「プレゼントで高いワインを探しているけどどれがいいか分からない」
「そもそも高級ワインって普通のワインと具体的に何が違うの?」
上記のようにお考えの方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、最高級ワインの銘柄を紹介していきます。
他のワインとの違いなども解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
高級ワインの定義とは?
これはつまるところ、人による「高級」の尺度次第だと言えます。
実際にワイン業界でも、明確に「値段」「製造方法」「ブドウ品種」といった類の観点で高級ワインと区分はされていません。
つまり、数万円以上とわかりやすく高い商品も高級ワインですし、デイリーワインとしては一般的に買いづらい3,000円以上のものも高級ワインと言えるということ。
ただ、ワイン業界内の共通理解でいうとおよそ1万円〜が高級ワインのラインと言えるでしょう。
そのため、今回紹介する銘柄も、全て1万円以上のものをチョイスしています。
高級ワインとなる要素
高級ワインは、通常のワインと一体何が違うのでしょうか。
勘のいい方はおそらく「原価が高い」や「希少だから」と考えるに違いないでしょう。
ここでは、そんな高級ワインとなる4 つの要素を解説していきます。
【その1】ブドウの質
皆さんご存知の通り、基本的にワインはブドウのみから造られる醸造酒。
日本酒やウイスキーのような加水による風味やアルコール調整を行わないため、ブドウの出来が最終的なワインの品質を大きく左右します。
高級ワインと言われるものの原料となるブドウに共通するのは「健全に成熟し、凝縮感のあるブドウを使っていること」です。
こうしたブドウから造られたワインは渋みの元となるタンニン、骨格の元となる酸、芳醇な香りの元となる芳香成分に富んでいます。
【その2】長期熟成能力
ブドウに含まれる有機酸(ワインの酸味を構成)やポリフェノール類(タンニンやアントシアニンなど)が豊富なほど、ワインの長期熟成能力は高まります。
ワインの熟成が進むにつれ味わいは丸みを帯び、繊細かつ複雑な芳香を醸すようになります。
長期熟成によって生まれる、なめし革、シガー、腐葉土、ナッツ、出汁、ドライフルーツといったアロマは、ブーケ(第3アロマ)と呼ばれるものになります。
一見、魅力に欠ける風味も混じっていますがワインに限っては別の話です。
ワインラバーの中には、このブーケに魅了されて深淵なワインの世界に足を踏み入れた人も少なくありません。
【その3】希少性
何事もそうですが、高級とつくもので大量生産によって誰でも簡単に手に入るものはありませんよね。
こうしたものに共通するのはその「希少性」です。
高級ワインに分類されるものは、主にスーパーやコンビニに陳列されているものと比べるとはるかに生産本数が少ないです。
実際に、1ha(100m×100m)の畑から造られるワインの本数を比べると、高級ワインはおよそカジュアルワインの1/4〜1/6とまで言われています。
よくアイスワインや貴腐ワインが高い傾向にあるのも、一つのブドウ樹からグラス一杯程度しか造られないためです。
【その4】歴史やブランドと評価
ロマネ・コンティを筆頭に、5大シャトーやオーパス・ワンといった有名銘柄にはワインの歴史を語る上で欠かせないストーリーがあります。
そして、その名を聞くだけで「高級」と思わせるブランディングにも、莫大な広告費をかけることで成功したとも言えるでしょう。
また、一時のワイン業界に多大な影響を与えたワイン評論家のロバート・パーカーをはじめ、ワイン鑑評会や雑誌で高評価を得たものはそれだけで価値が上がります。
原料や希少性もそうですが、何よりワインを取り巻く市場の力が何より「高級ワイン」というものに影響していると言えるでしょう。
高級ワインが高い理由
これまでは高級ワインとなる主な要素を4つ紹介してきました。
次は、これほど高級ワインの価格が高くなる理由を解説していきたいと思います。
【その1】市場の影響力
需要に対し供給が限定されている場合、価格は本来のコスト以上になりますが、これがまさに「市場の影響力」でしょう。
ここ数十年でボルドーやブルゴーニュのワインの価格が軒並み高騰しているのは、需要が供給を上回っているからです。
加えて近年は、温暖化による収量低下ゆえの生産量の減少、世界情勢といった複雑多岐にわたる要因が価格に反映されています。
供給が減りつつも高級ワインを嗜む人口は新興国を中心に著しく増え続けています。
今後もこうした市場の影響力が価格に大きく反映されていくのは間違いありません。
【その2】土地代
土地の場所にもよりますが、上質ワイン、高級ワインとなるものは土地代そのものが非常に高いです。
実際に高級ワイン産地の仏・ブルゴーニュを見てみると、近年特に畑の値段が高騰しています。
フランスの牧地や通常の農地では高くても100万円/haほどらしいですが、なんと高級ワインを生む畑ともなると数億〜数百億近くなる場所もあるほど。
ブルゴーニュは少し例外的でもありますが、それでもなお高級ワインを輩出する場所において土地代は少なからず価格に反映されています。
【その3】人件費
生産コストの中で1番高いとされているのが「人件費」。
中でも特に人手のかかる作業が「収穫」となります。
現代では技術の発展もあり、機械化が進められたことで時間もお金も節約絵できるようになりましたが、斜面などの畑の条件下では機械を使用できません。
しかし、皮肉にも上質なブドウは急勾配の畑から生まれるため、平地と比べて栽培費用が高くなるにもかかわらず、斜面にブドウ畑を築く生産者は多いのです。
【その4】その他コスト
土地代や人件費に加え、ワインを造る上では発酵方法、熟成方法、樽代、瓶詰め代、熟成管理、機械維持費など、多岐にわたるコストが一つのボトル価格に反映されています。
そして高級ワインほどこの辺りのこだわりが優れているのは言うまでもありません。
新しい樽は一つ10万円は降りませんし、発酵にも天然酵母を使用することで特有の風味を醸せるようになりますが、同時に管理難易度も上がり、下手すると腐造にもつながります。
ブドウや土地の質も大事ですが、こうした生産者の精緻な技も高級ワインには欠かせません。
高級ワインといえばこれ!
高級ワインの中には、ワイン好きであればまず頭をよぎる超有名銘柄というものがあります。
これだけおさえておけばまず、ワイン教養として申し分ない高級ワイン銘柄ばかりです。
それぞれの味わいはまた後ほど紹介するので、ここでは各ワインの概要のみ紹介していきます。
DRC ロマネコンティ
わずか1.8haの畑から生まれる世界で最も高級なワインの一つとして名高いのが「ロマネ・コンティ」です。
耕作には馬を用い、近年話題のオーガニックや自然派といった風潮の前から農薬や除草剤は一切使わない「ビオディナミ農法」を採用しています。
年間生産本数はわずか6,000本程度。
世界の高級ワイン需要は中国や新興国を中心に高まるばかりなので、今後もさらなる価格の高騰が見込まれています。
また、高級水であるシャテルドンと一緒に、ルイ14世の持病の治療薬として毎日スプーン一杯のロマネ・コンティが処方されていたという逸話も話のネタとして覚える価値ありです。
5大シャトー
よくお正月の芸能人格付け番組のブラインドワインとして使用されるため、それでお馴染みの方も多いのではないでしょうか。
1855年当時、イギリスを中心に人気だったボルドー・メドック地区ワインの取引価格に応じて生産者の格付けが行われました。
そこで1級〜5級に61シャトーが分類され、その中でもトップの1級に位置する5つが日本では5大シャトーの愛称で親しまれています。
しかしながら、「そんな前の評価が今も続いているの!?」とツッコみたくなりますよね。
実際、何度かその位置に甘んじて評価を落としたシャトーもあり、今もなおこの格付けには賛否両論あります。
とは言え、格付けに位置する5大シャトーの味わいは間違いなくどれも一級品ですし、ヴィンテージによっては手に入りやすいものもあるので是非一度味わいたいですね。
シャトー・ムートン・ロートシルト
シャトー・ラフィット・ロートシルト
シャトー・ラトゥール
シャトー・マルゴー
シャトー・オーブリオン
オーパス・ワン
カリフォルニアワインの発展に尽力し、「カリフォルニアワインの父」として評されたロバート・モンダヴィ氏。
メドック格付け第1級のシャトー・ムートン・ロートシルトのオーナーであるロートシルト男爵。
この2人の巨匠がタッグを組み生み出した、世界で最も有名なアメリカワインが「オーパス・ワン」です。
オーパス・ワンの意味は「作品番号第1」で、2人の巨匠の新たな挑戦に対する強い思いが込められています。
その為、何か門出を祝う際の縁起のいいプレゼントとしても大変人気のある一本となっています。
モンラッシェ
最高峰の赤ワインがロマネ・コンティならば、最高峰の白ワインは「モンラッシェ」と言えるでしょう。
「白ワインの王様」と称され、三銃士の著者として有名なアレクサンドル・デュマが「ひざまづき、脱帽して飲むべし」とまで語っています。
モンラッシェとは、ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村ににまたがるグラン・クリュ(特級畑)の名前。
グラン・クリュに格付けされているワインは、ブルゴーニュのワイン生産量の中のたった1%程度となっており、どれだけ希少なのかが分かります。
シャンパーニュの父とされるドン・ピエール・ペリニヨンが生んだことから名付けられた「ドン・ペリニヨン」。
ドン・ペリニヨンの歴史はシャンパーニュの歴史。
彼によってシャンパーニュ製法の礎が築かれたと言っても過言ではありません。
また、作柄に恵まれた年のみしか生産しないヴィンテージ・シャンパーニュのため、生産本数も少ない上、何十年の長期熟成も可能な一本。
夜のお店で簡単に開けられるイメージが強いかもしれませんが、その品質は間違いなくシャンパーニュの中でもトップクラスです。
最高級ワイン20選を価格別・種類別に紹介
さて、それでは高級ワインのおすすめ銘柄を価格と種類別に分けて紹介していきたいと思います。
当記事では、「小売平均価格1万円以上」「ワイン初心者も知っておいて損はない高級ワイン銘柄」を基準に選んでいます。
ワイン教養としてぜひ、この機会に覚えておいてくださいね。
高級赤ワイン6選
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世界的有名ワイン誌にて90点を下回ったことのない安定感。
一方で、年間TOP100のランキングでは歴代唯一の1位を2度獲得した品質を誇るワインがこの「ケイマス」。
ナパヴァレーを代表する高級赤ワインをぜひお試しください。
香り | ドライフルーツ、ココナッツ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★★ |
渋み | ★★★★★ |
オーパス・ワン
アメリカを代表する高級赤ワインといえば「オーパス・ワン」。
最新ヴィンテージの2018年はここ最近の中でも特に天候に恵まれたグレートヴィンテージ。
フランスとアメリカの両方の良さがうまく交わった、巨匠2人の至極の一本です。
味わい
熟度を感じるブルーベリー、ブラックベリー、プラムの果実味に、リコリスやクローブのスパイス香がうまく溶け込んでいます。
今すぐ飲んでも美味しくいただけますが、さらに10〜20年ほどは熟成の余地も感じさせてくれます。
熟成によって徐々に奥深さに磨きがかかり、また別の顔を見せてくれますよ。
原産国 | アメリカ |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネフラン、メルロー、プティ・ヴェルド、マルベック |
サッシカイア
スーパータスカンとしてイタリアワインに革新を起こした元祖の「サッシカイア」。
ブラインドで出されたら、まさに5大シャトーを思わせる洗練された香味に驚きます。
クラシカルなタイプなため、少しこなれたワインが好きな方には気に入っていただけると思います。
味わい
フレッシュなベリーにカシス、ミントやスギを思わせる香りが味わいに奥行きと複雑味を与えてくれています。
若いヴィンテージだと、2、3日後の方が本領発揮したサッシカイアを楽しめるかもしれません。
熟成が進むにつれて醸される独特の皮革、腐葉土、出汁感も期待できるようなポテンシャルの高いワインです。
原産国 | イタリア |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネフラン |
ウニコ
スペインが誇る最高峰のワインが「ウニコ」。
ウニコの最大の特徴はなんと言っても、通常の赤ワインでは考えられない熟成期間。
樽熟成では大樽から小樽、古樽から新樽まで幅広く使い分け、瓶内熟成まで含めるとなんと10年以上もの歳月をかけてようやくリリースされています。
味わい
ジューシーなプラム、ブラックベリーといった果実味にややレーズン、イチジクといったドライな印象も感じられます。
余韻にかけて広がるバルサミコ、リコリス、タバコといった複雑なアロマに上質な酸味、円みのあるタンニンが上品にまとまります。
情熱の国スペインとは思えないほど、その官能的な味わいはまさに「ウニコ(唯一)」という名にぴったりです。
原産国 | スペイン |
品種 | テンプラニーリョ、カベルネソーヴィニヨン |
シャトー・ムートン・ロートシルト
味わいのみならずラベルアートも魅力の「シャトー・ムートン・ロートシルト」。
毎年著名な画家にラベルデザインをお願いするというユニークな取り組みをしています。
今回紹介している2015年はドイツの有名画家ゲルハルトリヒターが務めており、多彩な色彩となめらかな動きはワインの味わいと非常にマッチしています。
また、かつて例外的に2級から1級にムートンを押し上げた功労者のフィリップ・ロートシルトの次の言葉は、ワイン界隈では有名な名言となっています。
余は一級であり、かつては二級であった、されどムートンは不変なり
味わい
5大シャトーの中で、最も力強くふくよかで豪勢なワインと言われています。
上質なボルドーワインらしい上品な黒系果実にリコリスやクローブのスパイス香、トーストや杉の香味が奥行きをもたらしています。
また、2015年のボルドーは天候に恵まれたグレートヴィンテージです。
そのため、さらなる熟成も期待できる一本となっています。
原産国 | フランス |
品種 | カベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン |
シャトー・マルゴー
歴代シャトー・マルゴーの中でも最好評の2015年。
その最大の理由は、30年以上にわたりマルゴーを支えてきた総支配人ポール・ポンタリエ氏が手がけたラストヴィンテージゆえ。
また、文豪ヘミングウェイはシャトー・マルゴーをこよなく愛していたことで知られており、孫娘に英語表記で「マーゴ」と名付けたのは有名な話です。
味わい
5大シャトーで最も女性的と評される「シャトー・マルゴー」。
多彩なベリー系のアロマに上品なスパイス香が交わり、エレガントながらもどこか力強さや濃縮感も感じる一品。
なめらかな口当たりに始まり、口中で感じる全ての要素がまとまった一体感、そして優美な余韻は圧巻です。
原産国 | フランス |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフラン、プティ・ヴェルド |
シャトー・オーブリオン
5大シャトーで最もエレガントと評されるのが「シャトー・オーブリオン」。
唯一メドック地区以外から格付けに選出され、ロバートパーカーからはワイナリーの取り組みに対し高い評価をもらうほど、安定感あるシャトーとして知られます。
また、5大シャトーの中でも特にワイン通が好むような玄人感ある味わいだと個人的に感じています。
味わい
その他のシャトーと比べ、メルローの比率が高いことが力強さよりもエレガントさが感じられる所以となっています。
カシスに腐葉土やスギの奥深い熟成香が感じられ、タンニンは力強さがありながらも綺麗に馴染んでいます。
余韻に広がる繊細で複雑なアロマに、他とは違うどこか上品な印象を受けるでしょう。
原産国 | フランス |
品種 | メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネフラン |
高級白ワイン5選
5位 エゴン・ミュラー シャルツホーフベルガー リースリング
「ドイツのロマネ・コンティ」とまで讃えられる一品が「エゴン・ミュラー シャルツホーフベルガー」。
シャルツホーフベルガーと呼ばれる単一畑は言わずと知れたリースリングの銘醸畑。
またその近隣のブラウネ・クップの2ヶ所のブドウを使うことで、見事なバランスに仕上がっています。
味わい
りんごの蜜やお花を思わせる華やかな香味に、キリッと線の通ったミネラル感が印象的な中辛口ワイン。
ふくよかな果実味にほんのり優しい甘味とシャープな酸味が余韻に続き、これぞリースリングと思わせてくれる一本です。
また、女性へのプレゼントで絶対にハズしたくない方は、このエゴン・ミュラーをおすすめします。
原産国 | ドイツ |
品種 | リースリング |
4位 クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン
「ロワール地方のモンラッシェ」と評される「クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン」。
ビオディナミの伝道師とされるニコラ・ジョリー氏の哲学が集約されています。
近年は、ニコラ氏の愛娘であるヴィルジニー・ジョリー氏が栽培・醸造に関わり、より女性らしい繊細さと柔らかさが加わったと評価されています。
ルドルフ・シュタイナーが提唱した究極的な自然農法。
化学肥料や農薬は一切使用せず、月や星の天体の動きに合わせて畑作業を行うことで、生態系の持つ自然の力との調和を図る目的があります。
味わい
シュナンブランらしい花梨やレモン、そこに熟成感が加わると焼いて林檎、蜂蜜、ジンジャーなどのアロマが加わります。
また、抜栓から3、4日後もぜひ味わってみてください。
興味深いことに、味わいが廃れるどころかむしろ昇華しているはずです。
筆者含め多くのワイン愛好家が口を揃えて言うほど、あの瞬間の感動は忘れられません。
原産国 | フランス |
品種 | シュナンブラン |
3位 パヴィヨン・ブラン シャトー・マルゴー
シャトー・マルゴーが造る高級白ワイン、「パヴィヨン・ブラン」。
赤ワインの方でさえ生産量はそれほど多くない中、このパヴィヨン・ブランはなんとその1/5の生産量。
その希少性に加え、マルゴーらしい洗練されたエレガントさを兼ね備えたた味わいも人気の理由となっています。
味わい
ソーヴィニヨンブランを100%使用したワインではおそらく世界最高級の品。
品種特徴香の柑橘類のアロマに加え、パイナップル、アプリコットといったふくよかな果実味と上品な蜜感も感じられます。
上質な赤ワイン同様、数十年の熟成ポテンシャルがある濃密かつ旨味が緻密に詰まった高級白ワインです。
原産国 | フランス |
品種 | ソーヴィニヨンブラン |
2位 シャトーディケム
世界3大貴腐ワインの一つであるソーテルヌを代表するワインが「シャトーディケム」。
上質な貴腐ワインを造るには何よりブドウの選別が大事ですが、手摘み収穫となるため多大な労働力が必要となります。
一本のブドウ樹からグラス一杯程度しか造られないというその希少性に加え、選別に選別を重ねるわけですからシャトーディケムが高価な理由も納得です。
味わい
液面に鼻を近づけた瞬間香る、完熟した果物や濃密な蜂蜜、バニラの香りに誰もが口元を綻ばせるでしょう。
バニラクリームやシナモンのアロマに独特の貴腐香が交わり、高い酸味と甘味によって優美な余韻が演出されています。
比類なき甘美なこの一本はセラーでゆっくり寝かせ、大切な日に、大切な人と一緒にいただきたいですね。
原産国 | フランス |
品種 | セミヨン、ソーヴィニヨンブラン |
1位 メゾンルロワ ムルソー 1erCruペリエール
神の舌を持つマダム・ルロワが厳選し、熟成させてリリースされる「ムルソー 1erCruペリエール」。
今ではDRC社に価格も品質も肩を並べる高級ワインを輩出することで、多くのワイン愛好家の注目を寄せています。
他にもドメーヌ・ルロワやドメーヌ・ドーヴネも経営しており、特にドーヴネでは100万円はくだらない高級ワインをいくつも生み出しています。
味わい
ムルソーの中でも特に厚みがあり、ミネラル感豊かなワインを生む一級畑のペリエールらしい味わいに仕上がっています。
熟れたリンゴや白桃に、バニラやバターの濃密な樽香が厚みと複雑味を演出。
酸も十分あり、尚且つ質も綺麗なため味わいがぼやけずに余韻まで奥深い味わいが続きます。
原産国 | フランス |
品種 | シャルドネ |
高級スパークリングワイン5選
5位 ドン・ペリニヨン
高級シャンパーニュといえばまずはこれから試していただきたい一本が「ドン・ペリニヨン」。
シャンパーニュらしいきめ細かな泡立ちと熟成感を生み出す伝統的製法(シャンパーニュ製法)の祖とも言える一品。
特級畑と一級畑から採れたブドウを巧みにブレンドし、力強くも繊細な味わいを見事に体現しています。
味わい
8年以上もの熟成期間を経ていることで生まれる圧倒的な熟成感が魅力的。
アーモンドやナッツ、バニラを思わせる上品な香味に、ドライフルーツやスパイスの繊細な味わいが続きます。
ふくよかなボディにキリッと引き締まる酸、力強くもきめ細かな泡には、シャンパーニュの歴史を紡いできた故の貫禄が感じられます。
原産国 | フランス |
品種 | シャルドネ、ピノノワール |
4位 ルイナール ブラン・ド・ブラン
世界最古のシャンパーニュメゾンの代表銘柄が「ルイナール ブラン・ド・ブラン」。
シャンパーニュ地方屈指の銘醸地2ヶ所からとれたシャルドネのみを巧みにブレンドし、エレガントさと力強さを兼ねたワインに仕上がっています。
また、環境に配慮したメゾンとしても知られ、ボトルパッケージには2年以上もの歳月をかけて研究し生み出された「セカンドスキン」を採用。
天然木質繊維でできた100%リサイクル可能な素材となっており、CO2排出量も60%減に成功しながらも変わらず可愛らしいボトルとなっています。
味わい
白ブドウ100%のブラン・ド・ブランらしい、フレッシュな柑橘類に繊細でほのかなお花を思わせる香りが漂います。
バニラやアーモンド、スパイスなどが味わいに深みを与え、洗練された酸味ときめ細かな泡立ちは食事にも合わせやすい一本となっています。
原産国 | フランス |
品種 | シャルドネ |
3位 ベル・エポック
シャンパーニュの華と称されるほど、その鮮やかなボトルデザインが目を惹く「ベル・エポック」。
ラベルデザインは19世紀末から20世紀初頭にかけてパリで活躍したガラス工芸家エミール・ガレ氏によるもの。
グラン・クリュと呼ばれる最高級畑のブドウ100%で造られるゆえ、熟成ポテンシャルも非常に高い一本。
また、デザインの白いアネモネの花言葉は「真実」「期待」「希望」という意味があり、贈り物にもぴったりの絶品シャンパーニュです。
味わい
リンゴや柑橘類に、白いお花を思わせる優しくほのかな香りが印象的。
味わいはシャンパーニュらしいトースト、バニラ、蜂蜜の香ばしくもコクのある豊かな風味が広がります。
まさに「シャンパーニュの華」と呼ぶにふさわしいエレガントさ、優雅さに、フランスの美しき時代(ベル・エポック)が目に浮かびます。
原産国 | フランス |
品種 | シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノムニエ |
2位 ルイ・ロデレール クリスタル
ルイ・ロデレール社の最上級キュヴェがこちらの「クリスタル」。
透明色で鮮やかに輝き、見事に洗練されたボトルデザインはまさにクリスタルの名に相応しい一本。
また、ボトルが無色透明であることやボトル底が平らになっているなど面白い装飾も魅力の一つ。
これは1870年代にロシア皇帝アレクサンドル2世の要望によって造られた事が関係しています。
本来、遮光性の高い黒、茶、緑色のボトルが透明な理由は、皇帝暗殺のために毒薬を入れても透明な事で分かりやすいように。
ボトル底は本来澱が溜まりやすいように窪んでいますが、爆薬など何かしらの武器を仕込ませないように平らに設計したとされています。
味わい
優良年のみ造られるゆえの高いブドウの凝縮度と長期熟成による熟成感が非常にバランスの取れた一本。
フレッシュなリンゴや柑橘類のアロマに、余韻にはミネラル感まで感じられます。
繊細で引き締まった酸味の奥に優しく広がる蜜感や熟成由来の香ばしさは、上質なシャンパーニュに共通する要素となっています。
原産国 | フランス |
品種 | ピノノワール、シャルドネ |
1位 クリュッグ グランド・キュヴェ
ゴージャスかつ繊細な味わいがたまらない「クリュッグ」。
「シャンパーニュの帝王」として名高いクリュッグは、120種類以上ものワインをブレンドし、完璧なバランスとハーモニーを実現していることで有名です。
スタンダードキュベは出さず、いわゆるプレステージキュヴェと呼ばれるメゾンにおいて最も自信とこだわりのある商品のみをリリースしています。
そうして生み出された最高級品は、これまで多くのワイン評論家のみならず著名人も虜にし、数多くのクリュギストを生み出してきました。
クリュッグしか飲まないという愛好家のことを表す言葉。
著名人ではマリア・カラス、ココ・シャネル、ヘミングウェイ、エリザベス女王など。
味わい
熟度を感じるリンゴや洋梨に白桃、またドライフルーツのように少し枯れたニュアンスを持った果実味が感じられます。
シャンパーニュらしい複雑かつ香ばしいブリオッシュ、ジンジャーブレッド、蜂蜜、ヘーゼルナッツの香りが長く続きます。
丸みあるボディを支える力強くも引き締まった酸が、エレガントさと優美さを醸し出してくれています。
原産国 | フランス |
品種 | ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノムニエ |
人生で一度は飲んでみたいDRCワイン
DRCとは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの略。
ロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、モンラッシェなど世界最高峰のワインを数々輩出する醸造所です。
一時はドメーヌ・ルロワで知られるルロワ家と共同経営をするなどし、数々の困難もあったDRC社でした。
90年代からはビオディナミ農法に転換し、ブドウ樹の平均樹齢は50年以上とかなり古く、それゆえの低収量が凝縮度の高いブドウを生み出しています。
人生で一度は飲んでみたいDRCワイン、その中でも特に人気の高い3本をご紹介したいと思います。
DRC ロマネ・コンティ
ピノ・ノワール種の魅力全てを体現した妖艶でエレガントな味わいが最大の魅力です。
抜栓後から広がる薔薇を思わせる華やかで上品な芳香。
熟成によってトリュフ、枯れた薔薇、腐葉土、紅茶や複雑なスパイス香が何層にも広がります。
「ロマネ・コンティにはロマネ・コンティの香りがする」と言われるほど、その芳醇な香りに誰しも心掴まれるに違いありません。
原産国 | フランス |
品種 | ピノ・ノワール |
DRC ラ・ターシュ
マダム・ルロワも愛した男性的な味わいが魅力の「DRC ラ・ターシュ」。
ロマネ・コンティの5倍ほど広い畑は上部と下部で気温や土壌の質が変わりますが、それゆえ一貫したスタイルと品質に仕上げやすくなっています。
その為、世界中のワイン評論家もその安定感ある味わいとバランス感、ロマネ・コンティ以上の長期熟成ポテンシャルを高く評価しています。
ベリー、薔薇、枯葉、エキゾチックなスパイス香はロマネ・コンティと近しくも異なる魅力を感じられるでしょう。
原産国 | フランス |
品種 | ピノ・ノワール |
DRC モンラッシェ
DRC社が手がける唯一の白ワインが「DRC モンラッシェ」。
ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがるグラン・クリュ(特級畑)がモンラッシェ。
生産量がDRCの中で最も少ない年間3,000本とロマネ・コンティの半分程度。
お値段も100万円はくだらず、市場でもなかなか見かけることができない一本です。
原産国 | フランス |
品種 | シャルドネ |
【高級ワイン向け】おすすめ飲み方
うすはりのグラス

高級ワインに限らず、ワインを最大限に嗜むにはグラスのチョイスは欠かせません。
その中でも、筆者が1番こだわって欲しいなと考えるポイントが「うすはり」です。
グラスが薄いとワインの温度がすぐにグラス温度と馴染み、同温を比較的保ってくれるようになるためワインに合った適温で楽しむことができます。
さらに飲み口が薄い場合、唇とグラス接触時の違和感なくお酒本来の口当たりや香味をダイレクトに感じられやすいのも魅力の一つです。
実際に飲み比べていただくとその違いは明らかですので、ぜひ下記の記事を参考に「いいワインを飲む専用グラス」を検討してみてくださいね。
高級ワインペアリングの鉄則
価格帯に限らず、料理とワインのペアリングはお互いを引き立て合い、時には思いもよらない風味の調和を見せてくれます。
そこで今回は、難易度別に3つに分けてペアリングの鉄則をご紹介していきたいと思います。
【難易度1】鉄板組み合わせ

鉄板組み合わせこそ、手軽かつハズレないおすすめのペアリングと言えるでしょう。
例えば、ブルーチーズ×貴腐ワイン、牡蠣×シャンパーニュ、ステーキ×フルボディの赤ワイン、白身刺身とスッキリ白ワインなどがその代表。
こうした代表組み合わせは科学的根拠にも基づいているため、安心して出来るペアリングとなっています。
【難易度2】風味の調和

これを意識してペアリングを考えるのはプロでも難しい至難の技ですが、簡単な合わせ方だけ今回紹介したいと思います。
例えば、グラタンやホワイトシチューといったクリーム系の料理に合わせる場合、似た風味を持つ樽熟成の白ワインを合わせるとうまくいく可能性が高いです。
また、ジビエ系の料理にシラーが合うと言われているのも同じ理由で、両者に共通する野生味、スパイシーさといった風味が調和するからです。
【難易度3】産地を合わせる

これはいくらかの事前知識を要するため、レストランでもよく行われるペアリング方法となります。
例えば、ブルゴーニュの赤ワインにはブッフ・ブルギニョンという牛肉の赤ワイン煮込みが合うというのはソムリエなら常識ですが、なかなか一般人には難しいですよね。
こうした地元ワインと郷土料理のレパートリーはその国や地域の数だけ存在します。
興味がある方はぜひ、好きな産地のワインに合わせてその産地の郷土料理も一緒に調べてみてはいかがでしょうか。
高級ワインの注意ポイント!
保存方法

高級ワインに限らず、ワインの保管には十分な配慮が必要です。
そこで、これだけは避けてほしいというポイントを3つだけ挙げたいと思います。
もし自宅で中・長期的に保存する方やヴィンテージが古く高いワインを頂いてどう保存すればいいかお困りの方は、ぜひ下記の注意事項を参考にしてみてくださいね。
光と振動を避ける
光は自然の日光はもちろん、蛍光灯のような人工灯もNGです。
ワインは光に弱く、振動が多いと熟成反応が阻害され不快な風味の原因になります。
なるべくセラー内、もしくは押し入れや床下といった冷暗所への収納をおすすめします。
一定の温度と湿度で保つ
長期間の保管を目的としている場合、できるだけ10℃〜15℃間の一定の涼しい温度に保つ必要があります。
また、日常使いでは構いませんが長期保存となると冷蔵庫もおすすめできません。
湿度の低い乾燥下では、高級ワインのような天然コルクは硬くなって弾力が失われるので密閉性がなくなってしまう恐れがあります。
セラーがない方は、屋内では押し入れや床下が中・長期的には最適な場所と言えるでしょう。
また、短期的には冷蔵庫よりも温度と湿度が多少高めの野菜室の方がベターだと思われます。
抜栓とデカンティング

高級ワインの多くは、澱と言ってワイン中のポリフェノール類とタンパク質と極微量な酸素の働きで塊となった固形物が多く見られます。
また最近では無濾過によってなるべく澱を残すことで、なるべく人の手を加えず自然な形でワイン中の熟成反応を促す生産者も多くみられます。
また、デカンティングのもう一つの目的として、若いワインの香りを開く効果も期待できます。
なぜなら高級ワインのヴィンテージが若いものは香りが閉じており、渋みがきついものがほとんどだからです。
空気に触れさせる目的として、前もって抜栓だけしておく方法をよく見かけます。
この場合、瓶口と同程度のわずかな部分が空気に接触するだけのため実はあまり意味がありません。
科学的にも、抜栓後4時間あたりでようやく酸化反応が起き始めると証明されています。
まとめ
普段の生活では中々気軽にいただけない高級ワイン。
やはりその味わいは、デイリーワインとは一線を画すものばかりです。
プレゼントにはもちろん、ディナーやお祝いの場所で美味しい料理と一緒にぜひお召し上がりください。
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