュニジア産のカリニャンワインです。やや重厚で骨格のある味わいが特徴です。

カリニャンをグルナッシュ、ムールヴェードル、シラーの3種類のブドウとブレンドしており、豊かな果実の味が楽しめます。洋食のみならず、和食やエスニック料理とさまざまな料理に合うので、「ワインに合わせてメニューを考えるのが面倒」という人におすすめです。

普段の食事からパーティーまで幅広いシーンで飲めるワインです。

2位

ル タン デ ジタン カリニャン

詳細情報
度数:13.5 %
産地:フランス、ラングドック・ルーション
品種:古樹カリニャン100%

ラングドック・ルーション産のオーガニックワインです。ユーロリーフ、エコセールといった有機製品の認証団体からも認められています。

カリニャンを100%使用しており、スミレの花に似た爽やかなアロマと少ない酸味、ほどよい果実の甘さと旨味が特徴です。ソースなどで濃い目に味付けされた料理にマッチします。

ユーモラスなデザインのボトルが親近感を抱かせます。

1位

ラ・クロワザード レゼルヴ カリニャン ヴィエイユ・ヴィーニュ

詳細情報
度数:13 %
味わい:ミディアムボディ
産地:フランス、ラングドック・ルーション
品種:カリニャン

2,000円未満の価格帯で最もおすすめしたいのが、ラングドック・ルーション生まれの「ラ・クロワザード レゼルヴ カリニャン」です。中程度のコクと濃さのミディアムボディと辛口の味わいは、ステーキなどの肉料理にマッチします。

フレンチオークチップを加えて熟成したことによりバニラのアロマが感じられ、それがアクセントとなっています。複雑な味わいを楽しみたい人におすすめしたい1本です。

2,000円以下のカリニャン比較表

商品画像ラ・クロワザード レゼルヴ カリニャン ヴィエイユ・ヴィーニュ ル タン デ ジタン カリニャンシャトー・モルナグクロード・ヴァルインドミタ グランレセルバ カリニャン
商品名ラ・クロワザード レゼルヴ カリニャン ヴィエイユ・ヴィーニュル タン デ ジタン カリニャンシャトー・モルナグクロード・ヴァルインドミタ グランレセルバ カリニャン
詳細度数:13 %
味わい:ミディアムボディ
産地:フランス、ラングドック・ルーション
品種:カリニャン
度数:13.5 %
産地:フランス、ラングドック・ルーション
品種:古樹カリニャン100%
味わい:ミディアムフルボディ
産地:チュニジア、モルナグ
品種:カリニャン、グルナッシュ、ムルヴェードル
味わい:ミディアムボディ
産地:フランス、ラングドック&ルーシヨン
品種:グルナッシュ50%、カリニャン25%、シラー15%、メルロー10%
度数:14 %
味わい:フルボディ
産地:チリ、マウレヴァレー
品種:カリニャン85%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%
商品リンク詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

来客用やちょっとしたご褒美に!2,000円以上

続いて、カリニャンワインの中では高い価格帯のワインのおすすめ5点のご紹介です。日常的の飲むのに適していますし、特別な日の1本としても遜色ないものばかりです。

5位

ポピュリス・カリニャン

詳細情報
味わい:ミディアムボディ
産地:アメリカ、カリフォルニア
品種:カリニャン

カリフォルニア生まれのカリニャン100%赤ワインです。

カリニャンは有機栽培で育ったものを使用しており、ラズベリーのようなアロマが特徴です。カリニャン本来の味わいを楽しみたい人におすすめです。

4位

ラ グート デュ メートル

詳細情報
味わい:ミディアムライト
産地:フランス、コート・デュ・ローヌ
品種:グルナッシュ、カリニャン、サンソー

コート・デュ・ローヌで造られるオーガニックワインです。カリニャンは30%使用されています。熟成の度合いが感じられるガーネット色と赤色果実の香り、フレッシュな果実の味わい、そして柔らかなアタックが特徴です。

辛口なミディアムボディは、洋食・和食を問わずさまざまな料理に合わせられるので、日常的に楽しめるワインと言えます。

3位

ペリエール コステル ド ニーム

詳細情報
度数:13 %
味わい:フルボディ
産地:フランス、プロヴァンス
品種:カリニャン25%、シラー25%、グルナッシュ25%、ムールヴェドル25%

プロヴァンスで造られるフルボディのワインです。独自の農法で凝縮された果実の味と旨味が特徴です。ボディのふくよかさは優雅さを感じさせます。

ステーキなどの肉料理に合わせて楽しみたい人におすすめです。

コストパフォーマンスも良好です。

2位

コート・デュ・ローヌ ヴィラージュ

詳細情報
度数:15 %
味わい:フルボディ
産地:フランス、ローヌ
品種:シラー、ムールヴェードル、サンソ―、カリニャン

コート・デュ・ローヌ産の赤ワインです。

透明感のない外見が濃厚さを感じさせ、カリニャンのスパイシーさも楽しめる飲みごたえのある1本です。タンニンがしっかりとしながらも、しなやかさも併せ持っています。

肉料理や魚料理と合わせると、相性の良さを発揮します。

「5,000円以上でもおかしくない」という声もあり、コストパフォーマンスの優秀さを伺わせます。

1位

サンタ カロリーナ スペシャリティーズ カリニャン

詳細情報
度数:15 %
味わい:フルボディ
産地:チリ
品種:カリニャン

堂々の第1位は、チリ産の「サンタ カロリーナ スペシャリティーズ カリニャン」です。カリニャンを100%使用している、フルボディの力強いワインです。

ほどよい酸味と渋味、そしてブルーベリーやブラックベリーのような黒色果実の香りと豊かな旨味が感じられます。飲んだ後に長く続く余韻も、このワインの特徴と言えます。

デイリーワインとしてもパーティー用ワインとしてもおすすめできる1本です。

2,000円以上のカリニャン比較表

商品画像サンタ カロリーナ スペシャリティーズ カリニャンコート・デュ・ローヌ ヴィラージュペリエール コステル ド ニームラ グート デュ メートルポピュリス・カリニャン
商品名サンタ カロリーナ スペシャリティーズ カリニャンコート・デュ・ローヌ ヴィラージュペリエール コステル ド ニームラ グート デュ メートルポピュリス・カリニャン
詳細度数:15 %
味わい:フルボディ
産地:チリ
品種:カリニャン
度数:15 %
味わい:フルボディ
産地:フランス、ローヌ
品種:シラー、ムールヴェードル、サンソ―、カリニャン
度数:13 %
味わい:フルボディ
産地:フランス、プロヴァンス
品種:カリニャン25%、シラー25%、グルナッシュ25%、ムールヴェドル25%
味わい:ミディアムライト
産地:フランス、コート・デュ・ローヌ
品種:グルナッシュ、カリニャン、サンソー
味わい:ミディアムボディ
産地:アメリカ、カリフォルニア
品種:カリニャン
商品リンク詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

ペアリングについて

カリニャンは、そのスパイシーで果実味豊かな特徴から、様々な料理とよく合います。

特に、ローストした肉料理やスパイスを効かせた料理との相性が抜群で、燻製肉やスパイシーなラム料理、またはトマトベースのパスタ料理などと合わせると、その風味が一層引き立ちます。

また、カリニャンはやや冷やして提供すると、果実味と酸味がより引き立ち、飲みやすくなります。

デカンタージュも推奨され、特に古いヴィンテージのカリニャンは開けてから少なくとも30分間は空気に触れさせると、その複雑な香りが引き出されます​。

カリニャンまとめ

カリニャンはさまざまな地域で栽培されています。地域ごとの特色が反映され、バリエーション豊かな品質です。

また、かつては低品質なワインの代名詞とされていたカリニャンですが、現在ではその古木から高品質なワインが生産されるようになり、特にフランスやスペインの限られた地域では再評価されています。

全体的に無理なく買える価格のものばかりなので、本記事でご紹介した10商品以外もどんどんチャレンジしてみてください。

他の赤ワイン品種も知りたい方はこちらをどうぞ。

赤ワインのぶどう品種一覧


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