「マルベックってどんな品種?」
「マルベックのおすすめワインは?」
アルゼンチンを代表するブドウ品種であるマルベック。
マルベックはその濃色なワインの色合いから「黒ワイン」と呼ばれることもあります。
この記事では、そんなマルベックの特徴やおすすめ銘柄、合わせる料理などについて解説していきます。
ぜひワイン選びの参考にしてください。
マルベックとは
マルベック(Malbec)は、フランス南西部・カオール地方原産の黒ブドウ品種です。
マルベックから作られるワインはその色調の濃さから「黒ワイン」とも呼ばれています。
味わいは凝縮感があり、アルコール度数も高くパワフルに仕上がることが多いです。
フランスで生まれたブドウ品種ではありますが、現在はアルゼンチンがマルベックの一大生産地となっています。
その栽培面積はマルベック全体の90%程度と圧倒的です。
マルベックはなぜアルゼンチンで栽培されている?
フランス生まれのブドウ品種であるマルベック。
なぜマルベックはアルゼンチンで栽培されるようになったのでしょうか?
そこには、マルベックの品種特性とアルゼンチンの気候風土に秘密があるのです。
フランス生まれのマルベックはカオールを中心に、一時はフランス全土で栽培が行われていました。
マルベックは冷涼な気候や霜、病害などに弱く、栽培には場所を選ぶ品種とされています。
1956年にフランスのワイン業界を襲った冷害により、フランス内でのマルベック栽培は急激に落ち込みました。
その一方で、アルゼンチンに運び込まれたマルベックは大いに発展を遂げることとなります。
アルゼンチンの気候は大陸性気候
アルゼンチンの気候は「大陸性気候」と呼ばれ、温暖で日射量が豊富であり、空気が乾燥していて病害が少ない点が特徴です。
この気候風土はマルベックの栽培には最適で、果実味が豊かで酸味もしっかりとしたブドウが仕上がります。
また、マルベックから作られるボリューミーな赤ワインが、牛肉の消費量が多いアルゼンチンの食文化とうまく重なったことも栽培面積拡大の理由のひとつです。
マルベックのシノニム
マルベックにはいくつかのシノニムが存在します。
シノニムとは、ブドウ品種の別名のこと。
マルベックは地域によって、以下のように呼び名が変わります。
シノニム | 地域 |
---|---|
マルベック | 共通 |
コー/コット | フランス・ボルドー |
オーセロワ | フランス・カオール |
マルベックの特徴
果実味豊かで力強い味わい
マルベックを使ったワインは、赤ワインらしい力強さが大きな魅力です。
ブドウらしい豊かな果実味が強く、タンニンはしっかりとしており酸味も強め。
ワインの色は黒味を感じる濃い赤で、渋くかたい印象のワインです。
比較的若いうちからも楽しめますが、熟成によって複雑な果実味や甘みを生み出すようになります。
若いマルベックはブラックベリーやプラム、スミレなど華やかな風味が特徴。
熟成されたマルベックはスパイスやなめし皮などの風味が加わり、ボルドーの赤ワインにも似た完成度の高い味わいに変化を遂げます。
マルベックの主要産地はアルゼンチンとフランス・カオール地方です。
また、ボルドー地方では赤ワインのブレンドの1品種として活躍しています。
黒ワインと言われるほど濃い色で有名
マルベックは「黒ワイン」と称されるほど、その深い色合いが印象的です。
この黒みがかったワインの色は、マルベックの果皮に由来しています。
マルベックは小粒ですが、皮の色が非常に濃くブドウの段階から黒みがかっているのが特徴。
色が黒いだけでなく皮の厚みもあり、渋みの成分であるタンニンや、色素であるポリフェノールが豊富に含まれています。
このマルベックの黒くて厚みのある果皮によって、ボリューム感のあるパワフルな黒ワインが生み出されているのです。
マルベックとカベルネやシラーの違い
マルベック、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーは、いずれも赤ワイン用の主要ブドウ品種ですが、それぞれに特徴的な違いがあります。
以下の表で主な特徴を比較してみましょう。
特徴 | マルベック | カベルネ・ソーヴィニヨン | シラー |
---|---|---|---|
色調 | 非常に濃い | 濃い | 濃い |
タンニン | 中程度 | 強い | 中程度 |
酸味 | 中程度 | 高い | 中程度〜高い |
果実味 | 濃厚 | 凝縮した | スパイシー |
代表的な香り | ブラックベリー、プラム | カシス、ハーブ | 黒胡椒、ブラックチェリー |
主な産地 | アルゼンチン、フランス南西部 | ボルドー、世界各地 | ローヌ、オーストラリア |
マルベックは「黒ワイン」と呼ばれるほど濃い色調が特徴で、フルボディで果実味豊かです。
カベルネ・ソーヴィニヨンは強いタンニンと高い酸味が特徴で、長期熟成に向いています。
シラーはスパイシーな香りと、冷涼地域では黒胡椒のニュアンス、温暖地域では熟した果実味が特徴です。
これらの品種は単独でも、ブレンドでも使用され、それぞれ個性的なワインを生み出します。
マルベックの選び方
こちらでマルベックの選び方をご紹介します。
選び方のポイントは以下の3つです。
・単一かブレンドで選ぶ
・値段で選ぶ
以下で順に解説していきます。
産地で選ぶ
圧倒的な生産量を誇るアルゼンチン産
マルベックはアルゼンチンの赤ワイン用品種としては生産量第1位です。
国内のブドウ栽培地の3割以上がマルベックであり、ふくよかなボディと濃厚な果実味が特徴です。
また、昼夜の寒暖差から引き締まった酸味が生まれ、標高の高い場所で栽培されるマルベックはさらに豊かな香りとスパイシーなニュアンスが加わります。
アルゼンチンは世界一の牛肉大国で、アルゼンチン産のマルベックは特に牛肉との相性が抜群です。
岩塩だけで味を整え、シンプルに炭火で焼いただけのステーキや、ペッパーソース などあまり手を加えないシンプルで豪快なステーキとマリアージュを楽しめるでしょう。
ラムチョップやポークグリルなどともよく合います。
フランス・カオール
西南地方のカオールは、フランス国内で「コストパフォーマンスの高いワイン」として親しまれています。
カオールを名乗るためには、マルベック(コー)を70%以上使用しなくてはなりません。
カオールワインは非常に濃い色調から、「黒ワイン」とも呼ばれています。
重圧感があり凝縮した果実味としっかりとしたタンニンが特徴で、飲みごたえのあるワインです。
若過ぎるとワイルドで荒々しく硬い印象ですが、熟成によりタンニンが柔らかくなり滑らかでエレガントな印象のワインに変化していきます。
カオールは比較的高級なワインの特徴を持ちながら、価格帯は大変リーズナブルで気軽に購入出来る点も魅力です。
濃厚でパワフルなカオールは、同じ西南地方の郷土料理である鴨肉のコンフィやカスレ(肉、ソーセージ、白インゲン豆の煮込み)との組み合わせがおすすめ。
またロッシーニステーキとマリアージュを楽しめます。
フランス・ボルドー
フランスではカオール地方の他に、ボルドー地方でもマルベックは栽培されています。
ボルドー地方と言えば、5大シャトーに代表されるフルボディな赤ワインが有名です。
ボルドーの赤ワインにはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどが主体として使われています。
ボルドーにおいてマルベックは、どちらかというとブレンド品種として使われることが多いです。
上品でコクのあるボルドーワインに、より濃密で力強いニュアンスを加えるためにマルベックが使用されます。
単一かブレンドで選ぶ
マルベックを使った赤ワインは、マルベック単体のものと複数のブドウ品種がブレンドされた銘柄があります。
マルベック単体のワインは、マルベック固有の特徴を楽しみたい方におすすめです。
力強くコク深いマルベックの個性を楽しむことができるでしょう。
一方で、ボルドー地方を中心に、マルベックをブレンドしたワインも少なくありません。
そのため、作り手の技術が光るバランスの良さがマルベックをブレンドしたワインの魅力と言えるでしょう。
また、ブレンドされたワインからは当然マルベックだけでなく、様々なブドウ品種の特徴を感じます。
ある程度ワインの知識がある方は、ブレンドワインを飲むことでマルベックと他のブドウ品種の違いを楽しむことができるでしょう。
値段で選ぶ
一般的にマルベックの価格帯はそう幅広くなく、ボリュームゾーンは1,000円台~2,000円台です。
また、高額商品に対するニーズも日本では多くないため、5,000円以内で上等な一本を選ぶことができます。
マルベックのおすすめワイン15選
ここからはソムリエが厳選したマルベックの赤ワインを各5本ずつ紹介します。
アルゼンチン産、カオール産、ボルドー産と、それぞれの産地ごとに分けてピックアップしましたので、ぜひご参考ください。
- ・高い
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とにかく濃い! アルゼンチンのおすすめマルベック5選
アルゼンチン産マルベックの大きな特徴は「とにかく濃い!」ということ。
ごく少数の例外をのぞいて、100%マルベックを使用したワインばかり。
「庶民価格でも品質は最高」。そんなコスパの高さを求めるなら、アルゼンチン産マルベックで決まりです。
5位
アルゼンチンの一大ワイン産地であるメンドーサ州のマルベックを使用。
豊かなミネラルを含む雪解け水、農薬に頼らないワイン造りを行っています。
鮮やかな赤紫色の外観があり、黒いベリー系の果実やタバコ、スパイスなどの香りが特徴。
味わいにはいきいきとした果実味と渋みが感じられ、マルベックらしさを堪能できるフルボディな仕上がりです。
香り | ブラックベリー、プラム |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★★ |
4位
安くておいしい、コスパの高いチリワインの代表格として世界的な人気を誇るモンテス。
そのモンテス社が優れたマルベック品種を求めてアルゼンチンにワイナリーを開き、醸造しているのがカイケン・マルベック・レゼルヴァです。
アルゼンチンのマルベックの名に恥じない凝縮された果実味にしっかりとしたタンニンがプラスされています。
バランスが秀逸なワインなので、飲む人を選ばないマルベックといえるでしょう。
ただし、アルゼンチンのマルベックとしては珍しくカベルネ種をブレンドしているので、純粋にマルベックの風味を楽しみたい人はランキング上位のワインをおすすめします。
香り | ブラックベリー、スミレ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★★ |
3位
アルゼンチン産ワインとして日本で一番飲まれているのがボデガ・ノートンです。
同社がマルベックに力を注ぎ始めたのは1992年。
2010年には国内NO.1ワインブランド、2011年にはベスト・ニューワールド・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされるなど、アルゼンチンを代表するワイナリーへと成長を遂げています。
アンデスの雪解け水をたっぷり吸って完熟したマルベックはミントのアロマを感じさせます。
愛と情熱を込めて造られたマルベックには「タンゴ」という名前がぴったりです。
香り | ブラックチェリー、スペアミント |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
2位
アルゼンチンワインの生みの親とも言われるソテロ・アリスがアンデス山麓にマルベックの木を植えたのが1929年。
それ以来マルベックが完熟するのにふさわしい土地を求めて植樹と研究が続けられました。
標高1,000メートルのメンドーサ州ヴィスタルバに根付いたマルベックは、1999年にテラザス・デ・ロス・アンデス社のレゼルヴァ・マルベックとして花開きます。
昼夜の寒暖差に育まれ、完璧に熟したマルベックが放つスミレの香りとダークチェリーのジャムを想わせるふくよかな果実感は、アルゼンチンのマルベックを象徴するワインだといえるでしょう。
香り | カシス、プラム |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★★ |
1位
アルゼンチン屈指の銘醸地であるメンドーサ州。そのトップワイナリーとして君臨するのがトラピチェです。
かつては国内消費用の日常使いワインの生産が多かったアルゼンチンですが、トラピチェが率先してヨーロッパのワイン造りの哲学を取り入れて以降、ワインのレベルが一気に底上げされたといわれています。
「オークカスク 」の名前のとおり、オーク樽で熟成させたマルベック100%の赤ワインです。
マルベックの野性味あふれる風味に、オーク樽が醸し出す柔らかなバニラ系のアロマが加わります。
タンニンの渋みだけではない、複雑な味わいを楽しむなら最適の一本といえるでしょう。
香り | ブラックベリー、バニラ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★★ |
しっかりフルボディ!カオールのおすすめマルベック5選
マルベックの原産地であるカオールのマルベックは、しっかりとしたフルボディが持ち味です。
フランス南西地方の顔ともいうべきカオール赤ワインの中からコスパにも優れたおすすめのワインを紹介しましょう。
5位
第5位はシャトー・ピネレのロタンティーク。
シャトー・ピネレを営むビュルク家は、カオールで350年前からブドウを栽培し、家族6代に渡ってカオールワインを造り続けてきた名門。
まさに「ロタンティーク(正統派)」という名にふさわしいワインです。
渋みとコクのバランスが良くややミディアムボディな仕上がり。
マルベックの個性であるどっしりしたタンニンを楽しみたい人には、後述する上位のワインがおすすめです。
香り | カシス、ブラックチェリー |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
4位
グレヨン・カオール・マルベック
第4位はジョルジュ・ヴィグルーのグレヨン。
ジョルジュ・ヴィグルーはカオールで4世代に渡り上質のマルベックワインを醸造してきたワイナリーです。
熟したブラックチェリーの香りと果実感たっぷりのフルボディな味わいがこのワインの魅力。
アッシェ・パルマンティエ(細かく刻んだ牛肉・きのこ・ポテトのピューレにたっぷりチーズを乗せて焼き上げた、フランスの国民的家庭料理)や牛肉の赤ワイン煮込みなど、こってりとした料理と相性抜群です。
香り | ブラックベリー、プラム |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
3位
第3位はシャトー・ラグレゼットのパープル。
マルベック90%にメルロ10%をブレンドしています。
主役はあくまでマルベックで、ボディのしっかりした骨太なワインといえますが、メルロを10%ブレンドすることで、マルベック本来の果実味やタンニンをそこなわずにソフトさが加わっています。
香り | プラム、ハーブ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
2位
第2位はカオールの名門シャトー、ラマルティーヌの1本。
オーセロワ(マルベックの別称)80%にメルロ20%をブレンドしました。
豊満な果実味は維持しつつ、まろやかなタンニンを感じる仕上がりです。
非常に繊細な口当たりですので、タンニンがしっかりした渋みの強い赤があまり得意ではない方にもおすすめです。
香り | ブラックベリー、レッドプラム |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★☆☆ |
1位
第1位はカオール産マルベックとして世界的に評価の高いガリオッタンです。
レ・シタデル・デュ・ヴァン2012金賞、チャレンジ・インターナショナル・デュ・ヴァン2011銀賞など、世界の名だたるワインコンクールでトップクラスの成績を誇っています。
ブレンドはせずマルベックだけで造っているのでフルボディの凝縮された果実味をたっぷり堪能できるでしょう。
持ち味であるプラムやラズベリーの芳香と濁りのない酸味には、牛肉グリルや酢豚、ジビエ料理など味の濃い料理がマッチします。
香り | ブラックベリー、熟れたブルーベリー |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★★ |
縁の下の力持ち!ボルドーのおすすめマルベック5選
ボルドー地方のマルベックはあくまでもブレンド品種。
しかしながら、少しだけマルベックを使うだけで果実味やタンニンが増すことから、頼りになる縁の下の力持ちとして重宝されています。
5位
クロ・レオ カン・ヴァン
ボルドーの名門ワイナリーと日本人ワイン醸造家がコラボして生まれたワイン。
メルローを主体に、マルベックやカベルネソーヴィニヨン、カベルネフランをブレンドしています。
カシスを思わせるようなフレッシュな香りと、甘味と旨味をしみじみと感じるコク深い味わいが魅力です。
ミネラルを感じる酸味もあるため、濃厚でありながらしなやかで上品な飲み口を楽しめるでしょう。
香り | ブラックベリー、スミレ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★★ |
4位
メルロ75%にカベルネ・ソーヴィニヨン15%、マルベック10%をブレンドしたシャトー・バルベ。
力強いファーストアタックとなめらかなタンニン、完熟ベリーのアロマが見事にミックス。
ボルドー・アキテーヌ・ワインコンクール2011金賞を受賞するなど、南西地方の赤のなかでも安定した品質が高く評価されています。
香り | プラム、ブラックチェリー |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
3位
第3位はジャン・フランソワ・メイナールがオーナー醸造家をつとめるシャトー・ロック・ル・メインです。
玉石混交ともいわれるカスティヨン・コート・ド・ボルドーのなかで、フランス国内のコンクール14年連続金賞受賞という輝かしい成績をあげている特別な一本。
ブラックフルーツを感じる濃厚な果実味と控えめな酸味、そして適度なスパイシーさが絶妙なバランスで共存するコストパフォーマンスに優れたワインです。
香り | ブラックベリー、スパイス |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
2位
第2位のシャトー・ピュイグローは、ボルドー地方でもプレミアムなワインの一つ「シャトー・ル・パン」のオーナー、ティエンポン家が造る一本。
このシャトーはもともと荒廃した畑でしたが、粘土石灰質の豊富な土壌を生かせるよう30年かけて土壌改良や品種植え替えに奮闘。
その結果ファーストヴィンテージとなる1983年には優れた栽培地へと変貌を遂げました。
ボルドー地方における一般的なマルベックのブレンド割合と同様、ピュイグローも5%だけマルベックを使用。
ほとんど隠し味程度ですが、それでもマルベックの存在感は消えません。濃厚なタンニンによる渋みが、ボリューム感にふくらみをもたせています。
香り | プラム、スミレ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
1位
シャトー・ラ・ヴァラド
ランキング第1位は、マルベックを5%ブレンドしたシャトー・ラ・ヴァラド。
伝統的な醸造法によってブドウの果実味をシンプルに引き出すことを持ち味とするシャトーです。
樽でなくコンクリートタンクで熟成させるため、ブドウ本来の自然なアロマを楽しむことができます。
ブレンドの主要品種はメルロで87%使用。
まろやかで繊細な風味にマルベックのタンニンがわずかにプラスされ、エレガントかつ複雑な味わいを楽しめるワインです。
香り | ブラックチェリー、スミレ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
マルベックのワインに合う料理
マルベックはとにかく肉料理との相性が抜群!
ぜひマルベックを飲む機会には、ボリューミーな肉料理を合わせてみてください。
こちらでマルベックに合わせるおすすめの肉料理をご紹介しますので、ご参考ください。
ステーキ肉
マルベックとステーキ肉は鉄板の組み合わせです。
アルゼンチンは牛肉消費量が世界一の国で、その消費量は日本人の10倍とも言われています。
そんなアルゼンチンの肉料理の王道は分厚い厚切りステーキ。
「アサード」と呼ばれる、炭火で焼き上げて塩で味付けしたシンプルな肉料理がアルゼンチンの国民食です。
豪快な肉塊とパワフルなマルベックワインの組み合わせを、ぜひお試しください!
ラムチョップ
柔らかな食感と独特な風味が特徴のラム肉。
ジューシーな脂身を持つラム肉は、ボリューム感のある赤ワインと相性ピッタリです。
渋みと果実味豊かなマルベックと合わせることで、ラムの脂身をなめらかにして肉の旨味を引き出してくれます。
シンプルなラムチョップには若いマルベックを、ハーブやスパイスの効いたものには熟成タイプのマルベックがおすすめ。
ビーフシチュー
深いコクと旨味が楽しめるビーフシチュー。
そんなビーフシチューにはフルボディの赤ワインを合わせるのが王道です。
しっかりと煮込まれたビーフシチューにはカオールの黒ワインを合わせてみてはいかがでしょうか。
マルベックの持つ豊かな渋みと果実味が、ビーフシチューのコクと渾然一体となり味わいにさらなる奥行きを生み出してくれます。
土手煮込み
名古屋のソウルフードである土手煮込み。
八丁味噌で煮込まれた深い味わいのホルモンや野菜は、コクのある赤ワインとよく合います。
土手煮込みは郷土料理なので、合わせるマルベックもカジュアルタイプがおすすめです。
オリーブオイルや黒コショウなどをちょい足しすることで、ぐっとワインとの相性が良くなります。
ソースかつ
とんかつは近年世界中で人気が高まっている日本の肉料理。
甘辛いソースを纏ったソースかつは、赤ワインとの組み合わせが最高です。
ソースかつの持つ甘味・塩味・旨味に、赤ワインの渋味・酸味が加わることで味わい全体のバランスが非常に良くなります。
甘辛いソースの味わいに合わせ、果実味が豊かな若いマルベックを合わせると良いでしょう。
マルベックは肉料理と相性抜群な力強い赤ワイン!
マルベックは赤ワインの幅広い個性を知るにはもってこいのブドウ品種です。
深く濃い色調としっかり感じられるタンニン、そして濃厚な果実味。
このパワフルな風味はマルベックならではのもので、熱狂的なファンがいるのもうなずけます。
そんなマルベックはがっつりとした肉料理や濃い目の味付けの料理と相性抜群です。
ちょっとした煮込み料理ならボルドー地方産、野性味あふれるジビエならカオール産、ステーキなどがっつり肉料理を食べたいならアルゼンチン産と、それぞれの産地ごとの個性に応じてマルベックを楽しんではいかがですか!?
他の赤ワイン品種や赤ワインについてもっと知りたい方はこちらをどうぞ。
>>【ソムリエ監修】アルゼンチンのおすすめ赤ワイン20選!特徴から選び方まで解説
>>【ソムリエ監修】フルボディとは?フルボディのおすすめ赤ワイン20選と合わせて解説
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