「ルーチェとはどんなワイン?」
「ルーチェを飲みたいけど、どうやって選べばいい?」
ルーチェはイタリアのトスカーナ地方にあり、スーパータスカンとして一躍その名を馳せたワイナリーです。
スーパータスカンは、法で定められた格付けにとらわれず、自由に美味しさを追求したワインです。
この記事では、そんなルーチェのワインにスポットをあて、その特徴や選び方とともに、3つのラインナップをご紹介します。
ぜひ、ワイン選びの参考にしてください。
ルーチェとは
ルーチェは1995年にイタリアのトスカーナで誕生したワイナリーです。
正式名称はルーチェ・デッラ・ヴィーテ。
トスカーナワインの代表的醸造家であるマルケージ・ディ・フレスコバルディ氏と、カリフォルニアワインの父こと、ロバート・モンダヴィ氏という20世紀を代表する2人のワイン醸造家によって設立されました。
サンジョヴェーゼとメルローの栽培に理想的な畑を所有
ルーチェの畑はモンタルチーノ地区の南西で、標高350~420mというモンタルチーノで最も標高の高い場所にあります。モンタルチーノはDOPブルネッロ・ディ・モンタルチーノで有名な産地。ルーチェはこの地で、古くからこの地域で栽培されているサンジョヴェーゼにボルドー品種のメルローをブレンドしたスーパータスカンを生み出したのです。
畑は上層と下層に分かれ、高い位置にある畑は砂質と石灰岩の混合した土壌。水捌けが良く有機成分が少ないことから、サンジョヴェーゼの栽培に理想的です。低い場所にある畑は粘土質が豊富で、メルローの栽培に適しています。
一年中日当たりが良く昼夜の寒暖の差が激しい気候は、ブドウがゆっくりと完熟するのに最適な条件。凝縮して力強く、アロマの複雑味が維持されたブドウができあがります。
最初のヴィンテージは1997年
ルーチェのファーストヴィンテージは、1997年にリリース。その革新的なワインはたちまち大きな反響を呼び、国内外の称賛を浴びました。
リリースから20年を経た現在でも、イタリアソムリエ協会や世界のワイン評論家から高い評価を受け、最高級ワインとしての地位に輝き続けています。
ルーチェとルチェンテの違い
「ルーチェ」と「ルチェンテ」は、イタリア・トスカーナ地方のルーチェ・デッラ・ヴィーテワイナリーから生産されるワインで、異なる特徴を持ちます。
ルーチェはフラッグシップワインで、サンジョヴェーゼとメルローを使用し、濃厚で複雑な味わいが特徴です。
長期樽熟成されるため、高価格帯で特別な場面に適しています。
一方、ルチェンテはセカンドワインで、同じブドウ品種を使用しながらも、フレッシュで若々しい味わい。
比較的短期間の樽熟成で、中価格帯のデイリーワインに適しています。
ルーチェのワインの特徴
ルーチェのワインはサンジョヴェーゼとメルローから造られています。
それぞれの栽培に最適な畑で、平均収穫率をあえて低く抑えることで、ブドウそのものの特徴を引き出すことに成功しています。
糖度、酸度、タンニンが熟成に達したときにブドウの房を手で摘み取り、醸造します。サンジョヴェーゼとメルローはそれぞれ熟成期間が異なるため、収穫も醸造も別々に行い、それぞれの発酵が完全に終わる11月末頃に統合されます。
ワインは24ヶ月間、フランス産のバリック樽で熟成されますが、その間、樽のひとつひとつがチェックされ、その中から特に秀でたワインだけが最終的にルーチェとして選ばれるわけです。その後は1年余り瓶熟成されたのち、リリースされる運びになります。
ルーチェの選び方
ここではルーチェの選び方について紹介していきます。
ルーチェを選ぶ際のポイントは以下の3つです。
・種類
・価格
・製造年
ではそれぞれ見ていきましょう。
ルーチェの種類で選ぶ
ルーチェの生産するラインナップは赤ワイン3点にグラッパ(蒸留酒)1点です。
赤ワインは「ルーチェ」、「ルチェンテ」、「ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」で、どれもフルボディ。このうち「ルチェンテ」は他の2点に比べて熟成期間が短く、価格も半分以下です。
初めて試す人は「ルチェンテ」を選ぶのがいいでしょう。
「ルーチェ」と「ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」は品種のブレンド比率が異なります。
「ルーチェ」はサンジョヴェーゼにメルローをブレンド、「ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」はサンジョヴェーゼ100%で造られています。
また蒸留酒が好きな方はグラッパを選んでみるのもおすすめですよ。
価格で選ぶ
ルーチェのワインは一番安いものが「ルチェンテ」で、ヴィンテージにより変動はあるものの5,000円前後になります。テーブルワインにするには高めですが、ルーチェを試しに飲む際にはこちらがおすすめです。
熟成期間の長い「ルーチェ」と「ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」は、20,000円前後で、どちらも高級ワインの部類に入るもの。特別な日の1本や来客用に向いています。
当たり年で選ぶ
ルーチェの2000年代のグッドヴィンテージは2008年、2010年です。
特に2010年は、この後紹介するどのラインナップでもおすすめです。
4種類のルーチェ
ここではルーチェの4種類をそれぞれ詳しく紹介していきます。
ぜひ自分の好みのルーチェを見つけてくださいね。
では早速見ていきましょう。
1.ルーチェ デッラ ヴィーテ
ルーチェのワインのラベルは、太陽とその周りを12の炎がかたどっているコロナのデザインです。ブドウの木を育て、ワインに命を与える光。この光によってモンタルチーノのサンジョヴェーゼとメルローが育まれ、ルーチェというワインが生み出されることを表しています。
サンジョヴェーゼとメルローを半々ずつブレンド。2014年は個性豊かで見事に調和のとれたワインに仕上がっています。
紫色を帯びた深いルビー色で、ブラックチェリーやプラム、ブラックベリーの香りから、カカオとコーヒーの上品なニュアンスが続きます。
洗練された上品なタンニンが、非常に滑らかな印象を与えています。驚くほど余韻が長く続き、心地よいスパイシーさを感じるフィニッシュへと導いてくれるでしょう。
希少価値の高い1本。特別な日のディナーに添えて、ご堪能ください。
香り | カシス、コーヒー豆 |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
コメント | グラスに注ぐと濃いガーネットの色合い。ブラックベリーのような濃い果実の香りが感じられ、味わいは非常に力強いです。ボルドーグラスで飲むのがおすすめです。 |
2.ルチェンテ
先にご紹介した「ルーチェ」のセカンドワインです。熟成期間を「ルーチェ」の半分に抑えることで、ブドウ本来のフレッシュで熟した味わいが楽しめるスタイルに仕上がっています。
メルロー75%とサンジョヴェーゼ25%をブレンド。イチゴやレッドチェリー、ブラックカラントなどの熟した果実のアロマに、複雑なニュアンスが重なります。凝縮した果実味で、濃厚な味わい。力強いタンニンとみごとに調和しています。
「ルーチェ」よりもずっと手ごろな価格でその本質を味わえるので、人気の高い1本です。
香り | ブルーベリー、キノコ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★★☆ |
渋み | ★★★★☆ |
コメント | こちらのワインは一般的なルーチェより価格がリーズナブルになっています。味わいはフレッシュで飲みやすく仕上がっているのでルーチェを初めて飲む方におすすめです。 |
3.ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
サンジョヴェーゼ100%のワインです。77haあるルーチェの畑の中で、5haのみがブルネッロ・ディ・モンタルチーノのDOPとして認められています。
「ルーチェ」が情熱的で官能的な味わいなのに対し、こちらは端正で洗練された印象があります。
深いガーネットレッドの色調で、甘いスミレやブルーベリー、黒スグリなどのエレガントで洗練された、深みのある香り。かすかなオーク由来のトースト香も感じられます。
味わいには、印象的な深みと重厚なストラクチャーによる、際立ったエレガントさが現れています。滑らかなタンニンが、長い余韻へと導くでしょう。
生産量は「ルーチェ」の4分の1という希少なワイン。この機会に、ぜひお試しください。
香り | ブラックベリー、スミレ |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
渋み | ★★★★★ |
コメント | こちらのワインはルーチェの中でも力強い一本です。サンジョヴェーゼ100%で作られその後、熟成をするため、細かいタンニンや複雑な香りを楽しむことが出来ます。 |
4.ルーチェ グラッパ
グラッパとは蒸留酒の一種で、主にイタリアでは食後に飲まれることが多いお酒です。
ルーチェのグラッパは、フルーティーな感覚とキリっとしたスパイシーさを兼ね備えたバランスの良い香りと味わいが魅力です。
グラッパについてより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
香り | マスカット、アーモンド |
酸味 | ★★★☆☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
コメント | こちらのグラッパはフルーティーな香りをお楽しみいただけます。アルコール度数が高いので、食後に食後酒として飲むのがおすすめです。 |
ルーチェの美味しい飲み方

ここではルーチェの美味しい飲み方について紹介します。
今回紹介するのは温度・グラス・飲み方のコツ・デキャンタです。
では解説していきます。
温度は16~20℃で保存しよう
赤ワインであるルーチェは基本的に16~20℃で保存しておきましょう。
一般的に赤ワインは常温での保存と言われていますが、日本の気候だと16~20℃で赤ワインを保存することで、コクに深みが出て美味しく飲むことができます。
また赤ワインの保存温度は13~20℃など幅広くとられていることが多いですが、理由はボディによって保存温度が変わるからです。
ルーチェはフルボディのワインなので、約16~20℃での保存が適しているということを覚えておきましょう。
しかし、細かい温度の調整はもちろんですが、16~20℃での保存は冷蔵庫だと冷えすぎてしまい、夏場だと常温での保存は難しいです。
そのためルーチェの保存には積極的にワインセラーを利用することをおすすめします。
ワインセラーを利用すればルーチェはもちろん、白ワインなどの他ワインも適切に保存できますよ。
家庭用のワインセラーについてはコチラを参考にしてみてください。
>>【ソムリエセレクト】おすすめワインセラー17選!家庭用にはコレ!
口の広いグラスがおすすめ
ルーチェを飲むときは口の広いグラスがおすすめです。
ルーチェはフルボディの赤ワインのため、芳醇でタンニンの深い香りが魅力的です。
ワイングラスの口が広いものを選ぶことで、ルーチェの魅力である香りを最大限引き出すことができます。
理由はワイングラスの口が広ければ広いほど香りを強く感じられるうえ、酸化スピードも速いため香りの変化を感じやすい傾向があるからです。
具体的にはブルゴーニュ型やボルドー型のグラスを使うことがおすすめですよ。
ただ万能型グラスでも美味しく飲むことができるため、1本しかワイングラスを選べない場合は、汎用性の高い万能型を用意しても良いでしょう。
ぜひ自分に合ったワイングラスを選んでみてください。
またワイングラスについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
>>【ソムリエ厳選】おすすめの人気ワイングラス15選!種類もご紹介
香りを楽しむために軽く回してみよう
ルーチェを飲むときは、軽く回すと香りを感じることができるためおすすめです。
ワインを回す行為は「スワリング」と呼ばれ、一般的に香りを楽しむために行われます。
スワリングをすることで、ルーチェの芳醇な香りやタンニンの深さを感じられるため、味わいだけではなく香りも楽しみましょう。
またスワリングをする際には、右利きの方であれば反時計回りにグラスを回すことが大切です。
グラスを内側方向へ回すことで、ワインがこぼれてしまっても自分側にワインがこぼれるため、周りに迷惑をかけません。
マナーを守りながら、赤ワインの香りをスワリングでぜひ楽しんでください。
デキャンタでさらに楽しむ
ルーチェを飲む際には、ぜひデキャンタを使ってみましょう。
デキャンタを使うことで、ルーチェをまろやかにしたり、渋みを取り除くことができます。
実際に赤ワインを飲んでも、デキャンタを使わなければ本来の味わいや香りが発揮されず、美味しくないと感じる場合もあります。
特に高級な赤ワインはデキャンタによって大きく味わいが異なるケースがあるので、価格の高い「ルーチェ」と「ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」を楽しむ際は、デキャンタを使うことがおすすめです。
しかしデキャンタという言葉を知っていても、使い方や選び方がわからない方も多いでしょう。
デキャンタについてより詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
>>デキャンタとは?使い方から、おすすめのデキャンタ10選をご紹介!
ルーチェと合うおすすめ料理

ここではルーチェと相性の良い料理について紹介していきます。
ぜひ今回紹介する料理の中から、自分だけのルーチェのマリアージュを見つけてくださいね。
では早速見ていきましょう。
・すき焼き
・ワインを加えてよく煮込んだシチュー
・鹿肉ステーキ赤ワインソース
・肉汁溢れる手作りハンバーガー
・マグロのレアカツ
・濃厚なソースのハンバーグステーキ
・トマトのミートパスタ
ルーチェはフルボディのワインのため、相性の良い料理はフルボディとマッチするものが多いです。
フルボディの赤ワインは濃い味付けの料理と相性が良いですよ。
理由はフルボディの赤ワイン自体の主張が強いため、料理も同じように主張の強いものだとうまくマッチするからです。
またルーチェはイタリアのワインのため、地中海系の料理と合わせて楽しめます。
具体的には濃い味付けのパスタと一緒に合わせてみることがおすすめです。
上記以外でも味付けや調理方法を工夫して、ルーチェと相性の良い料理を探してみてくださいね。
特別な日はルーチェを楽しもう!

ルーチェのワインをご紹介しました。
格付けワイン以上の高品質を実現したスーパータスカンで、イタリアワインの伝統と革新を融合した逸品です。
一度は味わってみたい3つの銘柄。記念日などの特別な日や、自分へのご褒美にふさわしい1本です。
ルーチェで特別な日をさらに良いものにしてみましょう。
その極上の味わいに、酔いしれてみませんか?
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