バローロ、バルバレスコと並んで、「イタリアの三大赤ワイン銘柄」として讃えられるブルネッロ・ディ・モンタルチーノ!
今回は、そのブルネッロについて、魅力や飲み頃などを詳しく解説するととともに、オススメの造り手を厳選してご紹介いたします。
目次
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、イタリア中部トスカーナ州のブルネッロ・ディ・モンタルチーノ地区で生産される赤ワインです。
イタリアのワイン法で、最高のDOCGに格付けされています。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの条件
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを名乗るにはクリアしなければならない条件があります。
使用するブドウ品種
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、サンジョベーゼの変異種ブルネッロ(サンジョベーゼ・グロッソ)を100%使用することが義務付けられています。
ブドウ畑
ブドウ畑に関しては、標高250-600mでの栽培が条件です。
熟成期間
定められた熟成期間は最低でも4年で、その内2年は樽での熟成が義務付けられています。イタリアの高級ワイン「アマローネ」や「バルバレスコ」は2年であり、その倍もの熟成期間を経ないとリリースすることが出来ません。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの味わい
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、ベリー系果実の優雅なアロマに、力強く奥行きのある味わいが特徴です。
バローロやバルバレスコは渋みや酸が強烈ですが、ブルネッロはそれよりもエレガントな印象です。
長期熟成によりヴァニラやスパイスなど、複雑な香りが感じられるようになります。
まろやかさが増し、より繊細な果実味が非常に高貴で、優雅なワインに変化していきます。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ地区の特徴
気候・土壌
モンタルチーノ地区の気候は、ブドウ栽培に適した地中海性気候です。
ブドウ畑は標高250m以上の高い場所にあります。そのため、周辺地域が雨でもモンタルチーノ地区だけは、雨雲の上に出る時も多く、降雨量が少ないのが特徴です。
乾燥によりブドウは力強さとミネラル分を蓄えます。
また海からの涼しい風により、ブドウが過剰に完熟してしまうのを防いでおり、独特の気候条件が素晴らしい品質のブドウを生み出しているのです。
伝統派とモダン派の造り手
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの造り手は、伝統派とモダン派に分かれます。
伝統派の造り手
伝統的な造り手は、昔ながらの大樽を使用して古典的なブルネッロにある「純粋な味わい」を生かした製法を行います。
最も有名な造り手であるビオンディ・サンティも伝統派です。
モダン派な造り手
一方現代派は、バリック(小樽)を使用、樽香を効かせて味わいに深みを与えて、まろやかさを引き出す製法を行います。
一時期はモダン派が注目されていましたが、徐々に伝統的な手法に戻ってきています。
おすすめのブルネッロ・ディ・モンタルチーノ5選
マルケージ デ フレスコバルディ カステル・ジョコンド ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
フレスコバルディ カステルジョコンド ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
フレスコバルディは700年以上の伝統を持つトスカーナの名門ワイナリーです。
モンタルチーノ地区で最も古い偉大な畑である「カステル・ジョコンド」ブドウから造られています。
ブラックベリーやブルーベリー、スミレなどの妖艶なアロマに、スパイスやシガー、ジビエやなめし革など複雑なニュアンスも感じられます。
滑らかな口当たりに、パワフルな果実味がよく溶け込んでおり、エレガントな印象です。
チェルバイオーナ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
チェルバイオーナ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
チェルバイオーナは、各ワイン評価誌で常に高い評価を受けている優れた造り手です。
2007年のブルネッロはパーカーポイント97点を獲得しています。
ブドウ栽培に農薬は一切不使用、全て手摘みでの収穫です。
プラムやアメリカチェリー、バラの花びらなどの優雅なアロマに、スパイシーなニュアンスも感じられます。
口あたりはパワフルで、凝縮されたジューシーな果実と気品に溢れるタンニンとが見事に融合!
ミネラリーな余韻が続く、飲みごたえ抜群の仕上がりです!
リジーニ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
リジーニはブルネッロでの老舗として長い歴史を持つ造り手で、品質の高さには定評があります。
プラムやブラックチェリーなどのアロマに、カカオや杉の木を思わせる複雑な香りも感じます。
滑らかな口あたりで力強いジューシーな果実味が印象的です。
品の良い酸とシルキーなタンニンとも絶妙なバランスに仕上がっています。
テヌータ・カパルツォ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ リゼルヴァ
ブルネッロ ディ モンタルチーノ リゼルヴァ テヌータ カパルツォ
カパルツォは、いち早く単位畑からのブルネッロ造りを始めたワイナリーです。
最新鋭の醸造所を構えており、やや現代派寄りのブルネッロに仕上げています。
ラズベリーやワイルドベリーのエレガントなアロマに、ふくよかなボディで力強い口あたりが特徴的です。
ビーフのステーキや煮込み系料理と抜群に合います!
カーセ・バッセ・ソルデーラ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
カーゼ・バッセ/ブルネロ・ディ・モンタルチーノ・ソルデラ
故ソルデラ氏は、最も偉大なブルネッロの造り手として知られています。
特にブドウ栽培には力を入れており、ブドウそのもののピュアな味わいを大切にしたワインが造られます。
納得できる最高の品質に仕上がらない限り、リリースされません。
レッドベリー系果実やバラの花びら、ハーブなどのアロマに、プラムのコンポートを思わせる熟成感も感じられます。
ジューシーな果実味がこの上なく上品で、伸びやかな酸と溶け込んだタンニンとバランスも完璧です。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの当たり年
自分の好みのブルネッロ・ディ・モンタルチーノが見つかっても、ヴィンテージ選びに悩んでしまう方が多いのではないでしょうか….。
そこで、目安となるおすすめの当たり年をご紹介します。
その中でソムリエがオススメするヴィンテージは2010年、2004年、1997年です。
2010年
トスカーナのサンジョベーゼにとってのパーフェクトヴィンテージです。
全体的に涼しい気候の年だったため、結果として上品でエレガントさの際立つワインが産み出されました。
2004年
トスカーナ全体の優良年です。
極端に暑過ぎない夏の天候により、収穫時期を微妙に遅らせた事が功を奏し、ベストな状態のブドウからワインを造ることが出来ました。優しい果実味とエレガントなタンニンとのバランスが申し分ない仕上がりです。
1997年
ブドウの生育期から収穫時期まで晴天に恵まれた優良年で、ロバート・パーカー氏は1997年のトスカーナに95点という非常に高い点を付けています。
糖分がしっかりとのった果実の凝縮感溢れる仕上がりで、超長期熟成のポテンシャルを秘めています。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの飲み頃
ブルネッロは長期熟成型のワインです。
偉大な造り手のものは、100年の熟成にも耐え得るとまで言われています。
造り手により、目安は異なる
現代的な造りのブルネッロであれば、10年程度から飲み頃を迎えますが、もちろんそれ以上の熟成も可能です。
伝統的な造り手のブルネッロは15年程度から、秀逸な造り手のものは20〜30年程度で飲み頃を迎えます。
かなり長いように感じるかもしれませんが、ブルネッロの規定熟成期間は最低4年です。
要するに、4年間の熟成がないとブルネッロとしてリリース出来ません。
そのためオンライン通販などでも、飲み頃に入る、もしくはあと数年寝かせれば飲み頃を迎えるブルネッロが多く販売されています。
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